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女騎士のくすぐり受難8

8、最終実験:身代わり実験  しばらくセシアの“こちょこちょ”責めでくすぐられ、次の日を向かえた。セシアの話しだと、最後の実験をするために、私の体力の回復のために休ませてくれたらしい。最も、休ませてくれるのなら、ベッドで休みたかった。それに、休ませるのなら私をくすぐるなと言いたいものだ。 セシア「さあ、昨日言った通り、今日が最後の実験よ。」 アレイス「それが終わったら私達を解放するんだな?」 セシア「…………えぇ。必ず帰してあげるわ。」  何だ今の間は。 アレイス「最後の実験は一体どんなことをするんだ?」 セシア「今までの集大成ってところかしら。」  集大成…?まあ予想はできていたが、かなりの時間、激しくくすぐられるのだろうな。 リン「セシアさん、お待たせ~!」  突如、リンが私達のいる部屋に入って来た。そういえばこいつをしばらく見ていなかったな。こいつともう一人、レンは今まで何をやっていたんだ? セシア「準備できたのね?」 リン「うん、もうすぐレンが二人を連れてくるよ!」  二人…?まさかカナとミナか!?まさか最後だからって二人もくすぐるんじゃないだろうな!? レン「お待たせしました。」  しばらくするとレンも入って来た。そしてレンが引いてきた大きな台車の様な物の上に、人が数人入れるほどの大きなカプセルが乗せられていた。 カナ『ちょっと!いい加減こっから出しなさいよ!!』 ミナ『誰かー!助けて下さーい!!』 アレイス「カナ、ミナ…!!」  中にはカナとミナが入れられていた。カナとミナは、互いが背中合わせになるようにして、Iの字の様に両手首と両足首をそれぞれ束ねられ、触手のような物に吊るされるように拘束されていた。そして二人とも私が着ているのと同じ黒い裾の短いタンクトップを着せられていた。私はそんな二人の姿を見て思わず叫んでいた。 セシア「残念だけどこのカプセルは特別製で、彼女達からはこちらが見えていないし、声も届かないわ。こちらからだけ姿が見えて、声が聞こえる仕組みなの。」  だから何でくすぐりの実験でそんな偉大な発明品が出てくるんだ。 セシア「これから行うのは身代わり実験よ。」 アレイス「身代わり…?」 セシア「そうよ。これからあの娘達をくすぐるわ。」 アレイス「なっ…!?ふざけるな!あいつら二人には手を出さないと言っていただろ!!」 セシア「そんなに怒らないで最後まで人の話を聞きなさい?それに、どうせ解ってるんでしょ?この実験の内容。」  そう、“身代わり実験”と聞いてこの実験の内容は薄々気が付いていた。 アレイス「くっ…!つまりあいつらを守る為には――」 セシア「あなたが身代わりになってくすぐられなさいって事よ。」  やはりそういう実験か。私が実験に協力している内はあいつらに手は出さない約束のはずなのに、卑怯な連中だ。少しは真面な一面もある奴らだと思っていたが、最後にこんな仕打ちを…!その仕打ちに私はセシアに怒りを覚え、睨みつけていた。 セシア「そう睨まないで。どうせあなたはくすぐられる運命なのよ?本当に辛かったら彼女達をくすぐらせれば良い話じゃない。寧ろあなたにとって楽な実験じゃない。」  逆だ。私が自分の意志でくすぐりを要求し続けなければならない為、より私の精神力を試された辛い実験だ。 アレイス「ふざけるな。話が違うぞ。」 セシア「でもあなたはこの実験に協力するしか無いのよ?」  こいつの言う通りだ。私が庇わなければあいつらが代わりにくすぐられる。とはいえ、私が実験を断ってもあいつらがくすぐられる事になる。どちらにしろ私がくすぐられる以外に手段は無い。 アレイス「…わかった。私はどうすればいい?」 セシア「まずは一度拘束を解くわ。」  これから私をくすぐるというのに、セシア達によって私の拘束が解かれていく。これで久しぶりに身体を自由に動かす事が出来るようになった訳だが、目の前にカナとミナが囚われているのを見ると抵抗など出来る訳がない。 セシア「それじゃあもう一度拘束するわよ?」  