「先輩先輩♡ あたしとゲームしましょうよ♡」 「……ゲーム?」 後輩の榊綾芽の提案に、古馬栄治は難色を示した。 「今、僕は、勉強をしているんだけどな……」 「勉強なんて、家に帰ってからでもできるじゃないですか♡ 今は、私と、この文芸部の部室で、二人っきり……ですよ?♡ イチャイチャしましょうよ~♡」 「あっ、やめろこらっ……!」 椅子に座っている古馬に、背後から抱き着く榊。 残念ながら、胸の柔らかさは感じられないが……それでも、女の子特有の柔らかさや、フルーツのような甘酸っぱい匂いは感じられる。 「お、お前みたいな貧乳に抱き着かれても、嬉しくないんだよ……!」 古馬は、ドキドキしていることを悟られないように、少しキツい言い方をした。 榊は、古馬から離れて、正面の席に座る。 「先輩……それ、本気で言ってんの?」 「うっ……。そ、そうだよ。本気だ。貧乳なのは、事実じゃないか」 「……」 榊は、頬を膨らませている。 実のところ、この女――古馬のことが好きなのだ。 中性的で、クールな印象の古馬に一目惚れをし、文芸部に入部したのである。 (おっぱいがなくたって、女の子なんだから、もうちょい慌ててくれたって良いじゃん……!) ムカついた榊は、さらに大胆な行動に出ることした。 「なにしてるんだよ……」 「ん~? 今からね、先輩を『メロメロ』にしちゃう、魔法のアイテムを使おうと思って! あたしをコケにした罰だよ~♡」 鞄をしばらく漁った榊は……体操服を取り出した。 「さっき授業で着たばっかりだから、女の子のフェロモンだくだくに染みてるよ?♡ 先輩、貧乳には興味ないんだよね? 興奮なんて、しないんだよね? じゃあ、あたしの汗の匂い、嗅いで?♡」 「バカなこと言うなよ……! 汗の匂いなんて、臭いだけだろ!? そんなの、拷問じゃないか……」 「うるさい! 良いから嗅げっ!」 「うむぐっ゛!」 素早く古馬の背後に回り込み、体操服を鼻に押し当てる! じゅわぁ……♡ っと、汗で濡れた布部分から、フェロモンが染み出してきた♡ 鼻がジメジメとした感触に包み込まれる……♡♡♡ 「うっ゛……」 普段から、柑橘系の甘酸っぱい匂いを、プンプンとまき散らしている榊の、汗フェロモンは――格別だった♡ 汗は、異性を引き寄せる力が強く、雌成分がより濃厚に含まれているために、柑橘系よりも、桃などの、本能に訴えかけるパワフルな甘酸っぱさが香るのだ♡ おかげで、最初はジタバタと抵抗していた古馬も、すっかり脱力してしまう……♡♡♡ 「あれあれあれぇ~~?♡ どうしたのかなぁ先輩っ♡ 汗のくっせぇ匂いなんて、嫌だとか言ってたくせに♡ ちょっと鼻を抑え込まれただけで、もう抵抗するのをやめちゃうの?♡ ざっこぉ~♡ え? 汗だよ? 汗♡ わかる?♡ 老廃物♡ 貧乳じゃ興奮しないってイきってた先輩、どうしちゃった?♡ ねぇねぇ聞いてる?♡ 女の子の臭い匂いで負けちゃうの?♡ フェロモンが弱点の、雑魚雄認定されちゃって良いの?♡ 普段はクールぶってるくせに、こうやって女の子の濃ゆい匂い嗅がされるだけで、ヘロヘロになる敗北大好き人間ってみんなにバラしちゃうよ?♡ 良いのかな?♡ ねぇねぇ先輩♡ ねぇってばっ♡♡♡」 大好きな先輩を、想像よりも遥かに簡単に堕とせてしまった事実に、榊は興奮している♡ しかも、今はただ、適当に体操服を押し付けているだけだ。 一番匂いが濃い部分は、まだ試していない♡♡♡ 「ねぇ先輩♡ 体操服の中で、一番ムワッ……♡ っと汗が香る部分、どこかわかるぅ?