悠月はくすぐられたい④
Added 2022-06-17 13:15:37 +0000 UTC麻希 「じゃあ最初は〜…。」 座布団の上に座る私を見つめ、どこをくすくろうか吟味する麻希。こうしてジロジロ見られると、私もつい恥ずかしくなってしまい、自分の身体を抱きしめる様にして身を守る動作をしてしまう。 麻希 「あ、今日裸足じゃん!」 ようやく私が裸足である事に気付いたようで、麻希は私の足の裏に目を付けた。 麻希 「足の裏なんて普段はくすぐれないし、良い機会じゃん!悠月、足こっちに伸ばして。」 私は両足を前に伸ばし、足の裏を麻希の方へ向ける。麻希は私の両足を抱えると、自分の太ももに乗せて高さを調整し、左手で両足首を抑え込む。そして何も告げず、いきなり私の足の裏を右手でワシャワシャとくすぐり始めた。 悠月 「んっ…………………………………。」 触られた直後、つい驚いてしまい声が出てしまったが、それ以降は全く声を出す事は無かった。どうやら私は足の裏は全くくすぐったさを感じないらしい。 麻希 「えぇ…、全然効かないじゃん…!」 これには麻希もかなりショックを受けている様だけど、それは私も同じだ。お腹を突っつかれた時に、私は素肌ならくすくりが効くのかもと思ったのに、足の裏はそもそもくすぐったいと感じないなんて…。どうやら私はやっぱり基本的にくすぐりには強い方なのかも知れない。 麻希 「やっぱりお腹だよお腹!」 足の裏に全く反応しなかった為、今度は一度反応を見せているお腹に狙いを定め、私の真正面まで接近し座り込む。 そしてまたしても私に何の準備もさせないまま、両手で私の脇腹を掴み、モミモミとくすぐり始めた。 悠月 「んっ…!……………ん、…………………………っ。」 腰骨と肋骨の間をモミモミと強めの力でくすぐるも、結局私は笑い出せなかった。たまに痒みに近い微妙な感覚になるけど、笑い出すような刺激には程遠い。寧ろ少し痛いと思うぐらいだった。 麻希 「えっ!?さっきはビクッてしたじゃん!!何で今は効かないの!?」 こっちが聞きたいくらいだ。結構しっかりくすぐってくれてる筈だけど、何で全然くすぐったいって感覚にならないの?さっき突っつかれた時のあの感覚、一瞬感じたあのむず痒い感覚は、間違いなく“くすぐったい”という感覚、だと思う。 じゃあ何で今はくすぐったくないのか…?考えられる理由は2つ。1つはくすぐる場所の問題。さっきはお腹を突っつかれたけど、今くすぐられているのは脇腹だと言う事。もう1つは、服の上からくすぐられている、という事。さっきは素肌を直接だったのに対し、今は服という僅かな防御力がある。勿論この服は薄手だし、普通にくすぐったがる人達も服の上からくすぐられている訳だし、そう考えるとやっぱり私はくすぐりに強い方らしい。 悠月 「だから言ったじゃない。」 この攻撃は余裕だから、文字通り余裕な態度で振る舞ったけど、内心違う意味で焦っていた。こんなにもくすぐったさを感じなかったら、折角くすぐられるシチュエーションになったのに、強烈なくすぐったさに我を忘れ大笑いするなんて夢のまた夢である。 麻希 「あー、駄目だー!全然くすぐったがらないじゃーん!!」 私の無反応に心が折れたのか、麻希はくすぐるのを止めてしまった。私を笑わせたいのなら、もっと試行錯誤して欲しいのに、何ですぐに諦めてしまうのか。このままじゃ今後も絶対にくすぐって貰えない…。何とか麻希にもう一回くすぐって貰えるようにしなきゃ。とはいえ、自分からくすぐって欲しいみたいな表現は恥ずかしくて出来ないし…。 麻希 「もしかしてさっきの反応もわざとやった?罰ゲームを自分が耐えられるものに誘導するなんてズルいよー!」 悠月 「そんな事する訳ないでしょ…。ホントにさっきは素の反応だったし、さっきと責められてる場所違うし、肌を直接触られるかどうかでも変わるんじゃない?」 今のは我ながら上手い表現が出来た。くすぐられたいとは言ってないけど、もっと別の責め方がある事も伝える事が出来た。 そしてそれを聞いた麻希も「なるほど」と理解したようで、再びやる気を出してくれた。 麻希 「なら服の中に手入れちゃお!」 悠月 「えっ、ちょ……!」 肌を直接責める、という方法を学んだ麻希は、チラチラ見えてるお腹を責めるのではなく、服の裾から手を入れて脇腹をくすぐるという選択をした。そして先程と同じ様に、脇腹を揉む様にくすぐり始めた。 悠月 「んっ、…………ん〜、…………………。」 不思議とさっきよりむず痒いような感じがする。これがくすぐったいって感覚なんだと思うけど、とても笑い出すようなものじゃない。そもそも、くすぐったくて笑ってしまう、というのはどういう感覚なのだろうか。 麻希 「これでもくすぐったくないの?」 悠月 「…………何か、微妙な感じ。」 麻希 「じゃあお腹は?」 続いてお腹をくすぐってきた麻希。