「……んっ。」
昌利は股間に埋まっていたバイブレーターを引き抜いた。
「ぁ……はぁ……」
丸一日挿入されていた異物は昌利の愛液でテラテラと光っている。
昌利は全裸のまま、なつきの部屋のベッドに身体を投げた。
拘束を解いた荒縄の跡が昌利の白い肌に刻み込まれて痛々しい。
が、自分の身体のその痛々しさが、あまりにも淫靡に昌利の目には映ってしまう。
股間から抜いたはずの異物が、未だ挿入感の残滓を主張する。
昌利のその細い指が、異物はもう存在しない事を確認しようと股間に伸びる。
「……まだ……ジンジンする……」
指先がヌルりと、秘峡に潜り込んだ。
「ぁん!」
こんなこと……するつもりじゃないのに……
『ココって……こんな風になっているんだ……』
丸一日続いた極度の緊張からとかれたせいか、安堵の心で感じる股間の刺激は、まるでとろける蜜のように甘く、昌利の身体を包んで行く。
なつきの白い指。
なつきの形のいい柔らかな胸。
なつきの細くくびれた腰。
なつきの薄い陰毛の下に隠れた女陰。
今では自分の物になってしまったなつきの身体をひとつひとつ確認するように、自らの、なつきの指で愛撫する。
そして愛撫すればするほどに、秋月なつきと入れ替わってしまった現実が、その快楽と共に、高原昌利の心に染み込んで行った。
なつきに渡されたメモ書きの地図を頼りになつきの家に着くと、そこは昌利の家である木造の借家とは比べ物にならない程の3階建ての立派な家が建っていた。
メイドさんが何十人……とは言わないが、家政婦の一人や二人は雇っていそうなたたずまいだ。
静脈認証のキーロックを初めて体験した後、昌利は脇目も振らずになつきの部屋を目指した。
メモ書きの地図には、御丁寧に家の間取りまで書いてあったため迷う事はない。
なつきの部屋に入ると机の上にあったナイフを見付け、身体を拘束してる荒縄を一も二も無く切りほどく。
そして、部屋に着いた安堵感と拘束が解かれた解放感からか昌利は不本意にも自慰を始めてしまったのである。
「んぁ……ん……。すごいよ……ココ、…ぁン……こんなに……なって…る………」
自らの意志で触るなつきの身体のオマンコは、柔らかくて濡れていて、とてもイヤらしかった。
割れ目に沿って指をなぞるとヒダヒダに吸い込まれるように指が沈んで行く。
「あン……」
指が吸い込まれた分だけオマンコから溢れた愛液が、ベッドのシーツに垂れた。
昌利は愛液を指にすくう。
指を広げると絡みついた愛液が水飴のように糸をひく。
なつきに嬲られている間にはそんな余裕がカケラ程もなかった昌利にとって、初めて見ると言っていい女性の愛液。
「……すごい……これが……愛液なんだ……」
舐めてみた。
初めて舐める愛液は、昌利が憧れてやまない、女性の味がした。
過去に性交の経験があるとはいえ、実は昌利は本当の意味では童貞である。
何故ならその相手が男だったからだ。
女と信じて疑わなかった相手が男だったのだ。
年上の美女に手ほどきをされるがまま、導かれた先はアナルだった。
そしてその女性にはオマンコは無く、自分と同じ物が付いていた……
その信じ難い事実は昌利のトラウマになっていた。
だからこそ、人一倍女体には興味を持つくせに、それ以上の関係に進む事の出来ない体質になってしまったのだ。
そして、その一件が元でニューハーフのような人達には嫌悪を示すようになってしまっていたのだが、何故か、女性的な顔立ちの大野薫に魅力を感じずにはいられない。
当然、友達としての魅力を感じているに決まっている。性的対象としてなんか見ている訳が無い。
そうは信じてるものの、心の奥底では、
もしかして自分には男色の気があるのだろうか?
トラウマになっているあの出来事も、実は自分が呼び寄せた事なのではないのだろうか?
