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鷹取リュウゴ
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淫音~ASMR 7

7 マスターと初の対面  夜通しセックスしたものの治まらなかったので次の日も大学には行かずぶっ通しでセックスをし続けた。 二日目の夜、俺の部屋に訪問者が来た事を告げるベルが鳴ったため渋々変態を解除し人間に擬態してからドアを開けた。 少し前にネットで頼んでいたPCアクセサリーの配達なんだろう。置き配じゃなく手渡ししようとしているのは雨のせいに違いない。 「やぁ、こんばんわ。まだお楽しみの最中なのに邪魔しちゃって悪いね」 ニカっと爽やかに微笑むその人は社会人学生の倉知さんだった。 驚く俺の後ろから部屋の中に呼び込む二人の声が聞こえた。 「じゃぁ遠慮なく入らせてもらおうかな」 「あ! ちょっ!」 俺が慌てたのは二人ともまだレゾネイターに変態したままだったからだ。 「二人ともお疲れ様。無事に蕨岡君を仲間にできたようだね?」 たじろぐ俺を横目に卑猥なサイボーグと化しているタツミとマナブに声を掛けている。 「ほんまおおきに! 倉知さんのおかげや!」 「タツミ君の言う通りです。これで蕨岡君も僕たちの真の仲間になってくれました」 俺に振り向いた倉知さんが笑顔のまま俺に聞いた。 「どうだい? 俺にも蕨岡君の新しい姿を見せてくれないかな?」 チラッと二人に視線を送ったら二人とも親指を立ててサムズアップしてやがる。 「く、倉知さんは変態しないんすか?」 「俺も変態したいんだけど、そうすると性欲が溢れて収拾がつかなくなりそうだから控えておくよ。でも今の蕨岡君だったら大丈夫だろう?」 「ええ、まぁ」 倉知さんの期待のこもった目に負け俺は擬態を解きレゾネイターに変態した。 すると、倉知さんは息を呑み目を大きく見開いた。 「……これは驚いた。まったくの新種、新たなレゾネイターが誕生してたなんて……」 「く、倉知さん?」 「期待以上だ……。調べてみないとハッキリとは言えないけれど、その形状、そのフォルム、きっと俺や、乾君や菅原君には無い能力があるに違いない……」 異様な興奮が伝わって来る。変態していなくとも倉知さんが俺に対して異様に興味を持っているのがビシビシ感じられる。 「それやったらマスターの所に連れて行ってもらえませんか? タマキはまだ自分のカラダの事も俺らの事もよう理解してへんから」 「マスターの分析結果が出るまで僕ら二人と倉知さん、一緒に遊びませんか? このところまったくヤれてなかったでしょう?」 数秒考える素振りを見せた倉知さんはパッと顔を上げて破顔した。 「ああ、そうだね! 二人の言う通りまずはマスターに蕨岡くんを見せてあげよう! きっと驚くぞぉ~、ぬふふふふ」 俺を差し置いて段取りがどんどん決まっていく。 だけど、口を挟んでいい雰囲気でもないし拒む理由もないから流れに合わせておくことにした。 マスターと呼ばれる存在も気になっているし。 ◇  倉知さんの車で向かった先は大学の構内だった。 夜も遅いから明かりが灯っている学部棟は無く、キャンパスを歩く学生の姿も見えない。 光っているのはドリンクの自販機だけ、かと思いきや厚生課や学生課のある窓だけは煌々と光っていた。 「あらら、あの人たちは今日もこんな時間まで残業かな? 寝落ちしてないと良いんだけど」 小さく心配する言葉を吐いた倉知さんはすぐに車の向きを変え、工学部があるエリアへと進んだ。 車を止め外に出たものの工学部棟も他の建物と同じくすでに真っ暗だ。 いつまでも駄弁る生徒が居残っている学生会館でさえ人が居ない時刻なのだから当然と言えば当然だろう。 「さ、こっちだよ」 常夜灯があるものの暗すぎて見えない道を迷いなくすたすた歩きだす。 俺たちはそんな倉知さんに追いつくのがやっとの……うん? 暗すぎるってほどでも無いな。