拘束を一度解いたのは拘束方法を変えるためのものだったか。昨日のように自らの意志で腕を上げていなければならない様な状況でなくて良かったと思うべきか。 セシア「マジックリング!」  どんな拘束をするのかと待っていると、セシアが魔法を発動する。そしてセシアの足元に展開された魔法陣から光のリングが三つ出てきて、私の両足首に一つずつ、両手首を束ねるようにもう一つが装着される。 セシア「良かったわ。レベルの低い魔法だけど、魔力消費が激しい魔法だから出来るか不安だったけど、上手く言ったわ。」  そしてセシアはそのリングを操作し、私の両腕を上に高く上げさせたまま宙に浮かせる。そして足のリングにより両足が開かされ、私は床から少し浮いた状態で人の字の様に拘束される。当然両腕を高く上げているが故に、相変わらず私の弱点である腋はくすぐってくれと言わんばかりに晒されている。だが腋をくすぐるだけなら拘束方法を変える必要は無い。つまり、宙に浮かされる事で触れる事が出来るようになった足の裏もくすぐるという事なのだろう。弱点の腋はもちろん、全身をくすぐろうと言う事か。 アレイス「どうすればこの実験は終わるんだ?私がまた気を失うまでか?」 セシア「それはこちらが決めるわ。少なくとも、今までで一番長い時間くすぐるのは間違いないけどね?それから、今回はアレイスちゃんに失神させないわ。」  どういう意味だ?確かに私は体力には自信はあるが、流石に今まで以上にくすぐられたらいつかは失神するぞ? セシア「アレイスちゃんが失神しそうになる度に、こっちから回復魔法をアレイスちゃんに使って体力を回復させるわ。」  こいつらのくすぐり実験の最大の逃げ道である失神も出来ず、こいつらの気が済むまでくすぐられるという事か。まさに拷問だ。 アレイス「ならさっさとくすぐれ。」 セシア「じゃあ遠慮なく…❤」  私は全身に襲い掛かってくるであろうくすぐったさに少しでも抵抗するため、身体に力を入れてくすぐられる準備をし目を固く閉じる。しかし、いくら待っても私にくすぐったさは襲って来なかった。成る程、油断した隙にくすぐろうという事か。その手には―― ミナ『きゃはははははは、な、何これっはははははあっはははははははやめて下さい!!』  突然ミナの笑い声が聞こえてきて、私は思わず目を開いてミナの方を見ると、ミナがカプセル内に突如現れたマジックハンドによって右の脇腹を優しく撫でる様にくすぐられていたのだ。 カナ『ミナ!?どうしたのミナ!?』 アレイス「おい!これは一体どういう事だ!?私をくすぐるのではなかったのか!?」 セシア「だからあなたが身代わりになればの話しよ?」 アレイス「だからさっさと私をくすぐれと…!」 セシア「あなたが“自分で”、“同じように”、“身代わりとなって”くすぐられたいと願うのなら、マジックハンドがきっと答えてくれる筈よ?」  つまり私が身代わりになる為には、自らあいつらがくすぐられている場所をくすぐって欲しいと言わなければならない訳か…! アレイス「ミナの代わりに私の右の脇腹をくすぐってくれ…!」  私がそう言うと、カプセル内でミナの脇腹をくすぐっていたマジックハンドが姿を消し、代わりに私の右側にマジックハンドが現れ、私の脇腹をくすぐり始めた。 アレイス「んっくくくくく、んんっふふ…!」 セシア「あの二人をくすぐりから救い出すにはそれを繰り返していくだけよ?簡単でしょ?」  あいつらの為だ。私がいくらくすぐられようが構わないが、ほんの少しでもあの二人がくすぐられなければ私がそれを庇ってやる事が出来ないこのシステムには納得いかない。結局あいつらに手を出さないという約束が守られていないではないか。 ミナ『っはあ、っはあ、一体…っはあ、っはあ…』 カナ『ミナ大丈夫!?一体何が起きたの!?』 ミナ『いきなり不思議な手によって…、脇腹をくすぐられたんです。』 カナ『く、くすぐり!?ちょっ…、こんな状態でくすぐられるなんて嫌!』  私が庇った事でくすぐりから解放されたミナがくすぐられた事を離すと、カナが必死に拘束を解こうと暴れ出すが、拘束具がガタガタと音を立てるだけだった。その様子と今の発現ですぐにカナがくすぐりに強い苦手意識を持っている事が解る。