といった自分自身への疑心暗鬼が頭をもたげてしまう。
そんな迷いを振りほどくためにも、昌利は必要以上に「女好き」の立場を取っていたし、薫との付き合い方も「男同士の友達」という事をことさら強調していたのだった。
「女みたい」と蔑まれ続けた薫もまた、自分を「男」として扱ってくれる昌利に好意を持ち、そんな二人が親友になったという事実は或る意味自然のバランスだったのかも知れない。
だからこそ、薫との親友関係を真の意味のものと立証させるためにも、昌利には女性を経験しておく必要がことさらにあったのだ。
自分がノーマルである事を証明しておく必要が。
それなのに、こんな形で女性を経験する事になろうとは、何とも皮肉な話である。
そして昌利は、自らが与える女体への快楽に、自らが女として感じ、溺れて行った。
「いくっ………! ぁっん!! やん!!」
数回身体をピクピクと痙攣させ、昌利は昇り詰めた。
それは男の自慰とはまったく異質の快感だった。
あまりの快感に真っ白になり、身体をベットに委ねると、心地よい気だるさに包まれていた。
しばらく眠ってしまったのだろうか、辺りは暗くなっていた。
時間は夜9時を回っている。
「やばっ!」
いくらなつき自身の部屋とは言え、オナニーしたまま全裸で眠りこけていては、家族の人に見つかりでもしたら言い訳すら出来ない。
しかも身体中にはまだ荒縄の跡が痛々しく残っているのだ。
洒落にならない。
が、幸いにも、部屋に誰かが訪れた形跡は無かった。
あわてて部屋に飛び込んだために、鍵を掛けていなかったのにもかかわらずだ。
「ウチじゃ考えられないよな。」
昌利の家は手狭な事もあり、兄と同室を余儀なくされている。自分一人の部屋を与えられる事など夢の又夢。
そんな兄弟の部屋に、昌利の親はお構いなしにづかづかと入って来ては毎日のように小言を言うのである。
プライバシーも何もあったものでは無い。
「ま、娘の部屋に親が入って来る事は無いってコトか?」
男兄弟しか居ない昌利には解りかねる話だ。
どうでもよい独り言をつぶやきながら、改めてなつきの部屋を見渡してみた。
言い訳程度にぬいぐるみが2~3個置いてあるくらいで、上品ではあるが、あまり年頃の女の子の部屋とは思えない程に無機質な部屋である。
昌利の兄弟部屋に比べ2倍以上の広さがあるその部屋には、ベッドと机と本棚とタンスとオーディオ機器、三面鏡や姿見等が置かれていたが、女性らしさを感じられる物と言えばその三面鏡くらいなものだ。
テレビは無い。
天井まで届く大きな本棚には参考書の類いがびっちり隙間無く埋まっているし、CDラックにはクラッシックの音楽CDしか置かれていない。
家具類や小物、全てにおいて高額そうな物ではあるが、下町庶民な昌利には興味が持てなかった。
「随分と味気無い部屋に住んでんだな、なつきの奴。」
ピンクでフリフリのカーテンが付いてる窓だとか、アイドルのポスターがベタベタと貼りまくられているだとか、入ったらコッチが恥ずかしくなるくらい女の子女の子してる部屋こそ女の子の部屋だという勝手なイメージが強いせいか、昌利にはなつきの部屋があまりにも無味乾燥に見えてならなかった。
「金持ちのお嬢様の部屋って、どこもこんなモンか?」
全裸のままでいる訳にもいかないので、着替えを探し、とりあえずタンスを開けてみた。
さすがに引き出しの中は女性のそれである。
ブラやショーツが綺麗にたたまれ、揃えられてられていた。
女の子の部屋を勝手に家捜ししているようでバツの悪さを感じるものの、仕方ない。
なつきに取り上げられてしまっているため、少なくともショーツは新たに穿く必要がある。
せっかく合法的に女の子のタンスを開けているのだ。
本来ならショーツを頭に被っておどけるくらいの事はしたい所だが、そんな気力も生まれはしなかった。
ショーツ手に取りまじまじと見つめる。
自分がこれを穿くのかと思うと、何ともこそばゆい。
自らの意志で初めて脚を通す女性用のショーツは、柔らかく滑らかな肌触りで、なつきになってしまった昌利の身体を優しく包んでくれる。
あまりにも自然な着衣感に昌利は不思議な心地良さを感じた。
女性用下着って……いいかも。
着慣れないスカートよりはと、目に付いたデニムのパンツと長袖のTシャツに昌利は着替えた。
シャツに首を通した後、長い髪を両手でうなじからかき上げ、シャツから髪を出す。
こういう細かな行為のひとつひとつが、お前は女になってしまったんだと自分に語り掛けて来る気がする。
何かシャツが窮屈だな。と思ったらピタTというヤツで、着替えた姿を姿見に映すとなつきの身体のラインがくっきりと浮き出ていた。
「オレ、結構かわいいじゃん。」
姿見に向かい、軽くポーズを付けてみる。
鏡の中では秋月なつきがポーズを付けてにっこり微笑んでいた。
『……なつきも笑うと結構かわいいんだな。』
薫に言われた言葉を思い出した。
そういえば昌利もなつきのキツイ表情しか印象に残っていない。
もう一度にっこり微笑んでみたが、今後の事を考えると、すぐに憂鬱になってしまう。
鏡の中のなつきの顔も暗く沈んでいた。
着替えも終わりベッドに腰掛けると、心なしか落ち着いたのであろう。
ぐぅ。
お腹が鳴った。
少しの逡巡の後、昌利は意を決め階下のダニングルームに降りた。
なつきの家族に会うかも知れない緊張感に、どうしても忍び足で階段を降りてしまう。
とはいえ、どれほどの間かは解らないが、少なくてもしばらくはなつきとして生活をしなければならないのだ。
なつきの家族に会わない訳にもいかない。
ダイニングルームを覗くと、人影は無かった。
昌利は胸を撫で降ろす。
というより、どういう訳か、この家には人の気配が感じられない。
テーブルには料理の脇にメモ書きが添えられていた。
『なつき様へ。いつものようにお食事を用意しておきます。
時間になりましたので、今日は失礼させていただきます。』
どうやら本当になつきの家ではお手伝いさんを雇っているようである。
昌利は、昌利の家の夕飯の食卓とは比べ物にならない程贅沢な料理を食べた。
その料理は美味しかったが既に冷め切っていた。
感じた緊張感とは裏腹に、結局誰に会う事も無く食事を済ませた昌利は、何事も無くなつきの部屋に戻って来る事が出来たのだった。
「ふぅ~。」
椅子に腰掛け机に突っ伏すと、全てが拍子抜けな感じがした。
何でこの家には誰も居ないんだ?
