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正義のヒロイン、レイナの弱点③

 レイナはティナの言っていた本当の戦いに備えて、射撃訓練を行っていた。と言っても、能力をそこで使ってしまえばいざと言う時に戦えない。だから彼女は自身のスカートに巻いてあるベルトの左サイドに小さなポーチを掛けており、そこに常に入れているおもちゃの球を魔具に装填して訓練をしている。ちなみに、そのポーチには他にも自身や街人が怪我をしていても応急処置が出来るような道具を入れている為、常にベルトに装着しているのだ。 レイナ 「あのティナって奴、一体何なの?人間と全く変わらない見た目で、戦い方も魔族と言うより人間に近い。他の魔族を低俗とか言ってたし、本当に彼女は魔族の中でも相当な実力者って事?」  本当なティナの方がとある理由で低俗な魔族として扱われている。その事をレイナは知らないが、実際にティナに実力があるのはレイナが何より身に染みて分かっていた。実の所、魔力はティナよりも他の魔族の方が圧倒的に多く、その魔力から繰り出される技もティナの方が圧倒的に弱い。だが、魔力を無力化できるレイナにとっては、魔力の強さなど関係ない。寧ろ人に近い思考回路や戦術を持つティナの方が、レイナにとっては厄介に感じてしまうのだ。 レイナ 「とにかく奴は素早い上に状況の判断能力が高い。だから私は奴が避けたり、考えを巡らせる前に、奴を撃つ。それが一番手っ取り早く倒す方法よね。」  レイナはおもちゃの球を何度も発砲し、早打ちと精密射撃の訓練を繰り返した。まずは相手が避けれない程の早い攻撃を行う。ただし、早打ちが出来てもそれが的外れでは意味が無い。だから射撃の制度も上げる必要があった。  魔族と常に戦う彼女の努力を惜しまない性格は、彼女自身をどんどん強くしていった。今までに無い程の射撃スピードに、その正確さも段違いに良くなった。これならティナを逃がす事無く、今度こそ仕留められると実感した。その自信をを決意に変え、レイナは次の日を迎える為、就寝した。  翌朝。ティナの言う本当の戦いはすぐに幕を開けるのだった。 「嫌ぁぁあああ!!」 レイナ 「…!?まさか、奴がまた…!?」  レイナの住む家のすぐ前で女の子の叫び声が聞こえ、レイナは慌てて装備を整え家のドアを開ける。すると、そこには女の子を捕らえたティナが真っすぐレイナの方を見ていたのだ。まるでレイナがそこに住んでいる事を知っていたかの様に、女の子を人質として捕らえ待ち構えていたのだ。ティナは魔力で作り上げた短剣を女の子の首元に近づけ、いつでも殺せるぞと無言で脅していた。当然、それを見せられてはレイナも迂闊に動けない。 レイナ 「くっ…!いきなり卑怯な手を使って現れたわね。その子をどうするつもり?」 (この距離なら奴を仕留められるけど、人質の女の子の後ろに隠れるように立たれたら、流石に打てないわね…。) ティナ 「あなたがこちらの言う通りにして頂ければ、この子には何も手は出しませんよ。」 レイナ 「何が望み…?」 ティナ 「だから、あなたに苦しみを与えてその力を得る事ですよ。」 レイナ 「つまり、その子の代わりに私を捕らえて何かしようって?言っておくけど、あんたの力じゃ私を捕らえた所で苦しみなんて与えられないわよ?」 ティナ 「それはやってみれば分かる事です。では、交渉は成立という事でよろしいですか?でないと、この子の命は保障できませんが。」 女の子 「うぅぅ…、お姉ちゃぁん、怖いよぉぉおお…!助けてぇぇえ……!!」 レイナ 「くっ…、分かったわよ!その代わり、その子は必ず解放するんでしょうね!?」 ティナ 「はい、約束は守りましょう。」 レイナ 「それで?私はどうしたら言い訳?」 ティナ 「彼女に従ってください。