くすぐり催眠学校、第六話 薫と真唯がそれぞれくすぐり地獄を受けてから二日。月曜日のこと、二人は学校へ向かって歩いていた。 真唯「昨日ごめんね…あたしから日曜なら遊べるかもって言ったのに断っちゃって。」 薫「私も昨日はちょっといろいろあったから平気。」 二人ともくすぐりの疲れが溜まりすぎて遊んでる余裕などなかったのだ。 薫「今日は催眠バトルだし、あんまり疲れ溜めちゃうとね……」 催眠バトルとは、その名の通り今まで勉強してきた催眠術を完璧に使えるか、一対一で互いに催眠術をかけ合って勝敗を決めるものである。この学校の学力テストと同じで中間、期末と定期的に行われる行事で、催眠術の能力テストも兼ねているのだ。 真唯「催眠術をかけ合って勝負って、具体的にどんなことするんだろうね?」 香里奈「くすぐり催眠バトルよ!」 薫、真唯「香里奈先輩!?」 香里奈「先攻後攻に分かれて、催眠術をかけ合って、相手をくすぐるのよ。」 真唯「またくすぐり!?なんなんだこの学校は…」 香里奈「まあ、校長がくすぐり好きってのもあるけど、催眠術の修行にくすぐりって都合いいのよ。」 薫「まあそうかもしれないですけど…」 香里奈「ま、頑張ってね。私たち二年は来週だし。じゃあ私はここで。」 そう言って香里奈はロッカーで上履きに履き替え、二階にある自分の教室に向かった。そして二人は自分達のクラスである一年三組へ向かった。 ???「薫ちゃん、真唯ちゃん、おはよー。」 薫「あっ由実。おはよ!」 真唯「おっはよー!」 彼女は春川 由実(はるかわ ゆみ)。天然なところがあり、おっとりしている。催眠術より勉強のほうが得意だが、催眠術の力もそれなりにある。 由実「聞いたよ?金曜日校長先生の罰受けたんだって?」 真唯「うっ!!誰からそれを…!?」 ???「わたくしよ?」 薫「沙紀!」 彼女は城ノ内 沙紀(じょうのうち さき)。強気でプライドの高いお嬢様だ。真唯とよく張り合っているが、催眠術だけは学年トップクラス。 真唯「何であんたがそんな事知ってんの!?」 沙紀「昨日、早乙女校長に催眠術の練習を見てもらいに行ったときに聞いたのよ。あなた、くすぐりに強かったのに弱くなったんですってね!」 真唯「だ、だったら何…?」 沙紀「催眠バトルの組み合わせ見なかった?あなたの一回戦の相手はわたくしよ?今日は楽しみだわ。」 放送「まもなく、一年生の催眠バトルを行います。一年生は催眠実習室へ集合してください。」 早乙女「これから、一年生のクラス別催眠バトルを開催するわ。まずルール説明から。先攻後攻を決め、先攻が後攻の人に催眠術をかけてくすぐるわ。後攻はくすぐられながら催眠術を解き、その時間を計測。その後、攻守交替して同じことをしてもらうわ。お互いの時間を計測して早く催眠術を解けた方の勝ちよ。それと、後攻の人が先にくすぐられている時にギブアップをした場合、先攻の人が次にくすぐられる時、後攻よりくすぐりを我慢するか、時間関係なしに催眠術を解ければ勝ちよ。」 薫「相手より長く耐えるか、先に催眠術を解くかってことか。」 真唯「香里奈先輩と修行したときにやったのに似てるね!」 薫「やっぱり一年の最初のテストだからね。相手の行動を封じるのと、催眠解除っていう基本のテストなんだろうね。」 早乙女「クラス一位になった人には、一番成績の悪かった人を一日好きなだけくすぐる権利を与えるわ。じゃあ、クラスごとに分かれて試合開始よ!」 真唯「とんでもない権利だな…」 三組担当教師「じゃあ三組、始めるわよ。三組は10人だから勝った5人にはまた後でルール説明します。じゃあ最初に篠原 薫さんと春川 由実さんの対決よ。」 薫、由実「はい!」 三組担当教師「先攻由実さん、後攻薫さんよ。」 由実「じゃあ薫ちゃん、いっくよ~!」 由実は薫に催眠術をかけて、薫をバンザイさせた。 由実「催眠解除~じゃあいくよ~?」 由実は薫の脇腹をこちょこちょくすぐりだした。 薫「いやあああははははははははははははははははははははははは!!きゃあはははははははははははははははははははははははははははは!!」 由実「真唯ちゃ~ん、薫ちゃんってどこ弱いの?」 真唯「全部!」 薫「ちょっ真唯ぃぃぃぃやああはははははははははははははははは!!言わないで~っはははははははははははははははははははは!!」 由実「全部!?どっどこくすぐろう…」 薫(あれ!?くすぐるのやめた!?由実の催眠術強いけど、くすぐられてなければ!!) 由実「あっ忘れてた!くすぐらなきゃ!」 薫「もう遅いよ……」 薫は由実がくすぐりをやめている間に催眠解除していた。 由実「あれ~解除されちゃったぁ…じゃあ、攻守交替だね!」 薫(由実が天然でよかった…) 沙紀「あれいいのかしら……」 真唯「…まあ、いいんじゃない?