今の自分の状況にはとても有り難いが、この家にはあまりにも生活感が感じられない。
ふと、突っ伏した机の上にノートが置いてあるのが目に入った。
何気なく、手に取りパラパラと開いてみる。
そこには、なつきの生活環境や生活習慣、なつきとしての思考法や癖などの様々な秋月なつき自身の事が書いてあった。
それによれば、準大手の会社重役である父親も、人気ジュエリーデザイナーである母親も帰宅する事は稀らしい。
そして、そんな両親をなつき自身は嫌っているらしい事も文面から伺えた。
「何だ? このノート。日記にしてはやたら説明的だな?」
読み進んで行く内に、昌利は段々と冷たい物を背筋に覚えた。
そこには、ブラジャーの付け方や生理用品の使い方等、男が女として生活する上で知っておかなければならない事まで、事細かに書き連ねてあったのだ。
そう。
それは、なつきが昌利に向けて書いたであろう「秋月なつきとしての生活マニュアル」とでも言うべき代物であった。
なつきはこんな物まで準備をしてから昌利と入れ替わっていたのだ。
そういえば身体を縛っていた縄を切ったナイフも、机の上に不自然な程目立つように置かれていた気がする。
昌利は、なつきのその偏執的なまでの用意周到な計画性に慄然とした。
なつきの編んだ目に見えぬ蜘蛛の糸に絡め取られて、身動きが取れなくなって行く自分の姿を感じていた。
爽やかな秋晴れの抜けるような空の青さが、どこまでも高い。
生徒達の笑い声が学園にこだまする平凡な日々。
そんな平凡な日々の中に居たとしても、平凡な日々から爪弾きに合ってしまった者にとっては、それが客席から見るスクリーンにの中の映画のように何処か遠くの出来事にすら思えてしまう。
あれから数日が過ぎた。
なつきになった昌利は、昌利になったなつきの手によって、今日はひと気の無い数学準備室、次の日は誰も来ない屋上と、毎日のように場所を変え、嬲られてはおもちゃにされていた。
なつきから与えられる快楽は少しずつ昌利の心をむしばみ、男の自分が女なって嬲られるという狂気の沙汰を、それこそが日常であるのだと囁き掛け続ける。
狂気の沙汰も、毎日続けばそれはいつしか日常と化してしまう。
そのせいなのかどうかは解らないが、未だなつきの目的すら解らない昌利ではあったが、入れ替わりの当初程、盲目的になつきの事を毛嫌いする気にはなれなくなっていた。
何故ならなつきになってしまった事で、なつきの事を多少なりとも理解してしまったからだ。
放任主義とは聞こえがいいが、娘を信頼しているという言葉を言い訳に、世間体や成績にしか興味の無い親にはまったく相手にされず、友達と言える程仲の良い相手が学園の中にも外にも存在しない。
他人が下すなつきの評価と言えば良くも悪くも成績のみ。
その評価の中に、なつきの人格などは存在しない。
なつきの身体で感じる世界。それはあまりにも無味乾燥で殺伐とした、味気ない世界だった。
なつきの姿になってから、昌利が他人と会話を交わした事など、ほんの数える程度でしかない。
お莫迦な男友達が放っておいても寄ってきてくれていた昌利とって、そんななつきの世界は押し潰されそうになるくらい、辛いものでしか無かった。
そう、一言で言えば、なつきには心安らぐ居場所が無かったのだ。
そういう状況を作り上げてしまった事には、きっとなつき自身にも問題があるのであろう。
しかし、そんな状況の今のなつきとある日突然ポンと入れ替わってしまった昌利にとって、過去の事はわからない。
針のムシロのような今のなつきの日常がそこにあるだけだった。
もしかしたら、「<秋月なつき>として生活しろ」と命令した言葉の裏には、自分の事を本当に理解してくれる誰かが欲しかったのだろうか。
そんな気持ちが隠されていたのかも知れない。
なつきになってしまった今、昌利にはそんななつきの気持ちが痛い程解るような気がした。
授業中、そんな事をぼんやり考えて窓の外を眺めていたら、
「秋月さん! 何か面白い物でも見えるのかしら?!
