挿絵、猫又小町
小説、猫又小町、鵜久森曇
『あらすじ』
淫魔の討伐を専門に扱うハンターである『シオン』は、とある遺跡の探索中に自分と全く同じ外見をしたクローンゴーレム『アルファ』と出会う。
“主人と同じ姿形をした存在との爛れた行為”のために作り出された存在であるアルファとの共同生活が始まる……だがそれが平穏無事に終わるはずもなかった。
「ご主人様の発情を確認しました。少し早いですが、今夜の伽を始めさせていただきます」
かつて淫魔の女王に調教されて開花させられたシオンのマゾ性を易々と看過したアルファがもたらす屈辱と羞恥に、シオンは幾度となく絶頂する。
自身と同じ姿をしたアルファの責めはシオンの弱点という弱点を理解し、彼女のマゾ性癖を満たしていく。
「なんて快楽に対して脆弱な身体……呆れてしまいます」
夜伽というにはあまりに過激な快楽拷問は夜が明けるまで続く――
『登場人物』
名前・シオン
職業・淫魔ハンター
T-172
スリーサイズ115/62/102
特記事項
・Ⅿカップ
・陥没乳首(仮性)
・全身性感帯
・開発済み
・被虐属性(重度)
経歴
過去に女王級の淫魔に調教を受けたことがあり、その際に妹を責め殺されていて、それがシオンが淫魔ハンターになった経緯となっている。
それ以来全身を淫らな後遺症が蝕んでいて、今でも毎日オナニーをしなければふとした瞬間に理性を失いそうになるほどの性欲が膨れ上がる。
『不感の指輪』という魔道具を装備しており、それのおかげで過剰に敏感な身体の感度を抑えているが、それでも常人の数倍ほどの敏感さを持つ。
性格
優しく穏やかな性格。
誰に対しても丁寧な物腰で接する。
戦闘能力は優秀だが、指輪がなければほとんど戦えない。
全身が軽い愛撫で悶えてしまうような状態ではあるが魔道具と意思の力でなんとか日常生活を送れている。
見た目は誰もが振り向くような絶世の爆乳美女なのだが、シオンにとっては大きすぎる乳房は戦いの邪魔になると思っている。
常に欲望の目で見られるメートルオーバーの胸にシオンは羞恥を感じている。
何より淫魔の調教によってあらゆる刺激に怯え隠れるように退化した陥没乳首は完璧な容姿を持ったシオンにとっての醜いコンプレックスとなっている。
その他には、着替えの際にも感じてしまうほどの高すぎる感度、皮ごとクリコキをされ過ぎたせいで皮の弛んだ歪な大粒包茎クリトリス、などにも強い劣等感を感じている。
オナニーのやり方は包皮の上から優しく触れるだけの弱々しいマゾオナニー。
膣内に多く点在する弱点や、乳首やクリトリスの本体には敏感過ぎて自分ではほとんど触れない。
個体名・アルファ
種族・クローンゴーレム
T-172
スリーサイズ116/62/102
特記事項
・Ⅿカップ
・不感
・加虐属性(シオン限定)
経歴
未発見の遺跡でシオンがコアに触れたことにより彼女の見た目を模倣したゴーレムへと変化した。
シオンを主として忠誠を誓う。
但し本来の用途故に、シオンの性欲の発散を優先する。
性格
淡々とした事務的な口調。
シオンに対してだけ極度の加虐性を有する。
◇ ◇ ◇
「これは! ひっじょ~~~~に! 素晴らしい発見です! 歴史的にも技術的にも非常に価値の高い遺物であることに疑いの余地はなく、そして何よりも美しい……! ここまでの機能美は私の学者人生においても見たことがありませんっ!」
矢継ぎ早に言葉を投げかける学者の言葉をシオンは苦笑いで聞いていた。
肝心の要点を言わずに興奮のあまり自分の感動をひたすら聞き手のシオンにぶつけている女学者の言葉を聞き始めてしばらくすると、最初は真面目に聞いていたシオンもさすがにと話を遮った。
「あの、それで結局こちらの方はどういう?」
シオンの視線の先にいたのはそのシオンに瓜二つの美女だった。
簡素な外套を羽織り肌を覆ってはいるが、シオンと同程度の巨大な乳房の存在感はまるで隠せていない。
その外套にしても、シオンが渡さなければ裸を隠そうとさえしなかったほどだ。
未確認の遺跡で遭遇したもう一人の自分とでもいうべき存在。
放っておくこともできずシオンは彼女を街にまで連れ帰り報告したのだった。
女学者はこほんと咳払いを一つすると、気を取り直して彼女の説明を行った。
「正確には人ではありません。分類上はゴーレムになりますね。胸の奥の心臓部にコアとなる魔石が埋め込まれているはずです」
「ゴーレム……」
