自主ワンドロ「山門」の解説です。今回はとにかく山門が描きたい、という絵です。いつも通り紙の上にラフを描いてから、下塗り(①)、メインの描き込み(②)、全体のディティールアップ(③)、エフェクト(完成画像)という順で仕上げています。
①下塗り
まず下塗りで全体の構図や明暗のバランスを整えます。破れ寺っぽさを出したかったので、屋根や柱などのパースをランダムにしています。また、アウトライン(輪郭)だけで何が描いてあるか判るように、特徴を捉えたアウトラインにできると視認性が上がります。絵を見る人が「迷う部分」を減らすと、絵の印象を正確にコントロールできます。
明暗については、手前のものほどコントラストが高く、奥にいくほどコントラストが下がるというのが基本です。特に遠景の影の色を暗くしがちなので注意します。同時にアウトラインを明確にするために、前景がかぶる部分の描き込みを減らすなどします。
なお、この段階で瓦などの細部も大まかに描き込んでしまいました。このあたりはその時の気分で変えています。今回は山門が主役なので、下塗りの時点で印象を確かめたかった感じです。
②メインの描き込み
今回は遠景がほとんど霞んでしまうので、下描きが終わったら主役になる部分から描き込みました。山門の瓦などのハイライトを入れ、地面や壁の細部を描き足し、人物に薄く色を乗せています。色を足すときは、不透明度を40%程度にしたブラシで上から薄く乗せています。
最初はどこかに陽射しを描き込もうかと思いましたが、火を描いたら良い雰囲気になったので、陽射しを描くのは止めておきました。また、前景・中景・遠景にそれぞれ光を置くことができたので、視線誘導も分かりやすくなりました。
③全体のディテールアップ
メインの描き込みがだいたい終わったら、周辺の密度を上げていきます。といってもワンドロだと時間がないので、アウトラインに変化をもたせることで密度を上げることを意識します。今回はほぼ木を描き足すだけでしたが、これでもかなり雰囲気は出たと思います。
密度感を上げるために、例えば前景の木は奥の壁のアウトラインを突き抜ける形で描くと、密度感を簡単に上げられます。この「奥のオブジェクトのアウトラインを邪魔する」という意識が大事です。今回だと他に人物も、山門のアウトラインを邪魔しているので視線が行きやすくなっています。
ちなみにここまで全て1枚のレイヤーに描いています。
④完成
ある程度描き込んだところで開始から50分が過ぎたので、一旦エフェクトを入れます。今回は以下の調整を行っています。
・オーバーレイ(光を足す)
・ハードライト(画面左を明るく、右を暗く)
・レベル補正(コントラストなどの調整)
・色相・彩度(彩度を若干上げる)
エフェクトを入れたところで全体を見渡して、印象を確認し、加筆が必要なところに加筆します。今回は、人物と左右の木を中心に加筆しました。特にエッジが目立つところや、アウトラインをよく見せたいところを中心に加筆しています。
もう一度全体を確認して、問題なければ完成です。