あなた最近おかしいわよ。小テストもらしくない点数だったし。
もっと集中しなさい!」
三十路半ばの女教師に注意された。
「過去に帝大に進んだ85人の私の生徒達は、それはもう授業内容をひとつも聞き漏らすまいと一心不乱に私の講義を受けていたからこそ受かったのであって、あなたのようによそ見をする生徒など、一人として……」
くどくどと説教を垂れるこの女教師は、大して能力も無いクセに自分の生徒が何人有名校に進学出来たかと、数を自慢するだけのイヤミな教師でしかない。その数字ですら怪しいものだ。
特に学園の学力レベルが低下してる昨今、学園トップのなつきに成績を下げられたら困るのであろう事が見え見えだった。
「だって、しよーがねーよなー。なつきさんは今、エロエロな事しか考えられなくなってんだからさー。」
「高原君に抱きかかえられて、あたし、女が目覚めちゃったのー。」
「いやん。あたしもうシャーペンじゃガマンできないィ~。」
この前授業中に倒れた時の事をネタに、男子生徒達から下卑たヤジが飛ぶ。
教室がどっと沸き返る。
普段は誰もなつきに話しかける事など無いのに、こんな時だけは隣の席の女生徒も「ねぇねぇ、ホントなの?」と調子に乗って声を掛けてくるのが始末に負えない。
これ見よがしに、わざとあざけりの声色を使いながら話し掛けてくるのだから。
なつきになってしまった昌利には、苦々しい気持ちを抑えつけ、そんな騒がしい連中を冷ややかな目つきで睨み返す事くらいしか出来ない。
とは言えなつきだったとしても、きっと同じようにしていた事であろう。
昌利には、なつきの狂気の源が理解出来たような気がしていた。
……そして、その裏で昌利が何よりも自虐の念にさいなまれてしまうのは、男子生徒の嘲笑もあながち的が外れていないという密かな事実がそこにあるから。
毎日のようになつきに嬲られている昌利の身体はとっくに女に目覚めているし、シャーペン程度では物足りないのも又、事実なのだ。
現に今もなつきの指示のもと下着類は一切身に付けておらず、スカートの下であらわになっているそのオマンコは男子生徒の卑猥なヤジが飛び交う度に小刻みに震え、マゾヒスティックな快楽に愛液を滴らせていた。
『バレちゃダメ……』
昌利は必死に平静を装いながら、冷ややかな視線を教室の連中に向け続ける。子宮に熱くたぎる快楽を覆い隠すように。
「シャーペン女といい紅音さんといい、何でウチの学園にはエロイ女が多いのかねぇ。」
「でもソレがオレんトコまで回って来ないのが問題だよな。」
「あ、お前紅音画像ダウンロードした?」
「あれ、どーせアイコラなんだろ?」
「ちげーよ、どー見たってモノホンだってばよ。」
「紅音さんてヤリマンってホント? 援交してんだって?」
「ウソぉ。紅音さんがそんなコトするワケないじゃない。超ウケる、ソレ。」
「紅音がテレクラ使って会った相手が陸上協会の会長だったんだって。だからインハイでも優遇されてるらしいよ?」
「やだぁ~。あたし憧れてたのにぃ~。ゲンメツ~。」
「静かに! 静かにしなさい!!」
なつきへのヤジで沸き上がった教室内は手がつけられ無い程に無軌道な喋り場と化していた。
そしてその雑音の中にはなつきへの誹謗中傷だけでは無く、蛍原紅音(ほとはらあかね)を中傷するような噂も混じっていた。
そう、なつきになってからは他人との会話が皆無なくらいに減った昌利の耳にも既に届いている程に、紅音が援助交際をしているという噂が、現在学園中に広まってる。
昌利だった頃には聞いた事も無い噂だ。
広まったのはここ2・3日の事であろう。
紅音を純粋に真剣に応援している昌利にとっては何よりも堪え難い噂である。
そんな事を吹聴してる奴等共を、怒鳴り散らしてぶん殴ってやりたい衝動に駆られるくらいだ。
しかし昌利になったなつきに、なつきらしからぬ行動を禁止されている昌利にはただただ黙ってそれを耐える事しか許されていない。
それは昌利にとって、何よりも屈辱的な事であった。
午前中最後の授業が終わり、昌利は仕方なしに黒板消しを手に黒板に書かれたチョークの文字を消していた。
本当は日直の仕事だが、昼食を買うために飛び出して購買にでも行ってしまったのだろうか?
気付くと姿が見えなくなっていたので、学級委員である「なつき」がやらざるを得ない。
仕方なくチョークの粉にまみれていると、さっきまで杉浦杏奈と話しをていた大野薫が、荷物を手に急ぎ足で教室を出ようとしているのが見えた。
見るからにおとなしそうな眼鏡っ子の杏奈は薫と同じ文芸部員だ。何か打ち合わせでもしていたのだろうか。
『薫のヤツ、昨日休んだみたいだったけど、体調治ったんだな。』
そんな事を思い、薫を横目で見ていると、教室に入って来ようとした蛍原紅音と正面衝突して、薫は尻餅をついた。
「ん? 何だ、大野か。大丈夫か?
