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潜入捜査員、月城 美智流【中編】

 大掛かりな仕掛けから、ゆっくりと怪しげに現れた“手”。それは美智流の腕を吊るす鎖の両サイドから1本ずつ、計2本現れスルスルと降りてくる。そして美智流の顔を通り過ぎ、腰の辺りまで降りてきたかと思うと、その指使いを美智流に見せびらかすように、わしゃわしゃと素早く指を動かせて見せた。 美智流 「そ、そんな装置で……、私に何をするつもり……?」 (何なのよこの手……。変質者みたいな動きで気色悪い……!)  その姿に拷問とは別の恐怖心を抱いた美智流。寧ろ、拷問=痛めつけられる、という恐怖心は消え去っており、まるでその指で身体を弄られエッチな事をされるのではないか、という恐怖心に変わっていた。  勿論、この“手”でも、首を絞める、お腹や身体を殴って痛めつける、などという痛みや苦痛を与える拷問は出来るだろう。だが、少なくともそんな拷問を行うなら、ここまで指の動きを見せつける必要もなければ、そういう装置を作るにあたり無駄な労力だと感じざるを得ない。だからこそこの指の動きは、美智流自身が女性という事もあり、“嬲られる”、“エッチな行為をされる”という責めを想像してしまうのだ。 由羽 「そんなに顔を引きつらせなくても良いじゃない?」 美智流 「こんなに気色悪い物、引くに決まってるじゃない……!これで何をする気なのよ……!」 由羽 「まずは……、ちょっとしたイタズラを、ね❤」  由羽はこの怪しげな“手”を出現させたリモコンにある、起動とは別のボタンを押す。するとその“手”が、イタズラを開始する。 美智流 「んっ……!?ちょっ……!」  突然、人差し指を立てたその“手”が、丈の短い服の裾から見えた美智流のお腹をつんっと突っついたのだ。 由羽 「あんな風に誘われると~、やっぱりこういうイタズラはしたくなるわよね~❤」 美智流 「は、はぁ……!?何言って……、ん、っくぅ……!」  あまりにも予想外で不意を突く攻撃に、美智流は思わず動揺しつつその刺激に対し素直な反応を見せてしまった。だが、すぐにその子供じみたイタズラに対し、強気な態度で応戦する。 美智流 「な、何してるのよ……!っく…、触らないで……!」 由羽 「え〜?だってぇ、そんな風にチラチラ素肌を見せられたらぁ、思わずつんつんしたくなるじゃない?」 美智流 「んんっ……!?そんなイタズラ、したくなんてならないわよ……!っくぅ……!」 由羽 「そぉ?今もそうやって腰を振ったり、体を捩ったりする度に~、チラチラお腹が見えちゃってるわよぉ?」 美智流 「し、仕方ない……、じゃないっ!うっく……、あなたがデザインした、んんっ……、っく…、このインナーが、短いのよ……!」 由羽 「だったらそんなに暴れなきゃ良いじゃなぁい❤そんなに腰を振って、お腹を見せて、また私を誘っているのかしらぁ?」 美智流 「そんな訳…!くうぅ……、いいから……、んっ……!この装置、さっさと止めて……!」  不意にお腹を突っつかれる刺激は、身体が勝手にビクッと反応してしまい、それに伴い声が出てしまう。その刺激の嫌悪感と、思わず出てしまう声に羞恥心を抱き、美智流は些細なイタズラに対し声を荒らげ停止を求めた。 由羽 「これはお気に召さなかったかしらぁ?それなら……、こういうのはどう?」  だが当然、由羽は美智流の言葉など聞き入れず、寧ろ更なるイタズラを仕掛ける。その言葉と共に、再び由羽はリモコンを操作するとまた“手”の動きが変化した。 美智流 「んちょっ……!?んっくく……!何……して!」  人差し指を使って露出したお腹をつんつんと突っついていた“手”。今度はその人差し指で、美智流のお腹を優しく引っ掻くように撫で始めたのだ。 美智流 「くっふふ……!ちょっと、これ……っく…!やめて……!!」  当然そんなイタズラに痛みを与える要素などない。先程までの不定期に突っついてくる動きと違い、不意な攻撃を仕掛けれれている訳でもない。