しかし、それはセシアにとっては格好の的となってしまう。 セシア「ふ~ん、カナちゃんはくすぐりが苦手なのね。」  私の不安は見事に的中し、セシアはカナを次のターゲットにする。 アレイス「や、やめろ…!っくく…!」 セシア「やめて欲しかったらすぐにアレイスちゃんが庇えばいいだけよ?さぁて、じゃあカナちゃんのここをくすぐっちゃおうかしら❤」  そう私を挑発しながら指を鳴らし、カナの足元へ一体のマジックハンドを出現させる。二人は吊るされるように拘束されているため、無防備に晒されたカナの左足の裏を人差し指でなぞる様にくすぐり始めた。 カナ『嫌だ、くすぐったいの苦手なのに――っはははははははあっははははははは嫌ぁぁああああ!!』 ミナ『カナ!?しっかりして下さい!』  足の裏をくすぐるマジックハンドの動きは優しいものだが、くすぐりに対して強く苦手意識を持っていたカナは、口を大きく開けて笑い悶えた。足の裏が弱点かどうかは解らないが、そのくすぐったそうにする仕草は痛い程解る。 アレイス「私のっくく、左の足の裏を…っくく、くすぐってくれぇ!」  私は右の脇腹に襲い掛かるくすぐったさに耐えながら、カナを苦しみから解放するためにそのくすぐりを自らに移すよう訴えた。そしてそれに応えるようにマジックハンドはカナの足元から消え、私の足元に現れた。そしてカナの左足を責めていた時と全く同じように私の左足の裏をくすぐり始めた。 アレイス「んいっひひひ…!?なんっくくくくく…!」  気のせいか…?何だかおかしい気がする。足の裏をくすぐられた途端にそんな事を思いながらも、私はそのくすぐりに必死に耐えていた。 アレイス「くふふふふ、ひっひひひひひ…!」  やはり気のせいなんかじゃない。そう私は確信した。間違いなく、前より足の裏がくすぐったいのだ。こんな優しいくすぐりなのに、何故こんなにくすぐったく感じるんだ…? セシア「その様子だとアレイスちゃんも気付いたかしら?前より足の裏がくすぐったくなっている事に❤」  やはりお前の仕業だったか。一体私に何をした!? アレイス「んふふふ、何を、した…?」 セシア「何って、今までアレイスちゃんにしてきた事が全てよ?」  意味が解らない。今までしてきた事って、“くすぐり”か“こちょこちょに反応するあの魔法”ぐらいか…?まさかあの魔法に別の作用まであるとは思えんし…、脇腹は前よりくすぐったいとは感じない。足の裏だけに何かをされたとしか…。 セシア「ふふ…、良いわ、教えてあげる。アレイスちゃんは昨日までの焦らしくすぐりで、私達が調査を行った時より敏感になったのよ。」  焦らしくすぐりが後を引いていると言うのか?だがそれなら脇腹をくすぐられた時点で私のその変化に気付いても良い筈だ。 セシア「アレイスちゃん、上半身に比べ下半身は比較的くすぐりに強かったでしょ?元々強かった下半身は上半身に比べてくすぐりの変化に気付きやすいから脇腹の時には気付けず、足の裏をくすぐられた今になって気付いたのよ。」  確かに全く効かなかった場所がほんの少しでもくすぐったく感じるようになったらすぐにその異変に気付けるな。極端な話だが、100が101になるのと、1が2になるのでは、変化した数字は変わらないが、その変化の感じ方は全然違う。私は散々くすぐられ続けた事で、以前よりも敏感な身体になってしまったというのか。という事は、変化の感じ方が小さくても、私の最も苦手とする腋もさらに敏感になっているという事か…? セシア「さて、種明かしした所で、実験を再開しようかしら。今度はどっちをくすぐろうかしら❤」  さらに敏感になった私の身体が今後のくすぐり責めに耐えられなくなるのは間違いないが、それでも私はあいつらの代わりにくすぐられ続け、守ってやらねばならない。 セシア「じゃあ次はここよ?」  今度はカナとミナがいるカプセル内にマジックハンドが二つ同時に現れた。こいつの事だから私の腋を焦らし続けてくるだろう、腋をくすぐってくるのはまだ先のはずだ。と、そこまでは読めてはいたのだが、これはまさか…! カナ『ひっ!?ま。また変な手が…!!』 ミナ『!?こっちもです…!』  やはり間違いない。