『悪魔のフィギュア』(下-3)
Added 2021-08-17 09:11:23 +0000 UTC宮本琢磨(26) 喜多川良哉(26) (※はじめに) 下巻の内容が当初の予定よりも長くなっているため、「下-1」「下-2」「下-3」と分冊にさせていただきました。 ============ * 深夜の2時を過ぎていた。俺は奴隷の車を運転して真っ暗闇な田舎道を飛ばし、自分のアパートに帰った。リビングの全身鏡の前に立ち、改めて自分の姿を見つめた。数時間ぶりの人間の身体が、とても懐かしいものに感じられる。 俺は、自分の顔つきが以前より凛々しくなっているのに気づいた。内面の変化は、外面にまで大きな変化を与えるようだ。目鼻立ちがくっきりとし、顔の輪郭は引き締まり、口元には雄の色気を含んだ自信たっぷりの笑みが滲んでいる。 むろん、人間に戻ったと言っても、俺は相変わらず常人離れした巨躯を誇っていた。2メートルを軽く越えるだろう身長に、分厚く隆々と盛り上がった筋肉の鎧は、有無を言わせぬ威圧感を放っていた。チンポは臍を越える高さにまで反り返り、ドクドクと真っ黒い先走りを滴らせている。胸の真ん中の真紅のガラス玉のような塊は、人間の状態でも相変わらず存在していた。ただ、悪魔の時のような光は放っておらず、黒っぽく濁った暗色に沈んでいる。 双眸は赤く輝き、髪の毛や体毛は美しい銀色に染まり、皮膚は日焼けしたような浅黒い色に染まっていた。鼻の下や顎のラインにはチクチクと無精髭が伸び、胸や腹や背中にまで濃く短い体毛が生え揃っていた。腋毛や陰毛はよりいっそう濃い茂みを成し、雄臭いガタイを際立てている。浅黒い肌に、美しい銀色の体毛がよく映えていた。 「アー、スッゲ、マジでスッゲェ……。たまんねェなァ」俺は鏡に映った自分の姿を舐めるように見つめ、素晴らしい気分に浸った。皮膚にこびりついた血液や臓物の破片の臭いが鼻を突く度、トンネルで男どもを殺しまくった時の感触と映像がよみがえった。あれは夢ではなく、まさしく俺自身がやったことなのだという生々しい実感に、背筋がゾクゾクッとするような快感が走る。 面白いことに、人間の身体の状態では、人間としての感覚や感情が戻ってくるようだった。悪魔に変身している時は、男どもを殺して犯して喰いまくったことが「ごく自然なこと」に感じられるようになっていた。それが、今では「尋常でないこと」に感じられている……。 人間としての感覚や感情が戻ってくるとは言っても、道徳観や倫理観といったものは抜け落ちていた。俺は悪魔に進化した時の恍惚とした感覚を思い出しながら、ガチガチに硬く反り返ったチンポを握った。俺は社会の道から外れ、とんでもない怪物になってしまったのだ――そんな背徳感は、俺のドス黒い欲望をますます刺激した。 「夢じゃ、ねェんだ……ッ! ああッ、俺、カッケェッ、カッケェッ、カッケェッ、カッケェッ、」そう叫ぶと同時に、俺は赤黒いチンポの先から勢いよくドス黒い精液を噴き上げた。「良哉ッ! 良哉ッ! 良哉ッ! 良哉ッ! お前もッ、早くッ、俺と『同じ』にしてやるからな……ッ!」 ドシュッ!! ドシュウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウッ!!!! 何度も何度も何度も何度も射精しながら、俺は人間だった頃の自分が良哉に抱いていた恋心と羨望を思い出していた。 * 新型コロナウイルスの混乱によって居酒屋経営が頓挫した後、良哉はパーソナルジムの個人経営を始めた。良哉の実家はそこそこ裕福なことで有名で、起業するための金は親から助けてもらったそうだ。親に頼ることができず、自分の力だけで借金返済を負っている俺とは大違いだった。 良哉に対する恋心の裏には、良哉の恵まれた身分に対する羨望も潜んでいた。だが、そうした感情は、遠くの昔の懐かしいものに感じられた。