(薫ラッキーだな…)」 三組担当教師「薫さんは三秒ね。じゃあ次、薫さん、催眠術を。」 薫「はい!じゃあ由実、いくよ!」 薫も由実同様、催眠術をかけ、バンザイさせて催眠解除した。 薫「よ~し!いくよ~こちょこちょ~!!」 薫はバンザイしてがら空きの腋の下を激しくくすぐった。 由実「あっはははははははは!くすぐったいよ~!!」 薫「あれ!?あんまり効いてない!?」 由実「きゃははははははははははははは!私あはは足の裏があはははははははは弱いから、あ~ははははははははははは!腋はまだ平気いやははははははははははは!!」 真唯「自分から言っちゃった!!」 薫「あ…でももう三秒過ぎてる…」 由実「あはははははははははは!!催眠解除、忘れてたぁあはははははははははははははははは!!」 薫「忘れてたの!?」 由実「あはははははははははははははははははは!!かっ解除~!」 薫「うそ!?簡単に解除された!!」 三組担当教師「記録五秒ね。薫さんの勝ち。」 由実「はあ、はあ、薫ちゃん強~い!」 薫(由実がルールを理解してたら私絶対負けてたわ……) 三組担当教師「さあ次始めて。」 他の三組の生徒も順番に試合をしていった。 三組担当教師「じゃあ一回戦最後ね、真唯さんと沙紀さん、始めて!」 真唯「先攻はあたしか!よっしゃ!催眠!!」 真唯は沙紀を催眠状態にし、バンザイさせた。 沙紀「さあどうぞ?すぐに催眠解除してあげるわ!!」 真唯「言ったな~!!こちょこちょこちょ!」 真唯は沙紀の腋の下をこちょこちょくすぐった。 沙紀「あっはははははははははははははははははははは!!こっこんなのおほほほほほほほほほほほ!くすぐったくなんかああはははははははははははははははははははははははははははははは!!」 真唯「とか言って結構苦手じゃん?あんたも腋の下弱点みたいだし、このままくすぐり続けてやる!」 沙紀「きゃああははははははははははははははははははははははははははは!!催眠、解除ぉぉ!!」 真唯「うっそ!?」 沙紀「はあ、はあ、はあ、ほっほんの少しくすぐったかったけど…、あの程度どうってことないわ!」 三組担当教師「さすがね、記録二秒よ。じゃあ攻守交替よ。」 沙紀「あなたにくすぐり地獄を味あわせてあげるわ!(一日中ね……!)」 真唯「でっできる、もんならね…!!」 沙紀「催眠!!」 沙紀は真唯をバンザイさせて催眠を解除した。 真唯「うぅ、やっぱバンザイさせられると緊張する~!!(沙紀はあたしの弱点を知らない訳だし、腋の下さえくすぐられなければすぐに解除できるはず!)」 沙紀「いくわよ!」 沙紀はなんの躊躇もなく真唯の腋の下に狙いを定めていたかのように、全力でこちょこちょくすぐった。 真唯「いやああああっはははははははははははははははははははははははははははははは!!なっなんでぇぇぇあははははははははははははははははははははははははははははははははははは!!腋だめええぇぇぇぇぇぇぇ!!きゃああははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは!!!」 沙紀「この状態では催眠解除は無理そうね?ギブアップしたら?(三組の今の最低記録で15秒。それ以上くすぐり続けるか、ギブアップさせれば!)」 真唯「あははははははははははははははははははははははははははははだっダメぇぇぇぇぇぇ!!きゃあっははははははははははははははははははははははははははははははははははははくすぐったあい!!いやああっはははははははははははははははははははははははははははははははくすぐったいってばあああはははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは!!」 沙紀「(そろそろ10秒ね)あなた腋の下が弱点なんでしょ?ギブアップしないとこのまま腋の下くすぐり続けるわよ?」 真唯「ひゃああああははははははははははははははははははははははははははははわかったわかった!!あはははははははははははははははははははははははははははは!ギッギブアップあははははははははははははははははははははははははははははははするからぁぁぁぁぁぁ!!もうやめてぇえぁははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは!!」 三組担当教師「真唯さんギブアップ?沙紀さんの勝ちね。」 沙紀「まあ、当然の結果ね。」 真唯「はあ…、はあ…、はあ…、どっどうして……、あたしの弱点、知ってんの…?」 沙紀「わたくしをくすぐってる時に「あんたも腋の下弱点みたいだし」って言ったでしょう?つまりあなたは腋の下が弱点って自分で言ったのよ。まあわたくしの腋の下をくすぐってきた時点でなんとなくわかってたけど。」 