「ん?何だこれ…」 両親が行方不明となった日の翌朝、家に一件の封筒が届いた。親展と書かれた封筒の差出人は【魔信ファイナンス】黒い噂が後を絶たない、魔界に本社を置く消費者金融だ。 封筒の中に入っていたのは、連帯保証人である自分が明日までに父親が借りた50億円の借金を返せという内容の催促状だった。 両親が借金をしていたことなど露知らず、ましてや借りた本人とは連絡が取れず何処へ行ってしまったのかも分からない状態で、自分の知らぬ間に連帯保証人とされていた。 つまり自分も被害者の一人である。取り敢えず魔信ファイナンス側に状況を説明して、借金の返済を待ってもらえないかと思い、催促状に書かれていた番号に電話したものの… 「なるほど〜…はいはい…債務者の方が行方不明…ふ〜ん。え?返済期間の延期?んー…そういうのは店舗に来てもらわないと出来ないんですよ〜、まぁ、そういう延長とか踏み倒しとかは人間界の話なので、私個人としては多分無理だと思いますけど〜、あ、もう店舗の営業時間は終了していますので、また明日お待ちしておりま〜す。では、失礼しま〜ます♡」 と気だるなコールセンターのお姉さんに、最初から最後までいい加減な対応であしらわれた為、明日の朝、駅前にある魔信ファイナンスの店舗へ行くことにした。 ─────────────── 「期日までに返済する事が出来なかった為、今時点を持って貴方の人権を剥奪し、人間界から魔信ファイナンスへの戸籍譲渡を行います」 「え?いや、督促状にも書いていましたよね?ほら、ここに…期日までに返せない場合、弊社で強制徴収を行わせて頂きますことを御承知ください」 「そうですね。弊社と致しましては強制徴収の為にわざわざ債務者の家まで行って捕まえるイベントが無くなったという感じです。まぁ私、今日は受付なので捕獲担当が悲しんでるだけだと思います」 「いやいや。債務者本人でないとはいえ連帯保証人の欄に貴方の名前が書いてありますよ?いや、知らないと言われましても、こちらはそのように認識していますし、今更変えることはできません」 「はぁ…これ以上駄々を捏ねるようでしたら、異種族警察に連絡しますがどうします?そうですか。では、諸々の手続きの後、指定された場所に移送して返済終了まで労働を行って頂きます。はい。今日からです」 「では右手側にある六番ゲートに入って三番の部屋に入ってください。では、次の方〜」 こうして僕は右も左も分からない状態で人権を剥奪され、魔信ファイナンスに生殺与奪の権利を握られることとなった。 そうして受付の淫魔さんに言われたとおり、六番のゲートに入って3の番号が書かれた部屋に入ると、そこで待っていたのは胸の部分に魔信ドリームランドと書かれた制服を着ている陽気な魔物娘のお姉さん。 魔信ドリームランドと言えば、魔界にある魔物娘しか入れないことで有名なゲームセンター。しかも魔物娘の中でも爵位持ちやVIPじゃないと入れないとか聞いたことがある…確か魔物娘と結婚している+妻が同伴という条件で人間も入れるらしいけど…… 「お、君が新しくウチに入る人間くんか。ヨロシクね!」 「あっ、えと…よ、宜しくお願いしま…す …?」 「ちょっと元気が足らへんなぁ…まぁ、ええわ!取り敢えず明日からバンバン働いて貰うから頼むで〜!」 「は、はぁ………」 この魔物娘さんは、さっき受付のお姉さんが言っていた僕みたいな人間が返済を終了させるまで労働する場所の管理者みたいな立場なのだろう。 とにかくヤクザ映画みたいなサングラスをかけた怖い人じゃなくて良かった…あれ、でも、そもそも仕事って何をするんだろ…ゲームセンターの店員かな? 「あの…一つ聞いても良いですか?」 「なんや。忙しいから手短にな」 「えと…仕事って…僕はこれから何をさせられるんでしょうか……」 「んまぁ、そんなん行ってみれば分かるやろ。ただ普通に仕事するよりか楽に沢山稼げるから期待しとるとええわ!あっはっは!んじゃ、仕事場行くで〜。あ、ゲート潜るの面倒いからワープするで、しっかり掴まっときや!せーのっ!せやっ!」 ─────────────── ワープした先は予想通りクレーンゲームやプリクラ、アーケードゲームが並ぶゲームセンター。小さい頃はゲームセンターで働きたいと憧れを抱いていた時期もあり、店員をするのかも…と若干の高揚感を覚えていると、突然魔物娘さんに「こっちや」と腕を引かれた。 