まったく、男のくせに女にぶつかって尻餅をつくとは。ほら。」
紅音が手を差し出すと、薫がその手を取る。
仲良さそうなその二人の姿に、昌利は何故か嫉妬に近い感情を覚えた。
自分がなつきになってしまいこんなに苦しんでいるのに、何で自分が大切に思っているあの二人は、自分の事にも気付かずに、勝手にあんな風に仲良さそうにしてんだよ。
理不尽な感情が沸き上がる。
その仲良さそうな輪の中に、何で自分は居ないんだ。
何故自分だけがこんな目に遭う……
オレがいったい何をした…………
こんなにも近くに居るのに、永遠に手が届かない物になってしまったその距離を昌利は感じていた。
「もっと運動した方がいいぞ。
……それにしても細くて綺麗な指だな。私とは大違いだ。」
薫に向かいそう話す紅音の言葉に、昌利は何故かとても腹が立った。
紅音の手に触れ顔を赤らめる薫にも腹が立ったし、そんな薫の指を褒める紅音にも腹が立った。
『オレの指の方が綺麗なのに……』
その理不尽な思考は既に男の物では無いという事実に気付く事も無く、感情のままに昌利は口を開いていた。
「大野くんはね、誰かさんみたいな筋肉オバケと違って繊細なのよ。」
昌利の口から出た言葉は、見紛う事なきなつきの口調そのものであった。
「筋肉オバケとは随分な言い方だな、なつき。」
辛辣な昌利の言葉に、紅音はムッとする。
「あら、筋肉鍛えると耳まで良くなるのかしら? これじゃ気軽に独り言もつぶやけないわね。」
立板に水の如く、昌利の口からは皮肉たっぷりの言葉が溢れ出た。
蛍原紅音と秋月なつきは小学校の頃からのライバルだ。
なつきと同じ小学校だった昌利は当然紅音とも同じ小学校である。
二人とは友人関係の輪が違っていたので経緯こそ知らないが、小さい頃は仲が良かった二人だがいつの間にか互いをライバル視するようになっていた事は、昌利もなんとなく知っている。
小学校を卒業する頃にはかなり険悪な関係になっていたという事も。
そしてそれは現在に至っても変わる事は無い。
紅音はスポ-ツで、なつきは勉強で。お互いがお互いを見返すように、競い合っているようだった。
昌利が紅音を意識するようになったのはこの学園に入った後の、比較的最近の事なので、これほどに険悪な関係になっていたのだと実感したのもごく最近の事だ。
どちらかと言えば、事あるごとにムキになって食ってかかるのはなつきの方で、紅音はそれをあしらっているように感じられた。
紅音にしてみれば、あしらうための説得力を維持するためにも、人としてなつきには負けられない。といったスタンスを貫いているだけなのかも知れない。
見てくれに似合わず人の良い昌利は、本来そんな二人の関係を「せっかく同じ小学校の出なんだから、仲良くすればいいのに。」とさえ思っていた。
そんな昌利の口から出たのが、尊敬すらしている紅音を皮肉たっぷりに揶揄する内容の言葉である。
『何を言ってるんだオレは?』
心の隅ではそう思うものの、不思議と二人への嫉妬の感情が止まらない。
「お前のその減らず口、何とかならないか?
少しは大野を見習え。男なのに、おまえより遥かにおしとやかだぞ。」
紅音のその言葉に昌利はまたカチンと来た。
昌利だった頃には魅力的に感じた紅音のクールな口調も、今はただ、カンに触って仕方がない。
「あらぁ、あなたこそ大野くんの爪の垢でも煎じて飲んだらいかが?
少なくても今より女っぽくなれるんじゃないかしら?
あなたなんかより、男の大野くんの方が全然、可愛いわよ。」
イヤミな言葉が放っておいても溢れてくる。
そう。
その時の昌利は、誰から見ても疑いの無い秋月なつきそのものの姿だった。
その時の昌利は、もしかしたらその心まで、全てが秋月なつきになっていたのかも知れない。
「ところであなた、最近ちょっと隙だらけなんじゃなくて?
随分とはしたない噂が流れているみたいじゃない。
昌利とかいうあんな野蛮人をイイ気になってはべらしているから、その報いよね。
それとももしかして、噂は本当だったりするのかしら?」
輪を掛けた辛辣な言葉を浴びせられた紅音はクッと顔を歪ませ、返す言葉に詰まる。
すると、なつきである昌利の顔をとても悲しそうな目で見つめ、それ以上は何も言わずにその場を立ち去って行った。
気が付けば薫の姿もいつしか消えていて、我に返った昌利は一人ポツンとその場に立ち尽くしていた。
そこには紅音を言い負かした高揚感などはカケラも無く、ただただ紅音を傷つけてしまったという罪悪感だけがどこまでも深く昌利の胸に突き刺さっていた。
「あなたって、こんな趣味もあったのね。
……あン……まるでオヤジじゃない。」
なつきはその節くれ立った指を昌利のブルマーの中に這わせる。
昌利の乳首は体操着の上からでもわかる程に立っていた。
「ン……あなたおかしいんじゃないの?