……クリス。」 クリス 「は~い❤」 レイナ 「なっ…!?魔族がもう一体…!?」  ティナの呼びかけに反応したクリスは、上空から突如レイナの前に現れ、悪魔の様な翼を使って舞い降りたのだ。空から魔族が現れた事にも驚いたが、2体の魔族が結束している姿を初めて見たレイナは、その状況に思わず動揺する。 ティナ 「彼女は私が召喚した使い魔のクリスです。彼女の力を借りて、あなたに苦しみを与え力を得たいと思います。」 レイナ 「……あっそ。でも、使い魔だろうが魔族は魔族。そこの使い魔だって私には何も出来ない筈だけど?」 クリス 「マスターも言ってたでしょぉ?それはやってみれば分かる事❤と言う訳でぇ、転送…❤❤」  クリスの魔力によって魔法陣がレイナの足元に展開される。魔力が一切効かないレイナでも、わざわざ魔法陣から出現する何かをその場でただ見ている訳にもいかず、思わずその魔法陣から距離をとる。すると、魔法陣から一本の円柱状の柱が現れた。その厚みは人の肩幅程度だったのだが、高さは人の身長の倍以上あり、足元には鎖で繋がれた金属製の枷が2つ取り付けられていた。その枷を見た瞬間、レイナはすぐに嫌な予感がした。 レイナ 「な、何よこれ。」  自分がこれからどうされるのか理解はしていたが、それを認めたくなくてレイナはわざと気付かぬ振りをした。 クリス 「何って、あなたを拘束する為の道具よぉ?まずはその武器を捨ててその柱の前に立ってくれるぅ?勿論、あなたが不審な動きを見せたらぁ、あの子がどうなるか…❤」 レイナ 「くっ……!わ、分かったわよ。」 (こんな卑怯な手を使ってくるなんて…!)  人質を取られている以上、レイナは逆らう事が出来ず仕方なく言う通りにする。魔具を足元にそっと置くと、そのまま柱の場所までゆっくりと歩き、その柱に背を向ける様に立ち止まった。 レイナ 「それで…?どうしろって言うの?」 クリス 「足元に鎖に繋がれた枷が2つあるでしょぉ?それを両足に1つずつ付けなさぁい?」 レイナ 「自分でこれを嵌めて、自ら拘束されろって言うの?」 クリス 「別に嫌なら良いわよぉ?」  そう言いながらクリスは人質の女の子の方を見ながら不敵な笑みを浮かべる。それは「人質がどうなっても知らない」と無言で伝えている事をレイナもすぐに理解し、仕方なく枷に足を通し自らそれを嵌めていく。  まずは右足を枷に通し、しっかりと固定する。その枷は分厚く人力で簡単に壊せそうになく、手錠に近い構造になっていて脚が抜けないようにカチカチっと枷を締めていくと、もうそれを外す事は出来なくなる。それに少し恐怖心を覚えながらも、人質解放の為に左足の方も同じ要領で枷を嵌めていく。枷は左右が隣り合う様に設置されており、拘束を終えたレイナは脚を揃える様に立つ事しか許されなくなった。 レイナ 「出来たわよ。ほら、早くその女の子を解放しなさい。」 クリス 「まだ拘束は半分しか出来てないでしょぉ?その状態じゃあ人質は解放出来ないわぁ。」 レイナ 「はぁ…?拘束が半分しか出来てないってどういう事…?両足ともしっかり枷を嵌めて拘束したじゃない…!」 クリス 「足だけでしょぉ?まだ手が自由に動かせるじゃなぁい❤」 レイナ 「手…!?手も拘束するの…!?」  足枷を嵌めた事でその場から動けなくなった上に、その枷を壊す事どころか外す事も出来ない。そして手元に魔具がなければ、レイナは自身の能力を“攻撃”に変換する事も出来ない。この時点でレイナは魔族相手に抵抗する術などすでに失っている為、これで拘束は完了したものだと勝手に思い込んでいた。しかし、これに加えて手まで拘束されるのかと思うと、レイナは更なる恐怖と不安に襲われてしまう。 クリス 「寧ろ拘束と言ったら手の方が大事でしょぉ?」 レイナ 「手って…、どこに手を拘束する枷なんてあるのよっ…!」 