それに、この“手”の動きから最初に想像させられたエッチな事をされている訳でもない。だが、明らかに美智流は先程以上にこの攻撃に強い嫌悪感を抱いていた。 由羽 「どうかしらぁ❤あなたはこっちの方が好き?」 美智流 「好きな訳ないでしょ!?んっくくく、んん……!っふふふ……!」  美智流のその言葉通り、別に好きな事でも、面白い事でも、楽しい事でもないのに、美智流の口からは“笑い”のような声が溢れ出そうになっている。だが美智流は、口をギュッと閉じそれを必死に抑え込んでいた。 由羽 「うっふふふ……、本当に好きじゃないのかしらぁ?私には、あなたがとても楽しそうに見えるけど❤」 美智流 「くっくくく、全然……、っくふ、楽しくなんか……、ないわよっ!んっふふ……、くくくく……!」 由羽 「でも今、すっごく“笑いたい”んでしょぉ?」 美智流 「それは……、っくぅうっふふ……!この手の動きが……、っくくく!」  美智流自身も、何故 自分が笑いそうになっているのかを理解していた。だが美智流は、そんな姿を由羽には見せたくなくて、笑い出すまいと必死に堪えていたのだ。  勿論、美智流が笑いたいという感情を抱いている原因は由羽の仕掛けたイタズラによるものだ。その“手”が人差し指でさわさわと撫でるようにお腹を触るその動き、それがもたらす刺激で人は“くすぐったい”と感じてしまうものである。つまり、そのイタズラは“くすぐり”と呼ばれる子どものお遊びであった。  このくすぐりという子供じみたイタズラにより、美智流はお腹にくすぐったさのような、むず痒さを感じ笑いそうになっていたのである。  だがその衝動に抗い、必死に笑いを抑えているのには理由がある。大人にもなって、こんなくすぐりというバカげたイタズラに負けて笑ってしまうなど、美智流のプライドが許さないのだ。何より、相手は罪を犯した悪人である。そんな人間の前で無様な姿を晒したくないのだ。 由羽 「その“手”の動きが……、どうしたのかしらぁ?」 美智流 「んっ……、くぅ……!べ、別に…、っくく、どうも、しないわよ……!」  笑うまいと必死に堪えていようが、今 自分がむず痒く感じ、それにより思わず笑いが吹き出しそうな事をそのまま言ってしまっては、その衝動と戦いここまで我慢してきた意味がない。こんな子供じみたイタズラに、僅かなくすぐったさを感じているなどと、こんな相手に思われたくない。  そんな一心で、美智流は「この手の動きがムズムズしてくすぐったかった。」と感じたままの言葉を飲み込み、何も感じていないように見せようと誤魔化した。 由羽 「ふぅん、強がるのねぇ❤それじゃあ……、これで少しは素直になるかしらぁ?」 美智流 「ん、……くくく、な、何を……?」  再び由羽はリモコンのボタンを押し、その“手”に新たな指示を送る。すると、美智流の右側でお腹を撫でていたその“手”がお腹から指を離したかと思えば、美智流のお腹の中心部へと移動した。そして美智流の綺麗な縦長のへそにその指先をちょんっと触れたのだ。 美智流 「んいぃっ……!?」  他者から触れられる事などまずあり得ないへそという部位を触られ、美智流はビクッと先程よりも強く身体を反応させてしまう。  美智流はそれだけでもこの苦痛が増してしまったが、その“手”は触れただけでは済まなかった。その細いへその穴を、お腹を撫でる左手と同じように動かし、その指先でほじくりだしたのだ。 美智流 「んんっふふふ、くっくくく……!!」 (やばい、これ……、くすぐったい……!)  へそを指先でコソコソと引っ掻くような攻撃に、美智流はついに明確なくすぐったさを感じてしまった。それまでもくすぐったさで笑い出してしまいそうにはなっていたが、くすぐったさとむず痒さが五分五分の感覚だったが、このへそをほじくる攻撃は明らかにくすぐったさを強く感じてしまうものだった。 美智流 「ちょっと…、んふふふ、どこ、触ってんのよぉ……!」 由羽 「どこって、おへそだけどぉ?そんなに見せびらかしてるから触って欲しかったんでしょ?」 美智流 「見せびらかしてなんか、ぐぅっ……、ふふふふ……!!んん〜っ、くくくく……!!」  