悪魔の力を手に入れてから、俺の心境には大きな変化が現れていた。昔は俺が良哉に恋心と羨望を抱く側だったが、今は違う。 俺の方が、良哉から恋心と羨望を抱かれる側になったのだから。 俺が、甘ったれた生活を送っている良哉を、俺と同じ一人前の悪魔に「育て直してやる」――。 良哉は、自身の住む戸建ての一室をパーソナルジムに改造して経営していた。一人暮らしの割に、立派な戸建てを持っているものだ。俺は深夜の3時頃に良哉の自宅に到着し、正々堂々と玄関のインターホンを押した。眠っているのか、無視されているのか、良哉は出なかった。家の前に良哉の車が停まっているから、家の中にいるのは確実だろう。 「あ~、面倒臭ェな」俺はボソッと呟き、良哉が眠っているだろう一階の寝室の窓を素手で殴りつけた。良哉の家は何度も訪れたことがあったため、間取りはひと通り把握していた。ガシャンッ! という派手な音とともにガラス片が飛び散ったが、俺は傷ひとつ負わなかった。人間の姿に戻ったと言っても、俺の身体は普通の人間より遥かに頑健なつくりに変わっていたようだ。 「わッ、あッ、うわぁッ、」良哉は、窓ガラスの破れた音にベッドから転がり落ちた。夜目が発達しているのか、俺は真っ暗闇な中でも良哉の驚愕した表情をはっきりと視認できた。良哉は灰色のタンクトップに黒のボクサーパンツだけを纏っていた。 「なッ、んだッ、誰だッ、おいッ、」良哉は寝室のクローゼットの前で腰を抜かしながら声を張り上げた。「けッ、けいさつ、警察呼ぶからなッ、」良哉は俺の足元にスマホが落ちていることを覚ると、もう駄目だと言わんばかりの絶望した表情を浮かべた。 「ハッ、良哉、お前ビビり過ぎだろ? せっかく身体鍛えてんのに、それじゃ意味なくねェーか?」俺はそう言って冷笑を浮かべ、良哉のタンクトップの胸元を掴んで持ち上げ、互いの鼻先が触れそうな距離にまで顔を近づけた。「よう良哉、久しぶりだな。お前に会うために、わざわざ来てやったんだぜ? 歓迎してくれよな」 「えッ、琢磨? 琢磨、なのか……?」良哉は困惑した声を上げた。ピンと来なくても無理はない、俺は声と顔立ち以外別人のような変貌を遂げていたのだから。「ああ、俺だよ」と俺は答えた。 「俺の身体、もっとちゃんと見てくれよ。スッゲェだろ? たった一晩でお前より遥かにデカくなっちまった……」俺はニイッと笑みを浮かべた。既に俺のチンポはビュクビュクと小刻みに先走りを放っていた。常人離れした逞しいチンポはバキバキに勃起して太い血管が浮かび上がり、獲物を今か今かと求めている。 「どうやらな、人間だった頃の俺はお前のことが好きで仕方なかったみてェーなんだ」と俺は言い、良哉の胸元を持ち上げたまま良哉の口の中に強引に舌を這わせた。「んッ、ふッ、……んッ、」良哉は眉を潜めて苦しげな息を洩らした。良哉の嫌がる舌を執拗に追うように舌を絡める。 「んーッ! んーッ! んーッ!」と良哉が足をバタバタさせるのを見て、良哉の首元が締めあげられていたことに気づいた。「ああ、すまねェな」と笑って手を離すと、良哉は膝から床に崩れ落ちてゲホゲホと激しく咳き込んだ。 「お前ッ、マジでッ、なんッ、何なんだ……ッ!」良哉は目を潤ませて咳き込みながら俺を見上げながら言った。「ほ、ほんとにお前、た、く、琢磨、琢磨なのかよ、なあ……ッ!」 「ああ、俺だぜ? 琢磨だぜ? まだ現実が受け止められねェのか?」俺はそう言って良哉の腕を掴み、破片の散ったベッドに良哉の身体を放り投げた。ぎゃッ、という短い悲鳴。俺はベッドにうつ伏せで呻いている良哉の上に跨り、タンクトップとボクサーパンツを紙を裂くように簡単に破り捨てた。「お前のことも、ちゃんと気持ち良くさせてやるからな?」と背後から囁いてから、良哉の肩にぐっと犬歯を突き立てた。 「うッ、ぐッ、」良哉は悲鳴を上げた。肩に食い込ませた犬歯の先から、悪魔の体液の濃縮された真っ黒い液体を注ぎ込む。