こいつ、今度は二人同時に責めるつもりだ…!カナの方に現れたマジックハンドは左の二の腕付近に、ミナの方に現れたのは左太もも付近にゆっくりと近づいていく。 アレイス「んっくく…、や、やめろぉぉお…!」 セシア「それじゃあくすぐり、スタート❤」  スタートの合図によりカナの二の腕とミナの太ももをくすぐり出す二体のマジックハンド。カナの二の腕の方は人差し指を使って上下になぞるようなくすぐり、ミナの太ももの方は手のひら全体でサワサワと撫でるようにくすぐる。 カナ『あっはは!それやだぁぁああっははははは!』 ミナ『んふふふ、や、やめてっはははください…!』 セシア「さあアレイスちゃん?二人をくすぐりから解放してあげなくて良いのかしらぁ?」 アレイス「くっ…!んっふふ、二人の、代わりにっふふ…、左の二の腕とっくく、左のっ、んぅっくく…太ももをくすぐって、くれ…!」  その言葉と同時に、二人の代わりに私の左二の腕と左太ももに新たなくすぐったさが加えられた。二つの刺激が同時に加えられた事、そして何より私の身体の中でも敏感な二の腕をくすぐられた事で、一気にくすぐったさが増大した。 アレイス「んぃいいいっくくくくく、んっふふふふふ…!んひひひひひ、んぐぅっふふふふふ…!」 セシア「じゃあ今度はこっち❤」 アレイス「なっ…!?くひひひひひ…!」  もう次のくすぐりを…!?テンポが早すぎるぞ。その上、今度現れたマジックハンドの数は四つ。その内二つはカナの両膝へ、もう半分の二つはミナのお腹とへそへゆっくりと迫っていく。 カナ『何なのよさっきからぁああ!!』 ミナ『すぐに消えたと思ったらまたですか。一体何故くすぐってくるんですか…?』  短時間とは言え、“くすぐり”を体験してしまう事で明らかにくすぐられる事の恐怖を感じている。何故だ。私があいつらの分までくすぐられるのではなかったのか!?何故あいつらがくすぐられなければならないのだ…!そんな事を考えていた所でくすぐりが止まる訳も無く、四つのマジックハンドは同時に二人をくすぐり始めていた。 カナ『いやぁっははははははそれもダメぇぇええっへへへ!!くすぐったいぃぃいいっひひひひ!!』 ミナ『きゃっははははははくすぐったいですぅ!そんなとこっはははははははくすぐらないでぇぇえ!!』  二人ともくすぐりを意識してしまっているからか、最初より反応が大きく、苦しそうに笑わされていた。やはり一度あいつらがくすぐられなければならないシステムに腹は立つが、とにかく今は私が庇ってやる以外に手段は無い。 アレイス「いっひひひ、両膝…っと、くふふ…お腹とっふふふ、へそを、くすぐってっひひ…くれ!」  これでまた私へのくすぐり攻撃は増えるが、あいつらをくすぐりから救い出せる。唯一の救いは、私の発言の直後にマジックハンドが移動してくれる事だ。お陰ですぐにあいつらをくすぐりから救い出せる。だが問題もあった。やはり最初にくすぐられた時より、全身が敏感になっているらしい。まだ腋をくすぐられている訳でもないのに、明らかに我慢の限界が近いのが解る。 セシア「うっふふ、まだまだ行くわよ?」  相変わらずペースが早い。もうそろそろ本格的に私を笑わせに来るか?まあこの際私の我慢の限界などどうでも良い。問題はあいつらをくすぐりから守る事。まずこの後手に回るシステムを何とかしたいが…。そして次もマジックハンドが四つ現れた。カナには右足の裏と右太もも、ミナには右の二の腕と左の脇腹にマジックハンドが接近する。 カナ『はあ、はあ…、っまた…!?もうやめて、これ以上くすぐらないでよぉ!!』 ミナ『短時間に、こんなくすぐられたら…耐えられないです!何なんですかこれ!?』  カナとミナは短時間とは言え、すでに何箇所もくすぐられている。ここ数日くすぐられ過ぎて、私も普通の概念がおかしくなっていたようだ。確かに普通にくすぐられるのが苦手な人なら、こんな拘束された状態でくすぐられるなど、苦痛でならないはずだ。あいつらの精神状態がそろそろ限界なのかも知れない。何とかしてやらなければならないが…、一体どうすれば良いんだ。 セシア「はい、くすぐりスタート❤」 カナ『やめ、来ないで…っはははははははあっはははははははもうそこやめてぇぇえええ!!