裏切りと反逆6
Added 2021-06-13 13:02:48 +0000 UTCシエラ 『笑える…、拷問ショーだと!?…貴様、何をふざけた事を言っている…!』 ソフィア (またそれ…?さっきから何なの…?笑えるってどういう意味…?) 声など一切届かないであろう地下室に備え付けられた拘束用の椅子。それらは制裁を受けるソフィアの為に作られた“笑顔”にする為の物だという。そして、シエラが受ける拷問も、自身が受ける制裁も同じ“笑える行為”だと改めて思い知らされたソフィア。しかし、その具体的な方法は未だ理解出来ずにいた。 エミリー 「ほら先輩、今からマーラ様が教えて下さいますよー?これから制裁や拷問として行われる、“笑える事”を❤」 ソフィア 「笑える…事…。」 いくら考えても、その答えには辿りつけなかった。会場にいるシエラもこれから自身に行われる拷問の正体が分かっておらず、マーラは演説しながらそれを語ろうとしていた為、しばらくその様子を見る事にした。 マーラ 『そう、シエラさんの様に、皆様も“笑える”拷問と聞いてもそれがどんな拷問か、よく理解できないかと思います。ですがそれは無理もありません。最初にお話しした通り、これは世紀の拷問ショーです。つまり、私が生み出した新しい拷問の手法による、世界初の拷問と言う訳です❤』 シエラ 『何が世界初の拷問だ。それと笑える事にどんな繋がりがある!』 シエラの疑問は勿論で、観衆もその意味が理解できずザワつき始めた。それを鎮める様に手を叩き再び観衆の目をステージに向け、再びしゃべりだす。 マーラ 『皆様、普通拷問と言うと相手に耐えがたい痛みを与えますよね?つまり、その苦痛に耐えきれなくなり屈服させる事が拷問に求められるものですが、その苦痛が必ずしも痛みである必要はありません。その例としては、火あぶりと言った熱いという感覚を与えたり、水攻めによって呼吸を奪うという方法もありますね。この様に、拷問と言っても手法は様々であり、結局はその行きつく先は相手に耐えがたい“苦しみ”を与えると言う事です。』 シエラ 『ならば笑えるとはどういう意味だ!仮に本当に笑う事だとして、そんな楽し気な雰囲気で苦しみなど生まれるものか。それとも、あまりにもくだらない手法で呆れるという意味で笑えるとでも?』 マーラ 『その手法を知った人の中には、後者の様にくだらないとバカにする方もいるかも知れません。ですが、どちらかと言えば前者、つまり実際に拷問を受ける本人が“笑う”と言うのが正解です。』 シエラ 『な…んだと!?私が…、実際に笑うとでも言うのか…?こんな状況で、どうやったら笑えると言うんだ?そもそも、楽しく笑う事の何が苦しみだ。拷問が聞いて呆れるな。』 マーラ 『お聞きですか皆様?確かにこれから彼女は私の拷問によって文字通り“笑う”事になります。ですが、今の彼女の発言には大きな間違いが2つあるんです❤』 シエラ 『2つの間違い?』 マーラ 『そう❤1つは決して楽し気持ちになんて出来ないという事です。拷問として相手を苦しめる訳ですからぁ、当然それが楽しい訳がありませんよねぇ?』 シエラ 『何を言っている!?楽しくも無いのに、何故笑わなければならんのだ!』 マーラ 『それが2つ目の間違い。確かに笑える拷問とお伝えしましたが、正確に言うとこれは“笑う”のではなく、………彼女は自分の感情とは無関係に、私の拷問によって強制的に“笑わされる”のです❤』 シエラ 『強制的に、笑わせる…?何だ、それは…?』 ソフィア 「どういう事…?強制的に笑わせるって何よ。それって、笑いたくも無い相手を無理矢理笑わせるって事…?何をしたらそんな事出来るって言うのよ…?」 エミリー 「出来るんですよー?ある事をするだけで❤」 ソフィア 「ある事…?