♡」 「うぁ……や、やめろっ……絶対やめろぉ……♡」 「やめないよ~♡ 先輩が、あたしをバカにしたのが悪いんだし♡ 貧乳を煽った罰を、たっぷりと受けてもらいま~す♡ ……それじゃあ、ご堪能ください♡ ――あたしの『腋汗』しみしみジメジメフェロモンスポット~♡♡♡♡」 「あっ゛――♡♡♡ うぁあ゛……♡♡♡」 つぅ~~~んっ♡♡♡ っと、鼻に響く甘酸っぱい匂い♡ パイナップルに近いような、甘さはあれど、酸味の強いフェロモン臭だ♡ 嗅いでいると、癒されるというよりも、脳がピリピリと痺れて、呼吸が浅くなる♡ 動物の生々しさを感じさせる、強烈な匂いに、古馬はブルブルと痙攣し始めた♡♡♡ 「うわ~♡ あたしの女の子汁の刺激臭、そんなにキツかった?♡ 今日は、結構走ったからなぁ~♡ 体中の雌出汁がコッテリ抽出された、酸っぱい汗が染み込んじゃってたのかも♡ ……でもぉ。やっぱり抵抗しないってことは、嫌じゃないってことだよね?♡ 先輩、結局あたしの匂いにボロ負けじゃん♡ ざ~~こ♡ お鼻の奥、汗くさフェロモンでツンツンされる気持ちはどう?♡ 肺の中の空気が、どんどんあたしの匂いに代わっちゃうね♡ むわっむわの腋がピッタリフィットしてた、世界で一番臭い布……♡ まだまだ離さないよ?♡ 先輩の 鼻が、フェロモンバカになるまで、押し付け続けてあげる♡♡♡」 「うぉぁ゛……♡♡♡ さ、榊ぃ……♡ 僕が悪かった……♡ 頼むから、もう……♡♡」 「えぇ~なにぃ?♡ 今更謝ったって遅いよ?♡ 貧乳を貶された悲しさなんて、先輩にはわかんないでしょ?♡ 絶対許してあげな~い♡♡♡」 「んがぁあぁ゛……♡♡♡♡」 グイグイと、湿った腋汗の染みる部分を嗅がされて、段々思考することさえ難しくなっていく……♡♡♡ 気が付くと、古馬のペニスは、無様に勃起していた♡ それを見た榊が、クスクス♡ と笑っている。 「ありゃりゃりゃ~?♡ 先輩、お股のそれ、どうしちゃったのかな?♡ おかしいよね~♡ 貧乳では興奮しないって言ってた人が、くっさいくっさいムワ汗しみしみ体操服の匂いを嗅がされただけで、おちんちんがふっくらしちゃうなんて♡ ねぇどうして?♡ 先輩♡ どうしておちんちん大きくなっちゃったの?♡ 理由を教えてよ♡」 「う、うるさぁい……♡♡♡ もう離せよぉ……♡♡♡」 「やだ~~♡」 「んぐっ゛♡♡♡」 生意気な態度の古馬に対して、鼻の穴に腋汗染み込み部分を捻じ込むという拷問をかまして、わからせる榊。 古馬は、涙を流しながら、体を痙攣させる♡ 「やめてっ♡♡♡ もうやぁっ♡♡♡」 「あ~先輩♡ 可愛い声出ちゃったね?♡ もぉ~そんな被害者みたいな顔しないでよ♡ 貧乳をイジられたんだから、これ、正当防衛なんだよ?♡ 先輩の鼻、ぐちゃぐちゃにしたって、あたしちっとも悪くないんだから♡ ……でもぉ。先輩が、どうしておちんちんが大きくなっちゃったのか、理由をちゃんと説明できたら、離してあげるかもしれない……♡♡♡ ……ねっ♡ それを踏まえて、どうなのかな?♡ おちんちんムズムズしちゃったの、どうして?♡ 教えてごらん?♡ ほらほら早く♡ お鼻イかれちゃうよ?♡ 教えて教えて?♡ 雑魚変態マゾの先輩っ♡♡♡」 「うぅ゛……♡♡♡ ……さ、榊のっ……汗がぁ……良い匂いだったからっ……だよぉ♡」 「……ふふっ。……はぁ~い♡ 良く言えましたぁ♡ 偉いね~先輩♡ 許してあげる♡♡♡」 「ぐぇえぇっ……♡♡♡♡」 ようやく、体操服の蒸れ汗地獄から解放された古馬は、苦しそうに呼吸をした。 「先輩♡ あたしに逆らったら、どうなるか、わかった?♡」 「わかったって……♡ ……もう、勘弁してくれよ」 「……ん~? なぁにその、反抗的な目♡ まだ、反省してないんじゃない?♡」 榊は、鞄の中から、靴下を取り出した……! どうやら、相当蒸れているらしく、取り出しただけで、湿った空気が、むわむわと漂ってくる♡♡♡ 「や、やめろっ……何をするつもりだっ……!」 「先輩、もうちょっとわからせてあげないと、ダメダメみたいだから♡ もっと酷いことしようって決めたの♡ ……これは、さすがに臭いと思うよ?