俺は起き上がって良哉の背中を見下ろした。肩の歯形がくっきりと残ったまわりから、蝶の羽のような黒っぽい模様が浮かび上がる。良哉はさっきまでの勢いを失い、全身の力が抜けたようにぐったりとしていた。 俺がふたたび背中に触れると、ビクンッ、と良哉は全身を震わせた。俺はふっと鼻で笑い、背中側から手を回して乳首を弄ってやった。「はッ、あッ、アアッ、はァッ、」と良哉は腰をビクビクと動かしながらシーツを握った。 「やッ、めろッ、やめろッ、おッ、琢磨ッ、俺にッ、何したッ、」と叫びながらも、良哉は感じている様子だった。良哉のケツの穴をぐちゅぐちゅと指先で弄ってやると、良哉はすぐにイッてしまった。 「おいおい、お前、感じ過ぎじゃね? ここ、もしかして初めてじゃないとか……?」と俺が笑うと、「うるッ、せッ、えッ、」と良哉は叫びながらまたイッた。俺は良哉の体勢を仰向けに変え、良哉の両足を持ち上げる。自らのバッキバキに勃起した逞しいチンポを近づけ、良哉のアナルの奥まで一気に挿入する。俺はそのまま良哉の腰を突き上げた。 「うッ、ぐッ、あああああああああああああああああああッ、」ミチッ、ミチミチッ、ギッ、ギギッ――良哉のアナルは血を滴らせながら、何とか俺のイチモツを最後まで抱えた。ボコンッ、と良哉の腹に俺のチンポの膨らみが現れるのを見て、俺は良哉を手に入れたような最高の気分になった。 ドシュウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウッッッッ!!!! ドシュウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウッッッッ!!!! 俺は、俺自身のために、そして良哉のために、ドス黒い精液を良哉の腹に打ち込み続けた。俺の腹の底からは無尽蔵にエネルギーが沸き起こった。良哉の腹の中を掻き混ぜるように激しく腰を振りながら、足先から頭の天辺に向かって絶え間なく快感が駆け抜ける。 「お願いだッ、琢磨ッ、やめてくれッ、お前、どうしちまったんだよッ、本当に俺が知ってる琢磨なのか? なァッ!!」良哉は涙を流しながら叫び声を上げた。俺は良哉の苦しそうな表情にゾクゾクした。 俺の感情の昂ぶりに反応するように、暗く沈んでいた胸の真ん中のガラス玉が真紅の光を放ち始めた。目の奥でちかちかと真紅の光が閃き、同時に、頭の中に靄がかったようにぼんやりした。すると、走馬灯のように過去の記憶が脳裏を過ぎった。何なんだ、これは? と思っていると、過去の記憶が次々と別のイメージで新たに塗り替えられていくのが分かった。 まるで悪魔として相応しい自分へと頭の中から改造されているような気分だった。自分が良哉のことが好きだったという記憶が薄れたかと思えば、良哉こそが俺に対して恋心を抱いていたのだという新たなイメージが刷り込まれるのを感じた。 ――そうだ、俺が良哉みたいな格下に恋心を抱くはずがない! ――俺はずっと昔から良哉を圧倒する格上の存在だったのだ! その瞬間、俺の中で何かの箍が外れるのを感じた。 「ああ、俺は、お前のよく知ってる琢磨だぜ?」俺は腰を動かすのをやめ、泣き叫ぶ良哉の耳元で囁いた。そして良哉のアナルからチンポを引き抜き、粉々に割れた窓ガラスの前に立った。「なあ、良哉、お前、俺みたいな逞しい雄になりたいって言ってたよな?」 「は? え? 琢磨、お前、何言って――」という良哉の言葉を遮って、「アアモッ、我慢できねえェッ! 本来の俺の力を見せてやるッ、ぜェッ、」と俺は叫んだ。 ただでさえ分厚過ぎる胸筋はズッシリと更に迫り出し、首から肩に盛り上がっていた山なりの筋肉は更に盛り上がり、ぶッ太い腕は俺が食い荒らしたクソガキの腰回りほどの厚みに達し、ボコボコに割れたシックスパックはもはや甲羅を思わせる質感を持ち、太腿や脹脛もまた筋肉と筋肉がせめぎ合うように更なる盛り上がりを見せ、規格外の長さと太さを持っていたチンポはもはや異形と呼ぶべき巨根へと成長した。 