「ここ入れ」 「いや、え、でもこれ…」 連れて来られたのは、とあるクレーンゲームの前。本来、景品が置かれている場所には独房を再現したようなミニチュアが置かれている。 「は、入れって…無理ですよ!これじゃまるで景品みたいな…」 「は?💢何言うてんねん💢ごもごも言ってないではよ入れや💢お前は景品なんや!💢おらっ!💢」 「うわっ…っ……えっ…なっ、っ!」 クレーンゲームの中へ押し込まれた瞬間から身体がみるみるうちに小さくなってゆく。 165cmあった僕の身長は、あっという間に独房のミニチュアに置かれたベッドと同じサイズまで縮んでしまった。 見上げると強化ガラス越しに魔物娘さんがニヤリと笑みを浮かべている。 「なんですかこれ!出してください!嫌です!こんなの聞いてないです!」 「嫌とか聞いてないとか知らんわ。そもそも自分、人権無いんやで?ただのモノや。黙ってそこで借金返済の為に客呼んで逃げ回って稼げや。ほなまたな〜」 そう言って魔物娘さんはクレーンゲームの強化ガラスを閉めてしまった。 逃げようにも壁が高くて、このミニチュアからすら出られそうにない。 トイレやシャワーは付いているが、上から丸見えである。ご飯はどうするんだろう…そもそも出られるのかな…一生このままだったりして…これからの事に不安を覚えていると、強化ガラス越しに三つの人影が写った。 「ちょっ!これヤバくね!景品人間だって!」 「すご!あ、でも借金五十億だってよ。どうする?一回十万円だし」 「まぁ、いいや。一回だけやってみよ?五十億くらいなら、ウチラで楽しんだ後でも金持ちの変態喪女魔族に売ればお釣りが出ると思うし」 人影の正体は若い魔物娘。制服を着ているので魔界の学校に通う学生だろうか…いや、それより一回十万円?クレーンゲームで?それに何故彼女達は借金のことを気にしているんだろう…僕を取ったら借金を肩代わりしないといけなくなるとかあるのだろうか…… 色々と思考していると、遥か上に見えるクレーンゲームのアームが動き出した。 もしかしたらここでアームに飛び付いて獲得して貰えれば、この場所から逃げられるかもしれない… 長い時間、アームにしがみつくのは大変だろうけど先の見えない地獄から解放されるなら、安いもの……そう思った。 「おっしゃ〜絶対取るぞ〜!」 「ねぇねぇ、もしも奇跡的に取れちゃったらどうする?」 「え〜まずは家に帰ってから三日間は部屋に籠ってヤリまくりでしょ?それから〜」 「ほら、ここに取れたら戸籍上げるって書いてるし、全裸のオナニー動画とか街の露出動画とか撮ってネットに投稿しようよ!」 「それあり!それで私達のとこしか居場所なくなって必死に擦り寄って甘える人間くん見たいわぁ〜♡」 聞けば聞くほど恐ろしい会話。とても常識があるとは思えない。結局、魔物娘の中にマトモな人なんて一握りしかいないのだろう。共生が進んでいるとはいえ、人間と魔物娘は別の存在なのだから。 一回十万円らしいし、50億くらいすぐに返せるはず、それまで必死に耐え抜こう。彼女達に捕まるなんてゴメンだ!…僕はそう心に決めた。 30分後…… 「ちっ…💢んだよっ!💢ちびちび逃げやがって💢ミク、サラ帰ろ💢」 「あ〜だる💢取れる見込みのない人間に五百万も使っちゃったわ〜💢インスタで拡散しとこ💢」 「ウチラ、この人間の解放に貢献しちゃったじゃん💢いいや。コイツが解放された暁には待ち伏せして犯し尽くそ💢」 帰っていく三人組。上から降りてくるクレーンゲームのアームから必死に逃げ回ったせいで汗をかいてしまった。 丸見えなのは恥ずかしいが致し方ない…シャワーを浴びることにしよう…… そうしてシャワーを浴びていると…… ウィィィィィィン…… 「ふひっ♡全裸の人間くんエッロ♡五十億くらいお姉さんが簡単に払ってあげるからねぇ♡」 「あっ、やばっ……」 シャワーの湯気で気付かなかったが、いつの間にか魔物娘のお姉さんがアームを動かしていたらしい。 アームの駆動音はとても小さい為、既にアームが下に伸び切り三本の爪に掴まれるまで気づかなかった。 持ち上がる身体。ガラス越しに映る狂気を含んだお姉さんの笑顔に恐怖してしまう。 「離せぇっ…ぁっ……」 何とか逃れようとして手足を暴れさせると、アームパワーが弱かったおかげか、下に落ちる事が出来た。 何とか捕まらなくて済んだと思ったが、それは逆効果だった。 「クッソ💢人間のクセに💢ふーっ💢ふーっ💢お金ならあるし取れるまでやってやる💢」 お姉さんは黒の光沢を放つバッグから大量の札束を取り出すと、次々にクレーンゲームへ投入してゆく。