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ティックリー・アドベンチャー 4-4

 アイナが出かけた直後、隣の部屋で休んでいたライカがその部屋を出て、ミツキのいる部屋に入って来た。 ライカ「アイナさんはどちらへ?」 ミツキ「ライカか。アイナは私に薬草を調合すると言ってその草を取りに出てしまった。それより、お前はどうしたんだ?眠れないのか?」 ライカ「えぇ、ミツキがあまりにも笑い声をあげるので眠れませんでした。」 ミツキ「うっ…!そ、それは、すまなかったな……。」 ライカ「それでもアカネはぐっすり眠っていますが。相当グリ山でのくすぐりが応えたんでしょう…。」 ミツキ「グリ山では一番頑張ってくれたからな。無理もない。お前は大丈夫か?」 ライカ「はい。アイナさんの回復薬でかなり癒されましたから。」 ミツキ「……お前なら、当然気が付いているだろう?」 ライカ「アイナさんの事ですよね?会った時から感じていましたから。」 ミツキ「流石だな。まあ、わざわざ本人に告げる事も無いと思っていたから黙っていたが。」 ライカ「私もそう思いましたから、あえて何も――……!!?ミツキ…!!」 ミツキ「一体何が起こっている…!?」  突然ミツキとライカが感じたもの、それはジエルとキュバスの魔力だった。それも今までに無い程の膨大な魔力で、ジエルの魔力に至っては一瞬にして町全体に魔力が感じられたのだ。 アカネ「ミツキ、ライカ!!」 ミツキ「良かった、今起こしに行こうと思っていたんだ。」 アカネ「何なのこれ!?あいつらの魔力にしちゃあ随分膨大だけど…!」 ライカ「相当な力を得てしまった様ですね…。」 ミツキ「とにかく外へ出よう!」  3人はアイナの家を出ると、そこには衝撃的な光景が広がっていた。そこには無数の黄色いマジックハンドが、港町全域を覆い飛び交っていたのだ。そして、そのマジックハンド達は外を歩いていた女性達に無差別に襲い掛かり、こちょこちょとくすぐっていたのである。 ミツキ「町全体に感じたジエルの魔力はこれが原因か…!」 ライカ「しかし、一瞬でこんな数を召喚するなんて…!」 ミツキ「話しは後だ…!くすぐられている人々を助けるんだ!!」 アカネ「そういえば、アイナは…!?」 ライカ「キュバスとジエルのすぐそばにいるみたいですね…。」 ミツキ「助かる。お前程の魔力感知に特化した能力を持っていなければ、こんなに強い魔力に覆われた町の中から極僅かな魔力を感じる事は出来ん。」 アカネ「極僅かな魔力って…?」 ミツキ「アイナは私が助けに行く。2人はマジックハンドの群れを頼めるか?」 アカネ「それは良いけど、何でアイナがあいつらの所にいるって分かるの…!?」 ライカ「アイナさんは“能力者”です。」 アカネ「えぇ!!?だ、だって、自分で無能力者だって…。…っまさか、私達を騙してたの!?」 ミツキ「いいや、彼女自身気が付いていないようだ。実際、魔力の使い方を知らず、自分が無能力者だと思って生きていれば、自覚する事など出来る訳が無い。」 アカネ「でも、じゃあ何で極僅かな魔力しか持たないアイナが狙われてるの!?」 ミツキ「それは私にも分からない。とにかく、まずはこの町の危機を救う事だ…!2人共、急いでマジックハンドを殲滅してくれ!」 アカネ「わ、わかった…!」 ライカ「全て倒したらそちらに加勢しますから!ミツキも、気を付けて下さいね!?」 ミツキ「あぁ…!それじゃあ…、頼むぞ…!!」  ミツキは、キュバスとジエルのいる方へ勢いよく走って行った。そして、ライカとアカネは目の前にいる無数のマジックハンドの退治を開始するのだった。 ミツキ「っはあ…!っはあ…!っはあ…!アイナ、…無事でいてくれっ…!」  ミツキはジエルとキュバスの魔力を感じる方へ走り続けていた。その間も何人かの町人が囚われマジックハンドの餌食になっていたが、瞬時にその手だけを凍らせてはくすぐられていた者達を助けていた。 ミツキ「あそこか…!」  港町の外れ、その一角に建てられていた古めかしい倉庫のような建物。その中に使い魔達の魔力を感じたミツキは、急いでその場所へ向かった。 ミツキ(いかにも犯人が人質を抱えているというシチュエーションだな。)  