ぐっと額が重く圧迫されるような感覚の後、俺の額の真ん中には一筋の切れ目が生じ、そこから赤々と輝く第三の悪魔の目が開いた。中途半端に生えていた二本の真っ黒い角は、山羊の角そっくりな弧を描きながら長さと太さを増して完成された。肩甲骨の下の辺りからは無数のトゲの生えた禍々しい真っ黒い翼が生え出した。 尾てい骨の辺りの皮膚を食い破り、硬い鱗に覆われた尻尾がズルンッと生え出した。尻尾の先端は鋭く尖り、鱗と鱗の隙間には血が流れているかのような赤色に染まっていた。ビキッ、ビキッと肩や腕の外側の一部からは凶器さながら太く短い角が生え揃い、下半身はゴツゴツとした硬質な鱗に覆われていった。立派過ぎるイチモツには細かなトゲがびっしりと生え揃い、拷問道具のような凶暴なフォルムに仕上がった。 「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア止まんねエエエエエエエエエエェェェェェェッッッッ!!!!」 ぎゅうっと睾丸を引っ張られるような感覚の後、人外の長さと太さを誇るトゲに覆われたチンポからドス黒い粘着質な精液を噴き上がた。ドシュッ!! ドシュッシュッ!! ドシュウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウゥゥゥゥゥゥゥゥゥッッッッ!!!! 射精の凄まじい勢いに、チンポの竿がビリビリと震えるほどだった。 「ヒッ、ィッ、」良哉は魔人と化した俺を見て、何度も転びながら走り出した。「おい、逃げてんじゃねェぞ」と俺は言い、良哉の太腿に尻尾の先端を突き刺した。良哉は「ィッ、テェ、イテェイテェイテェッ、」と悲鳴を上げ、フローリングの床に崩れた。 「なあッ、お前、琢磨ッ、なんだろッ! お前ッ、マジでどうしちまったんだよッ!」良哉がどれだけ必死に尻尾の先端を引き抜こうとしても、ビクともしない。「良哉、お前はずっと俺に憧れてたんだろ? 喜べ、お前は、これから俺と『同じ』になるんだよ」俺は良哉に語り掛け、尻尾の先端から悪魔のドス黒い体液を注ぎ続けた。 「琢磨ッ、お願いだッ、頼むッ、やめてくれ……ッ! 元のお前に戻ってくれ……ッ!」と良哉は叫び、激痛に耐えるように身を捩った。尻尾の先端の突き刺さったところには青い毛細血管が浮かび上がっていた。俺が尾てい骨の尻尾の根元から先端へと悪魔のエキスを送り込む度、良哉はブルブルと全身を震わせた。 良哉はガラス片の飛び散ったフローリングの床で四つん這いになったまま、ビクッ、ビクッ、と腰を震わせた。良哉は自分がイッたのが信じられないと言った風に「はッ、何で、俺……」と小声で呟いた。その直後――ググッ、ミシミシッ、メキッ、ビキッ、と骨格と筋肉が軋み始め、良哉は頭を抱えながら「あッ、ああッ、ああああああああああッ、あああああああああああああッ、」と叫び続けた。 「良い気分だろう?」俺は腰を屈めて良哉の耳元で囁いた。「フゥーッ、嫌だッ、俺は、お前みたいなッ、フゥーッ、フゥーッ、化け物になんかッ、ならねェッ、」良哉はガチガチと歯を鳴らしながら声を絞り出した。しかし、そんな固い意思とは裏腹に、良哉は人間としての精液をすべて吐き出すようにビクビクと腰を震わせていた。 「ああッ、嫌だッ、嫌だッ、何だこれッ、止まんねェよォォォォォォォォォォオオオオオオオオオオオオオッッッ!!!」ビュルルルッ!! ビュルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルッッ!!! 良哉は苦痛と快楽のぐちゃぐちゃに入り交ざった表情に顔を歪め、目尻に涙を浮かべながら射精を繰り返した。 「言っただろ? お前は俺と『同じ』になるんだって。