その度にアームは動き、執拗に僕を狙っては外れを繰り返す。 勿論逃げられる区間は決まっている為、狭い独房の中を右往左往に走り回る。 そうして二時間が経過した頃…… 「クソッ💢」 バキッ!!! ペキペキペキッ……パリリッ… 「また来るからな💢覚えてろよ💢」 魔物娘の本気の一撃。何重もの強化ガラスにヒビが入った。危なかった。もしこれで割られていたらお持ち帰りされて、言葉では言い表せない程の酷い目にあっていたに違いない。 「あちゃ〜、こりゃまたハデにやられたなぁ〜」 聞こえてきたのは僕をこの場所に閉じ込めた張本人である店員の魔物娘さん。 「これは弁償やわ…ってもう帰ってもうてるやん…はぁ、しゃーない。アンタの借金にガラス代の三億追加しとくで〜」 「ちょ、何してるんですか!辞めてください!」 「なら割られる前に釣られとけば良かったやろ。どうせ遅かれ早かれ食われてポイなんやから覚悟きめーや。そんじゃな〜」 彼女と言葉を交わす度に怒りが湧いてくる。でもここは我慢だ。きっと魔物娘の中にも真面目そうな人や優しそうな人がいるはず…そういう人を見定めればきっと…… その後も何人もの魔物娘さんがクレーンゲームに挑み、その度に逃げてを繰り返して身体は疲労が溜まっていった。 時計を見ると時刻は02:00を指していた。道理で客足が減っているわけだ。つまり最後のクレーンゲームの挑戦者は三時間程前という事になる。これなら少し仮眠を取っても大丈夫だろう。実際身体を掴まれたら起きて反応するだろうし、持ち上げられても暴れたら逃げられる。よし少しだけ仮眠を取ろう。今朝から走り回ったせいでクタクタだ…Zzz… そうして僕はベッドへ倒れ込むように横になると、またたく間に夢の世界へと堕ちていった。 一時間後…… 「Zzz…………痛っ!!!」 全身に強い衝撃が走り目が覚めた。辺りを見渡すと白一面の風景。目の前にはこちらに伸びてくる巨大な手のひら。捕まらないように後ろへ足を走らせたが無意味。自分が動く何倍ものスピードで手のひらは追ってきて獲物を捕まえる。 「と、取れちゃった…へっ、へへへっ…♡」 目を開けるとそこはクレーンゲームの外。いつの間にか身体のサイズは元通りになっており、目の前には自分より遥かに大きい女性が僕を持ち上げたまま見下ろしていた。 脇下を掴まれているだけなのに、逃げられるイメージが全く湧いてこない。それ程までに彼女の力は強く、人間と魔物娘の生物としての差を理解させられてしまう。 「おめでとうございま〜す!人間くんゲットで〜す!」 カランカランと響く鐘の音。寝起きで聴くと最高に気分が悪い。更に聞きたくない声も相まって具合が悪くなってくる。 「あっ、て、店員さん…あの、わ、私…///」 「いや〜おめでとうございます〜。因みにこの人間を獲得する為には、借金を全額一括で払わないといけないんですが〜……」 興奮して落ち着かない様子の魔物娘さんに対して借金の催促をする店員。 やはり魔信グループの悪い噂は本当なのだろう。自由になった暁には僕のこの体験をネットに書き込むのも良いかもしれない。 「あっ、えと…因みに幾ら………」 「そうですねぇ…いま計算するのでちょいとお待ちを…えぇと……戸籍譲渡の手数料と人間の借金、その他諸々合わせて七十億ですわ!どうでしょうか?払えます?」 「は、はい!えと…小切手でも良いですか?」 「もちろんですわ!はい、確かに…七十億頂戴しましたわ!ではまたのご来店をお待ちしております〜♪」 そうして僕はこの魔物娘さんに買われた。 今は魔物娘さんに抱かれた状態で街を歩いている。顔を大きな胸の谷間に収納されているので息が苦しい…腕ごと強い力で抱き締められているので身動きも取れないが、不思議と悪い気はしない。 「怖かったですよね?大丈夫ですか?何か酷いことされませんでした?」 「これからは私が責任を持って人間さんの面倒見ますからね?へへっ…♡」 魔物娘さんの優しい声で囁かれる度に疲れきった心が解されていく気がする。彼女に釣られたのは不幸中の幸いだったのかもしれない。 その状態で十分ほど歩くと、彼女の住んでいる大きな屋敷に到着した。 「ここが人間さんと私の部屋ですよ♡毎日一緒に寝ましょうね♡」 「ふふっ♡まさか人間さんが手に入るなんて思いもしませんでした♡ 「ほら、横に座ってください。少しお互いの事を知る為にお話しましょう?