身体を左右に動かし逃げようとしても、その“手”は執拗に美智流のへそを追いかけてくる。まるで美智流の動きを予測しているかのように、一瞬たりともその指はへそから離れない。  それでも美智流の身体は、反射的にくすぐったさから逃れようと捩って抵抗する。だがやはりその“手”の責めからは逃げられず、身体をくねらすその姿を見た由羽をただ楽しませる結果となってしまう。 由羽 「ふふ……、やっぱり身体は素直になってきたわねぇ❤そんなに腰を振っちゃって❤」 美智流 「くっふふふふ…!う、うるさいわよ……!あぅぅ、っくくくく……!」 由羽 「そろそろあなた自身も素直になったらどうかしらぁ?今……、“くすぐったい”んでしょぉ?」 美智流 「んんっ……!?く、くぅ……っふふふ、くっくっくっくっくっ……!」  由羽からその言葉を聞いてしまい、美智流は改めて実感してしまった。この人の“手”を模した装置が行なっているイタズラは、ただ自分の身体を撫でる事で、その結果くすぐったいと感じているだけだと思いたかったのだが、やはりこの装置は意図的に自分をくすぐっているのだと。  くすぐられているのならくすぐったいと感じるのは当然なのだろうが、逆に言えばくすぐったいと思わせる責めを相手は行なっており、くすぐったいと認めてしまった瞬間に敵の責めが自分には効果的であると教えてしまうようなものだ。 美智流 「こんなのっ、ふふふふ!んんっふっふっふっ……!何とも……、ないわよ……!っぷふふふふ……!!」  相手の思い通りになどさせない。そう思った美智流は、どれだけくすぐったく感じようともそれを認めなかった。 由羽 「あらそう……。まだ強がると言うなら、仕方ないわねぇ。」  美智流のへそやお腹を執拗にくすぐっていたその“手”がようやく動きを止め、美智流の身体から離れていく。それは由羽がリモコンを操作し一時的にイタズラから解放したからだ。 美智流 「はぁ……、はぁ……、はぁ……、はぁ……。」  ずっとくすぐったさに負けないよう我慢していた状態からようやく解放され、美智流はやっと全身から力を抜く事ができた。だが、ちょっと身体をくすぐられただけなのに、我慢していたせいで疲労感がずっしりと押し寄せ、息が上がってしまい荒い呼吸を繰り返していた。 美智流 「所詮は、くだらないイタズラね……。」  しかし、あくまでこのイタズラは大したことのない、くだらないイタズラ。そう思わせたかった美智流は、すぐに強気な言葉を放ち余裕を見せようと努める。 由羽 「そうかしら?随分辛そうだったように見えたけど❤」 美智流 「……別に?あんなの、大したことないわよ。」 「あくまで強がるのね?私のイタズラに対しくすぐったかったって認めれば、次からは少し優しくしてあげても良いわよぉ?」  明らかに美智流を挑発するような発言をする由羽。勿論それが挑発である事ぐらい美智流は理解していた。だがいつまでもこうして深呼吸を繰り返していては、それまで自分が必死に堪えていた事も筒抜けであり、それは美智流のプライドが許さなかった。  だからそれを隠しつつ、決して挑発に乗ったとも思われないよう、美智流は余裕な振りをして冷静な態度を見せる。 美智流 「別にあんな攻撃、くすぐったくも何ともないわよ。それより、いつまでこんなイタズラを続ける気?こんなくだらない事、いくら続けても無駄よ。こんな事繰り返して、あなたは何がしたいのかしら?」 由羽 「言った筈よぉ?あなたの組織のトップの情報を吐かせる為に、拷問をするって❤」 美智流 「だったらこんな子供じみたイタズラなんかやめて、さっさと拷問とやらをしたら良いじゃない。」 由羽 「あら?これも言った筈よぉ?私の拷問は、あなたを無理矢理笑わせる事だって❤」 美智流 「……!?」  その言葉で、美智流はやっと理解した。由羽が自分に対しどんな拷問を行おうとしているのか。先程までイタズラと称して行われてきた攻撃が拷問であったのだと。 美智流 「ま、まさか……、笑わせるって、そういう事!?」  美智流の中でずっと気にはなっていたのだ。