幻想的な月明かりに照らされた宿屋の一室。 その部屋ではくちゅくちゅと粘着質な水音が響き続けており、それと共に聞こえてくるのは絶世とさえ形容できるほどの美貌を持った女の喘ぎ声だった。 彼女の名はシオン。 若くして凄腕のS級ハンターとして名の知れた彼女は、優れた容姿からも注目を集めている才女である。 ムチっとした肉感の豊かな乳房が身悶えに合せて大きく揺れる。 安産を約束されたヒップ、暴力的なまでの美しさを兼ね備えた細いくびれ、華奢な肢体にはアンバランスに思えるほどの爆乳。 その全てがシオンという女の全てを扇情的に彩っていた。 一目見れば自慰行為の最中なのだと予想が出来る光景ではあったが、しばらく見ていれば様子がおかしいことに気付くはずだ。 「んひぃぃいっ! ああっ、はああ!?」 粒状の汗を纏わせたシオンが自慰行為を始めて既に五時間以上が経過している。 長時間のオナニーのせいでベッドのシーツは乱れ、彼女の体液によってこれ以上ない程に水分を吸っていた。 しかし、自分の意思で自らを慰めているはずの彼女の艶やかな口元からは快楽による艶声以外にも「ああ……もう、許して……」と、何者かに懇願するような言葉が聞こえてくる。 誰かに許しを請う言葉と共に細くしなやかな指先がクリトリスを強く摘まみ上げた。 「ひぎぃぃいぃっ!?」 それはまるで意思にそぐわない言葉を口にしたシオンへのお仕置きのようでもあった。 『にしても不思議だよねぇ。なんでオナニーの時だけ乗っ取れるようになったんだろう?』 その声はシオンの脳内にだけ響いた。 周囲に聞こえるのは微かにベッドが軋む音と、水音に喘ぎ声、これだけだ。 『ま、こっちは都合がいいからいいんだけどね、私をあっさり殺したハンターさんでこんな風に遊べるんだもん』 その声の主に操られたシオンの指先が膣癖を強かに擦り上げると、彼女は「ああっ!?」とまたも大きく起伏に富んだ女の身体を仰け反らせてしまう。 声の正体は下級の淫魔だった。 数日ほど前に討伐したはずの淫魔が何の因果かシオンに乗り移ったのだ。 怨念なのか、呪術の類なのか、それとも何か他の要因でもあるのか……理由は不明だが、下級淫魔のリリアーナはこれ幸いにと、自身を殺したハンターへの復讐を開始した。 「も、もう、やめてくださ……ああっ!?」 下級淫魔の操るシオンの指先が強かにくりくりと肉突起を弄ぶ。 敏感な核を転がされたシオンは何度目になるかも分からない嬌声を響かせた。 『ねぇ、悔しい? 私みたいな戦闘力なんてほとんどない下級淫魔にオナニーを管理されるなんて、S級のハンター様にはあり得ないような屈辱だよね?』 その言葉に被虐心を煽られたシオンの背筋がぞくぞくとした震えを起こす。 自分の身体を好き放題に操られ無理矢理にオナニーをさせられる屈辱にシオンは歯噛みするしかなかった。 勿論何もしなかったわけではない。 昼間には何かの呪いの類だと思い解呪のために教会へも足を運んでいる。 それに気付いた淫魔はシオンの主導権を操ることで無理やり行動を制御した。 どうやら強制的にオナニーをさせることもできるらしく、シオンの行動は淫魔に余計な情報を伝えてしまうだけの結果に終わったのだった。 『ここまで色々出来るのは正直予想外だったけどね、そうなると街中で強制的に変態オナニーさせるってこともできるわけよね。そんなことになってもいいの?』 「っ!そ、それだけは!」 そう脅されてしまえば結局言うことを聞くしかないのだ。 シオンを慕う街の人間たちにそんな姿を晒すなんて考えられなかった。 『じゃあ言うことは聞くしかないわよね?ハンターとしての活動はさせてあげてるんだから感謝してほしいくらいよ』 「ひ、卑怯者……」 『……まだそんなこと言えるんだ。じゃあしばらくお仕置き。あなたはもう私の物なんだからね』 さわさわと鼠径部をくすぐっていた指先が股間の割れ目上部で硬く尖った陰核をぴんっと弾き上げた。 「く、くううぅぅうっ!」 シオンは大きく仰け反った。 クリトリスを皮越しに弄ばれればそこから伝った快楽信号がポルチオを伝い脳幹を震わせる。 それと同時に性感帯の塊のような乳房への愛撫も開始した。 理性が消し飛ぶような快楽を与えられシオンは喘ぎ悶えることしかできないのだった。 ◇ それからも屈辱的な日々は続いた。 日中は脳内に響く淫魔の言葉責めに性欲を煽られ、夜になれば最低限の食事などを済ませてからオナニーを管理される。 その間にもどうにか打開策を練ろうとしたシオンだったが、結局妙案と呼べるようなものは浮かばず、ただ時間だけが過ぎていった。 下級とはいえ淫魔の性技はシオンのそれよりも遥かに卓越した技術だった。 自分でする拙い行為とは比べ物にならない程の自慰快楽。 それは少しずつ、だが確実にシオンの精神力を削っていった。 『普段はどうやってオナニーしてるの?』 そして、この日も―― 『何を考えて、何をおかずにしてるのかも教えてね』 シオンの自慰を制御する淫魔は下劣で卑猥な質問を繰り返していた。 