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ティックリー・アドベンチャー 3-4

 時はアカネが機械魔物の攻撃で崩壊した地面から落ちた後に遡る。 ライカ「転移魔法を使って別の魔物を召喚するハーピーに、耐久力にすぐれた機械魔物…。一体何が起こっているのでしょうか…?」 ミツキ「とにかくまずはアカネの救援と魔物退治だ。ライカ、アカネの救援を頼む。ハーピーは私が倒す。」 ライカ「ですが、どうやらそうはさせてもらえない様ですね。」 ミツキ「…!?ケルベロス…か。次から次へと…!」  機械魔物を召喚したハーピー。続いて再び詠唱して魔物を召喚すると、今度はグリ山で何度も倒してきたケルベロスが現れた。一見今までのケルベロスと変わらないが、急に魔法能力を身に着けたハーピーが呼び出した魔物であるが故に、力まで同じとは想像し辛く、2人は今まで以上に警戒していた。 ミツキ「仕方ない。ライカ、ケルベロスを頼む。流石に異変の起きたハーピーと力が未知数なケルベロスを同時に相手は出来そうにない。」 ライカ「了解です。早く倒してアカネを救出しましょう。」  ミツキは槍を構えると、そのまま一気に間合いを詰めてハーピーに飛び掛かる。ライカは魔力を集中させ、魔法を放つ。 ミツキ「アイスニードル!」 ライカ「ライトニングボール!」  しかし、空中を浮遊しているハーピーは、突き出された氷を纏った槍をひらりとかわす。ケルベロスは勢いよくジャンプして雷の光球を素早く回避した。そしてケルベロスはそのままライカへ飛び掛かった。 ライカ「その状態ではもう避ける事は出来ませんね?…サンダークラッシュ!」  だがライカもそれを計算していた。発動の早い下級技で飛び掛かるケルベロスを迎撃する。杖から放たれた電撃はケルベロスに直撃した。しかし、ケルベロスはそんな電撃をもろともせず、そのまま飛び掛かって来たのだ。 ライカ「サンダークラッシュが…、効かない…!?」  電撃を弾きながら飛び掛かって来たケルベロスは、正面からライカにのしかかって来たのだ。 ライカ「きゃっ…!!」  そしてその勢いのままライカを仰向けに突き倒すと、3つある頭の内左右の2つの頭が大きく口を開ける。ケルベロスが本来持つ強靭な顎と鋭い牙で噛み付かれたら一巻の終わりである。その危機に押し倒されながらも応戦しようとしたライカだったが、その2つの頭が開いた大きな口に違和感を覚えた。 ライカ(牙が、無い…?)  大きく開かれたケルベロスの口。そこにびっしりと生えている筈の鋭い牙。それが何一つ無いという不思議な光景に思わず反応が遅れてしまい、魔法で応戦出来なかった。慌てて両腕を顔の前でクロスさせるように構えたが、ケルベロスは右の頭でライカの左手首を、左の頭で右手首に噛み付くと、その両腕を強引に左右に広げさせた。 ライカ「うぐぅ…!放…して、下さいっ!」  牙が無かったお陰で大事には至らなかったが、その顎の力は健在で挟まれる痛みに襲われながら必死に振り解こうとするも、まるで腕を動かす事など出来ず両腕は水平に広げた状態で拘束されてしまっていた。 ミツキ「大丈夫かライカ!!」 ライカ「ケルベロスに何故か牙が生えていなかったので何とかっ…!しかし、これでは身動きが…!」 ミツキ「は!?ちょっと待て…!ケルベロスに牙が無い…?さっきから魔物共に一体何が起きているんだ…?」  ミツキがライカの方を気にしている隙に、宙を浮いていたハーピーが猛スピードでミツキに向かって飛んで来る。しかし、ミツキもこのタイミングを待っていたのだ。空中を飛び回るハーピーに、いくら地上から攻撃しても簡単に避けられてしまう。だからこそハーピーから自分に攻撃するために接近してくるのを狙っていたのである。ハーピーは2本の脚を前に突き出し鋭い鉤爪で攻撃してくるタイミングで、槍を伸ばしそれをハーピーの胸に突き刺したのだ。 ミツキ「ブリザード!!」  そして、その槍から冷気を放ちハーピーを攻撃する。