そんな簡単に…、相手を笑わせる事なんて…。そもそも、笑わせる事が拷問なんて、意味分からない…。」 どれだけヒントを出されてもソフィアとシエラはその方法に全く見当が付かなかった。それは会場の観衆も同じで、ついに中にはステージに向かってヤジを飛ばす者まで現れた。 マーラ 『皆様お静かに願います。それのどこが拷問なんだ?そんな事が可能なのか?と言う疑問を抱かれるのも無理ないでしょう。ですが、実際に考えてみては貰えないでしょうか?もし強制的に笑わされると言う事は、自分の意思でその笑いを止める事が出来ないと言う事です。もし自分で止める事も出来ず、ずっと笑い続けていたら、呼吸するのも難しいと思いませんか?』 シエラ 『…!』 その言葉を聞いた途端、観衆も思わず息を呑んだ。仮に楽しく笑っていたとしても、ずっと笑っているとお腹が痛くなり呼吸も難しくなり苦しくなるのだ。しかし、その呼吸が難しくなるというのは、あくまで難しくなるだけ。先程拷問の例えで紹介された水攻めは水に沈められれば、呼吸が難しいどころか一切出来ない。それに比べれば、笑わせるという行為など拷問には程遠いとすぐに気が付く。 シエラ 『確かに苦しいかも知れんが、その程度で拷問とは、やはりくだらないな。本当に呆れて笑える拷問だな。』 マーラ 『呼吸が難しくなると言うのはあくまでおまけのような物。この拷問は、ある“刺激”を与える事で相手を笑わせますが、その刺激そのものが耐えがたいのです❤』 シエラ 『刺激…?』 マーラ 『その刺激と言うのは、状況によっては一切効果を発揮しなかったり、抵抗されては苦しみを与えるまでには至りません。だからこそ、私は彼女をこうして拘束してるのです。つまり、彼女のこの体勢や服装は、この拷問の為と言う事です。』 刺激、体勢、服装、そのヒントを聞き、観衆の一部は拷問の正体に気が付いた様だった。しかし、それに気が付いた観衆たちの反応はバラバラだった。その拷問に期待を寄せる者、実際に自分が受けたらと恐怖する者もいたが、そんなもので拷問になる訳が無いと呆れる者や、これだけ煽っておいて随分くだらない拷問だと怒りを露にする者さえいた。その反応で当の本人であるシエラも、モニターを見ているソフィアもさらに混乱してしまい、未だ答えに辿り着いてはいなかった。 シエラ 『この服装は貴様の趣味ではなかったのか?ソフィアから聞いたぞ、貴様は特殊な性癖を持つ変態だとな。』 マーラ 『その通りよ?うっふふ…❤観衆の皆様ぁ、どうかお引きになさらぬ様お願いいたします。確かに私には特殊な性癖がありますが、その性癖が生んだのがこの拷問です❤だからこそ、傍で私に奉仕する使用人は勿論、奴隷にもそれを行いやすいようにこういった服装を着せているんです❤』 シエラ 『性癖と拷問が繋がっていたのか…。という事は、貴様は普段から使用人に対して拷問の様な事をしていると…?』 (ならばソフィアもそれを受けていた…?しかしあいつはマーラがへそフェチだという事しか言っていなかったが…。) ソフィア 「…私が知らないって事は、あの女へのご奉仕すら、私と他の使用人で内容が違うって事?」 エミリー 「そうですよー?確かにマーラ様はおへそが好きですけどー、それ以上に好きな“部位”があるんですよねー❤」 ソフィア 「部位…?それが笑える事と関係してるって事…?」 マーラはへそフェチであるが故に、わざわざへそがチラッと見える様な服をソフィアに着せていた。そしてソフィアはマーラへのご奉仕の際、目の前でバンザイのポーズをさせられていた。その結果、丈の短い服からはソフィアのへそが見える事となり、マーラはいつもそれを目の前で見て興奮していたのだ。それが演技だとは思えず、マーラがへそフェチである事に間違いは無いとソフィアは思っていた。