誰も寄りつかなそうな場所でアイナを拘束しているであろう使い魔。それは明らかに罠を仕掛け待ち構えているであろう展開。しかし、そうと分かっていてもミツキは躊躇う事無くその重い扉を開けるのだった。 ミツキ「アイナ!!」  倉庫の扉を開けアイナの安否を確認するミツキ。そこには、1つのバインドリングによって両手首を括られ、バンザイの状態で囚われていたアイナの姿があった。そして、そのアイナの両隣に浮遊する、扉が開くのを待っていたかの様にこちらを見ていたキュバスとジエルが目に入った。 アイナ「ミツキさ~んっ!!」 キュバス「待っていたわよぉ、ミツキさん?」 ジエル「おっ、ホントに一人で来たー!!作戦通り過ぎてびっくり~!!」 ミツキ「作戦通りだと…?」 ジエル「そうだよ~!初めに私の新しい力、ネオマジックハンドでこの娘に接触した時からこの作戦は始まってるんだからね~!!」 ミツキ「やはりか。アイナを襲い私達に助けさせる事で人質として使う“アイナ”と接触させた訳か。だが、それだけでは私をここに一人で来させる事には繋がらないと思うが?」 キュバス「またそうやって挑発して情報を聞き出そうって訳?テイクル洞窟の時と変わっていないわね。」 ミツキ(流石に同じ手には乗ってくれないか。) 「……そうだな。まあアイナが最初に狙われた理由だけが引っかかっていたんだが、そこからが作戦だったのなら…やはりお前達の作戦とやらも私の思った通りだ。わざわざ聞く必要も無くなったよ。」 ジエル「私達の作戦が分かってるって言うのぉ!?」 キュバス「ジエル。あなたは少し黙っていなさい?どうせミツキさんは私達にしゃべらそうと挑発しているだけなの。つまりは仮説なんて別に無いって訳。」 ミツキ「だったら私が自ら解説して教えてやろう。まずはアイナを襲い私達に助けさせる。そしてそのタイミングでキュバスが新たに得た力を使いアイナの意思を操る。そして理由を付けてアイナを外に移動させたタイミングで町全体を急襲。私の持っている正義感を利用しライカとアカネを町人の救出に使わせ、仕掛けた張本人であるお前達の所に私が来るよう仕向けた。そしてアイナを人質にする事で私に手出しさせないようにし、思う存分エネルギーを集めようと言った所だろう?……人質を用意する辺り、エネルギーを集める以外にも何か企んでいるのだろうな。ついでに言えば、私がアイナにくすぐられる展開もお前が仕組んだのだろう?私の反応を見てアイナにくすぐらせようとしたが、私が自ら鍛錬をすると言ったのを利用しくすぐり続ける事で疲弊させ、今日在庫が無くなった回復薬を作らせるために外へ移動させた。そうだろ?」 アイナ(えっ…!?私の意思を操る…?私がミツキさんをくすぐるように仕向ける…?一体何を…!?) ジエル「なっ………!?」 キュバス「………!」 ミツキ「フッ…。図星って顔をしてるぞ?」 アイナ(す、すご……!私にはよく理解できない話だったけど、そんな事まで推理出来ちゃうの!?) ジエル「うぅ…!!」 キュバス「…………っ!」 (どうして私の新たな力、ブレインコントロールまでピタリと当てられるの…!?おまけにミツキさんをくすぐった事、ミツキさんの性格を利用した事まで完璧に…!) ミツキ「……成る程。どうやら本当に今のが本当にお前達の作戦らしいな。“随分と飛躍しすぎた思いつきのテキトーな仮説”だったが、強気な態度で来ない辺り、完璧に当てられぐうの音も出ないと言った感じか?」 キュバス「なっ…!」 (テキトーな仮説って、今思いついた事をテキトーにしゃべってたって言うの…!?テキトーな発言に対し私達の反応を見て“正解”か“はずれ”を判断して作戦の内容を確かめていたの!?) ミツキ「ハメられたって顔をしているな。その通りだ。しゃべりながらどこかのタイミングでお前達の表情に綻びが出ればそこは“不正解”、つまり私のテキトーな仮説とは違うという事が分かるが、あまりにもずっと険しい顔をしているから、“正解”しか出さない私自身が少し怖くなる程だったぞ?」 (正確に言えば、「思う存分エネルギーを集めようと…」と言った時、少し顔が和らいだ。その後「何か企んでいるのだろう」と咄嗟に思いつき発言した際に、再び顔に力が入った。