……ぁ……わたしのブルマー姿なんて……ゃン………自分だった時に見慣れているはずでしょ?」
昌利はなつきの指示で体育倉庫にブルマー姿で待たされていた。
当然下着は付けさせてもらえない。
というより、今日は1日中下着をつけていなかった。
もちろんそういう指示だったのだ。
1日中羞恥に駆られた昌利の身体は火照っていた。
授業中に教師に教科書の朗読を指示され立ち上がった時に、オマンコから溢れた愛液が糸をひいて床に垂れた程である。
その時は心臓が止まる程に快感が走った。
その後はガマン出来ずに女子トイレに駆け込み、オナニーもしてしまった。
なつきに対しては強がって見せるものの、昌利の身体は、なつきの手によってすっかり淫靡なそれに開発されていた。
元々がなつきの身体である事を思えば、それもまた当たり前の事なのかも知れない。
「お? 随分早いじゃねーか。待ち切れなかったのか?」
「うるさいわね。下着もつけさせてもらえないんじゃ、誰にバレるかわかんないじゃない。
のんびりなんかしてられないわよ。」
「はっ。相変わらず口の減らない女だな。」
「余計なお世話よ。」
自分をこんな目に遭わせているなつきの事を、昌利は心底許せる筈も無い。
しかし、こんな不本意な会話ですら、回りの生徒から無視され続けているなつきの姿である昌利にとっては、今日初めて他人と交わす会話らしい会話なのだ。
そのありがたさを、しみじみと感じてしまう。
「随分と板に付いて来たじゃないか……これからもその調子で頼むな……」
耳元でなつきが、薄い笑みを浮かべながら囁くように昌利を褒める。
昌利の身体を持つなつきの、男性特有の吐息がうなじにかかり、昌利は軽く身悶える。
昌利はそのなつきの言葉に、嫌悪感と快感と共に、もうひとつの感覚を同時に覚えていた。
それは、安堵感である。
どんな形であれ、なつきの言う通りにしていれば、なつきは自分を見放す事は無い。
昌利になったなつきなら、なつきなってしまった自分の存在を認めてくれる。
そして、上手くやれば褒めてくれる。
抱いてくれる。
秘密を共有しているという信頼感が、ことさらにその安堵感を増幅させているのかも知れない。
なつきの傍らこそが、今の自分の居場所なのだ。
それはまやかしなのだと知りつつも、その偽りの安堵感は昌利を包み込んで行った。
「……いったい……誰のせいだ…と……思ってんの……よ…」
その安堵感に全てを委ねたい気持ちと、元凶であるなつきへの嫌悪感が交錯する。
しかし、せめぎ合うその二つの感情は、快楽という名のマドラーによって、いつしかひとつにかき混ぜられてしまうのである。
「ふふっ、その強気な所。相変わらず、かわいいぜ……」
体操着の中に潜り込んだなつきの指が、昌利の柔らかい胸を揉みしだく。
「……あン。」
昌利は可愛らしい声を上げた。
「莫迦らしい。何よ、それってあなたがナルシストって事じゃない。……ゃン。」
元の自分の姿をかわいいと褒めるのだ。ナルシスト以外の何者でもなかろう。
そうは思うが褒められれば嬉しくない訳が無い。
昌利の股間は熱くなる。
「それに、体操着だなんて、オヤジ趣味もいいとこ……
あたしを……ン……こんな…格好にして、抱きたいだ……なんて…
あなた…本当に女の子だったの? 中身、オヤジだったんじゃない?
……この、ナル公の変態オヤジ……」
普段の鬱憤を晴らすかのように、昌利はなつきを罵り続ける。
昌利が“なつきの言葉”で罵る事。それはなつきに対してのお約束になっていた。
サドなのかマゾなのか。
その言葉に、なつきは異様に興奮するのだ。
そして必要以上に激しく昌利を犯し、攻め立てる。
昌利もまた、陵辱さながらの激しい愛撫を求め、誘導するようになつきを罵り続けるのだ。
「その変態オヤジに嬲られて感じてるてめーは何なんだよ! ええ!!」
なつきは昌利のお尻を思い切り叩いた。
「ひゃん!!」
その時昌利の口から出た悲鳴には、苦痛の色は無かった。
なつきの眉がピクリと動いた。
もう一度叩く。
「ひゃぁん!」
昌利の口から漏れているのは、明らかに歓喜の声だ。
なつきの口の端がニヤリと吊り上がる。
「なんだ? てめーこそ尻叩かれて喜ぶ変態じゃねーか。」
昌利は自分の感覚が信じられ無かった。
まさかお尻を叩かれてこんなにも感じてしまう事があるなんて……
「う、嘘よ! 感じてなんか、い、いるわけ無いじゃ……」
言葉も終わらぬ内にまた叩かれた。
「やン!!」
臀部から痛み以上の快感が背筋を駆け登る。
「ははは。おもしれ~。」
なつきが調子に乗って昌利のお尻をパンパンと叩く。
その都度絶え間無い快感が身体中を走り抜け、昌利は次第に正気失って行った。
「アン、やん、ひゃん、ダメ、感じてなんか…、ひン、アぐ、感じてなんかぁ~!!」
「ほらほら、感じてンだろ? もっと叩いて欲しいンだろ!!」
「ダメぇ……ぁン、あん、ダメぇえ、やン、おかしくぅ……おかしくなっちゃうぅぅ!!!」