♡ 体育の前から履いてたし♡ まだ蒸れてるし……♡♡♡」 「いやっ……いやだぁっ……」 逃げようとするも、腋汗フェロモンで筋肉を弛緩させられた古馬は、椅子から動くことができなかった。 靴下が――ゆっくりと迫ってくる♡ 「それじゃあ先輩♡ 召し上がれ?♡ 私がじっくりじっくり育て上げた、雌くさ臭全開の、ドスケベジメジメフェロモン靴下……♡♡♡」 「いやぁ゛……あぅっ゛♡ うぉおっ゛――!」 ぴたぁ……♡♡♡ 湿った靴下を、網に生肉を乗せる時のように、じっくり顔面に乗せる……♡♡♡ もわぁ~~~つぅ~~んっ♡♡♡♡ 靴下に染みたフェロモンは、レモンのような匂いがした♡ 甘さよりも、鼻にズキズキと突き刺さる、攻撃的な香り♡♡♡ 「と、取ってっ゛♡♡♡ うぁ゛っ゛! キツイこれっ゛♡ おっ゛♡」 「あはははっ♡♡♡ 先輩、靴下くちゃいくちゃいだねぇ?♡ でも、体が動かないから、自分で取れなくて可哀想♡♡♡」 「うぁああぁ゛♡♡♡ ウぁ゛~~~!!♡♡♡」 「無理無理♡ そんなに一生懸命首を振ったって、靴下は落ちてくれないよ?♡ 汗でエグいことになってるから、べったり張り付いて、先輩の鼻を逃がさないの♡ 雄をブチ壊すのにうってつけの靴下だね~♡」 むわんっ゛!♡♡♡ むわんっ゛!!♡♡♡ 呼吸が苦しくなるほどの、酸っぱい香り……♡♡♡♡ 悪臭ならば、こんなにも狂うことはなかったかもしれない。 良い匂いなので、脳みそが掻きまわされて、頭がおかしくなるのだ♡♡♡ 「ごめんってぇ゛榊ぃ゛♡♡♡ もう貧乳バカにしないからぁっ゛!!♡♡ お願いだからこれ取ってよぉ゛!!!♡♡♡」 「取りませぇ~~んっ♡♡♡ 先輩は自分の愚かさを、もっと自覚するべきだよ♡ こんなにも可愛い女の子、おっぱいの大きさとか関係ないじゃん♡ そうでしょ?♡ そうって言えっ!♡♡♡」 「そうですっ゛!! 榊は可愛いですっ゛!!!♡♡♡」 「……っ!♡」 ぞくぞくぞくっ……!♡♡♡ 榊は、言い表しようのないような高揚感を得ていた。 あのクールな先輩が、プライドを捨てて、自分のことを可愛いと言ってくれている……! 本当は、巨乳の方が好きなはずなのにっ……! 「じゃ、じゃあっ♡ あたしのことが好きって、何回も言ってくれたら、靴下を外してあげるかもしれない……!♡」 「好きだっ!!!♡ 榊ぃっ゛!!!♡♡♡ 大好きだぞっ゛!!♡♡♡」 「んぁ~~……♡♡♡ もっと……!♡♡♡ もっとだよ先輩!♡♡♡」 「好きっ゛♡♡♡♡ 好きぃ♡♡♡♡」 「きゃ~♡♡♡♡ ……先輩、それ、本心?♡」 「本心だってぇっ゛!!♡♡♡」 「そっかそっか、本心なのかぁ……♡♡♡」 「うっ゛……けほっ、けほっ……♡♡♡」 靴下を剥がしてやる榊。 剥がした後には、フェロモン汁と思われる液体が、べったりと付着していた……。 そこから、酸っぱい香りが、もわぁ~~んっ♡♡♡ っと香ってきて、榊は、少し恥ずかしくなる。 「先輩……。……あたしのこと、好きなんだね?」 「……」 「好きって言ったもんね!?」 「あ、いや……」 フェロモンを払うように、鼻をティッシュで拭いている古馬に、榊は詰め寄る。 「ねぇ嘘ってこと? 先輩。やっぱりおっぱい大きい子の方が好きなの?」 「あ、当たり前だろ……。……男はみんなそうだよ」 「……ふぅ~~ん」 体が動くようになった古馬は、目のハイライトが消えた榊から、慌てて距離を取った。 「じゃ、じゃあ。今日はこれで解散ということで。……また明日な! 榊!」 「……うん! ばいばい。先輩」 なんとかして逃げ出した古馬だが……榊の不気味な笑みには、気が付いていなかったようだ。 一人になった部室で、榊は呟く。 「よし……。……明日は、先輩のことを、ガチで壊しちゃおっかな!」