きゃはははははははくすぐったいってばぁぁああ!!』 ミナ『んふふふ、あっはははははははは無理無理ぃぃいいっひひひひひひそこだめですってぇぇぇえっはははははははは助けてぇぇえええ!!』  やはりこんな無防備な状態で、あいつらがこの苦痛に耐えられる訳が無かった。もう苦しそうに笑わされているあいつらを見れなかった。そして私は、その苦しそうな笑い声を聞いてはいられなかった。 アレイス「くっふふふふ、んっふふふ…右足の裏、っはは、んぐぅっふふ…右太ももとっくく、左…っひひ、脇、腹…、んっくく、右二の腕を、っく、くす…っふふふ、くすぐってくれぇぇええ…!」  マジックハンドはまた私の方に移り、すぐに私の要望に応えるように指定した場所をくすぐり始める。そしてあいつらを助けたい一心で庇った事であまり意識していなかったが、気が付けば私の弱点である腋以外のほぼ全身がくすぐられていた。 アレイス「んぃぃいいいっひひひひひ、くふふふふふふふ…くす、っくく、くすぐったいぃ…!」  弱点の腋をくすぐられてもいないのに、ついに“くすぐったい”という言葉が出てしまった。ただそれと同時に、やはりこんな苦痛をあいつらにはもう与えたくないとも思った。こんなくすぐったい刺激は私だけが受け続けていればならない。 セシア「そろそろアレイスちゃんも庇うのが辛くなって来たんじゃないのかしらぁ?まあまだまだ続けるけどね❤さぁて、今度は~――」 アレイス「んっくくくくく、た、頼む…っひひ、もう…んふぅっくく…、あいつらを、くすぐらないでぇっくく…、くれ…!いひひひ、か、代わりに…っふふふ、私が…くくくく、くすぐ、られるからぁ…!」  当然、拘束されている上に魔力も使えずただくすぐられ続けているだけの私に、この今の理不尽なシステムをどうにかできる訳は無かった。だから、もうセシアに頼み込む以外にあいつらを救う方法など無かったのだ。私なら好きなだけくすぐって構わない。死ぬまでくすぐられ続けても良い。あいつらだけは苦しめたくはない。 セシア「……流石ね。この期に及んで、あなたを少しでも疑った私が悪かったわ。アレイスちゃんがあの娘達のためなら何でもやるって事を改めて知っておきたかったのよ。」  どうやら私の願いは叶ったらしい。逆に言えば、私はこれから永遠にくすぐられ続けるのかも知れないが、あいつらが無事ならもう何でも良い。 セシア「じゃあもう一回ここよ?」  私をくすぐってくると思われたが、新たに現れた二つのマジックハンドは、カプセル内のカナの足元に現れた。これでは何も変わっていない。もう私はあいつらの苦しむ姿を見たくないんだ! カナ『うぐぅ!!ま、またくすぐる気なの…!?お願い、ホントにもうやめてぇ!!』 ミナ『今度はまたカナだけ…!?もうやめて下さい!!何が目的なんですか!?』  当然またマジックハンドが現れた事でカナが恐怖し、ミナが怒りを露わにする。だが怒りを覚えたのはミナだけでは無い。私もまたセシアに怒りを覚え睨みつける。くすぐられている事で笑いを必死に堪えながらだから、その怒りは伝わり辛いかも知れないが。 アレイス「んっくくくく、おい、…っふふふふ、どういう…事だ!」 セシア「大丈夫よ。アレイスちゃんが本当にあの娘達を助けたいと思っているなら、もうあの娘達はくすぐらないわ。これからは、マジックハンドがカプセル内に現れてから、あの娘達をくすぐる前にあなたが庇えば良いわ。ただし、“くすぐってくれ”って言い方ではマジックハンドは移動させない。そのままあの娘達をくすぐり始めるわ。」 アレイス「一体…っんふふふ、何を、しろと…?」  “くすぐってくれ”と言わずにどうやって自らくすぐられれば良いと言うのだ?“くすぐってくれ”ではなく“くすぐって下さい”と言えば良いだけならすぐに改めてやるが、おそらくそういう意味では無いのだろう。 セシア「“くすぐって”ではなく、アレイスちゃんにかけた魔法の効果が発動する“あのキーワード”でお願いしてくれれば良いわよ❤」 アレイス「な…っくく、何だと…!?…っくふふ…!」  “あのキーワード”で願う。