リモコンの操作だけで器用に動く“手”という大掛かりな装置を、何故こんなイタズラの為に使っているのかを。  そんな大掛かりな装置をイタズラの為だけに作るにはあまりにも無駄な投資と労力なのではないか?と。  だとしたら、この装置は拷問にも使用されるのではないか?と。  だが機械の“手”がただ器用に動かせるだけで、そんな装置を一体どんな拷問に使おうとしているのか、それが全く想像できなかったのだが、美智流の中でその考察や疑問が全て繋がったのだ。 美智流 「私の事、こうやって拘束して、この装置でくすぐって笑わせるのが、あなたが行おうとしていた拷問なの……?」 由羽 「そういう事❤いかがだったかしらぁ?私の拷問は❤」 美智流 「くっ……!!」  くすぐりという行いが、これから自身に行われる拷問。ただそれを文字にしただけなら、美智流もその拷問をくだらないと罵り、それまで感じていた一切の恐怖を忘れ安心するだろう。何故なら、くすぐりなど子供の頃に友人や家族と行うようなお遊び、じゃれ合い、それこそイタズラのような行為だからだ。  だが、今の美智流はそのくすぐりという行為を、素直に子供のお遊びだとは思っておらず、寧ろ不安な感情がより強く表れてしまったのだ。 美智流 (ただ互いに“同じ条件で”くすぐり合うだけなら、そんなものはただのじゃれ合いで済む。けどこれは、まさに拷問ね……。)  先程までの責めを美智流は笑わずに堪えきったのだが、それは必死に我慢してどうにか堪える事ができただけ、という言い方が正しかった。あのままもっと長時間続けられていたら……、もしもっと強くくすぐられていたら……、と想像してしまうと、とても耐えられる気がしないと美智流は感じていたのだ。  つまりあのイタズラは、美智流にとってとても効果的な責めであったという事である。それが効果的な拷問であった理由は言うまでもない。美智流は、自分でも自覚している程のくすぐったがりなのである。 由羽 「その様子だとぉ、やっぱりあなたはくすぐったがりみたいねぇ❤」 美智流 「そ、そんな事……、一言も言ってないわよ。」  そんな自分の弱点がこれから行われる拷問だと言う事、そして、いくら口で否定しようとも自分がくすぐったがりである事が由羽にバレてしまっている事、それがとにかく今の美智流にとって不安でしかないのだ。  とは言え、今更 自分がくすぐったがりだと認めても由羽はきっとそれを面白がって執拗に責めてくるだろう。それならば、どれだけくすぐったくても必死に我慢し続け、くすぐりなど意味が無いと相手に思わせるしかない、と美智流は考えた。だからあくまで冷静に、それが例え強がりだとバレていようとも否定し続け、由羽の気が変わるまで耐える事を選んだのだ。 由羽 「いくら強がっても無駄よぉ?あなたの身体はずっと馬鹿正直にくすぐったさに反応してたじゃない❤」 美智流 「……気のせいよ。」 由羽 「ふぅ〜ん。まあ確かに、身体が動いていただけで笑ってはいなかったものねぇ。」 美智流 「そうよ。普通はくすぐったかったら笑うじゃない?でも私はくすぐったさなんて感じなかったから、笑ってなんかいない。」 由羽 「そこまで言うなら、そろそろこっちも本気を出して笑わせてあげようかしら❤」 美智流 「どれだけくすぐろうが無駄よ。くすぐったくなんてないもの。」 由羽 「果たしてそうかしらね?あなたが笑わずに済んだのは、弱点を責めていないからじゃないかしら?」 美智流 「……!じゃ、弱点……?」  弱点という言葉に大きな胸騒ぎを感じる美智流。由羽の考察どおり、美智流には特にくすぐりに弱い、弱点が存在する。そしてくすぐったがりな美智流が笑わずに耐えられたのも、由羽の想像どおりだ。 由羽 「勿論“そこ”があなたの弱点かどうかは、分からないけどね?」  その不敵な笑みと共に、由羽は再びリモコンのボタンを押した。するとその“手”を繋ぐケーブルが今度は少しずつ天井へ巻き戻されていく。それに伴い、美智流のお腹付近に待機していたその“手”が少しずつ上へと上がっていった。だが由羽の発言からして、今のリモコンの操作は装置を撤収させるものなどではない。