一瞬外したかと思われた仮説が結局は完璧に当てられてしまった、という表情の表れだ。という事は、本当にエネルギーを集める以外の別の目的がある、という事になるが…。) アイナ(私まで完全に騙されてた…!今のは全部この天使さん達の作戦を知る為の手段だったんだっ!!ミツキさんってやっぱりすごい…。) ジエル「キュ、キュバスちゃ~ん…!」 キュバス「くぅっ……!」 ミツキ(今の反応……、やはり“確実に全て当たった”らしいな。一瞬出た綻びも私の機転を利かせた発言で“結果的には”結論も当った様だし、少しでも今の仮説に違いがあれば、奴の性格からしてわざと認めて私を安心させようとするだろう。だが、完璧に当たってしまった事がよほど悔しいのだろう。当てられた事への驚きと私への敗北感が顔に出てしまっている。分かりやすい連中で助かった。今の仮説が正しいという事は、連中はやはり“アイナが能力者だと気付いていない”ようだ。いや、正確には“アイナが無能力者である”と思っている、と言うべきか。)  ミツキの推理はこうだ。  仮説を語った際のミツキのある台詞、「私の持っている正義感を利用しライカとアカネを町人の救出に使わせ、仕掛けた張本人であるお前達の所に私が来るよう仕向けた。」は、“使い魔達が「ミツキの正義感を利用し自分達を直接倒しに来させる」と思ったからこそ考えられた作戦である”と予想し、その事を裏付ける為の台詞だったのだ。  仮に使い魔達が“アイナがは能力者である”と認識していた場合、使い魔達の作戦にはさっきの考えに加えさらに、「深く関わりを持った友人であるアイナを自らの手で助けに来るよう、アイナを人質に取る事で、そのアイナの魔力を感知させて自分達の所へ来るよう仕向ける」という作戦にシフトする。ミツキが仮説でそこまで語った時、魔力で居場所がわかる筈のアイナの安否を気にしていないようなミツキの発言に、キュバスなら矛盾や違和感を覚える筈だと考えた。だがそれを感じさせないキュバスの態度にミツキは、「使い魔達はアイナが無能力者であると思っている」と感じたのだ。 ミツキ(“アイナ=能力者”と使い魔達とアイナ自身が思っていないこの事実。私は人質を抱えられた事で、抵抗出来ぬままくすぐられる事となるだろう。手出し出来ない私にとって、これは確実に“最後の切り札”になる…!あとはもう一つだけ浮上してしまった疑問、エネルギーを集める以外の目的。それがあるのは反応を見れば間違いは無いのだが…。今の奴なら初歩的な作戦に引っかかるか…?) 「さあどうした?ここまで完璧に当てられてしまっては、勝機など無いだろう?諦めてさっさと城へ帰ったらどうだ?」 キュバス「フン!状況が理解できていないようねぇ!!こっちには人質がいるし、いくらあなたが私達のここまでの作戦をピタリと当てた所で、私達の“実験”に影響は無いわ!」 ミツキ「実験…?」 (それが連中の目的か…。しかし、一体何をしようと言うのだ…?) キュバス「そうよ?これはティックラー発案の実験!もちろん、実験内容までは教えられないけどね❤このアイナさんっていう人質がいる以上、あなたは強制的に実験に協力せざるを得ないのよ?」 ミツキ「そのようだな。だが逆に言えば、お前達の実験に協力すれば、アイナに手は出さないな?」 キュバス「えぇもちろん❤でも、実験に協力的な姿勢を見せなかったら、アイナさんがお仕置きされちゃうわよ~?」 アイナ「えっ!?嫌っ…!何するの…!?」 ミツキ「心配するなアイナ。私が必ずお前を守ってやる。キュバス、どうせその実験も“くすぐり”なんだろう?お前達にくすぐられる覚悟など疾うに出来ている。」 キュバス(流石の正義感ね。それが実験に使われるなんて思ってもいないでしょうけど❤) 「もちろんよ?私達はくすぐる為に生まれてきた使い魔だもの。それじゃあ早速始めようかしら❤」  アイナの隣で浮遊し続けていたキュバスがミツキの方へと移動する。その間、ジエルはアイナの背後に移る。こうする事でアイナを盾にされ攻撃を封じると共に、キュバスを攻撃しダメージを与える事が出来たとしても、ジエルがアイナに何をするか分からない以上、それも不可能でありやはりなす術が無かった。 キュバス「まずはその武器を遠くへ捨てなさい?」 