背景ワンドロ「海底都市」の解説です。恒例ですが、まず10分ほどかけて紙の上でレイアウトを練り、それを常に確認しながら作業しています。
①下塗り前半
大雑把にパースを意識しつつ、全体の大きな明暗を作っていきます。丸ブラシで雑に色をおいて、ぼかしの大きなブラシで馴染ませ、また丸ブラシで塗る、という感じです。
今回はダイナミックな構図にしたかったので、消失点を二つ画面内に入れて、そこへ向かう線を意識した構成にしています。
②下塗り後半
大まかな構図が決まったら、見せ場のシルエットを中心に情報量を増やしてバランスを確認します。水の中なのでほぼ単色の世界ですが、それだとつまらないので手前の建物のみちょっと色味を足しています。
描き込むときは、手前から奥への大きなグラデーションを意識して、見せ場以外でそのグラデーションを邪魔しないよう注意すると、見せ場がより引き立ちます。
③描き込み
下塗りができたら、主に見せ場中心に描き込んでいきます。描き込むポイントは「シルエットを明確にする」「情報量を増やす」の2点です。特に見せ場については、シルエットを複雑にすることでリアリティを出しつつ、奥の風景を霞ませるなどしてきちんと目立たせます。描き込んでいくとついつい画面が均一になりがちなので、たまに離れて見るなど、意識してトーンをコントロールします。
同様に遠景についても描き込みますが、海の中で霞んでいるので、屋根と窓を何となく描くぐらいにしておきます。また、このとき最初に意識した大きなグラデーションを邪魔しないようにします。
④仕上げ
全体に手が入ったら仕上げです。見せ場については窓枠や庇などの細部まで判るように描きます。ちょっと怖いので潜水艇だけは別レイヤーで描きました。きちんと写真資料にあたると迷わないで済みます。
色味に乏しい絵なので、ネオンなどで色味を増やします。ただし遠景ほど光も霞むので、遠くの窓明かりはあまり目立ち過ぎないように注意して置いていきます。
⑤エフェクト
レイアウトができてからここまで40分、合計50分ほど経過したので、あとはエフェクトを入れます。レベル補正レイヤーでコントラストを上げたり、オーバーレイで窓に光を足したりしています。
エフェクトを入れたらあとは残り時間で細部の情報量を上げます。と言っても今回はだいたいそれなりに描き込んでしまったので、見せ場中心にハイライトを足したぐらいです。最後に全体を確認して完成です。
お題の「海底都市」に対して真っ先に出てくるのはやはり『BIOSHOCK』ですが、今回はヨーロッパ風の街並みをそのまま沈めてみました。僕の好きな映画『ロスト・チルドレン』『デリカテッセン』や、クトゥルー系の新作ゲーム『The Sinking City』あたりも参考にしています。