形状は多岐に亘るが主に主人だと設定された人物の命令に従う忠実なモンスターだ。
生き物ではないのだが、体内に魔石が埋め込まれていることから細かい要素を省けば大まかには魔物の一種に分類される。
「ですがなぜゴーレムが私の姿に?」
シオンが自分にそっくりのゴーレムへと視線を向ける。
ゴーレムはシオンの仕草に反応し、こてんと小首を傾げていた。
その姿はゴーレムだと知らなければ生きていると誤解しそうなほどの愛嬌がある。
「王墓の文字を解析したところどうやら埋葬されていた王……まあ女性だったらしいので女王が適切ですかね、その女王様が稀代のナルシストだったらしいんですよ」
「……ナルシスト、ですか」
「自己愛、オートセクシャルなどとも呼ばれていますね」
「はぁ、それがどういう?」
未だに話の要点がつかめない。
女学者は資料の紙束を眺めながら言葉を続ける。
「女王様は容姿が優れすぎていたらしく、自分を愛するあまり絶世の容姿を持つ自分以外を性的な対象として見れなかったみたいなんですよね」
「……それはなんというか、凄い方だったんですね」
「まあ長くなりましたが結論です。そのゴーレムの種族は他者を模倣するクローンゴーレム。用途はラブドールです」
「……らぶどーる?」
「おや? ご存じない?」
シオンは疑問符を浮かべる。
どうやら”ラブドール”がなんなのか知らないようだ。
「ようするにセックス相手ですね。自分にそっくりなゴーレムとくんずほぐれつしようと考えたってことです」
「は、はい?」
きょとんとした直後、顔が染まった。
ようやく理解を得たシオンは、頬を朱色に変化させ少女のように初心な反応を見せる。
シオンの反応に女学者は、おやおやと面白がって言葉を続けた。
「凄いですよこのゴーレム。当時最先端の技術でも使われたんでしょうか……ここまで精巧な人型ゴーレムは現代でも製造が難しいというのに。生体データを読み取って対象者とは真逆の性癖を有するようになるみたいです。もし被虐性癖を感知したなら……対象者を嬲ることを何よりの悦びと感じる究極のサディストに構築されるようですね。性格、性癖まで読み取るとは、どんな技術が使われているのか興味深いです」
冷たいゴーレムの視線を思い出し、僅かながらぞくっとシオンの背筋に甘美な電流が走り抜ける。
「様子を見るにどうやらこのゴーレムは」
「も、もういいです! もういいですから!」
慌ててシオンは続く言葉を止める。
どことなく女学者は残念そうだったがシオンは気にしないようにした。
「危害を加えるものではないので、そこは安心してください」
シオンはそういうものなのかと改めてゴーレムを見つめる。
対してゴーレムは黙って静かにシオンを見つめ返す。
その仕草だけでもどこか作られたような艶めかしさを感じるほどだ。
「それでこの方はどうなるんですか?」
「それなんですが、少しの間でいいので預かってもらえませんか?」
唐突に返された言葉に、シオンは思わず目を瞬かせる。
「いえ、どうやら一度設定されると解除ができないようなのです。折角なのでこのゴーレムがどのような行動を取るかを調べてもらえたらなと」
シオンは少しの間考え込んだ。
危害を加えるものではないという。
それなら自分でなくともここで預かってもらっていてもいいのではないだろうか。
それに自分には目的がある。シオンは三度そちらを見た。
「よろしくお願い致します。私のご主人様」
ゴーレムはぺこりと一礼をする。その姿にどこか愛嬌を感じてしまうのだった。
そして、それを見たシオンは、つい肯定と共に頷いてしまう。
我ながら自分の押しの弱さに少しばかり複雑な気持ちを抱いた。
「では決まりですね」
手を叩き「よかったよかった、行動に関しては定期的に教えていただければ大丈夫です」とシオンに資料を手渡す。
「名前はどうしましょう?」
「ああ、それなら分かっています。そのゴーレムの個体名は【α-001】。最初の一人目を意味するアルファです」
◇ ◇ ◇
それからシオンはアルファと共に宿屋へと戻った。
部屋は空きがなかった。そのためしばらくシオンと同室で我慢してもらうことになる。
アルファに確認してみたが、案の定、「問題ありません」との答えが返ってくる。淡々とした受け答えにアルファがあらゆる事態に動じない頼もしさを感じるが不安はあった。
果たしてゴーレムのアルファは人の生活に馴染めるのだろうか?