意識を目に向ければ結構ハッキリ見て取れるじゃん。 そんな俺の様子を理解したのかタツミもマナブも歩くスピードを早めた。 くそぅ、こいつら俺が能力の使い方を知るまで放置してたんだな? きっと二人にはこんな暗さなど問題無かったのだ。 少し文句でも言ってやろうと口を開いたら倉知さんが手招きした。 「ハイ到着。このドアは文字通り『関係者以外立ち入り禁止』だけど、レゾネイターなら入っていいし、俺たちにだけ開く仕組みになっているからね」 首をかしげていると倉知さんは重そうな鉄の扉を軽々と押し開けた。 「人間に擬態していても俺たちレゾネイター固有の生体パルスを感知する鍵が掛かっているんだ。あと、通路には心理障壁も展開されているから間違って中に人間が入っても奥へは進めないようになっている」 とんでもないシステムをサラッと説明する倉知さん。 ここって、俺が通う大学の中、なんだよな?  明かりが全く無い闇の通路を緩やかに下って行く。 そして、行き止まりかと思われた壁を倉知さんが押すと、それは壁じゃなくてドアだと知れた。 「うわ! 何なんだここは!?」 病院と化学工場が合体したような設備、空間が拡がっていた。 高い天井、剥き出しの配管。その下で屋根を設けた大小さまざまな広さの部屋があってさながらハチの巣か、横に広げたブドウの房のようだ。 「ここはラボ。名前の通り実験や研究を行うスペースだね」 淡々と解説する倉知さんの横を白衣の研究者が通り抜けて行った。 「今の人は?」 「ああ。このラボの研究員の一人さ。この場所は毎日24時間、誰かしら研究しているからね。ほらあそこにも」 倉知さんの視線を追って顔を向けたら何人もの研究者がガラス張りの一室の中で設置されたモニターを見つめ、また別の部屋ではVRゴーグルを装着した研究者がロボットアームを操っている。 パッと見ただけでも十人以上いるようだ。 「あの人達も皆、レゾネイターなんですか?」 「いや、違うよ? ほとんどは人間さ。人間じゃないのは、そうだな……、あの顎髭のあるアイツと、遠心分離機の前でタブレットを見つめているアイツくらいかな」 「へぇ~。あの二人だけレゾネイターなんすか」 「う~ん、人間じゃないけどレゾネイターとも違うんだよな~。だけど本人以外の者が正体を口にするなんてマナー違反だし……、蕨岡君、悪いけどそう言う訳だからこれ以上は俺からは何も言えないんだ」 「そうなんすね。いや、俺も別に深く知りたい訳じゃないんで大丈夫っす」 「逆に俺らかて自分から言わん限りは『何者』とも思われへんのやで? ラボの不文律っちゅうやつや」 「それより、先に進みませんか? マスターの研究室はもっと奥なんですし。ここで立ち止まってたら邪魔になっちゃいそう」 「おっと、そうだ。菅原君の言う通りだ」 倉知さんの後についてさらに奥へ向かう。 すると、ある一角だけ窓が無くどの壁も木製の吸音材で区切られているスペースがあった。 「ここがマスターの研究室。基本的に出不精でいつもここに籠っているんだよねぇ。たまには外に出て日の光を浴びて欲しいんだけど、俺の進言なんてちっとも聞いてくれないんだよ。あの人」 ノックしてドアを開けた倉知さんが「入っていいよ」と外で控えていた俺たちを招き入れた。 「…………えっと?」 俺は言葉を失い、タツミは頭を押さえ、マナブは興味深そうに見つめ、倉知さんは冷や汗を浮かべている。 「先生? ちょっと先生……、てか、ぅおおい! マスターーーッ!」 「ぶふぉっ!? うわ~! び、びっくりしたぁ! な、なぁんだ、倉知くんじゃん」 漆黒に紅のラインを入れた鎧、に良く似た装甲を身にまとい非常にクールかつ冷徹でダークなカッコよさ、を体現したようなマッチョサイボーグが、覆面黒装束の忍者野郎のアナルに巨大な黒チンポをずっぷりぶち込み、片や上半身ではしゃぶっていたカメレオン男のデカチンポを口からボロンと吐き出して倉知さんの呼ぶ声にビクついていた。 「なぁんだ、じゃないですよもぅ~。