その攻撃にハーピーは悶え苦しみながら必死に応戦する。するとハーピーが突然強大な魔力を吹き出し、その大きな2枚の翼を羽ばたかせ辺り一面に竜巻を起こしたのだ。 ミツキ「何っ!?何だこの攻撃は…!」  竜巻に呑まれてしまったミツキはそのまま上空に飛ばされてしまった。しかも、その突風でハーピーに突き刺した槍も飛んでしまい、ミツキは武器を持たぬまま空中へ投げ出されてしまったのだ。 ミツキ「くそっ!槍が無くては技が出せない…!」  もちろんミツキの身体能力があれば上空から綺麗に着地する事ぐらい容易いが、空を自在に翔る事が出来るハーピーを相手にした空中戦において技が使えないのは致命的である。ただでさえ空中では移動が出来ないのに、攻撃も防御も出来ないとなれば、もはやなす術がない。この絶望的状況の中、ミツキを上空へ投げ出した竜巻が収まると、落下していくミツキに向かってハーピーが飛び掛かって来たのだ。 ミツキ「くっ…!仕方がない!!」  せめて地面に着地出来ればハーピーの攻撃を避ける事が出来るが、それより早くハーピーがミツキに接近してしまった。少しでもダメージを軽減しようと、魔力を集中させて衝撃に備えるが、ハーピーは近づいて来ても攻撃はしてこなかった。そしてその代わりに―― ミツキ「なっ…!?おいっ、離せ…!」  ハーピーはその大きな脚と鉤爪を使ってミツキの両腕を掴んで、バンザイの状態で宙吊りにして拘束して来たのだ。 ミツキ「こいつら、一体何が目的なんだ…?」  宙に浮いた状態で腕を掴まれて拘束されている為、少し高い所からケルベロスに押し倒されたライカを見下ろしているが、未だ拘束する以外の攻撃を仕掛けてはいなかった。 ライカ「ミツキ、大丈夫ですか…?」 ミツキ「あぁ、私も拘束されているだけだからな。だが、こんな事をする意味は…。……まさか時間稼ぎか?」  考えられる理由は1つだけだった。崖へと落ちて行ったアカネと機械魔物、その戦いを邪魔させない為に拘束しているとミツキは考えたのだ。 ライカ「では、あの機械の魔物は戦闘能力に長けていて、私達を1人ずつ倒していこうとしていると…?」 ミツキ「それしか考えられないだろう?」 ライカ「確かに…。ただこうして拘束しているだけの行為に意味があるとするなら……きひぃっ!!?」  今まで拘束する事以外何もされていなかったライカ。しかし突然、何かに反応し声を上げたのだ。 ミツキ「……ライカ?」 ライカ「このっ…!一体何をして…、いひひ…!」 ミツキ「お、おい…!ライカ…!?」  ライカが突然発した声と反応で、ミツキはある疑惑を抱きながらライカを心配する。まさか…、“あれ”をされている訳は無い筈だ、と自分の中に浮かび上がった不安を拭う意味も込めて。しかし、ミツキも薄々気が付いていた。そのライカの反応は、正しく“あれ”を行われているからこその反応なのだという事を。 ライカ「だ、大丈夫です…!んっくく、これぐらいなら…。今までの責め、程では…!」 ミツキ「今までの責め…!?まさか…!!」  今までの責めとは、この旅で散々思い知らされた“あれ”の事ではないか?と、ミツキの中の不安が更に大きくなる。そして、次のライカの言葉でその不安を募らせる疑惑が確信へと変わった。 ライカ「このケルベロス…!っくふ、んっふふふ、私の服に入り込んでくるんです…。うっふふ、それが、くすぐったくて…。」  ケルベロスが持つ3つの頭。その両サイドの2頭はそれぞれがライカの手を咥えて拘束し、真ん中の1頭が仰向けに倒されたライカの服の中に頭を突っ込んで、その服の中を弄るようにモゾモゾと動かしているのだ。その真意は分からないが、ケルベロスが纏う毛が肌に直接触れる事で、ライカは僅かな“くすぐったさ”を感じて反応していたのである。  くすぐったさを感じさせる攻撃は、古城の魔女ティックラーとその使い魔達が繰り出す“あれ”、つまり“くすぐり”だ。