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鷹取リュウゴ
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健魔性体 菌活ドリンク~不摂生リーマンが健康以上の肉体を手に入れるまで 10

10プラス・マイナス  菊川くんから返信が入ったのは日曜日になってからだった。 ゲスの勘繰りだけどすぐに反応が返ってこなかった理由は別の客とセックス込みのサービスを行っていたからではないだろうか? 『メッセや電話じゃ何なんでこれからご自宅へお伺いします』 明日は新しい『ボディモッド』の配達日だってのにわざわざ悪いよと遠慮はして見せたけど内心ほっとしていた。 藤枝を一日も早く落ち着かせてやりたかったし。 「三島さん、どもっす! こんにちわ!」 「いらっしゃい。どうぞラクにして」 俺の部屋に来てくれた菊川くんがジャケットを脱いで座り込んだ。仕事じゃない時はごく普通に冬のコーデなので安堵する。 一昨日、島田くん含めて大いによがり合ったとは思えない爽やかさだ。 「休みの日なのに呼んじゃって悪いね」 淹れたホットコーヒーのカップを渡しながら御足労頂いた労をねぎらう。 「いえ、三島さんに会いたいと思ってたんで全然悪くないですよ!」 リップサービスなのか本気なのか。いずれにせよ嬉しくなる俺。モテてこなかった男ってのはこんなにもチョロいんだな、と我ながら思ってしまう。 「無理に答える必要はないんだけど、ちょっと聞きたい事があってさ」 「『ボディモッド』についてですか?」 「「あ、いや……、『ボディモッド』じゃなくて菊川くん自身についてなんだ」 「あれ? 俺の事っすか」 菊川くんの表情が硬くなった。やっぱり警戒しちゃうよな。 なので、警戒を解くために少しだけ嘘を混ぜて尋ねた。 「菊川くんてさ、もしかしてH大学に通ってる?」 「っ!? どうして分かったんですか?」 「この前、母校に行った時に菊川くんに似た後輩がいた事をふと思い出しちゃってさ」 「三島さんもH大学ご出身だったんですか。でもって俺とすれ違っていたんですね」 「そういう事」 実際は母校に行ってないしすれ違ってもいないけど。 「そうなんです。俺はH大の学生で『ボディモッド』の仕事はバイトです」 「バイトにしてはかなりきつい仕事だよね? 真冬にあんな寒そうな格好にならないといけないなんて」 「それでも他のバイトよりもずっと美味しいので耐えられてます」 藤枝から貰った情報のうち、まずは一つ符号した。 では次の質問だ。 「でもエリア担当なんて任せられてるってことは拘束される時間もかなりなんじゃない?」 「そうっすねぇ。でも、気持ちイイ事も味わえたりするのでそこはまぁ、あまり気にしてないですね」 「もしかしてもう就職先とか決まっている感じ?」 この問いの答えで菊川くんの学年とおよその年齢がハッキリする。 「ええ……。一応は。まだ迷ってますけど」 「分かる。俺も社会に出るとなると適応できるかどうか不安だったよ」 表情の硬さは無くなったものの少々暗くなったしまった。あまり突かれたくないハナシだったのだろうか。 なら、ぼちぼち搦め手はやめて本題に入って行こう。 「実は、うちの会社でさ新しい工場を建設しようってなプロジェクトが進んでいて俺の同期の一人がメインで頑張ってんだけど、障害が発生して身動き取れなくなってるんだ」 菊川くんが顔を上げてキョトンとしている。何を言い出すんだ? と顔に書いてあって分かりやすい。 「障害ってのは提携している企業のお偉いさんがストップをかけていて中々うんと言ってくれないんだ」 「それは、大変ですね……」 「そう。俺はまだ傍観してるだけだから気楽なもんだけど、担当してる同期はもうストレスが辛そうで俺が見ててもヤバイくらいなんだよ」 「なるほど……」 「でさ、中々うんと言わない提携企業のお偉いさんの名前も『菊川』って言うんだよね。フルネームだと『菊川 治平』さん」 「えっ!? あ~……」 ここでさすがに察しがついたのだろう。菊川くんの表情が三転した。 明るくも無く、暗くも無く、何とも言えない表情に。 「それ、俺の爺さんです。そっか、三島さんてあの会社の方だったんですね」 「見当ついちゃった? そう、君のお爺さんだけが反対しててプロジェクトが進まなくなってるんだ」 少し間を置いてから菊川くんが語り出した。 「……俺の家は別に資産家でも名家でもないんですが、俺の爺さん、何故かそう言うのに強い憧れがあるみたいで俺の知らないところで俺の許嫁を決めちまってたんですよ」 「ずいぶん古風だね」 「はい。