それはつまり、“くすぐってくれ”という言葉の代わりに“こちょこちょしてくれ”と言え、という事か…!? セシア「もちろん、その魔法の解除コードを言ってしまったら、アレイスちゃんの代わりにあの娘達がくすぐられる事になるわよ?」 アレイス「んんっく、そぉ…っくくくくく…!いひひひひひ、んんぅっふふふふ…!」  今の状態で魔法の力で腋までくすぐったくなってしまったら、確実に笑わされてしまうだろう。この際、笑い出す事ぐらいは構わないが、笑わされ続けてる状態では庇う言葉も言い辛くなる。そんな状態であいつらを庇い続ける事が出来るのか…? セシア「まあアレイスちゃんが不満なら今まで通りでも良いのよ?さぁて、じゃあそろそろカナちゃんの足の裏を虐めちゃおうかしらぁ❤」  そう言うが早いか、二つのマジックハンドはカナの足の裏にゆっくりと近づいていく。 カナ『嫌ぁぁああ!!もう来ないで、これ以上はくすぐらないでぇぇぇえええ!!』 ミナ『お願いです!誰かぁぁあ、もうやめてくださぁあい!!』  庇い続ける事が出来るのかとか、そんな事を考えている場合ではない。無理でも何でも私がやるしかないのだから。二人の叫びを聞いて、私はすぐにそう決意した。 アレイス「くふふ、私のっふふふ…足の、裏を…んっく、…こ、こちょこちょしてくれぇぇええぁぁあっはははははははは!!いやぁぁあああっははははははははは!!」  敏感になった足の裏、そこの土踏まずをすでにくすぐられている状態で、さらに二つのマジックハンドが足の裏を責め立てる。それだけでもくすぐったすぎたが、こちょこちょというキーワードで発動する腋へのくすぐり。やはりそれが私の我慢を崩壊させたのだ。こうなってしまうともう笑い声を抑える事など出来ない。 カナ『…あ、あれ…?今度はくすぐられる前にすぐ消えたよ?』  なんとかカナがくすぐられる前に庇う事はできたようだ。それだけでこちょこちょと言った甲斐があった。 ミナ『さっきから思っていたんですけど、このくすぐりに一体何の意味があるんでしょう…?』 カナ『こっちからしたらありがたいけど、くすぐってくるあの変な手、確かにすぐ消えるのは何でだろう。』 ミナ『その理由は解りませんが、このくすぐり。あの方達の実験に関係しているのは間違いありませんね。』 カナ『アレイス先輩は私達の代わりに実験台になるって言ってたけど、もしかしてアレイス先輩、私達を見捨てて…?』 ミナ『それか実験に屈してしまったのか…。』 カナ『でも私達が捕まってから三日。今になって私達が実験台にされてるって事はやっぱり…。』 ミナ『とにかく、私達はここからどうやって助かるかを考えましょう。』 セシア「全く、この娘達も愚かねぇ。自分の先輩が必死に守ってあげてるのに、酷い事言ってるわよ?こんな娘達を庇うなんてアレイスちゃんはやっぱり優しいのね❤」  本当に酷い言われ様だ。だが、そんな事を言われても仕方がない。私が不甲斐無いばっかりに、お前達を苦しませてしまった。私がもっと強ければ、お前達が苦しむ事など無かったのに…。本当にすまなかった。 アレイス「きゃはははははははあっはははははははは!!」 セシア「可哀そうなアレイスちゃん…。代わりに私があの娘達に罰を与えてあげるわ。」  再びカプセル内にマジックハンドが二つ現れる。そしてついにそのマジックハンドはカナとミナの腋、いや、正確に言えば腋の下か。私の弱点の一つであるそこに迫っていた。 セシア「アレイスちゃんを悪く言うなんて私…許せないわ❤」  そうか、私の事を心配しているのではなく、こいつはただ私を追い込みたいだけなのだ。やめろ…!全部私が悪いんだ!あいつらに手は出さないでくれ!! カナ『くっ…!今度は右の腋の下!?』 ミナ『私は左側です…!』 セシア「さあ、罰を受けなさ――」 アレイス「あっははははははは私のっはははははははあっははははははは腋の下ぁぁああっはははははははこちょこちょしてぇぇええ!!」  私は無我夢中でそう叫んだ。その言葉と共にマジックハンドは私の腋の下へ。そして、魔法による腋くすぐりはさらに強くなった。


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