それに、他の使用人も全てへそが少なからず見える服を着せられていた。ならばそのご奉仕の際に別の“ある部位”を見せていた事になると推測されそれが笑う事と関係がある事までは推理できたが、やはりその答えまでは分からなかった。 マーラ 『さて、そろそろ観衆の皆様はお気付きになられましたでしょうかぁ?残念ながら、未だ拷問を受けるシエラさんが分かっていない様ですがねぇ?』 シエラ 『いつまでそうやって煽り続けるつもりだ。いい加減答えを言ったらどうだ?』 マーラ 『そうね、そろそろこちらもお楽しみの時間といきたい所だけどぉ、もう少し時間を稼がなきゃいけないのよねぇ❤彼女をお仕置きする為にね?』 ソフィア「!?」 マーラがシエラに言ったセリフ。それは明らかにソフィアの事を意味していた。それに気が付いたソフィアはゾクッと背筋を震わせる。 シエラ 『彼女…?ソフィアの事か?時間を稼ぐとはどういう意味だ?』 マーラ 『実はね、このステージを映すようにカメラが設置されているの。そして彼女は拘束されながらこのやりとりをモニターで見ているわ。』 シエラ 『悪趣味な奴だ。だがそれが一体時間稼ぎと何の関係があると?』 マーラ 『それをあなたに教える必要は無いわ❤それに、今言えば彼女もその理由を知ってしまうでしょ?』 マーラはソフィアがそのやりとりを見ていると知った上で、ソフィアに恐怖心を植え付けようと煽る様に話していた。それは目の前にいるシエラではなく、モニターを通して見ているソフィアに直接語る様に。 ソフィア 「くっ…、何なのよ、時間稼ぎって…!」 エミリー 「時間稼ぎの理由は後で教えてあげますよー!でもまずは、どんなお仕置きをされるのか、ですよね❤」 ソフィア 「…………。」 マーラ 『さて、それではこれから拷問を受ける張本人である、エリート女騎士様のシエラさんに、もっと分かり易くヒントを与えようと思います。』 シエラ 『ヒントだと…?』 マーラ 『拷問の方法がまだ観衆の皆様の中にもおられましたら、一緒にお考え下さい。まず、先程もお話した通り、彼女が着ている露出度の高い服。これは“あの行為”を行う為に私がデザインしたものです。つまりは、その服装である理由というものが存在するという事です。ですが、これは私の趣味も影響しています。この拷問は、全裸であれば勿論それが一番効果的であります。ですが、この服装であればわざわざ脱がせる必要が無い、という事です❤』 シエラ 『確かに実際に行われている拷問は全裸のイメージがある。それは衣服が少なからず防御力があるからだ。……成程な。つまり、この服では隠す事が出来ない“素肌”が目的という事だ。』 マーラ 『そうです❤拷問として与える刺激。それは素肌の方が効果的なのです。それではシエラさん?あなたはその服装で一体身体のどこを露出していますか?』 シエラ 『なっ…!それを私の口から言わせる気か…!?』 マーラ 『出来ないんですか?まあ無理もありません。普通こんな格好をさせられた状態でこれだけの観衆に晒されるなんて、恥ずかしいですからね。』 鎧を身に纏い、一般の女性以上に肌を晒す機会の少ない女騎士。しかも相手は肌を晒すのが好きな軽い女性とは真逆のタイプである。それを知りマーラはシエラの負けず嫌いな性格を焚きつける様に挑発した。そしてシエラはその言葉に、つい強がって挑発に乗ってしまう。 シエラ 『ふ、ふん。この程度で狼狽える様で騎士が務まるか…!』 マーラ 『………なら、言えるわよねぇ❤』 シエラ 『くっ…!………腕全体と首や鎖骨に、む…、胸の谷間。腹部に背中、太ももから膝下だ。』 普段肌を晒さないシエラにとって、お腹や太ももを晒すのは恥ずかしくて堪らなかったが、何より一番恥ずかしかったのは胸の谷間だった。