で、俺はそう言うの望んじゃいないし、そもそも女とセックスなんて無理なんでずっと断ってたんですけど爺さんと向うの家、特に許嫁に指名された女の子がやたら乗り気で、大学を卒業したらすぐにでも結婚しましょう的な勢いで迫って来てたんです」 「菊川くんも大変だ。身内となると余計に」 「さすがに看過できなくなって、決定的になる前にきっぱり拒否しなくちゃ、と思って許嫁の女の子に『うちの爺さんが勝手に決めただけで俺はあなたと結婚する気はありません』って、面と向かって告げたんですが……」 「許嫁のお嬢さんは菊川くんからのお断りを受け入れなかったんだね?」 「はい。俺の話を聞かないどころか自分は婚約者でも無い男に犯され傷物になってしまったからどうしても俺と結婚しないと世間に恥を晒してしまう、なんて嘘まで作って爺さんに泣きついてきて……」 そうか。藤枝に寝取られたと言い出したのは菊川くんじゃなくて婚約者の方だったのか。 「菊川くんのお爺さんが俺の同期に対して激怒していてさ、100%誤解なんだけど菊川くんがお爺さんに婚約者を寝取られたと言った訳じゃないんだ?」 「えっ!? もしかして、そんな風に伝わってたんですか?」 「そうなんだよ。最初に話を聞いた時は菊川くんが俺の同期、藤枝って言うんだけど藤枝を名指しで婚約者を寝取った憎い奴だ、ってお爺さんに告げた、と聞いたけど実際はそうじゃないんだね?」 「……多分、爺さんが許嫁の名誉を慮って俺が糾弾してる風に言い換えてるんだと思います。俺は元からその人と結婚する気なんてないですし、こんな虚言を周りに言いふらして騒ぎを起こすような人なら猶更好きになる要素がありません」 冷めたコーヒーを口にした菊川くんが、今までにない決意に満ちた目を俺に向けた。 「知らない所で勝手に決めたとは言え、俺の身内と関係者が三島さんの同期の藤枝さんや三島さんの会社に迷惑を掛けてるんですよね? 今、俺が謝ったところで事態はなにも動きませんけどまずは謝らせて下さい。ホントに申し訳ありません」 深く頭を下げる菊川くんを引き起こして、話を聞いた限り君が謝る事じゃないので気にしないでと励ます。 「でさ、藤枝が連日君のお爺さんに釈明させてくれってご自宅に通っているんだけど一向に面会してくれないらしいんだよ。 信じるか否かは別にしても一度くらいは濡れ衣を晴らすチャンスをくれても良いと思うんだけどな」 「……きっと、許嫁の話だけを鵜呑みにしてるせいだと思います。爺さんは悪い人じゃないんだけど凄く頑固で、こうと決めたことは梃子でも動かないタイプなので」 「菊川くんの意見も?」 「俺が何かを言っても『愛樹、お前のためだから黙ってなさい』って感じです。今までもそうだったし」 「そいつは困ったな。俺としては君からお爺さんに『藤枝は無関係だ』と話をしてもらえば解決すると思ってたんだけどな……」 菊川くんは首を左右に振った。 「俺が何かを言っても聞かないでしょう。むしろ許嫁の身になって考えてやれ、お前が味方してやらんでどうする? って、俺を叱る光景が目に見えます」 ここへ来て解決すべき問題の核が見えてきた。 藤枝が菊川専務のお宅へ毎日伺っても無意味だと言う事も。 「要するに、菊川くんのお爺さんの気持ちを動かせるのは今や許嫁の女性のみ、ってことか」 「そう、ですね。爺さんは許嫁をすでに義理の孫娘扱いしていますから。俺よりも聞く耳は持ってもらえると思います。ただ……」 「難しそうだよな~。菊川くんの今までの話を聞いた限りじゃ。藤枝には悪いけど打つ手がない気がして来た」 「いえ! そうはならないよう俺ももっと頑張ってみます! 藤枝さん、という方にも少し時間をくださいとお伝えください!」 ◇  ――と言うやり取りが菊川くんとあった事を藤枝に伝えた。 『……そうか。早速動いてくれてサンキューな。ただ、お孫さんから菊川専務を動かすのも難しいって訳か……」 「そうなる。ただ、菊川くんが頑張ってみると言ってくれてるんだ。少しくらいアテにしたって良いと思うぜ?」 「そうだな……。良い方向に向かう事を心から願ってるよ……」 藤枝の声が悲しいくらい弱々しい。心身の蓄積疲労が半端無い証拠だ。 こんな時こそ『ボディモッド』でマッチョであればと思うものの、途切れてしまった以上致し方ない。 同期がまだ耐えられるよう祈りながら俺は独り、バスルームでチンポとアナルを刺激し白い欲望汁をドバドバ吐き出していた。

健魔性体 菌活ドリンク~不摂生リーマンが健康以上の肉体を手に入れるまで 10

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