クリス 「今からそれを出してあげるわぁ❤……はいっ、転送❤」  レイナの両足を拘束するその柱に魔力を注ぐと、今度は柱の上の方からガシャガシャッと金属音が聞こえてきた。それに気が付いたレイナが真上を見上げると、足元のそれと同じような金属の枷が新たに2つ現れ鎖に繋がれていた。 クリス 「実際にあなたにそこに立って貰わないとぉ、手枷の高さが決められないでしょぉ?だから最初に足枷だけ用意しておいたのよぉ?」 レイナ 「私の身長に合わせたって言う割には、随分高い所に枷を設置してるじゃない。」 クリス 「手を上げれば届くでしょぉ?ほらぁ…、ばんざぁいってすれば……、ね❤」  わざわざ手を拘束するにも、こんなに腕を上げさせる事に疑問を抱いたレイナ。試しにその枷に届くのか確認しようと右腕を上げてみると、目一杯上げればどうにか手首に枷を嵌める事が出来る、という高さである事が理解できた。しかしギリギリ届く高さという事は、それだけゆとりが無いという事であり、拘束された状態で身を捩ったり、もがく事すら困難になると言う事を意味していた。 レイナ 「こんな高くする必要がある訳?何でこんな窮屈そうな拘束を自分からしなきゃいけないのよ…!」 クリス 「こうしないと意味ないのよねぇ❤」 レイナ 「はぁ…!?一体何をしようって言うのよ…?」 クリス 「それは後でちゃんと教えてあげるわよぉ。ほらぁ…、良いから両手も拘束しなさぁい?」 レイナ 「くっ…!仕方ないわね…。」  レイナは右手を上げ、枷に手を通そうとするが、その枷を締める前にクリスが何故かその行動を止めるのだった。 クリス 「あっ、そうそう、忘れてたわぁ❤」 レイナ 「……?な、何よ。」 クリス 「あなたが今着ているそのジャケット。それを脱いでから拘束しなさい❤」 レイナ 「は?ジャケット…?何でわざわざ脱がなきゃいけないのよ…!このジャケットを着ていようが、拘束するのには関係無いでしょ!?」 クリス 「関係ないならぁ、それこそ別に脱いだって一緒でしょぉ?裸になる訳じゃあるまいしぃ?……それともぉ、そのジャケットを脱げない理由でもあるのかしらぁ?」 レイナ 「べっ、別に無いわよ…!脱げば良いんでしょ脱げば!!」  レイナは慌ててる姿を見せまいと強がり、ジャケットをその場で脱ぎ捨てる。ジャケットの下に着ていた腹部を大胆に露出する青緑色のトップスは袖の無いデザインで、普段はジャケットに隠れた女性らしい華奢な肩と、程よい筋肉で引き締まった綺麗な二の腕が露になった。 クリス 「うっふふ…❤それじゃあ改めて、その状態で腕を上げて手首に枷を嵌めなさい❤」 レイナ 「くっ……、うぅ……。」  レイナは少しずつ右腕を上げていく。しかし、肩の高さまで上げた所でその動きを止めてしまう。まるで重りを付けられているかの様に、レイナ自身の意思に反する様に腕を上げられなくなってしまう。 クリス 「ほらぁ、早くしなさぁい?」 レイナ 「んっ…………。」  人質の女の子を危険な目に遭わせる訳にはいかない。だからクリスに逆らう訳にはいかない。しかし、やはりその腕は肩より上には中々上がらない。ジャケットを脱いだ途端、レイナは腕を上げる事に大きな抵抗が生まれ、自分の意志では中々その腕を上げる事が出来なくなってしまったのだ。 クリス 「あらぁ?どうしたのかしらぁ?……言う事が聞けないんならぁ…。」 レイナ 「うっ…!わ、分かってる…!分かってるわよ…!!」  弱みを握られたくない。慌ててる姿を見せたくない。強気でプライドの高い彼女は、強がる様に声を荒らげながら右手を再びゆっくりと高く上げ枷に通す。頬を潮紅させ恥ずかしそうにしながら、今度は左手もゆっくりと上げ、右腕を通したその枷を閉めていき拘束する。