前回記事: https://www.pixiv.net/fanbox/creator/4073735/post/114580
引き続き、「異形のいる風景2」表紙イラストのメイキングを解説していきます。着色は前回までで終了したので、今回は最後の色調補正やエフェクトです。
■エフェクト
まず新規レイヤーを2つ作成し、どちらもレイヤーモードを「ハードライト」に設定します。ハードライトは塗った色で霧がかかるような効果があり、暗い色で塗れば全体的に暗く、明るい色で塗れば明るくなります。
この「ハードライト」で画面全体の空気感を調整します。「影」レイヤーは画面端に濃い陰色をグラデーションでかけ、周辺を暗くして画面中央に視線が向くようにしました。逆に「光」レイヤーは部屋の奥や地面に光の色を置いて、光がにじむ効果を出しました。
次にレイヤーモード「オーバーレイ」の新規レイヤーを作成します(レイヤー名は「色」にしました)。「オーバーレイ」は塗った色の光を当てたようになる効果で、彩度が下がらないのが特徴です。
「オーバーレイ」では、主に目立たせたいところ、光らせたいところに光を入れます。緑の上から緑を乗せて生き生きとした色にしたり、植木鉢に光を乗せて丸みを強調したりします。また、人物の上からオレンジ色を乗せて、肌色の彩度を上げつつ微妙なムラを出したりもします。
これは僕の性格もあるのですが、レイヤー名は毎回入力するようにしています。こうした方が作業中に混乱しないというのもありますが、他にも、仕事でデータを渡した際に他の人が作業しやすいという理由もあります。この絵は趣味の絵なのでいちいちレイヤー名を入力する必要はないのですが、つい仕事の癖でやってしまいます。
■色調補正と最終確認
エフェクトを入れたら、新規色調補正レイヤーから「レベル補正」を作成します。これで画面全体のコントラストなどを調整します。コントラストは強めにしすぎても画面がクドくなりますし、せっかくの手書き風の味が損なわれるので、あまり強くかけすぎないようにしています。
また、ディスプレイの設定に印刷向けのものを予め用意しておいて(過去の印刷で出た色と近い画面になるように設定したモードです)、その画面でチェックしてもきちんと見栄えがするように調整します。特に僕の使用している印刷会社では黒色が潰れやすいので、そのあたりを注意します。
また、今回は全体の色味が地味なので、最後に新規色調補正レイヤーから「色相・彩度」を作成して、彩度を少し上げています。
色調補正が終わったら、遠くから見るなどして最終確認をします。できれば一晩置いてからチェックしたほうが確実です。特にハイライトが一部目立ちすぎたり、逆に描き込みが足りないと思える所があることが多いので、適宜修正します。問題なければこれで完成とします。
■PSDファイル
最後にPSDファイルを公開します。公開先の記事は以下になります。
https://www.pixiv.net/fanbox/creator/4073735/post/119262
メイキングでも触れましたが、PSDファイルは下塗りと仕上げを別レイヤにしたので、レイヤーのON/OFFで描き込みの過程が分かるようになっています。普段はこれを1枚のレイヤーでやっているので、あくまでメイキング用に分かりやすくするためということはご了承下さい。参考になれば嬉しいです。
新刊「異形のいる風景2」は以下のイベントで頒布予定です。
・8/12(日) コミックマーケット94(3日目) 西1ホール れ-18a
・8/19(日) COMITIA125 東3ホール ま36a
通販など詳細は → https://www.pixiv.net/fanbox/creator/4073735/post/112418