ミツキ「…あぁ。」  言われるがまま、ミツキは持っていた槍を遠くへ投げるようにして手放した。これでいよいよ技を使って抵抗する事も出来なくなったミツキ。 キュバス「それじゃあ両腕を目一杯バンザイさせて、両手を頭の後ろで交差するように組みなさい❤」 ミツキ「こうか…?」  ミツキはバンザイして肘を曲げると、右手で左の二の腕を、左手で右の二の腕を掴むように頭の後ろに組んだ。 キュバス「良いわ❤この状態で私があなたの敏感さんな腋をくすぐるわよ?あなたはその体勢のまま動かなければ良いだけ❤」 ミツキ「なっ…!?………そういう事か…!あえて拘束はせず、私自身に腋を晒させ我慢させるつもりか。そして…、もしこの腕を降ろしたら…。」 キュバス「ジエルの目の前で拘束されている無防備なアイナさんがこちょこちょされちゃうって訳❤面白いでしょぉ?」 ミツキ「くっ……!下衆な真似を…!」 (どんな拘束をされようが、どれだけ腋をくすぐられようが構わない覚悟だったが、まさか私が自らの意思で腋をくすぐられなければならない状況を仕掛けてくるとは…!) アイナ「そんなの無理だよっ!!ミツキさんが耐えられる訳が無い…。」 ジエル「ミツキちゃん信用されてないね~!頼りないミツキちゃんの所為でくすぐられるのは嫌だってさ~!!」 アイナ「いや、違っ…!そういうつもりで言ったんじゃ…!」 ミツキ「良いんだアイナ…。こんな条件では私など全く頼りにならないのも事実…。キュバス、お前の新しい力で私がアイナにくすぐられていた時の会話や状況も、当然知っているんだろう。私があまりにもくすぐりに弱くなってしまい、少しも我慢出来ないという事を…。」 キュバス「うふふ…❤さて、何の事かしらぁ?」 ミツキ(それを知っているからこそ、こういう手法を選んだって態度だな。) 「だが、当然私には断る権利など無いのだろう…。アイナ、信用など出来ないだろうが、絶対にお前を守ってやるからな…!」 アイナ「ミツキさん…。」 (私が捕まっちゃった所為で…、何でミツキさんがこんな辛い目に遭わなきゃいけないの…!?一番弱いワキをくすぐられるのに、それを自分から晒すなんて…、そんな事出来る人なんている訳が無い…。それも、私より遥かに敏感なミツキさんが耐えられる訳が…。) キュバス「ミツキさんにしては随分弱気じゃない。良いわ、その覚悟に免じて、ゆ~っくり、さわさわ~って、焦らすよ~に、優しくくすぐってあげる❤ギリギリ耐えられるぐらいの刺激で苦しみなさぁい❤」 ミツキ(あくまで動かずに耐える事が条件だが、くすぐったさに耐える必要があると言う事に変わりは無い。笑ってしまえばそれで体勢の維持も困難になってしまうだろう…。出来るだけ笑わないように耐えなければならないが、きっとアイナにくすぐられた時よりもくすぐったいだろう…。それでも私は耐えてみせる…!) 「………………来い。」 キュバス「それじゃあ…お言葉に甘えて❤」  ミツキは自分の腋の弱さを自覚した上で、アイナにくすぐられた時の事を思い出し、これから訪れる刺激を予想し耐えようと身構えた。想像している以上の刺激なのは間違いない。そう思っていないと耐えられないと、キュバスによるくすぐりの強さを過大評価して想像しているつもりだった。しかし、ミツキは忘れていたのだ。相手がくすぐりに特化した使い魔であるという事を…。 ミツキ「うひゃぁあっははは…!?」  それはやはりアイナの時より想像以上の刺激だった。しかし、その“想像以上を”遥かに超えてしまう“想像以上”の刺激は、ミツキの強い決意など一瞬にして崩壊させてしまったのだ。笑い声を出来るだけ上げない様、という決意も空しく笑い声は溢れ出てしまい、絶対に腕を降ろさないという強い意志も打ち砕かれ、ミツキは腕を降ろして腋を庇い、そのままその場にしゃがみ込んでしまったのだ。 アイナ「ミツキさんっ…!?」 ミツキ(今…、腋を人差し指で軽く触れられただけだよな…!?アイナの時よりくすぐったいだろうとは思っていたが…、何なんだ今のくすぐったさは…!?) キュバス「本当に頼りにならない人で困るわよねぇ?でも、ルールだから、恨むならミツキさんを恨んでね❤」 ジエル「マジックハンド!!」  