真唯「はあ、はあ、どういう……こと?」 沙紀「人は、くすぐりに対して苦手だと思っているところを無意識に攻めるもんなのよ。特にあなたみたいにくすぐりが苦手だと思っている人ほど余計にね。」 真唯「確かに無意識に腋の下くすぐったわ……くっそ~やられた!!」 沙紀「残念だったわね…(あとはわたくしがトップになれば!)」 三組担当教師「さて、残った五人は…、薫さん、美保さん、静香さん、晶子さん、沙紀さんね。」 美保「で、なにするんですか?」 沖田 美保(おきた みほ)。一年三組のクラス委員長で、催眠術はもちろん、勉強もクラストップの優等生。 静香「………」 長谷川 静香(はせがわ しずか)。物静かであまり話さない。くすぐられてもあまり笑い声をあげない。催眠術は得意だが、スポーツは苦手。 晶子「またくすぐりですかぁ~??」 佐野 晶子(さの あきこ)。アイドルを目指しているぶりっ子だが、交友関係が広く、誰とでも仲良くなれる。学力は真唯とビリ争いをするほど。 三組担当教師「さあ、じゃあ次の試合のルール説明をするわ。ルールは簡単!五人同時に私が催眠術をかけるから、一番最初に催眠解除できた人が優勝よ。」 薫「それだけですか?」 三組担当教師「私が催眠術であなたたちにあることをしたあと、催眠術を解くわ。あなたたちは私の催眠術から目を覚ました時点で催眠解除を始めていいわよ?」 沙紀「急に簡単になりましたのね。まああることっていうのが気になりますけど…」 三組担当教師「じゃあ始めるわ!催眠!!」 教師は五人をまとめて催眠状態にした。 真唯「それで、あることって何ですか?」 三組担当教師「見ていればわかるわ。」 そう言って、教師は小声である催眠術を唱えた。 三組担当教師「催眠解除!!」 薫「…!?え!?」 沙紀「ん…!ひっ!!」 真唯、由実「!?」 薫「きゃあああははははははははははははははははははははははははははは!!くすぐったぁぁぁぁい!いやああははははははははははははははははははははははははははは!!」 沙紀「あはははははははははははははははははははははははははははははははははは!!なっ何ですのぉぉぉ!ひゃああははははははははははははははははははははははははははは!」 美保「ひゃあはははははははははははははははははははははははははは!!ダメええぇぇぇぇぇぇぇぇあはははははははははははははははははははははははははははははははははははははは!!」 静香「くっふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ、うふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ!」 晶子「きゃはははははははははははははははははははははははははははははは!!待ってってえぇぇぇぇぇぇぇぇ!!あははははははははははははははははははははははははははははははは!!」 催眠から目を覚ますと、五人は強烈なくすぐったさに襲われその場で悶え始めたのだ。 三組担当教師「体中がくすぐったく感じる催眠術よ?かけられた者は全身が異常なくすぐったさを感じるわ。ただし、この催眠術は一分で自動的に解けるわ。」 静香「くっふふふふふふふふふふふふふふふふふ!うふふふふふふふふふふふふふふふ、くす、ぐったい…!くっくくくくくくくくくくくくくくく!」 美保「あはははははははははははははははははははははははははははははは!!こんなのおほほほほほほほほほほ無理です~!!あははははははははははははははははは!!」 晶子「いやああはははははははははははははははははははははは!!集中できないぃぃぃぃぃやははははははははははははははははははははは!」 真唯「あたし、静香があんなにくすぐったがるの初めて見た…!」 由実「一回戦は全然笑わずに、すぐ催眠術解いたもんね~」 三組担当教師「さあ、誰も解けないかしら?」 薫「あっはははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは無理ですうううぅぅぅ!!きゃははははははははははははははははははははははははははははははくすぐったすぎるぅぅぅぅ!!」 沙紀「あああははははははははははははははははははははははははははははは!!こんなのぉぉぉぉぉぉ!!くああはははははははははははははははははははははははは!!」 沙紀は全身のくすぐったさに耐えながら集中し、ついに… 三組担当教師「あら?沙紀さん解除できたの?」 沙紀「はあ…、はあ…、はっはい……」 三組担当教師「沙紀さんの優勝ね!」 沙紀「はあ、はあ、まあ…、とっ当然の…結果ね……!(やったわ!これで待ちに待ったくすぐりの権利が!!)」 三組担当教師「さあ、他の人も諦めないで頑張って!」 