♡」 屋敷に入るやいなや、通されたのは綺麗に整頓された中央奥に大きなベッドが置かれた大きな部屋。アニメや漫画で見るような王族の寝室みたいで少しテンションが上がってしまう。 優しい彼女ならば、お願いすれば自由の身にしてくれるかもしれない。 その淡い期待を胸に隣に密着して座る魔物娘さんに声をかけた。 「あ、あの…一つお願いがあるんですけど…」 「お願いですか?」 「はい…そ、その…僕を自由の身にして欲しいんです。あ、いや!勿論救ってくれた事には感謝していますし!それ相応…と言っても今は身体一つしかないので、何もできませんが……「良いですよ♡」…え?」 「良いと言ったんです。人間さんがそんなに望むなら、自由の身にしてあげます♡」 「ほ、本当ですか?!」 今の自分には彼女が女神のようにも思える。払わなくても良い借金を代わりに払い、尚且つそれで得た無価値な物ですら手放そうとしている。魔物娘にもこんな善人がいたのか。 「でも条件があります」 「条件?」 「はい。一ヶ月、この家に住んでください。あ、勿論衣食住は全て私が保証します。それで良いなら魔力契約を結びましょう。手を出してください」 とても簡単なことじゃないか。何しろ今すぐ解放された所で家には帰れないし、というか自分の家がどうなっているかすら分からない。取り壊されているかもしれないし、差し押さえされているかもしれない。ならば心と身体に余裕が出来るまで彼女に養って貰うのが一番の得策だろう。 「勿論です!是非こちらこそよろしくお願いします!」 そう言って手を差し出した。魔物娘さんの大きな手によって包み込まれる自分の手。 数分後、包み込まれていた手が離されると、印紋のようなものが手の甲に刻まれていた。 「ふふっ♡これで契約成立ですね♡」 これで一ヶ月の間は衣食住が確保される。あとは何とかして小銭を稼ぎ、自立できる環境を確保しよう…… 「あ、話は変わるんですけど…私、人間さんでやってみたい事があるんです♡」 「私の周りの魔物娘さんたちってみんなしなやかで綺麗な尻尾をしてるんです…でもほら、私はご覧の通り、変に太くてコブみたいなのが所々にあって…ずっとこれがコンプレックスだったんです…でも………♡」 「ネットで夫の人間に尻尾をしゃぶらせるって動画を見たあの日から…私、人間さんにこの尻尾をしゃぶらせたくて…♡で、でもほら、歯に当たったりしたら痛いじゃないですか♡だから生えてる歯を全部折ったり抜いたりして、口の中ぐにゃぐにゃしてから捩じ込みたいんです♡ぐぼっ♡ぐぼっ♡て動かして人間さんを自分は尻尾ケースなんだって分からせてみるのが夢なんです♡」 「他にも、痛みを快楽に変換する魔法をかけてから、ギロチンとかで手足を落としたらどれくらいイキ狂うのかな…とか、あと、えと、私、尻尾の先から出せる粘汁の量と粘土が他の人の数倍…いや数十倍くらいあるらしくて♡それで、人間さんのお尻に流し込んだら、どれくらいで逆流するのかなとか♡やってみたいというか知りたくて♡」 「まっ、待ってください♡逃しませんよ♡ほら、身体動かないですよね♡だってさっき契約しましたもんね♡ほんとはもっと時間をかけて少しずつやろうと思ったんですけど…一ヶ月でいなくなるって言うから…その間に全部やらないと勿体無いじゃないですか…♡」 「だって♡戸籍も人権も無い人間なんて早々手に入るもんじゃないですし♡だから沢山知りたいんです♡人間さんのこと♡どうせ戸籍無いから解放しても直ぐにれーぷされちゃうだけじゃないですか♡な、なら、私も出来る間に好き放題しちゃおうかなって…♡」 「首絞めとか…あと、粘液でボテッとさせたお腹を思いっきり殴ったりとかしてみたいんです…♡あ、安心してくださいね?♡私、これでも魔界大学の回復魔法科を首席で出てるので手足が捻れても、内臓がミキサーになっても、ちんちんの元気がなくなっても全部元通りにできますから♡」 「頭ちっちゃいですね♡簡単に両手で覆うように掴めちゃいました♡手始めに前歯一緒にいっちゃいますね♡良い声聞かせてください♡あと30本…へへっ♡全部私が責任を持って素手で抜いて壊してあげますから♡麻酔とかいりませんよね♡勿体無いです♡はーっ♡はーっ♡お顔えっちです♡怖いですか?♡怖いですよね?♡大丈夫ですよ♡ちゃんと約束は守ります♡だから一ヶ月の間、私を楽しませてください♡ふっ、ひひっ♡じゃ、じゃあやりますね…♡んっ…!」 ぐぐぐぐぐっ”っ”っ”っ っ っ……ミギィッ"…