5月某日、深夜。某県某旅館の客室にて。
俺ことセンパイと、後輩こと成宮は布団を川の字スタイルに眠りについていた。
まあふたりきりなので川には一画足りないのだが。
すうすうと彼女の小さな寝息と外からの虫の音だけが聞こえる。
最初、旅行のプランを練る時に部屋を分ける事を提案をしたが、旅費の問題とそれに加え『センパイを信じているので大丈夫ですよ(ハート)』と言われてしまいいつも通りなあなあな感じで今に至っていた。
そんな俺は彼女に背を向けるような形で松なのか波なのか雲なのか虎なのかよくわからないものが描かれた襖と睨めっこしていた。
落ち着いて特に問題ないように物語っている俺だが、内心、心臓ばくばくである。
初めてのお泊り。しかも旅館。
若い男女がふたりきり何も起きないはずもなく…などと良く言ったものだが『センパイを信じている』とトラップカードを先に発動されてしまっては先輩として為す術もなく大人しくしている他ない。
「…センパイ、まだ起きてますか?」
遠慮がちな小さな声で成宮が呟いた。
眠っていたと思ったがまだ起きていたようだ。俺は小さく、ああ、とだけ返事する。
「旅行、楽しかったですね」
「そうだな、誰かさんにノセられてバイト代は吹き飛んだが、楽しかったよ。
まぁ、まだ明日の朝も早く起きて川下りが残ってるから、寝坊するなよ」
「ねえ、センパイ」
声が近い。
すぐ耳元で囁くような。
吐息を直で感じられるような距離。
さらさらと衣擦れのような音も聞こえる。
「それよりも前に、まだ夜のイベントが残ってるんですけど…?」
「っ!?」
ふーっと耳元に息を吹きかけられ我慢できずに俺は布団から身を起こす。
振り返るとそこにはあられもない姿の後輩の姿があった。
「お、おまえ!」
「センパイ、しー」
成宮は人差し指を立ててそっと自分の口元に当てた。
「もう遅いのであまり大きな声を立てると他のお客さんに迷惑ですよ」
この後輩、こう見えて俺以外の人間にはかなり気配りのできるしっかりものの後輩である。
「お、お前…さっきまで履いていた可愛い猫の下着はどうした?」
「はぁ…猫耳パーカー編でやったそのくだり…また必要ですか?
浴衣の下に下着をつけていたあの邪道な後輩は偽物なので私が直々に処分しておきました。
センパイの私はいつでもどこでも浴衣の下には何も着けない女です(どやあ)」
どやぁじゃねーよ!
「そんな事よりも」
そんな事って流された。
「大人しく寝ているフリをしていたのに…センパイったら何もしてくる気配がないんですもん」
じとーっと俺の事を睨んでくる視線が痛い。
「それはお前が"センパイを信じてる"なんて言うから…」
「センパイなら"何も言わなくても寝込みを夜這ってくれるって"信じていたのに…」
「そんな行間読めるかぁ!!!!!」
「そうは言ってもちゃっかり持参してるし…。
センパイも最初からやる気満々だったんじゃないですかぁ?」
月明かりにぼんやりと照らされた彼女の白い肌が今日は妙に艶めかしく見える。
「う、うるせぇ。この状況に期待しない男は居ない。断言しても良い!」
カバンの奥底に隠してあった例のブツをなぜか成宮は咥えている。
コンビニが近くにない事は事前に確認済み。予め購入しておいた私物であった。
「でも…ぽーーーーい」
「おおい!」
無慈悲にも役目を果たせずに部屋の隅っこの方へ投げ捨てられた可哀想なゴム。
「安心してください。今日は大丈夫な日なので。
連れてきてくれたご褒美に好きなだけして良いですよ💕」
「いや、そのセリフが許されるのはエロ漫画の世界だけなのは俺でも知っている」
「はぁ…やっぱりセンパイは意気地なしですね…。
私から言わないと手を出してもこないし、その覚悟もないなんて…。
はぁ~~~~~~~~センパイにはほとほとがっかりです」
「お前~~~~~~~!!!!!」
結局いつもの売り言葉に買い言葉で流されてしまう俺だった。
「そしてセンパイこと俺は後悔する事になる。
女のいう大丈夫なんてあてにならないという事を…」
「おい変なフラグを立てるのやめろ!!」
「そう言ってセンパイ、いつもより大きいし。
可愛い浴衣の後輩ちゃんにちょっと興奮し過ぎじゃないですかぁ?」
じゅぶり、と。
ぴっちりと閉じていた肉壁をこじ開けるように俺の勃起が中に挿入っていく。
「ん…くぅっ」
どちらのものとも言えない熱い吐息が漏れる。
ぎゅうぎゅうと柔らかなひだが絡みついてくるような感覚が俺を包む。
「お前だってもう準備万端だったじゃないか…」
「こ、細かい事を気にする人間は立派にはなれません…よ。
できる後輩はヘタレのセンパイに合わせてあげていたのに…」
とろとろと甘く蠢くような成宮の中。
油断するとそのまま全部持っていかれそうになる。
「そこまで言うのなら」
成宮はそう言ってゆっくりと腰を浮かせ、そのまま勢いよく下ろした。
「明日の朝、起きられずにもう一泊する覚悟を決めてくださいね❤」
後はそれの繰り返し。
「お、おい…成宮ッ」
(じゅぶ、じゅぶり、じゅぷっ)
リズミカルな上下運動の音。
彼女の首元から時折ふわりと漂ってくる柔らかな甘い匂い。
およそすべての感覚が快楽となって俺を襲ってくる。
「情けない声を出して、もう限界ですかぁ?