美保「あっははははははははははははははははははははははははははははははは!!わっ私だってぇぇぇぇぇぇぇあはははははははははははははははははははははははははははははは!!かっ解除~!!」 三組担当教師「美保さんも解けたみたいね。」 静香「ふっふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ!催…眠んんふふふふふふふふふふふふふふふ、解除…!」 三組担当教師「静香さんもね。二人とも頑張って。」 晶子「あひゃははははははははははははははははははははははははははは!!くしゅぐったぁぁぁぁぁい!!きゃあはははははははははははははははははははははははは!!」 真唯「晶子はかわいく見せる余裕もなさそう……」 薫「あっははははははははははははははははははははははははははははははははは!!助けてぇぇぇぇぇぇぇ!あ~っははははははははははははははははははははははははは!!」 由実「そっか…薫ちゃん全身弱いのに全身くすぐったいんじゃ無理かなあ…。私が代わってあげられたらなあ。」 真唯「ある意味由実のせいであ~なってるんだけどね……」 由実「……私、何かした…?」 真唯「いや…わざとじゃないんだもん、しょうがない…」 由実「ん??」 三組担当教師「あと20秒よ!二人とも解除するのよ!」 薫「あははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは!!くすぐったいってばあぁぁぁあははははははははははははははははははははははははははははは!!解除できないぃぃぃぃぃいやああはははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは!!」 晶子「くああはははははははははははははははははははははははははははははははははは!!死んじゃう死んじゃうぅぅぅぅぅえへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへ!!あ~はははははははははははははははははははははははははははははははははははは!!」 美保「二人とも頑張って~!」 静香「……くすぐったそう。」 沙紀「あなたたちならきっとできるわ!」 薫「いやあああははははははははははははははははははははははははははははは無理無理無理ぃぃぃぃ!くすぐったすぎるぅぅぅわあははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは!!」 晶子「はははははははははははははははははははははははははあっははははははははははははははははははははははははははははは!!もっもううあははははははははははははははははははははははははは限界ぃぃぃぃぃやはははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは!!」 二人も必死に解除しようとするが、あまりのくすぐったさに集中できず、その場で笑い転げるしかなかった。どんなに腋の下をきつく閉めようが、おなかを押さえようが、くすぐったさを感じる催眠術のため、その抵抗は無意味だった。 三組担当教師「お疲れ様、一分経ったわよ。二人はくすぐりに弱すぎたみたいね。」 薫「はあ…、はあ…、はあ…、集中できなかった…」 晶子「無理ですよぅ…はあ…、あんなの…」 三組担当教師「それじゃ、結果発表よ。三組の優勝は沙紀さん!!沙紀さんには一番成績の悪かった真唯さんを今日一日くすぐる権限を与えるわ。」 真唯「………忘れてた!!マジかよ~!!」 沙紀(なんとか理想通りの展開になったわ…!) 三組担当教師「今日はこれで解散!明日は試験休みよ。体を休めるなり、催眠術の練習をするなり好きにして構わないけど、他の学年は授業があるから催眠術の練習でも学校には来ないこと!いいわね?」 一同「は~い!」 三組担当教師「沙紀さんは真唯さんをくすぐるなら校内にしてね?私が、特殊な催眠術を真唯さんにかけて動けないようにしてあげるわ。」 沙紀「ありがとうございます!」 真唯「嫌だ~!!」 三組担当教師「あっ、言い忘れてたけど真唯さんはギブアップしたから明日追試よ?明日の朝10時に校長先生の所へ行ってちょうだい。」 真唯「……マジっすか…」 薫「じゃあ…私帰るね。頑張ってくすぐられてね!!」 真唯「うわああ!薫待ってぇぇぇぇぇ!!」 沙紀「さあ、やっとあなたを好きなだけくすぐれるわ!覚悟しなさい!!」 真唯「うぅ……最悪だ………」 こうして、一年生の催眠バトルは幕を閉じた。
こーじ
2022-12-10 22:24:18 +0000 UTCオッカ
2022-12-10 13:03:56 +0000 UTC