キュバスの合図でジエルがマジックハンドを一体召喚すると、そのマジックハンドはアイナの右脇腹を服越しに突っつく様にくすぐり始めたのだ。 アイナ「あんっ!?…ひゃぁあっはは…!!ヤダっははは、あっははは…!やめっ…、っははは!くす、…くすぐったぁっはは…!」 ミツキ「アイナ…!?や、やめろっ…!やめてくれ!!アイナを苦しめないでくれ…!!」 キュバス「ルールを守れなかった無能なあなたが悪いのよぉ?アイナさんを守りたかったらあなたが耐えれば良いだけの事なんだから…❤」 ミツキ「くっ…!!すまないアイナ…!私がもっと強ければ…!」 キュバス「あっ、そうそう。言い忘れてたけど、これも私達の新たな能力なの❤」 ミツキ「何…?」 キュバス「ティックリーフィンガー。私達の指は、今までより遥かに相手をくすぐったく感じさせる事が出来るようになったの❤」 ミツキ「それがあのくすぐったさの原因か…!」 キュバス「ほら良いの?あなたがあのポーズのままくすぐられ続けないと、それだけ彼女が苦しむ時間が増えるのよ?」 ミツキ「…!!ほら、これで良いんだろ…?」 アイナ「あはっははは、きゃっはは…!いっひひ、うはははは…!」  ミツキは最初の体勢に戻り、くすぐりを受け入れるポーズを取るが、アイナへのくすぐりは続けられたままだった。 ミツキ「おいっ!なぜアイナがまだくすぐられている!?」 キュバス「寧ろ誰がやめてあげるなんて言ったかしら?」 ミツキ「何ぃ…!?それでは、アイナはどうやったらくすぐりから解放されるんだっ!!?」 キュバス「私達の気が済むまでに決まってるじゃない❤」 ミツキ(何て下衆な連中だ…!そして、何て無様で無能なんだ私は…!!)  ミツキは自分の不甲斐なさに憤りを感じるが、少しでもアイナを苦しませない様にするため、今一度くすぐられる覚悟を決める。 ミツキ「…ほら、早く気が済むまでくすぐるが良い…!」 キュバス「そうこなくっちゃね…❤そぉれ❤❤」 ミツキ「んぎいっぃいいい!!」  再びミツキの腋に触れられたキュバスの指先。その刺激にミツキはまたも悲鳴を上げるが、これ以上アイナを苦しめる訳にはいかないと腕を必死に抑え続けようと両手に力を込める。 キュバス「そうそう❤それで良いのよぉ?」 (こうでなきゃ実験にならないもの…❤) 「でも、まだくすぐりは始まってないんだからね?ここからが本当の試練よ❤」  そう言ってキュバスはミツキの腋に触れさせているだけの人差し指をゆっくりと撫でるように動かし、くすぐったさを与え始めた。 ミツキ「ひぎぃぃぃいいいいっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひ…!あっひひひひひひひひ、んくぅぅううっふっふっふっふっふっふっふっふっふっふ…!」 アイナ「あはっ…!?いっひひひひ、あはははは!!」 (すごいっ…!笑い声を我慢するのすら出来なかったミツキさんが…、腕を降ろさずに必死に耐えてる…!?) キュバス(やはりティックラーの想像通りね…。正直ミツキさんのこの“強さ”には驚きだわ…!さて、ようやくここから実験開始よ…!) 「そうそう、その調子…❤」 ミツキ「きひひひひひひ…!んっくっくっくっくっくっく!!くす…ぐったいぃぃいいいっひひひひひひひひ…!」  敏感な腋の窪みをゆっくりとランダムに動き続けるキュバスの指先に翻弄されるも、必死に歯を食いしばり、腰をクネクネと左右に振って何とかくすぐったさを誤魔化そうとして耐えるミツキ。 ミツキ「ふひひひひひひひひひひ、嫌ぁぁああ…!!あっふっふっふっふっふっふっふっふっふ…!腋っ、わきぃぃいっ!!っふふふふふ、わきぃ…、くすぐったい…!!っひひひひひひひひひひひひひくすぐったいぃいいい…!」 キュバス「思ったより頑張れるみたいだし、少しだけ強くくすぐっちゃおうかしら❤」 ミツキ「まっ待てぇ…!?っきひひひひひひひ、今は…ダメ――ひゅふふふふふふふあっはははは…!!」  人差し指で引っ掻く様にくすぐられた事で、再びミツキの我慢の限界が訪れ、ミツキは腕を降ろしてしまった。 ジエル「はい、マジックハンド召喚~!」  ミツキが腕を降ろした直後、ジエルが2体目のマジックハンドを召喚し、今度は反対の左脇腹を揉むように激しくくすぐり始めたのだ。 