COMITIA124新作の同人誌「BOOKTALES」は、本を読んだときに没頭して、まるで物語の世界に入り込んでいるかのような、そんな気持ちをそのまま絵本にしています。
絵本と言ってしまうと子供向けと思われるかもしれませんが、僕自身は、素晴らしい絵本は子供でも大人でも楽しめるものだと考えています。何より絵本や児童文学の語り口がとても好きなのですが、共感していただける方がなかなか増えないのがもどかしいところです。
この記事では、「BOOKTALES」を描くにあたって参考にしたり、これを連想してほしいなと思うような作品を、いくつか紹介してみました。どれも大人でも楽しめる作品ですので、未読の方も、これを期に手にとっていただけたら嬉しいです。
■「はてしない物語」ミヒャエル・エンデ著
言わずと知れた児童文学の巨匠による名作。主人公バスチアンが本の中に入ってしまうという設定や、本文そのままの装丁は、子供の頃にかなり興奮した人も多いのではないでしょうか。
この作品に登場する巨大な亀モーラや、同じくエンデ作の「モモ」に登場する亀のアルキメデスが子供の頃から大好きでした。そんなエンデ作品に敬意を表して、「BOOKTALES」にもちょっとだけ亀を登場させてみました。
■「ハリス・バーディックの謎」C・V・オールズバーグ著
映画化もされた「ジュマンジ」の著者による、オムニバス風の変則的な絵本。謎の人物ハリス・バーディックが残した14枚の絵と簡単な解説をまとめたという体で、単純な短編集ではなく、それぞれの絵につくはずの物語は読者の想像に任されています。
「BOOKTALES」では主人公の少年少女が様々な本の世界を旅するのがテーマなので雰囲気は異なるのですが、もともとはこの「ハリス・バーディックの謎」の発想がベースになっています。
■「不思議の国のアリス」ルイス・キャロル著
世界的に有名な児童文学。あまりに奇妙な世界観と詩的な表現の組み合わせが強烈で、そのモチーフはつい引用したくなります。それだけでなく、物語が成立する背景も面白くて、作者であるルイス・キャロルや、主人公のモデルになったアリス・リデルまでもがこの作品の魅力の一つだと言えます。
「BOOKTALES」でも何か言及したいと思い、ルイス・キャロルの肖像画を冒頭で飾ってみました。
■「エルマーと16ぴきのりゅう」ルース・スタイルス・ガネット著
少年エルマーと竜のボリスの冒険を描いた児童文学シリーズの完結編。多くの児童文学ファンと同じく、僕もこのシリーズが竜を好きになったきっかけでした。
竜と言うとまずこのシリーズを連想しますし、「BOOKTALES」にも(色は違いますが)竜を登場させています。そもそも絵の構図自体が、「エルマー~」のとあるシーンをモチーフにしているのですが、分かるでしょうか?
■「アンデルセン コレクション」リスヴェート・ツヴェルガー絵
有名なアンデルセンによるおとぎ話数編に、独自の挿絵を加えた絵本。ツヴェルガーの絵本は、独特のデフォルメしすぎない造形と水彩画のタッチ、そしてシンプルさを極めながらも可愛らしいデザインが魅力です。
彼女の挿絵作品としては「オズの魔法使い」「不思議の国のアリス」なども素晴らしいのですが、個人的にはこの短編集が、色使いやデザインなどのバランス的に気に入っています。
「BOOKTALES」では、絵自体よりは本のデザイン部分について、このツヴェルガーの絵本をかなり参考にしています。PC上で見ると密度が低くて心配だったのですが、実物の本を見るととても適度なバランスに仕上がっていて安心しました。