この“手”によってくすぐる場所を変えようとしているのだと美智流はすぐに察した。 美智流 「くっ……!!」 (“そこ”さえくすぐられなければ……、なんて考えていたけど、甘かったみたいね……。まあやっぱりそれはあり得ないわよね。くすぐりの定番って場所だし。)  上昇したその“手”は、美智流の胸の辺りの高さでその動きを停止した。すると初めの時と同じように、その場で美智流に見えるように指をわしゃわしゃと動かし始めた。つまり、「今度はここでくすぐりを行うぞ」と脅してきたのだ。  そして、美智流はこれからその“手”がどこをくすぐろうとしているのかも理解していた。 美智流 「んっ……!く、くぅ……!!」 (やっぱりきたわね……!)  胸のすぐ横を狙うように気色悪く蠢くその“手”。しかし狙いは胸ではない。寧ろ美智流にとっては、胸を鷲掴みにされて揉みしだかれた方がマシだったかも知れない。 美智流 「くっふふ……!いぃっ……っひ、……んぅ、っふぅ……!」  まだ触られてもいないのに、美智流はその指の動きを見せられているだけで笑ってしまいそうになる。その“手”がこれからくすぐろうとしている場所を、そんな指使いで激しくくすぐられでもしたら……、と想像してしまい、まるで本当にくすぐられているかのように、その場所がくすぐったさを感じてしまっていたのだ。  つまりその場所こそ、美智流が特に苦手としている弱点なのである。自分でもくすぐりに弱いと自覚している身体の部位をこんな手つきでくすぐられたら……、と思ってしまえば、くすぐったがりな人間なら誰でも笑ってしまいそうになるのだ。 由羽 「まだ触ってもいないのに、随分と辛そうじゃなぁい❤」 美智流 「んっ……、べ、別に……、そんな事ないわよ。……くぅ…!」 由羽 「だからあなたがどれだけ強がっても無駄なのよ?その性格に反して……、身体は正直なんだもの、ね❤」 美智流 「何の、事よ……。」 (駄目よ。こんな手の動きなんて気にしちゃダメ……!) 由羽 「分かってるわよぉ❤……“そこ”、弱いんでしょ?」 美智流 「な、何が……?」 (まずい……、それだけは気付かれちゃいけない……!そこが弱点だなんてバレたら……!!) 由羽 「だ~か~ら~、そこをくすぐられるのがぁ、苦手なんでしょぉ?」 美智流 「っくぅ……!そ、そこって……?」 (ダメ!!お願い、そこには気付かないで……!!) 由羽 「ワ・キ……❤」 美智流 「んっ……!?っくくく……!は、はぁ……!?別に……、っくく、そんなんじゃ…、ないわよ……。」 (はぁ……、やっぱり気付かれるわよね……。)  腕を頭上に伸ばし吊るすように拘束し無防備になった腕の付け根。くすぐりという行為をするにあたって、定番の場所であり多くの人が敏感な身体の部位。当然、美智流もその一人であった。  これから美智流がくすぐられる事となる、最も敏感な弱点は……、ワキである。 由羽 「そんなに身体がワキへの責めを拒絶してるのにぃ?どうにか腕を何とか下ろせないものかって、必死そうに見えるわよぉ❤」  どれだけ口で誤魔化しても、頭の中で強気に振る舞おうと決心していても、本能的な身体の反応までは隠せなかった。それは、由羽の言うところの“身体は正直”と言う言葉の現れであった。  ワキへのくすぐりを身体が拒絶し、美智流が腕を下ろしワキを守ろうと、鎖を引っ張っているのが見て取れたのだ。その証拠に、今も拳をギュッと握りながら、鎖をジャラジャラと鳴らしていた。 美智流 「うぐっ……!」 由羽 「まあ良いわ。その素直な身体に直接聞かせて貰うから❤」 美智流 「ひぃっ……!!?」  リモコンのボタンが押されるや否や、美智流の胸付近で待機していたその“手”が、ゆっくりと美智流のワキへと移動する。それが近づくだけで、美智流は顔を引きつらせてしまい小さな悲鳴を上げる。そして、いよいよ美智流が恐れていたワキへのイタズラ、もとい、くすぐり拷問が始まった。

潜入捜査員、月城 美智流【中編】

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