普段していたオナニーを思い出しそれを口に出来るわけもないが、答えないことも許されない。 「わ、私は……」と黙りを決めこもうとするシオンの頭の中に呆れたような声が響く。 『逆らうってことで、いいのかな?』 「わ、私は……昔、淫魔に調教されて……」と素直に告白を始める。 『ま、そうよね。さすがに開発済みだっていうのは分かるわ。それが忘れられないのよね?』 シオンが震えながら告白する様を嘲笑うとリリアーナは掌をシオンの腹部へと這わせた。 整えられた爪先が肌の表面をつつぅ……となぞり上げる。 「ぁ……っ!?」 鍛えられた筋肉の上に薄く乗った柔らかい女の脂肪を確かめるように、ゆっくり、ゆっくりと…… 堪らず陰唇がこぽっと愛液を吐き出す。それは思わず顔を背けたくなるほどの淫猥な色合いをしている。 シオンはリリアーナに操られた自身の手で身体を愛撫しながら震える声で続けた。 「はぁはぁ……く、クロハという淫魔に、調教されたんです……それを思い出しながら……」 『クロハ!? 最高位の淫魔様じゃない! それをクロハって……クロハ様に調教していただいた、でしょ!? 何生意気言ってんのよオナ豚のクセに!」 リリアーナの怒声が脳内に響き渡るとシオンはビクンっと身体を跳ねさせた。 「あっ、あひああああああぁぁッ!?」 怯えるシオンが次の反応を返すよりも早くリリアーナは膣内へと指先を挿入。 ごりゅごりゅと技巧を加えたねじり方で膣壁のヒダを絡めとるように責め嬲る。 『で?』 問いかけるリリアーナ。 答えやすいようにと責めを緩くされたが、それでも快楽を止めることはしなかった。 流れ込んでくる快感を必死に耐えながらシオンは口を開く。 最愛の家族だった妹を殺したこの世で最も憎んでいる宿敵をよりにもよって敬わなければならないなど…… しかし、リリアーナがほんの少し指を鉤爪状に折り曲げただけでシオンの心は容易くヒビを入れられる。 「あああ、く、クロハ様に、調教していただいたことを、思い出しながら、クリトリスを……」 『ふぅん? 普段はクリトリスで遊んでるんだ? こう?』 指先で摘ままれたクリトリスがぷりっとした身を晒す。 その細長く尖った尖塔を爪先が器用に弄ぶ。 一見乱暴に見えるやり方だが、その指先は同じものでも自分が普段していた触れ方よりも卓越した性技術を持っていた。 「あああっ! はひぃぃいい!? ま、まって、は、激、しっひ、ひんぎいいいいぃぃいッッ!?」 表面を撫でられ、かと思えば裏筋をくすぐられる。 指の腹で陰核の基部をコリコリされてしまっただけでシオンはよがり狂わされあっさりと屈してしまう。 『違うの?』 「ああ、はひ……び、敏感すぎて、ちゃんと、触れないんれす……」 『へえ?』 ニヤリとサディストとしての本性を現した笑みがシオンの脳裏に浮かんだ気がした。 「はひぃぃいい!?」 リリアーナに操られた指先によって、肉厚な包皮から恥ずかしそうに顔を出すクリ亀頭が撫でられる。 性感神経が根を張り絡みついたような極限の感度の突起を弄り回される感覚は饒舌に尽くし難い。 触られるだけで激しく身悶えするようなその器官は、淫魔の超絶技巧で擦られることでその感度を数倍に跳ね上げた。 自慰とは次元が異なる快楽にシオンは股から大量の愛液を噴き出してしまう。 『うわ……雑魚すぎ……どんだけ感度高いのよあんた……』 激しく呼吸を繰り返すシオン。 その呼吸は過度の快楽に酸素の消費量が増大し、酸欠気味になっていることを示していた。 肩で息をして、肺を限界まで酷使する。 白い腹部が限界を知らせる様に上下していた。 勃起したクリトリスが無様にも激しく痙攣する様子が彼女の受けた快楽の強さをこれ以上なく表しているが、淫魔はシオンを休ませるつもりなどなかった。 息も絶え絶えのシオンに質問が続けられる。 『もっと優しく? それとも激しい感じ?』 「か、皮の上から、優しく……ぅあ!?」 次はいつも自分が慰める時と同じ触り方。 扱く、というよりは触れただけ、肉厚包皮を軽く刺激する、芯にさえ快感が伝わらないような貧弱で情けないマゾオナニー。 ほんの僅かに指先が触れただけでぞくっと鳥肌を立てて腰を引いてしまう。 あまりにも弱々しい反応だ。普段は人目のない状況でするオナニー行為を見られているという現状が、シオンに自分の身体の弱さを再認識させられる。 『ハァ』 自分を殺したハンターの情けない姿を見てリリアーナは呆れたように溜息を吐いた。 『……よわ』 自分よりも遥かに格下の相手に見下される屈辱的な状況がシオンのマゾヒズムを強烈に打ち抜いた。 ぞく……っ! 被虐の羞恥心が背筋を伝う。 その一瞬、身体中に蓄積した熱が下腹の一点に収束した。 ぶるり……っ、と小さく痙攣したかと思うとシオンは割れ目の奥から濃厚な雌潮を数滴噴き出してしまっていた。 「はあ……あぁ……はひ……」 羞恥心と屈辱を煽られただけでシオンは恥辱の極みへと到達させられたのだった。 『いつもこんなに弱々しいマゾオナニーしてるんだ?』 そして、再び愛撫が開始される。 それに対してシオンは喘ぎ悶えることでしか反応できなかった。