右手の拘束が完了すると、枷を固定する為に上げていた左手をすぐに下ろし、代わりに高く上げられた状態で拘束された右腕の二の腕、それも腕の付け根により近い方を左手で支える様に添える。しかし、わざわざ左手で支えなくても、拘束された右腕は力を抜いていても枷が勝手にその状態をキープしてくれる。つまり、その左手は右腕を支える為に添えられた訳ではなく、別の目的があったのだ。 クリス 「どうしたのぉ?右腕の拘束が出来たんならぁ、左手で支えなくてもそこまで辛く無いでしょぉ?まあ確かにぃ、ずっと腕を上げてるのは辛いと思うけどね❤」 レイナ 「う、うるさいわね…!!良いでしょ別に…!って言うか、こうやって長時間腕を上げさせておくのが、私を苦しめるって事なの?」 クリス 「そんな訳ないじゃなぁい❤これはあくまで準備よ、準備…❤」 レイナ 「じゃあ一体何だって言うのよ…!それに、拘束されてようが腕上げてんのが辛くてかったるいのは事実よ…!別にそれ以外の深い意味なんて無いわ…!」  自分が焦っている事をどうにかして隠したいレイナ。その行動はもはやバレバレだが、クリスは敢えてそれ以上はその行動に触れなかった。  そして、レイナとクリスのやり取りをずっと離れた所で見ていたティナは、そのレイナの行動に違和感を覚えていた。 ティナ (彼女、突然様子がおかしくなったような…。一体何があったんでしょう…?)  突然レイナが顔を赤らめ何やら不審な様子になったのには気が付いたティナ。その理由までは分からなかったものの、クリスの煽る様な言葉によってレイナが大きな不安を抱いている様子なのも何となく見て取れた。この言葉で揺さぶる行為が、レイナを煽って不安にさせる、という事なのだろう、とティナはクリスの実力に感心していた。 クリス 「ふふ…、まあ良いわ❤どうせ左腕も拘束するんだしぃ…❤」 レイナ 「……もう私の右腕は自由が利かないわよ?左腕を枷に通す事までは出来ても、枷を締めるのは無理よ。……どうやって拘束する気?」 クリス 「あなたが腕を枷に通してくれればぁ、最後は私がしっかりと締めてあげるわよぉ❤」  そう言ってクリスはレイナのすぐそばまで飛んで行き、レイナの横に立つと左側の枷に手を掛ける。そして早く左腕も上げろと無言で催促する。 レイナ 「んっ……く…!!」  レイナは更に顔を真っ赤にしながら、ゆっくりと右腕に添えていた左手を離し、枷の方へと持ち上げる。だがしかし、左腕も中々その枷のある高さまで持ち上げられなかった。左腕まで上げてしまい枷で拘束されれば、文字通り何の抵抗も出来なくなり無防備な体勢になってしまう。それには流石に、魔族の攻撃が一切効かないレイナでも不安や恐怖を感じざるを得ない。が、レイナにとって完全に拘束される不安や恐怖以上に、腕を上げられない……、いや、上げたくない理由があったのだ。 クリス 「うっふふ…❤そんなに“恥ずかしい”のかしらぁ??」 レイナ 「んなぁっ…!!?」  クリスはレイナの耳元でレイナにだけ聞こえるような小さな声でそう囁いた。それを言われたレイナは慌てて思わず声を上げてしまう。それは普段強気なレイナが初めて弱みを握られた瞬間であり、その思わず上げてしまった声は、図星を意味していた。 レイナ 「なっ、何の事よ…。」  しかしレイナはあくまで強がりを見せ、その弱みを隠し続けようとした。 クリス 「別にぃ?違うなら違うで良いんだけどぉ、腕を上げる事が恥ずかしいのかと思ってね❤まるでぇ、隠す事が出来ないどこかの部位を…、私達に晒して見せたくないって仕草だったからぁ❤」 レイナ 「くぅぅう…!!」 (こいつ…!私の考えてる事が分かるの…!?いや、まあ確かに私が露骨な反応を見せただけかも知れないけど…。)  実の所、レイナがジャケットを脱ぎたくなかった理由もこれだったのだ。