「何か気になることがあったら遠慮なく言ってください」
シオンの心配した言葉にアルファは静かに一礼をして応えた。
宿は少し上のグレードの部屋だ。ベッドは大きいし、なんならソファーでシオンが寝ればいいだろう。
「私は明日の計画を組みますので、適当にしててください」
そして、机の上に広げた資料と今日の行動範囲を重ね合わせて標的の淫魔のことを考える。アルファのことも心配だが、シオンにとってはこちらが優先事項だ。
深く思考を巡らせるシオン。没頭するあまり時間の経過を忘れてしまい、気付けば陽も沈みかけていた。
一度体を伸ばして後ろを振り返ると、アルファは入り口の扉の横に、両手をお臍くらいの高さに組んで背筋を伸ばして立ち尽くしていた。学者がアルファ用に準備して持たせた物が入ったトランクもそのままに、最後に見た時の記憶と全く同じ位置から動いていない。
「アルファさん……? ずっとそこに居たんですか?」
「ご主人様が私を必要とする時までは、特に役目はありませんので。余計な物音などは邪魔になるかと」
さも当然のように返ってくる感情のない平らなセリフに思わず目頭を押さえた。シオンを気遣って微動だにしていなかったのかもしれないが、そこまでしてもらう必要はないし、シオン自身、ゴーレムが相手だろうが偉ぶって命令するのもしのびない。
「あまり気を遣われると、こちらも居心地が悪いので……そうですね、友達同士くらい、普通に過ごしててくれると嬉しいです」
「かしこまりました」
「とりあえず、その中に服が入っていると思うのでそれを着てから、出かけましょう」
「かしこまりました、しばらくお待ち下さい」
そう言うと、アルファは早速外套を脱ぎ捨てる。シオンと同じ、女性らしい柔らかな肌でコーティングされた靭やかな筋肉。安産型で大きめな尻と、ひときわ目を引く二つの爆乳。ソックリな顔と同じ、まるで鏡写しのような裸身があらわになって、妙な気持ちになったシオンは思わずアルファに背を向けた。
トランクの留め金を外す音。ガサゴソと漁る音。柔らかな布が擦れる音。同じ顔貌でしかもゴーレムとはいえ、それが艶めかしく耳を擽る。
「着替えました、ご主人様」
しばらくの後、声に従って振り返る。そこにはメイド服を身に着けたアルファがいた。
同じような服を着たメイドを貴族が従えている様を王都ではよく見かけるので、変に目立つことはないだろう。「ご主人様」と呼ぶアルファには似合ってもいる。だが、どうにも学者におちょくられているような気もしてならない。
「その……似合ってますよ」
「ありがとうございます」
小さく一礼するアルファはメイド服も相まって、ますます本物のメイドにしか見えない。
「では、夕飯に行きましょう。近くに美味しいお店がありますので……」
「ご主人様、申し出は嬉しいのですが、私は食事を必要としておりません」
「そうなんですか?」
「はい、私はゴーレムです。生物ではありません」
「でも、何か動力源となる何かがあるのでは?」
確かにゴーレムは生物ではない。だがその身体は人のそれだ。つまり食事を摂ることで生命活動を維持しているはずと決めつけていたシオンは小首を傾げた
「定期的に生物の魔力に触れることができれば最小限のエネルギーで動くことが可能です」
「それは私の魔力でも構いませんか?」
「はい。ご主人様の魔力ならば質も量も十分です」
では、と、シオンは魔力を込めた右手を差し出すと、アルファも右手を差し出し、軽く握り締める。
「んっ……ぅ」
身体から魔力が流れ出ていく感覚に、シオンは小さく呻いた。当然であるが、淫魔にエナジードレインされるのと、激しさと経路こそ違えど根本的には同じ行為。そして、そんな行為にも快楽を見出してしまうほど、シオンの体はかつて淫魔の手で調教され尽くされている。
「はい、役目を果たすのに十分な量です」
数十秒、何とか感じてしまう反射的な反応を我慢したシオンは、振りほどくようにアルファから手を離した。
「あ……す、すみません。ちょっと……苦手な感触でした……」
気を悪くさせてしまったかと思ってシオンは慌てて取り繕う。
「気にしていません。ご主人様のことは何でもわかります。その反応は当然です。ですが……嘘はいけません」
その瞬間。何の感情も抱いていなかったアルファの瞳がギラリと光る。
「贄の鎖《ベオーグチェイン》」
「っ……しまっ……!」
