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『悪魔のフィギュア』(下-2)

宮本琢磨(26) 喜多川良哉(26) (※はじめに) 下巻の内容が当初の予定よりも長くなっているため、「下-1」「下-2」「下-3」と分冊にさせていただきました。 ============ * 「フゥーッ、フゥーッ、フゥーッ、フゥーッ、フゥーッ、フゥーッ、……」  俺は、完全なる悪魔へと生まれ変わった。  何気ないトンネルの景色が、何かも違って目に飛び込む。俺の3メートル近い目線から見下ろすと、車や相方やミニチュアのように小さく見えた。――今までの俺の人生は、誰かが作った箱庭の中でくるくると踊らされていただけなのかもしれない。ふと、そんな奇妙な感覚に囚われた。  だが、今はそうじゃない。今の俺は箱庭の中で踊らされるだけの存在ではなく、箱庭そのものに大きな影響を与えることのできる「プレイヤー」なのだという自信が満ちていた。なぜなら、俺は人間を超越した最凶最悪の悪魔なのだから。  俺は分厚く盛り上がった胸筋の真ん中で真紅の輝きを放っている大きなガラス玉のような塊を見下ろす。ドク、ドク、ドク、と心臓の鼓動とともにガラス玉はかすかに震え、そこから圧倒的な充足感が全身に漲っていく。  シュウウゥゥ……と皮膚の表面から白い湯気が昇っている。どうやら人間だった頃と比べ物にならないほど体温が上がったせいで、皮膚に付着した返り血や精液や体液がすぐに蒸発してしまうようだった。蒸発するだけでなく、まるでそれが皮膚を通してエネルギーに変換されて吸収される心地がした。  俺は鷹のような鋭い爪の生えたゴツゴツした手で黒い突起のビッシリと生えた巨根を扱いた。鈴口からはどす黒い先走りを溢れ続けているが、さっきまで出血大サービスのごとくイキまくっていたのと違い、なかなか射精にまで至らない。なぜだ? と思ったが、それは車の陰から相方が現れたのを見た時、本能的にその理由を覚った。  考えるよりも先に身体が動いていた。俺は悪魔の黒々とした尻尾をヒュンッと動かし、刃物に近い形状を持った尻尾の先端で相方の首を切り落とした。ごろん、とボールの転がるような鈍い音がし、相方の頭がアスファルトの地面に転がる。直後、相方の身体は鮮血を噴き上げながら、前のめりに崩れ落ちる。相方を殺した瞬間、俺の全身は人間から悪魔へと進化を遂げた時と似た性衝動と万能感が駆け巡った。 「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッッ!!!! アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァッッッッッ!!!!」  俺は叫び声を上げながら勢いよく真っ黒い精液を飛び散らせた。人を殺したことに反応するように胸のガラス玉の真紅はより鋭い光を放ち、胸の中心から手足の末端にまでドス黒いエネルギーが送り込まれるようだった。  悪魔と化した俺にとって、人間は自分の欲望を満たすための家畜も同然だった。キモチイイッ! キモチイイッ! キモチイイッ! キモチイイッ! 全身に血を浴びるのが、こんなにキモチイイなんて――。 「ありがとな、俺が進化するための踏み台になってくれて」俺は頭の無い相方の死体に感謝の言葉を掛けてから、まだ体温の残ったあたたかい肉を貪った。人間の身体ってこんなに脆かったんだな、と不思議な気持ちになったが、きっと俺の方が強くなり過ぎてしまったに違いない。人間とヤッてもすぐに壊れちまうからつまんねェな、と俺は相方の腕を食い千切りながら考えた。  そうだ、もう一人、俺と同格の存在を作り出してしまえばいいんだ。ぱっと、喜多川の姿が脳裏を過ぎる。「ああッ、良哉ッ、良哉ッ、良哉ッ、良哉ッ、お前しかいねェよッ、良哉……ッ!!」俺は相方の死体の臓物にチンポを突っ込みながら、喜多川の下の名前を繰り返し叫んだ。  喜多川良哉、人間だった頃の俺が好きだった男――。悪魔と化した今の俺には、もう良哉に対する恋愛感情などというものは消えていた。今の俺にあるのは、純粋な好奇心と、絶対的な征服欲だった。それでも、俺が良哉を仲間に引き入れようとしている理由には、人間だった頃の俺の人格の影響があるのだろう。 「良哉、お前はラッキーだなァ。悪魔から力を与えてもらえる人間なんて、そういねェーからな」俺はククッと笑い声を上げ、黒い棘で覆われた巨根で相方の死体を貪るようにイキまくった。  その後、俺はクソガキの死体の近くに落ちたスマホを拾い、クソガキの友人と思われる男全員にLINEを送った。「●●トンネルにいるんだが、ちょっと困ったことが起きた。今すぐ助けに来て欲しい」というメッセージとともに、地図を送った。  クソガキは随分と友達に恵まれていたようだ、1人か2人来たら上出来だなと思っていたら、クソガキと同じ年代の男が10人も集まってくれた。俺はそいつらをぶっ殺し、食い散らし、犯しまくり、俺は悪魔と進化した自分の肉体を存分に楽しんだ。そのうちの1人だけは殺さずにおき、俺の毒牙で首筋に噛みついて奴隷に仕立てた。空腹がいくらか満たされた時、ふと、悪魔から人間の姿に戻ることはできるのだろうか? という疑問が頭を擡げた。  すると、「人間の感覚を解放する」という言葉が頭に浮かんだ。これを呟くだけでいいのか? と半信半疑に思いながら同じように呟くと、俺の身体はみるみると人間の形姿に戻っていった。  どうやら、自分の意思次第で、悪魔の姿も、人間の姿も楽しめるようだ。人間という獲物を狩るのに、二つの姿を使い分けられるのは便利だった。良哉は、俺の変わりように、どんな反応を見せてくれるだろう――? (続く) 【リクエストサマー】キャンペーン イラスト作品で「このようなシチュエーションを描いて欲しい」という要望があれば教えてください!リクエストをきっかけにイラスト作品の更新頻度も上げたいと思っています^^


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