一応、さっき私が思わず反応してしまった場所だけど、感覚は脇腹とあまり変わら特に笑い出すような感覚にはならなかった。さっき思わず反応してしまったのは、もしかしたら不意を突かれて驚いた、というだけだったのかも知れない。 麻希 「………無反応か〜。あ、おへそっ!」 悠月 「んっ……!?ちょっと…!」 お腹をくすぐっていた麻希は、不意に私のおへそに指を触れさせ、サワサワと優しくくすぐり始めた。急におへそを責められた事で、私は再びビクッと反応してしまった。 麻希 「おっ!ここはいい反応じゃん!」 ようやく私が嫌がる反応を見せた事で、麻希もテンションを上げるが、やっぱり私はそれ以上反応しなかった。結局、急におへそを責められたからビクッとしてしまっただけだったようだ。 悠月 「…いや、もう全然平気。」 麻希 「また一瞬だけ!?やっぱくすぐり強いんじゃん…!」 麻希の言う通り、これで分かったのは、残念ながら私はくすぐりに強いという事だ。不意に触れられた瞬間だけ少し反応はするけど、くすぐりによって笑わされるまでには至らなかった。あのアニメの主人公、リーズのようにくすぐりによって笑わされたいという願望は叶わなかった。 麻希 「はあ、まあいいや。はい、次。」 悠月 「は…?次って、何が?」 麻希は低いモチベーションのまま、クイクイっと手を下から上に何度も上げる。まるでそのアクションは「立て」と手で指図するようだった。でもその意味がよく分からず、私はキョトンとしていた。 麻希 「いやぁ、一応罰ゲームは最後までやろっかな〜って。」 悠月 「…………ん?ごめん、よく分かんないんだけど。」 どうやらまだ罰ゲームは続いていたらしい。でも、それと麻希のこのアクションに何の関係があるのだろうか? 麻希 「いやだから、腕上げて。腋くすぐるから。」 なるほど、「立て」と促している様なアクションは「腕を上げろ」って事だったのね。それに私自身も諦めてしまい、まだワキという最後の選択肢が残っていたのを忘れていた。 悠月 「まだ諦めてなかったの?もう私に効かないの分かったでしょ。」 残念ながら、もう私の方が心が折れて罰ゲームを受けるモチベーションが湧かなくなってしまっていた。何より、どこをくすぐられても無反応だった私が、ワキをくすぐられた所で効くとは思えない。……それに、腕を上げてワキを晒すなんて、やっぱり恥ずかしいし。 麻希 「分かんないよ?人によって感度違うんだし、場所によってもくすぐったさって違うじゃん。」 悠月 「まあそうだけど…。」 何で私がやる気を無くした瞬間に麻希がしつこくやる気を見せ続けるのか。 麻希 「それに、このままだと何か悔しいし!」 悠月 「いや、だから多分無駄だって。」 麻希 「多分?えっ、もしかして、腋くすぐられた事ない?」 悠月 「う、うん…。まあ…。」 麻希 「なら尚更くすぐらせてよ!どうせ罰ゲームなんだから!」 悠月 「えぇ…。もういいってば…。ワキ見せるのとか、恥ずかしいし…。」 あんまり恥ずかしいとかも言いたくなかったけど、あまりにも麻希が引き下がらないから、正直に腕を上げたくない理由を打ち明けた。別にワキをくすぐられたくない訳じゃない。寧ろ本当にくすぐったく感じるなら嬉しい限りだが、それを諦めてしまった私にとっては、ワキを晒す事への羞恥心の方が強いのだ。 どうせ効かないであろうワキへのくすぐり。それを受けるために、ワキを晒したくない。お腹やおへそを見せるより、やっぱりワキは恥ずかしい。さっきはその羞恥心よりもくすぐりによって笑わされたいという願望の方が強かったから、伸びのポーズが出来ただけなのだ。 麻希 「えー、さっきは疲れたとか言ってバンザイしてたじゃん!」 悠月 「そ、それは…、その、……む、無意識?というか、なんというか…。」 麻希 「そんな事言って〜、ホントは誘ってたんじゃないの〜??」 悠月 「そ、そんな訳ないじゃない…!何よ誘うって!」 以外と鋭い…。まあ、あれはくすぐりを誘ってたのは事実だけど、それは夢と希望に満ちていたからで、非情な現実に絶望した今は違う。……まあ少し大袈裟に言い過ぎたけど。とにかくやっぱりワキを見せるなんて恥ずかし過ぎる。今すぐ袖のある服に着替えたい……。 麻希 「じゃあ後ろからくすぐるよ!それなら私見えないじゃん?」 悠月 「確かに見えないけど…、触られるのも嫌なんだけどなぁ……。」 まあ見られないだけマシか、と思い私は渋々承諾した。こうなると麻希も絶対に引き下がらない性格だから、私が妥協するしかない。ワキが少しでも敏感である事にちょっとだけ期待し、麻希が私の背後に移動したのを合図に、伸びをするポーズで待機する。 麻希 「はい、じゃあいくよー。」 腕を真っ直ぐ上に上げた事で伸び切ったワキ。背後から迫る麻希の両手が、私のその無防備なワキに辿り着き、ピンと立てられた人差し指が優しくその窪みに触れた。