アイナ「はひぃぃいいいっははははははははははは!!それヤダぁぁあああっははははははははははははくすぐったいくすぐったぁぁあああいっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは!!」 ミツキ「くそぉ…!!アイナぁぁああ…!!」 キュバス(そうやってもっと悔しがりなさい。自分の無能さに腹を立たせなさい。そして、もっとあなたの“正義感”をぶつけなさい!!) 「ほら、休んでる暇なんて無いんじゃないのかしらぁ?」 ミツキ「くぅぅっ……!!」  キュバスの言葉に強い怒りを感じるも、休んでいられないのも事実で、耐えられない程の辛いくすぐったさを自ら進んで受け入れなけらば、それだけアイナが苦しむ事となってしまうのである。ミツキはアイナを少しでも早く楽にさせてやりたいという一心で、三度腋を晒すポーズを作る。 キュバス「今度は初めから引っ掻く様にくすぐるわよぉ?しっかり我慢してね❤」 ミツキ「んぁぁああっくっくっくっくっくっくっくっくっくっくっくっく…!!いっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひ…!!んぁあああ…、くすぐったい!!あっははは、んぐぅぅううううっふふふふふふふふふ…!!」  腕を降ろさない様に我慢する為に、笑い出すのも堪えていたミツキ。しかし、先程耐えられなかった引っ掻くようなくすぐり。そのくすぐったさに一瞬笑い声を上げてしまったが、気合と強い意志で歯を食いしばり、腕を降ろさない様に力を込めて再び笑い声を抑えた。 キュバス(相変わらずすごいわね…。あの“正義感”は強く働けば働く程、ミツキさん自身の潜在能力を高めて、我慢強さを増している。でも、お陰で実験は良い具合に進んでいるわ❤) ミツキ「ぎっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひ…!い、いやだぁぁぁああああっくっくっくっくっくっくっく!!くすぐったいくすぐったいくすぐったいぃぃぃいいっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひ…!んっふっふっふっふっふっふっふっふっふくすぐったい、っひひひひくすぐったいくすぐったい!!ぐふぅっふふふふふ、くすぐったい…、くすぐったいくすぐったいくすぐったぁぁあい!!!」  “くすぐったい”という言葉を連呼し、少しでもキュバスに辛さをアピールするも、キュバスにくすぐりをやめて貰える訳は無く、寧ろくすぐり欲を高めるだけだった。 キュバス「うんうん❤くすぐったいわよねぇ?だったらその腕を降ろして、腋を守れば良いじゃない❤言っとくけど、あなたは自分の意思で腋を晒しているだけなのよ?その気になればいつでもその腕を降ろせるじゃない❤」 ミツキ「うふふふふふふふ、絶対降ろさないぃぃぃいいいいっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひ…!!んぁぁああっふふふふふふふふふ、アイナを、守るんだぁぁああ!!あっははは、きぃぃぃいいいいっひっひっひっひっひっひっひっひっひ!!」 キュバス「ミツキさんの腋、すっごいくすぐったそうに悲鳴を上げてるわよぉ?無防備に晒されてる腋がくすぐった~いって私に訴えてるわぁ❤腕を閉じて腋を守って~って、笑い叫んでるわよぉ❤❤」 ミツキ「いっひっひっひっひっひっひ…い、言うなぁぁああ!!ぐっふっふっふっふっふっふっふっふっふっふ…くすぐったくなる、からぁ…!!っひひひひひひひひひひひひくすぐったいって、んっふっふふふふふふふふふふふふふふ…!ひぃぃぃいいいいっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひ…!」  キュバスの腕を下げて腋を守れという間接的な表現により一層苦しむミツキだが、それでもミツキは限界を超えたまま、アイナを守る為に腕を上げ腋をくすぐられ続けるのだった。


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