アルファが何の脈絡もなく突然放った魔法に対して咄嗟ではあるが回避しようとしてみせたのは、S級ハンターに上り詰めてなお研鑽を積み上げ続けてきた結果だろう。だが、相手、アルファはそんなシオンと同じ体格、同じ力、同じ速度を持っている。それならば当然、虚を突いてきたアルファにシオンが勝てるはずもない。シオンの二の腕、手首、腿、足首それぞれに巻き付くように一瞬で現れた光輪によって、シオンの意思ではそこに力を籠めることが出来なくなってしまう。アルファはその場に崩れ落ちそうになったシオンの身体をフワリと優雅かつ繊細な体裁きによって支えると、そのまま流れるように膝に腕を通して抱きかかえた。
「ご主人様の発情を確認しました。少し早いですが、今夜の伽を始めさせていただきます」
「はっ、発情なんてしていませんっ!」
そのままベッドの方へと歩いていくアルファの腕の中で、シオンは胴体を捩って抵抗しようとしたが、アルファの歩のリズムを崩すことすら叶わない。
「嘘はいけませんと言いました。私にはご主人様の身体の中で起こっている変化はすべて手に取るようにわかります。心拍の増加、体温の上昇、発汗……軽度の魔力の吸引だけでは通常発生しえない、快楽に晒されたかのような反応……まるで淫魔の餌のような身体ですね」
そして、シオンをベッドの上に寝かせた離れざまに耳元でそう囁く。
シオンはアルファの熱い吐息が耳孔を満たす悍ましい感触に歯を食いしばった。
一体、どこまで自分を理解されているのだろうか。淫魔を狩り尽くすという人生の目的も? かつて淫魔の餌として調教され尽くし、全身が弱点になったことも?
過去を理解されていないと出てこないような図星にかつての記憶がフラッシュバックしたシオンは背筋が凍った。
以前偶々知り得たシオンの情報を盾に、好き放題してきた女冒険者の顔が浮かぶ。S級ハンターが低級の冒険者にも陥落させられそうになる最大の弱点が漏洩する危険がある。
しかし、変に反応するわけにはいかない。シオンの服を脱がせるアルファの手の行方を睨みつけることしか出来ない。
あっという間に服をはぎ取られる。今度はシオンが全裸を晒す番だった。
「アルファさん……こんなこと、やめてください……」
「いえ、これはご主人様が望んでいること。私は忠実にご奉仕しているにすぎません」
そうして、シオンを裸に剥き終わったアルファがまるで添い寝するように傍に寄り添うと、右手を動かして魔法を操作する。
「あっ、い、いやああああああーーーーっ!」
途端に、ダラリと脱力して投げ出されていたシオンの四肢が動く。勿論、アルファの意思のみで。
両手は頭の上で組み、両脚は左右に大きく開くように。恥ずかしい場所が全て大きく曝け出されたポーズ。強烈な羞恥心に抗うように、シオンはイヤイヤと首を振って悲鳴を上げた。
「ご主人様の身体を張り巡る神経の一本一本まで、私は理解しています。どこをどう責めれば感じるのか、最適な快楽を与えることが可能です。きっと満足していただけるはずですよ」
添い寝するアルファの右手が、頭の上で組んだ状態で固定された手の方に伸び、身体と身体が更に密着する。自分と同じ柔らかな女体の、自分と同じ規格外の爆乳の信じられないほどの滑らかな肉の感触。
「ああ、しかし、快楽神経の活動を阻害する要因がここに……」
「っ! だ、だめ、それはだめですっ!!!!」
アルファは、シオンの指に嵌められた指輪を目ざとく見つけた。不感の指輪。淫魔の女王に調教された過去を持つシオンの肌は本来、衣擦れや風ですらも快楽に感じるほど敏感だった。それを抑え込むための魔道具を装備してやっと日常生活を送ることが出来るのだ。
「こんなものを付けていないといけないなんて、哀れんでしまうほどいやらしい身体をしているのですね。……私の役目を果たすためには邪魔です」
そんな事情など知ったことではないアルファは、シオンの指から抜き取ってベッドサイドに置いた。
「んっ、ん、ぅううううっ♡♡♡」
途端、ずぐん、ずぐん、と、シオンの身体は脈動するように疼き始める。身体を捩った時のシーツとの摩擦が。身体に纏わりつくアルファが着ているメイド服との衣擦れが。アルファの身体の柔らかさが。その手の冷たさが。全てが性感帯と化したシオンの身体を愛撫し始めた。
「なんて快楽に対して脆弱な身体……呆れてしまいます」