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煉瓦
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ラクガキ+SS 220103


 土曜日の午前中、前日に屋敷から渡された私服を身につけた僕は、ホテルへと連れ込まれた。

 電車で何駅も行った先、そこで乗り換えてまた数駅も行くという念の入れようだ。そこまでして行きたかったのかと呆れてしまうけれど、そんな風に思ったところで当然僕に拒否権はない。口答えも、嫌がる素振りも見せない。どうしようもなく気弱で情けない僕は、俯き、彼のいう通りに従うことしかできないのだ。


 男同士でも使えるそのホテルは殺風景だった。行為をするためだけの部屋なのだから、そういうものかもしれない。

 手を握られ引っ張り込まれた部屋で、狭い室内をキョロキョロと見回していた僕は、不意にベッドへと座らされる。シャワーを浴びないと、と言った口は唇で塞がれた。

 ホテルに入るためか、随分大人っぽかったコートを脱がされ、中に着ていたダークグリーンのセーターとジーンズも脱がされる。これらも屋敷に渡されていたものだった。

 屋敷はそれらを無造作にベッドの下へと落とし、自分の服も脱いでしまう。高そうな服は床に捨てられても、やはり高そうなままだった。それは、僕にこんなことをしていても周囲からの評価が少しも損なわれない屋敷自身に似ている、と呑気に考えてしまう。これから彼に犯されるというのに、僕も随分慣れてしまったものだ。


 屋敷は僕を後ろから抱くようにしてもう一度キスをしてきた。一旦離して、もう一度。

 シャツを捲り上げられ、握られた右手を胸へと導かれる。そこを自分でいじれ、と屋敷は命じた。そして自分は僕の下着をずらし、中にしまわれたペニスをやわやわと触り始める。


「んっ……んんっ……」


 拒否できない僕は屋敷の言葉に従い、捲り上げたシャツを口で咥えると、両手で自分の乳首をいじり始めた。


「最初は乳首だけでいこうな? イケたら挿れてやるから、頑張れ♡」


 望んでもいないことをご褒美だと彼は言う。

 僕が本気で彼に挿入してほしいと思っているのだろうか。それとも、そう思えと命令しているのだろうか。


「ん、ん……」


 屋敷に吸われ、揉まれたせいで敏感になってしまった僕の胸は、自分の指で刺激されているにもかかわらず、快感を訴え始める。だから僕は思い出した。僕が何をどう思おうと無駄なのだと。屋敷のことが怖い僕には、彼が実際にどう思っていようが関係ないのだと。僕が乳首だけで達してしまったら、ご褒美に挿入される、それだけなのだ。


「んぁッ、んんっ」


 何も考えたくなくて目を閉じる。そうすると快感だけが僕を支配して、頬が涙で濡れるのを感じた。

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