来る前に連絡はしておいたでしょう? 新人くんの分析と俺たちについての詳しい説明をお願いしますって言ったでしょう? なのにどうして他の研究室の方々を呼び込んで3Pに興じてるんですか!」 倉知さんの叱責を受けたマスターと呼ばれた黒鎧マッチョが合掌で小さく詫びつつプレイ相手の二体に解散を告げると、忍者野郎はボフンと白煙を残して消え、 カメレオン男は天井を這うパイプに舌をシュルルと巻きつけ文字通り宙を舞いながら部屋の外へと出て行った。 「言い訳じゃないけど僕はこれから予定があるからダメっつったんだよ? だけどあの二人がちょっとで良いからどうしてもって――」 「えぇ、えぇ、そうでしょうとも。だからと言って他の研究室の先生が改造したばかりの学生さんを味見するのはよろしくありませんね」 俺はこっそりタツミとマナブに聞いた。 「なぁ、さっき逃げてった二人って俺らと同じこの大学の学生?」 「せやで。アイツらも別のマスターに改造された学生や」 「一人は獣化研究室だね。もう一人の忍者は……」 「うん? アイツは人体強化薬研究室の院生だ」 ひそひそ話している間に黒鎧サイボーグが人間の、30代半ばの男の姿になっていた。 いかにも研究者らしい白衣を羽織っていて黒縁メガネを掛け、顎には無精ひげを生やして。 「人体強化薬がなんで忍者?」 思わずツッコんでしまったらすかさず「アイツの師匠がな、忍者の歴史を紐解いてから丹薬だか仙薬だかにお熱でな」と返ってきた。 そう言う黒縁顎髭白衣の男は人間に擬態していてもマッチョな肉体やチンポを惜しげもなく俺たちに見せつけ挑発していた。 「マスター? いえ、矢場井先生? 初対面になる方をお連れしたってのに締まりのない態度は控えて欲しいですね。 あなたは俺たち、いえ、我々レゾネイターの始祖、原初の変異体、マスターと仰ぐミュータントでいらっしゃるのに、威厳も風格もないじゃないですか」 「いいじゃん、いいじゃん。俺はそう言う上下関係が苦手だから企業で働くのを諦めて大学にへばりついてんだし。倉知くんだってガッチガチな体育会系のノリってしんどいでしょ?」 「そう言った事も確かにありましたけど、せめて今は、この状況をもう少し鑑みて下さらないと……」 「ふむ。それもそうか」 直後、いきなり頭の中に直接「声」が響き渡った。 『乾君、菅原君、二人ともよく来てくれたね。そしてもう一人、蕨岡君だったかな? 君も僕たちと同じ存在になった、と倉知君から聞いたよ。 初めまして。僕がこの情報生物学研究室を任されている『矢場井 和音(やばい かずね)』だ。簡単に言うと生物、生態を情報として捉え、それらの情報を使って生物の成り立ちや起源、進化の行く末なんかを研究している。まぁ、倉知くんや乾君、菅原君は僕をマスターって呼ぶんだが気にしないで好きなように呼んじゃっていいからね』 矢場井と名乗った人は乾や菅原が何度か口にしていた「マスター」と呼ぶその人だった。 その「マスター」の声が脳内で直接聞こえるたびに俺のイチモツがグングン硬くなり、ギラついた欲望がドクドク込み上がって来る。 ASMRにはまだ耳から聞こえる音があったけれど、コレには音らしいものを聞き取ることができない。となると、つまり「テレパシー」ってやつか? 「ストップ、マスター。さっきの3Pの続きがやりたいからって初っ端から蕨岡君たちへ淫音混じりの超音波を浴びせるなんてのはダメですって。 そんなせこい真似は止めて堂々とセックスしたいと言えばいいじゃありませんか? ま、いずれにせよ蕨岡君の分析が先ですけどね?」 「いやいや。あのなぁ、寸止めのつらさは倉知君も知っているだろう? だったら倉知君が率先して僕のお相手を――」 「マースータ~?」 じろりと睨みつける倉知さんにたじろぐ倉知さんより一回りは年上のマスター。 俺、何のためにここに連れてこられたんだったっけ?

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