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愛と痛みの境界線〜秘密の自由研究【はじまり】(第一話)

※あらすじ 北海道の片田舎。 夏休みに今は使われていない小屋を見つけた、小学生六年生のアキとナツ。 興味本位から中に入ってみると、そこには用途不明の道具が入ったダンボール箱とSM写真集が置いてあった。 「私達さ、自由研究何するか決めてなかったよね」 「…ねぇ、これやってみない?」 __夏休み、秘密のごっこ遊びが始まる (スパンキング描写はまだないです。近いうちに挿絵付きで公開したいです。頑張ります。) ※以下本文 「アキ大丈夫?顔、真っ赤だよ」 「だ、だだ、だ大丈夫…!」 「あははっ、めちゃくちゃ動揺してるじゃん」 「まあ、しょうがないよ。こんな道具私も初めて見たし」 ナツはすごーいと呟きながら縄を手に取る。 (ナッちゃん、はじめてなのに冷静すぎだよ…) さらにナツは首輪らしきものを箱から取り出す。 (なんか、ナッちゃんが持ってるのを見るとドキドキしてくる…何この気持ち…) 「……」 「ナッちゃん?そんなに首輪見つめて、どうしたの?」 「…アキ、私達まだ自由研究何やるか決めてなかったよね」 「え?うん」 「私、いいこと思いついちゃった」 「?」 「この道具を使って色んな研究をするの!そんでもってレポートにまとめるの!」 「えぇ!!!?」 「…色んなって、具体的に何するの?」 「そりゃあ、まあ色々だよ」 「まだ何に使うのかよく分かんないものもあるし、とにかくこれやってみようよ」 「ね、いいよね?」 「…う、ん」 「と、いうわけで」 「これ、さっそく付けて?」 ナツはアキに首輪を差し出す。 「ちょっと待って!わ、私が付けるの!?」 「アキ以外に誰が付けるのよ」 「ナッちゃんは!?」 「私はこーゆーの柄じゃないしさ、アキは似合うよ」 「首輪似合うって言われても、嬉しくないよっ!」 「え〜〜?そう?」 「…の割には、口元笑ってるけど」 「!?」 「あぁ…自覚なかったんだ」 クスクスとナツは笑う。 「ちょっとやだ、アキってじつは変態なんじゃない?」 「や、やめてよ、違うってば!私変態なんかじゃないもん!!」 慌ててアキは首を振る。 「じゃあ、やっぱりやめる?」 「アキが嫌なら無理させる訳にはいかないもんね」 「!」 「私はアキの意志を尊重するけど、このままだと自由研究のテーマ一から探し直しだけど、どうする?」 「……え、と」 「…わかった、やる」 「自由研究のためだもんね、うん」 アキは自由研究のためだと口に出し、自分を納得させているようだった。 ナツはきゅっと目を細めて笑うと、首輪を持ってアキとの距離を詰めた。 「アキ首出して」 「く、首出すってどうやって…?」 「下向いて、髪は自分で持って、うなじ見えるようにして」 「よし…髪挟まってない?」 「た、多分大丈夫」 「はい、上向いてて」 二人の吐息の合間にカチャカチャと金属の音がする。 「…できた」 「そこに置いてある鏡で見てみて」 アキは壁に立てかけられていたスタンドミラーの前に立つ。 鏡の中には首輪をした人間、アキが立っていた。 赤い首輪が巻かれている状況に、アキの心臓は興奮か緊張かあるいは興奮と緊張の両方か、どくどくと脈打った。 「アキ、かわいい」 ナツの言葉にゾクリとした感覚。 「はあ…はあ…」 息が荒くなる。 「リード、付けてみよっか」 ジャラリと金属の擦れる音が耳元でする。 アキがナツに目をやると、その手には細い鎖が握られていた。 「はい、できた」 「犬みたいにお座りして」 「足は開いて、そう…アキ、すっごい可愛い」 鏡をちらっと見ると、そこには犬を模した人間が映っていた。 人間性を失ったような感覚。 「……っ」 思わず目を背ける。 恥ずかしいはずなのに、アキは何故か同時に安心感で満たされていた。 「ねぇ、ちゃんと鏡を見て」 ナツが鎖を短く持った、首輪が上に引っ張られて首が締まる。 「…ふっ!」 「アキ」 ナツは強くアキの名前を呼ぶ。 これは許してくれなさそうだと悟ったアキは、再び鏡を見る。 顔を真っ赤にして小さく震える自分の姿。しかしその顔はどこか恍惚としており、それは自分の鎖を握るナツもまた同じであった。 「はぁ…可愛い」 「ほんとに可愛いよ」 「恥ずかしい…」 「恥ずかしい?本当に?」 「顔、ニヤけてる」 「ぁ…」 「い、いじわるしないで…」 「あははっ、ごめん」 「だってあんまりにも可愛いからさ」 (普段私のこと可愛いなんて言わないのに、なんで今日はこんなに言うの…!) アキの思考能力は限界を迎えており、息も絶え絶えの状態となっていた。 「ナッちゃん…」 「アキ…」 ______「わっ!今何時!?」 山でカラスが鳴いている。 いつの間にか外は日暮れになっていた。 「やばい!帰らなきゃ!」 「アキん家、門限厳しいでしょ?」 「早く帰ろ!」 二人はどたばたと荷物をまとめる。 「よし!おっけー!」 小屋を出て二人は山道を駆け下りる。 何とか夕日が沈む前に、山を降りる事ができた。 山を降りると二人の家まで別れ道。 二人は家が隣同士だったが、ここは田舎、その距離は2キロはあった。 「アキ、またね!」 「気をつけて帰りなよ!」 ダッシュで帰ろうとするナツの後ろ姿にアキは叫ぶ。 「ねぇ!!!」 「?」 アキの声にナツが振り返る。 「”自由研究”、次はいつしよっか?」


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