「ほら、こうして、尻叩かれて、イっちゃうんだろ! 変態なんだろ!!」
「違うのぉ……変態じゃないのぉ…ダメぇ……もぉだめぇ……」
「おら、イっちゃえよ。尻叩かれて、イっちゃえよ!!!!」
叩くなつきの手も腫れ上がる程に、激しく昌利のお尻をスパンキングする。
昌利は痛みと快楽が交じり合う初めての感覚に、昇り詰める。
「イっちゃうぅ、わたし……お尻叩かれて…イっちゃうのぉ……」
なつきの手が最後に二度大きく叩いた。
「ダメっ!! イクっ!! お尻りぇ……おひりぇイッちゃうぅ!!!」
昌利は涎を垂らしながら、ガクガクと激しくイってしまった。
それはしばらく動けない程の激しい快感であった。
なつきの一方的な支配から与えられる安堵感など偽りの物でしかない。
それを頭の隅では解っていながらも、求めてしまう。
結局挿入される事も無く、気付けば体育倉庫に一人置き去りにされていた昌利は、着替えを済ますと、ひと気の無い教室で帰り支度をする。
ふと、窓から校庭を見下ろすと、笑いながら楽しそうに帰って行く、昌利の姿のなつきと蛍原紅音の姿があった。
いつもこうなのだ。
なつきは結局、最後まで自分と一緒には居てくれない。
何故今なつきの隣に居るのが紅音なのだ。
なつきが紅音と仲が悪かったのは実は好きの裏返しで、紅音と真の男女の関係となりたかったから、昌利の姿を欲しがったのではないのだろうか?
そんな風にすら思えて来る。
寂しさに己が身体を抱きしめる昌利の心には、昼間以上のドス黒い嫉妬心が、紅音に対して生まれていた。
なつきの家に帰ると、昌利は机に向かい、参考書を開いていた。
以前は勉強など大してした事も無かった昌利である。
それなのに自ら進んで勉強をするのには理由があった。
やる事が無いのである。
テレビもパソコンも無いなつきの部屋にある物と言えば参考書くらいだ。
階下のリビングにならテレビもあるが、家の誰かに会うかも知れないと思えば、わざわざ見に行く気にもならない。
かと言って、何もしないでは毎日が手持ち無沙汰だ。
ならばなつきに成り切る意味でも、勉強でもしていた方が得策であろう。
『ヒマ潰しで勉強するなんて、思ってもみなかった。』
そう思う昌利であったが、実はそれこそがなつき的発想そのものだった。
友達も居ず、家族とも会話の無いなつきにも、勉強くらいしかやる事が無かったのだ。
無意識の内に昌利は、なつきとしての生活に、ここでも侵食されていたのである。
「数学の参考書って、どこかしら?」
独り言すら女言葉が板に付いた昌利は、椅子から立ち上がり、天井まで届く本棚を眺めた。
最上段にそれを見付け、踏み台を用意して、手に取った。
「あれ?」
本棚のこの段、何か変だ?
そこには本棚の奥行きに対し、小さい本ばかりが並んでいた。
小さい本達を数冊ずらすと、奥から小箱が出て来た。
小箱を手にして、机に向かう。
「この箱って……」
小箱を開けるとそこには小さな鍵と古ぼけた1枚の写真が入っていた。
場所は……山だろうか? 立ち入り禁止の看板の前に立つ1人の小さな男の子と2人の小さな女の子が写っている。
「これ、子供の時のなつきの写真?」
どうやら2人の女の子は、秋月なつきと蛍原紅音の幼少の姿のようである。
男の子は、昌利には見覚えが無い。
「なつきって、子供の頃からむっつり顔で写真に写っているのか。」
何が気に入らなくて怒っているのかわからないが、紅音を大切そうに支えながらも不機嫌そうな表情で写る子供の頃のなつきの姿に、昌利はくすりとしてしまう。
同時に、こんな写真を残している事で、なつきの紅音に対する本当の気持ちも垣間見た気がして、胸が締めつけられた。
……さて問題はこの鍵だ。
どこの鍵かは予想が付いてる。
なつきになった時に、なつきの事を知るためにも、一通りこの部屋を調べて回った。
ベッドの下も覗いてみた。
でも、あの『生活マニュアルノート』以上の物は見つからなかった。
が、その時に鍵が掛かっていてあきらめた場所がひとつだけある。
机の引き出しだ。
昌利は鍵穴にその鍵を差し込んでみた。
カチャリ。
鍵が開いた。
引き出しを開けると、そこには数冊の本が入っていた。
昌利の目はその数冊の本に釘付けになった。
それは、女性が緊縛されている写真集だったのだ。
「なつきって、こんな趣味あったんだ……」
びっくりしたものの、少し考えて合点がいった。
そう言えば初めて入れ替わった時、なつきは自分の身体を縛ってこの家を出てるのだ。
縛りに関しての知識が無ければ、そんな事が出来るわけが無い。
写真集をパラパラとめくると、着衣で、全裸で、様々な縛り方で女性が攻められていた。
「うわっ。すご……」
昌利は、自分でも持っていなかった程の過激な写真集に見入ってしまう。
縛られて泣き顔になってるモデルの子の表情に何ともそそられる。
「なつきって、サドなのかしら?」
いやいや。もしかしたら縛られている女性に自分を投影していた、マゾなのかも?