本当にいつも勢いと声だけは大きくて…弱い犬ほどなんとやら…ですね」
うふふ、と妖艶に彼女は嗤った。
(ずっ――ずぷっ、じゅ! ばちゅっ!)
まずい。こいつのペースで動かれると本当に一瞬で終わってしまう。
「くぅっ――」
少しでも抵抗するように俺は後ろから成宮をぎゅっと抱きしめた。
「セ、センパイ?」
胸の中に成宮のぬくもりを感じる。
華奢な体、その細い首筋。くそ生意気でときどきかなり辛辣な事を言ってきてふざけんなってなることもあるけれど。それでもこんな俺から離れずに一緒にいてくれる後輩。嫌ならば愛想をつかして俺のもとから離れれば良いのに。生意気で愛情表現が人よりも少し不器用な後輩。
そんな後輩がたまらなく愛おしくなり俺は成宮の首元に無意識に唇を当てていた。
「んっ…や…センパイ」
ひときわ大きく成宮の熱い吐息が漏れた。
首筋に舌を這わせながら、伸ばした手で成宮の乳房をまさぐる。
決して大きくはない、でもそれでいて小さくもない形の良い胸の感触。
「っ!」
俺の指先は胸の先を見つけ、そっと力を込めた。
(きゅうっ――)
――と、つままれた乳首に反応するように膣肉が締め付けてくる。
「だ、だめ…センパイ、乳首引っ張っちゃだめですぅ」
俺はぎゅっと後ろから抱きしめながら、両手は執拗に成宮の胸元を攻め立てる。
「ん…ふぁっ…」
ゆっくりと腰の上下運動も再開する。
成宮は体を自由に動かすことができず俺の胸の中で小さく身悶えしている。
「はあっ――あっ――おっぱいと、おまん、こっ、一緒にいじめちゃだめですぅ」
俺にもそんなに余裕はない。もう一度ペースを握られてはすぐに果ててしまうだろう。
俺は手と腰を緩めることなく、成宮の体を持ち上げ己の腰の上下に合わせて打ち付ける。
強烈な締め付けは変わらず俺を離すことをしてくれない。
(ぎゅりゅ、ぐぷっ、じゅぷじゅぷっ)
「はっ、うっ…んみゅ…んっ――」
成宮は浴衣の袖をはみ、必死に声を漏らさないようにしているのだろう。
お互いに同じ方向を向いているので表情は見えないけれど。お互いにお互いを感じているのがわかる。
「らぁめぇ…ふぇんぱい、声…出ちゃうからぁ…」
もうすこし、ゆっくりと続く声は声になっていない。
「成宮…このままなかに出すぞッ…」
小刻みに腰を打ち付けるピストンの動きが更に早くなる。
「センパイっ…センパイっ…そのまま来てくださいっ」
「大好きだ、成宮っ」
「わらひ、も――すきっ――です――! 好き、ん、ああああああっ」
(びゅるっ! びゅ! びゅう! どびゅっ!!)
俺のなかに溜まっていたモノが勢いよく成宮のなかに吐き出された。
「熱い…センパイのまだ、はいってきて…溢れちゃう…」
成宮はビクビクと全身を痙攣させている。
俺は成宮を抱きしめながら体をいっしょに布団へと倒す。柔らかな感触が俺たちを包む。
快楽はやがて疲労感へと変わっていく。
このまま、朝まで眠って――。
「眠ってしまおうか、なんて思ってませんかぁ、センパァイ…?」
「え…これってこのまま綺麗に終わるところじゃないの…?」
「それはそのギャルゲーの攻略対象が清純派ヒロインだった場合の話です。
もう…途中からめちゃくちゃにして…絶対、お隣さんに声聞かれちゃってるし…。
まぁ普段と違う感じがしてすこし上ずっていた私も良くないですけど…」
成宮は頬を赤く染め、わなわなと肩を震わせている。
「それは別で! センパイのくせに調子に乗りすぎです…!
お返しにセンパイの情けない声もお隣さんに聞かせないと私の気が済みません…」
さぁ…可愛い声で鳴いてみてください――と。
にこっと満面の笑みで成宮は俺のことを見つめてくる。
その後ろには大きく真っ白な真円の月。その位置はまだ高く明け方は遠いだろう。
ああ…川下りの予約のキャンセル料ともう一泊する費用はいくらだろうか。
そんな事を思いながら、夜はふけていった。
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以下・陰毛有無や未使用の差分
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長々と拙いものをご覧いただきありがとうございました🙇♂️
これでだいたい、4000文字ちょいくらい。
いつもの導入とえっちな差分のおおまかな流れだけ文字に起こそうと思ったら…楽しくなって書いてしまいました。
(読み物として満足できるものをお届けできているかは置いておいて…)
僕は文章を書くのも割と好きなので…会話のパートとかは苦もなく書けるんですけど…。えっちな文章ってほとんど書いたことないので…エロゲを起動して参考にしながら書いてました。楽しかったけど、やはり難しいですね💦
今回はいにしえのギャルゲっぽく紙芝居風にしたくブログ機能を使い、演出よりも文量を多めにしてみたんですが、いかがでしたか…?
参考にさせて頂きたいのでもし良かったらまたご感想いただけると幸いです!
黒柳 凪
2022-05-15 13:30:32 +0000 UTC斧アックス
2022-05-14 16:02:19 +0000 UTC