「夜を蹴散らせ VER.M」 挿絵 sfry@あぶそーぶろぐ様
吸血宇宙人 ドラキュラス 登場
ペンションが立ち並ぶ避暑地で、若い女性のみが行方不明になる事件が発生した。
調査に乗り出したMATは、怪電波が避暑地全体で確認されていることを突き止める。
併せて数ヶ月前に亡くなったはずの女性の目撃情報も入ってきていた。
これらの関係性を疑った岸田隊員とウルトラミレーヌの人間体である卯月メイ隊員は、女性の身元確認にあたるのだった。
結果として亡くなっていた女性は、火葬を拒んだ父親が防腐処理を施して自宅に保管していた。
しかし、棺を開けてみると中身はもぬけのからとなっていた。
驚く岸田隊員。その時メイ隊員の背後に棺の中にいたはずの女性が現れる。
メイ隊員を連れ去る女性。その正体を探るため、メイ隊員は抵抗せずに身を任せるのだった。
メイ隊員が連れ去られた山中には巨大な宇宙船が隠してあった。
女性の姿を捨て、正体を表す吸血宇宙人・ドラキュラス。
彼はメイ隊員の正体にも気付いていた。
「よく来たな…ウルトラミレーヌ。」
「ドラキュラス!若い女性をさらって、何が目的なの?」
「ふふふ…若い女性がいなくなれば人類は子孫を残せず滅亡する…そのあとにこの星をいただくのだ!
お前も私と同じ宇宙人なのに、なぜ地球人の味方をするのだ!」
問いかけるドラキュラスにメイ隊員は激昂した。
「黙りなさい!そんなことをする権利はだれにもないわ!」
「わかり合うことはできない様だな…それならば!」
ドラキュラスは宇宙船を突き破り巨大化する。
それを見たメイ隊員も、ウルトラミレーヌへと変身した。
「ふふふ…ついてこれるかな?」
挑発する様に夜空を駆けるドラキュラス。
ミレーヌも空へと飛翔し、ドラキュラスを追いかける。
「待ちなさい!」
空中で反転し合いながらぶつかり合う両者。
時には光線を撃ち合い、時には体をぶつけ合い、激しい空中戦を繰り広げる。
しかし、攻撃の手数ではミレーヌに利があった。
「空中では互角…それなら!」
ミレーヌは頭のティアラに手を伸ばし、ドラキュラスとの交錯時に羽を切りつけた。
「グギャアァァァ!」
断末魔を上げながら地上へと落下するドラキュラス。
なんとか不時着するものの、立ち上がれずうずくまってしまう。
そばへ降り立ったミレーヌは、ゆっくりと距離を詰める。
次の瞬間、ドラキュラスは振り向きざまにガス攻撃をミレーヌへ浴びせかけた。
「きゃあっ!けほっけほっ…これは…」
ガスを吸ってしまったミレーヌは膝をついてしまう。
ガスには弛緩性の毒が含まれており、ミレーヌの体の自由を奪っていった。
「はぁはぁ…いけない…このままじゃ…」
勝ち誇ったようにミレーヌの背後に立つドラキュラス。
後ろ手に拘束しながら、吟味するようにミレーヌの美しい肉体を撫でまわした。
「くっ!何をするの・・・離して!」
ミレーヌも語気を強めるものの、抵抗できない体ではむなしく響くだけであった。
やがてドラキュラスはミレーヌの肩に狙いを定め、その牙を突き立てた。
「きゃあっ!や・・・やめて・・・」
ミレーヌの柔肌にだんだんと牙が沈み込んでいく。
不思議と痛みを感じなかったミレーヌだが、相手の狙いが読めず不安に表情をゆがめていた。
ドクンッ!
不意に意識が遠のき、虚脱感に襲われるミレーヌ。
「はぁん・・・(いったいなにをされているの?)ち、力が抜けていく・・・」
ミレーヌの疑問に答えを示すかのように、胸のカラータイマーが点滅を始める。
ピコンピコンピコン・・・
「まさか・・・血の代わりに私のエネルギーを・・・ん・・・ぁ・・・」
エネルギーの急激な低下を表すように、本来隠れているはずの乳首も露出してしまっていた。
「そんな・・・私のエネルギーが吸われてしまうなんて・・・」
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エネルギーの低下に危機感を覚えたミレーヌはなんとか脱出を試みる。
しかし、ドラキュラスも捕らえた獲物を離すまい、と腕でしっかりとミレーヌを拘束した。
「あぁ・・・ん・・・もう・・・だめぇ・・・」
ついに無抵抗な状態になり、ドラキュラスに体を預けるミレーヌ。
勝利を確信したドラキュラスは、ミレーヌを突き飛ばして勝ち誇ったように咆哮した。
「グギャァァアアア!!」
ミレーヌは地面に付したまま、ピクリとも動かない。
ピコーン・ピコーン・ピコーン・・・
かすかなカラータイマーの点滅音だけが、彼女の周りに響いていた。
しかしこれはミレーヌの作戦であった。
ドラキュラスに勝ったと油断させ、横目でチャンスをうかがっていたのだ。
案の定、詰めの甘さを見せたドラキュラスを尻目に体勢を整えるミレーヌ。
ティアラに手を伸ばすと、頭上に高く掲げる。
「ティアラスパーク!」
ティアラがまばゆく輝き、昼と見まごう明るさが周囲を包んだ。
ティアラの内部に保存している太陽エネルギーを放出する、ドラキュラスには効果抜群の技であった。
「ギャアアアアア!」
急な光にドラキュラスは視界を奪われのたうち回る。
ミレーヌもわずかばかりながら太陽エネルギーを補充し、ドラキュラスに対峙する。
「(今のエネルギーでは大技は使えない・・・ならば!)ティアラクロス!」
手元のティアラを十字型の槍に変形させると、ドラキュラスの胸に投げつけるミレーヌ。
寸分たがわぬ中心に槍が突き刺さり、ドラキュラスは断末魔をあげてその場に崩れ落ちた。
「はぁ・・・はぁ・・・あぶなかった・・・」
なんとか変身を解除し、岸田隊員のもとに戻るメイ隊員。
ドラキュラスに乗り移られていた女性の死体も戻り、避暑地は静寂を取り戻していた・・・
終
ガチピン@ご支援感謝
2020-06-22 21:54:04 +0000 UTC551
2020-06-22 17:39:47 +0000 UTC