現に自分自身を縛っているわけだし。
いやいや。計算高いなつきの事だから、昌利と入れ替わる時に自分を縛っておく必要があったために、その資料として持っていただけなのだろうか?
「いやらしい……」
写真集を眺めていると、縛られていた時の感覚がよみがえり、開発され切った今の性感で再びそれを味わいたい衝動がこみあげてくる。
しかしその昂ぶった気持ちは、写真集の下に隠れていた日記帳に気付いた事で、一気に醒めてしまった。
豪華な装丁の表紙が、ナイフでズタズタに切り裂かれていたのだ。
昌利は日記帳を手に取った。
他人の日記である。しかも見るからにいわく付きだ。
読もうかどうしようか少し躊躇した後、昌利はページを開いた。
今、自分はなつきなのだ。
自分の日記も同然である。
何より、昌利はなつきの本当の気持ちが知りたかった。
もしかしたら、未だわからない入れ替わったなつきの目的が書いてあるかも知れない。
昌利は日記帳を開いた。
そこにはなつきらしい几帳面な筆跡の文字が並んでいた。
何て事は無い女の子の日記である。
日記というより要点を書き出したメモ書きに近い所が何ともなつきらしい。
後でその全てにしっかりと目を通しておいた方がいいだろう。と思いつつ、読み飛ばしながらページをめくる。
……と、手が止まった。
半年くらい前の日付の日記に、何があったのか、『ごめんなさい』の文字が大きく書いてあった。
何の事かは書いていない。
そしてその後は何ページも空白の日付が続き、3カ月前の日付で、日記は唐突に復活していた。
その復活した日記を読んで、昌利は氷り付いた。
そのページから日記帳としては未来にあたる最終ページまでが全て、
「紅音死ね紅音死ね紅音死ね紅音死ね紅音死ね紅音死ね紅音死ね紅音死ね紅音死ね紅音死ね紅音死ね」
の文字でびっしりと埋め尽くされていたのである。
To be continued.
【ナイショノカタチvol.2 後書き】
その昔に「TSF画像掲示板」というサイトがありまして。 以下略。
『ナイショノカタチ』vol.2は2006年12月23日に書いたものになります。
あまりにも昔な原稿で根本的には手を加えることも憚られるため、微修正程度で当時のままをアップします。
この作品は以前に書いた『ないしょなんだからっ!』の、パラレル的な作品になります。
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=20171067
(決めていませんが多分別の世界線だと。逆に同一の世界線として読んでも破綻のないように書いているつもりです)
ところで、小説の中では秋月なつきがストレートなロングヘアとして書かれていますが、今回作った設定画ではショートボブになっています。
https://www.pixiv.net/artworks/109405698
当初ロングのストレートとしてキャラデザインを描き始めた所、どうにも主人公の絵面としてのキャラ立ちが悪く、煮詰めている内にすっかりロングヘアだということを忘れてしまい気づいたらボブカットな髪型になってました。
こうなってしまうと、今の私の中ではなつきの姿はボブカットが正しく、むしろ小説の方を手直ししたくなるくらいなのですが、下手にそんなことをして破綻する箇所が出てきても困るため、そのままにしてあります。
どうかみなさんの中でも上手いこと折り合いをつけていただけると幸いです。
そして『ないしょなんだから!』と共通の「あのシーン」の別視点バージョンが描かれているのがこのvol.2です。
まさか「あのシーン」の裏にはこんな葛藤が隠されていたとは! ぜひお楽しみください。
さて、「TSF画像掲示板」で書かれていた『ナイショノカタチ』は以上になります。
次のvol.3からは、ついに新作書き下ろしに突入です。
vol.2までを読んでいただけるとわかると思いますが、パラレル作品の『ないしょなんだから!』との整合性や、『ナイショノカタチ』としての時系列の整合性が複雑で、ある程度書き進めてから「あ、ここ破綻してる」と気付くことが多く、バランス調整のために書いては前に戻って修正する。という作業が多々発生しています。
ついにはexcelで時系列のチャートまで作るハメになってしまいました。
そんなわけで、現状vol.4まで書き進んではいるのですが、またvol.3に戻って手を加える可能性もゼロではないため、vol.3はvol.5をもう少し書き進めてからのアップロードになると思います。
当時のテンションで書き続けていられることを祈って、しばしお待ちください。
手元の小説原稿のテキストデータは紛失してしまったため、下記サイトからサルベージさせていただきました。ありがとうございます。
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(リンク切れのためURLは削除しました)