あのジャケットは魔具でもなければこの状況を打開できる物でも無い、ただの上着である。では何故脱ぎたくなかったのか。そして何故腕を上げる事に恥じらいがあったのか。それは、クリスの言う通り、身体のある部分を見せる事に、大きな抵抗があったからなのだ。 クリス 「ほらぁ、早く左腕をここまで持ち上げてぇ?それともぉ、私が持ち上げてあげようかしらぁ❤」 レイナ 「いっ、良いわよ別にっ…!!自分で上げるから…!」  レイナはその恥ずかしさを必死に抑え込む。強気でい続ける為に、自分を鼓舞してその左腕を思いっきり持ち上げた。そしてその左腕が枷を通った瞬間、それを待ち構えていたクリスが素早く枷で固定する。そして役目を終えたクリスはマスターであるティナの元へと、宙を舞い戻っていく。  両手両足に枷を嵌められたレイナは、手足をピンと揃えアルファベットの「I」の字の様な体勢で拘束されてしまった。手足の自由を完全に奪われたレイナは、その拘束が少しでも緩まないかと身体を必死にもがくが、両腕は目一杯上に伸ばした状態である為、満足に身体を前後左右に振る事も出来ず、想像以上に窮屈な状態を強いられていた。 クリス 「うふふふ…❤文字通りの無防備な状態、良い格好ね…❤❤」 レイナ 「うっさいわねっ…!!それより、あんたらの言う通りちゃんと拘束されたわよ…!いい加減その女の子を解放しなさい…!!」 ティナ 「良いでしょう。さ、もう帰って良いですよ。」 女の子 「うっ、うわぁぁぁああああ……!!」  女の子は泣きながら自分を助けてくれたレイナの元へと駆け寄った。 女の子 「お姉ちゃぁああん……!ごめんねぇ…、ありがとぉぉおお………!!」 レイナ 「ううん、大丈夫よ。こう見えてお姉ちゃんすっごい強いんだから!…怖かったよね、ごめんね?……お姉ちゃんが中々勇気出なくて。」 女の子 「そんな事ないっ…!お姉ちゃん、ちゃんと私の事助けてくれたもん……。」 レイナ 「巻き込んじゃってごめんね…?……さ、危ないから早く逃げて?お姉ちゃんは大丈夫だから、私を助ける為に他の大人の人とか、絶対に呼んじゃダメだよ…?」 女の子 「で、でもぉ………!」 レイナ 「言ったでしょ?お姉ちゃんは強いんだから!それにあの悪者は必ずお姉ちゃんが倒してやるんだからっ!…だから、心配しないでね?」 女の子 「う、うん…。ありがとう…、お姉ちゃん…!!」  拘束されても尚強く凛々しいレイナの姿を見て、助けられた女の子はその場から離れていった。 ティナ 「その正義感は称賛に値しますよ。」 レイナ 「ちっ…!あの娘を巻き込んだのはあんたでしょ…!?こんな卑怯な手を使ってまで私を拘束して…、一体何のつもりよ!!」 クリス 「さっきまでとはまるで別人の様に、普段の強気な姿になったわねぇ❤」 レイナ 「ふ、ふん…!拘束されるのが、ちょっと不安だっただけよ…!今思えばどっちにしろあんたらの攻撃なんか一切効かないし?女の子が解放されれば、こっちはもう何の心配事も無くなったわ!」 クリス 「そぉ?まあ、それだけ強気でいてくれた方がぁ、より苦しみを与えるのが楽しみってものよ❤」 レイナ 「くっ……!どこまでも悪趣味な連中ね…。魔族って皆いけ好かない奴ばっかで気分悪いわ…!」 クリス 「悪趣味で結構❤さぁて、準備も整った事だしぃ…、そろそろ苦しんで貰いましょうか❤無防備に磔にされたあなたを、じっくりと責めてあげるわぁ❤❤」  拘束されても何とか強気に振る舞っていたレイナだったが、クリスのその不敵な笑みを見せつけられると、やはり不安が隠し切れなかった。自分の能力やスキルを知った上で苦しみを与えると豪語する、その自信や方法に、レイナは再びただならぬ焦りを感じるのだった。


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