勿論、よほど肌の露出を好む女性でもなければ、胸の谷間なんて晒したくはないだろう。それを意識してしまったシエラは、つい言葉を詰まらせてしまうが、それでも冷静に振る舞おうと何とか言葉にして説明した。 マーラ 『ふふ…❤確かにそう答えるのが自然でしょう。ですが、今の説明には最も大事な部位を答えていません。』 シエラ 『何…?もう露出した部分は無い筈だ。』 マーラ 『そんな筈無いわよぉ❤だからその体勢で拘束したんだから❤』 シエラ 『体勢…?そういえば、さっきもこの拘束による体勢がどうとか…。』 マーラ 『そうです。この拘束方法。ただ相手を動けなくする為なら、両手を身体の後ろに回した状態で手錠の様なものを掛ければ腕は使えなくなりますし、両足も束ねる様に縛れば歩く事は出来ません。網や袋、棺の様な物に入れる事で手足を拘束せずとも行動は制限されますが、それではダメなんです。少なくとも彼女の両腕は、ちゃんと頭上で拘束しておかなければいけません。その刺激を、“ある部位”に与える為に❤』 シエラ 『刺激を与える為に、腕を上げた状態で拘束していると言う事か…?しかし、さっきの私の説明に不足している点と、その拘束方法に何の関係が…?』 マーラ 『考えれば分かる筈よぉ?“そこ”は手を上げていなければ見えない場所なんだからぁ❤』 シエラ 『手を上げなければ見えない場所?……って、まさか……、わ、腋?』 マーラ 『うっふふふふ…❤そう、私が最も求めていたのは……………、ワ・キ❤』 袖の無い服によって腕全体が露出する。しかし、その腕を頭上に上げなければノースリーブの服を着ていても見えない場所。つまり、腕を上げた状態で拘束されたシエラが今観衆に晒している場所。それがこの拷問にとって最も大事な場所であり、マーラが最も好きな場所、腋である。 シエラ 『わ、腋を求めていた…!?んくっ…!そ、その……、腋がどうした!』 女性なら誰しもが露出を拒み、晒すことを拒絶するであろう腋。人によっては胸や股と同等に恥ずかしがる程普段は晒される事が少ない場所だ。当然腹部や太ももですら恥ずかしさを感じるシエラが、腋を晒していて平気な訳が無い。思わず声を上げてしまうが、シエラは何とか恥ずかしがっている事を悟られない様に平静を装う。 ソフィア 「奴の本当の目的はわき、って事…?成程ね。確かに、マーラにへそを見せる為に行っていた行為は、同時にわきを見せる行為でもあったって訳ね。」 へそチラを見たいが為に作られたデザインの服。確かにへそフェチでもあるマーラはそれで興奮していたが、本当のご奉仕の目的はノースリーブの服を着せたままバンザイをさせ腋を見る為だったのだ。 マーラ 『ワキがどうした…ねぇ?…聞かなくても、もう分かるんじゃなぁい?』 シエラ 『な、何…?』 マーラ 『服にも守られていない、大きく晒された素肌のそのワキに、ある刺激を与えて強制的に笑わせると言ったら…、“アレ”しかないじゃない❤』 シエラ 『腋に刺激を与え、強制的に笑わせる…?………んなっ!?ま、まさか…、笑える事と言うのは…!!』 具体的なヒントによりシエラはようやくその答えに気が付いた。しかし、ソフィアはまだその拷問に気付いてはいなかった。 ソフィア 「何なの…?シエラがあんなに慌てるなんて…。一体何をしようって言うの…?」 ソフィアもまだ会って間もない相手だが、シエラのその素振りを見ているだけで、冷静沈着で強い女性である事は分かる。そんな女性が拷問の方法を知った途端に慌てるという事は、少なからず拷問として恐怖せざるを得ない行為だという事だ。そして、その方法がついにマーラの口から聞かされる。 マーラ 『その通り…。』 シエラ 『くっ……!』 ソフィア 「…………。」 マーラ 『笑える拷問、それは……、く・す・ぐ・り…❤』