自主ワンドロ「どこかの路地裏」の解説です。今回は吉祥寺のハモニカ横丁にある風景をモデルにしています。制作としては、いつも通り紙の上にラフを描いてから、下塗り(①②③)、遠景から着色(④)、仕上げの描き込み(⑤)、エフェクト(完成画像)という順で仕上げています。 下塗りについてちょっと細かく解説してみます。紙に描いたラフと、写真なども確認しつつ、最初の15分ぐらいで③ぐらいまでゴリゴリと描くことを「下塗り」と言っています。 下塗りはアタリを取りつつ色を決めるのが目的です。最初は影の色で大きな明暗を置き、次に特徴的な色を置いて、おおよその絵の印象を固めます。実際のところ、この下塗りが一番大事だと思っています。 特に②程度に色を置いてから、一旦色を馴染ませることで空気感を出すのが好きです。具体的には、ぼかしの大きなブラシ(不透明度40%程度)で「色をスポイト→塗る」を繰り返して、③のようにしています。エッジ部分はあまりぼかさず、面の部分、強い光や影のあるあたりを馴染ませるのがコツです。具体的には②と③を見比べてみてください。 下塗りが出来たら後は細部を描き込んでいくだけです。すでに色と形はほぼ決まっているので、完全に単純作業になります。ワンドロだと下塗りまで20~25分程度なので、あと30分近くは余裕を持って描き込めます。 描き込むときは特に見せ場を意識しながら描き込みます。ワンドロ以外でも、見せ場以外が目立ってしまうと絵の印象が散漫になるので注意が必要です。見せ場をどこにするかについては色々な考え方がありますし、好みの問題もありますが、主にコントラストが強いところが見せ場になりやすいです。今回の絵ではお店のひさし、テーブル、地面のタイル、あと人物などですね。 今回は計45分ぐらいでエフェクトを入れる前まで描けてしまったので、調子に乗って人物を描き入れてみました。簡単に描けるように棒立ちでシンプルなシルエットですが…。 エフェクトは、コントラストを調整したり光を足したりする程度で、あまり強く調整することはありません。今回は、左からの自然光を青白く、右の電灯っぽい光源を黄色にして、そのグラデーションを強調することで絵にリズムが生まれるようにしています。あとは人物の背後を明るくして、人物のシルエットを分かりやすくもしてみました。 最後にレイヤーの構成も載せてみたので、参考にしていただければ嬉しいです。