どんどん身体がデカくなっていく瞬間は、最高にキモチイイよなァ――」俺は冷たい笑みを浮かべ、理性と快感の狭間で藻掻いている良哉を見下ろしていた。 良哉の肉体は、人間の雄としての限界を極めるように進化していく。 胸筋はずっしりと厚みを増し、首から肩にかけて筋肉の山が連なりを見せ、逆三角形の背筋はさらに左右へと張り出し、肩は丸みを帯びて盛り上がり、腕は血管を浮かび上がらせながらぶッ太くなり、腹筋は板チョコのようにくっきりとした陰影を見せ、太腿や脹脛もまた筋肉の厚みが上乗せされ、赤黒くパンパンに怒張したチンポは長さと太さを増し、睾丸はずっしりと重みを増して垂れ下がる――。 「おッ、ォッ、ォレッ、おれッ、オレッ、俺ハッ、アアァッ、はッ、俺ハ、俺ハァァァアアアアァァァアアアアアアアアアアァァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァッッ!!!!」良哉は立ち上がり、腹の底から湧き上がるエネルギーの捌け口を求めるように壁を殴りつけた。何度も、何度も、何度も、何度も。あっという間に、壁には隣の部屋の覗く大きな穴が貫通した。 「アーッ、何だこれッ、スッゲェッ、最ッ高ッダアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァッッッ!!!」良哉はさっきまで別人のような快活とした表情を見せ、歓喜の雄叫びを上げた。 意識の『アップロード』が完了したようだった。ビュクッ! ビュクビュクビュクビュクビュクビュクッ! 良哉は立派過ぎる巨根の鈴口を片手で覆いながらも、おびただしい量の黒く濁った精液を飛び散らせた。背丈は優に2メートルを越え、全身を分厚い筋肉の鎧に覆われ、別人のような雰囲気を醸していた。 「さあ、俺がお前を仕上げてやろう」 俺は良哉との『融合』を開始した。 深呼吸して目を瞑り、頭の中で自分の肉体と良哉の肉体とが一体になるイメージを思い浮かべる。すると、俺の肉体は真っ黒いスライムのように溶け出す。どろどろした粘着質な液状と化した俺は、良哉の全身を巨大な繭のように隈なく覆っていく。はじめは抵抗の素振りを見せた良哉だったが、すぐに俺の意図を察して目を瞑った。 俺は良哉の『母体』となり、良哉の全身を包み、そして良哉の体内にも侵入する。身体の内側から、身体の外側から、ドクンッ、ドクンッ、と絶えず悪魔のエネルギーを送り込んだ。それは、通常のセックスを越えた愉悦を伴った。自分の意識と相手の意識の境目が分からなくなるほど、俺たちは深いところで交じり合った。 ようこそ、悪魔の世界へ――。 夜明けとともに、俺は良哉の身体を解放した。床やベッドに散らばったガラス片に朝陽の鋭い光がきらきらと反射した。俺たちは顔立ち以外は寸分違わぬ魔人となったお互いを見てほくそ笑み、びっしりとトゲの生えた禍々しい巨根でもって兜合わせをしながら熱い抱擁を交わした。 (完) あとがき: 読者の皆様、いつも応援ありがとうございます^^ 今回は大変お待たせする形になってしまい、申し訳ありませんでした!下巻で終わらせる予定が、下巻1,2と分冊になり、最終的には下巻1,2,3と三分割させることに……(笑)。一体この話はいつ終わるんだ? と書きながら不安になるほどでした(笑)。 個人的に好きなシチュや描写をこれでもかと詰め込みました^^b 読者の皆様にも満足いただける内容になっていると嬉しいです。どの小説でも、序盤の方はサクサクと書けるのですが、濃厚な描写が増える終盤になると、途端に時間が掛かるようになりますね。エロ系の物書きあるあるなのかもしれません。 来月からは、小説の新シリーズの開幕予定です。 イラスト作品の更新もできればしたいな~と思っています。 最近は夏にしては涼しい気候になってきましたね。サトーの住んでいる地域では雨が続いています。気温がコロコロと変わりますが、読者の皆様もどうぞご自愛くださいませ。