刺激はまだ優しいものでライカは笑うまでは至らなかったが、そのライカの「くすぐったくて…」という言葉がミツキにそう確信させたのだ。だが、仮にケルベロスの攻撃がくすぐりだったとすれば、別の疑問が浮上する。 ミツキ「使い魔の連中は砂漠であれだけの魔力を使ったんだぞ…。あれでこんなに早く奴らが回復するとは思えん。それに奴らの仕業ならその魔力も感じる筈だ…!」  そう。使い魔達の仕業なら、それを操る為に使う魔力を感じるのだ。当然魔物が操られれば、その魔物の魔力と共に使い魔(キュバス)の魔力を同時に感じる。だが、異変の起きたハーピーやケルベロスも、召喚された機械魔物も、使い魔どころか別の魔力の効果を受けた形跡も無く、その物の魔力しか感じる事が出来ないのだ。寧ろ、異変が起きた瞬間に使い魔の魔力を感じる事が出来れば、くすぐりに対する警戒体勢も取っていたであろう。 ライカ「はい…。んっく、ですから…っくく、これは“ケルベロス”の…、行動です。んひっ、くふぅ…!彼女達は…、ふふ…!関係、ないでしょう。」 ミツキ「では、ケルベロスが本能でくすぐっていると言うのか…?」 ライカ「うっふふふ…!…いえ、せ…正確にっくく、言えば…、…くすぐって、いる訳ではっふふ、ありません。…頭を入れて、うひひ…!?んっ、じゃれている…、としか…。」 ミツキ「し、しかし…。」  あくまでケルベロスはくすぐっている訳では無い。ライカのその発言にもミツキは釈然としないようだったが、“くすぐり”という行為は実際行われてはおらず、じゃれてきた結果それが“くすぐったい”と感じているだけなのも事実である。納得出来ないが、状況的にはそう納得せざるを得ないというのが尤もであり、ミツキはハーピーに囚われどうする事も出来ないままその様子をただただ眺めていた。 ミツキ「まあ、仮にそいつがじゃれているだけだったとして、そんな事をする意味が分からないな…。ハーピーが魔法を使ったり、ケルベロスの牙が無いのも不思議だが、敵がじゃれて来るなど…。」 ライカ「ですが、っくく…、んふふ…実際、くすぐっているとは……ぷひゃっはははははは!?」  ケルベロスの毛が無造作に触れる事で僅かなくすぐったさを感じ、必死に笑い声を上げないよう我慢していたライカだったが、突如その我慢が崩壊したかのように笑い始めた。 ミツキ「ライカ!?」 ライカ「ひははははははくす、くすぐったい…です!!っはははははははははやめてぇぇええっへっへっへっへ!!」  ミツキの目にはケルベロスの行動に変化は見られない。しかし、明確に“くすぐったい”という言葉を発した上に大きな笑い声をあげてしまっているライカ。ミツキはその光景に戸惑いつつも、異変が起きたケルベロスが“くすぐり”を攻撃手段としている事を確信した。 ミツキ「おいっライカ!しっかりしろ!何が起きたんだ…!?」 ライカ「きゃっはっはっはっはっは、この、ケルベロス…うひひひひひひひひ、舌で私のお腹を…っははははははははは!!」 ミツキ「舐め回しているというのか…!?」 ライカ「それも、っくふふふふふふあっははははははは!たくさんの、ひははははははははきゃっはははははは細長いっ舌がぁあっははははははははははは!!」  突如強烈なくすぐったさに襲われたライカ。それはケルベロスの舌ベロによるものだったのだ。それも、1頭の口に細長い舌ベロが無数に存在し、それを自在に駆使してライカの弱点であるお腹周りを直接舐め回してくすぐっていたのである。 ミツキ「無数の細長い舌で舐め回している、だと…?まるでチャームユニオンで触手と融合したワームのように、くすぐりに特化して進化を遂げているではないか!?これでも連中が無関係だと言うのか…!?」 ライカ「あっははははははは、おっおへそは…っははははははははははははそこダメですぅぅぅううっふっふっふっふっふっふ、っはっはっはっはっはっはっはっはっはっはくすぐったいぃっひひひひひひひひ…!!」  現状だけ見れば明らかにケルベロスはライカを確実にくすぐっている。それはくすぐりを攻撃手段にして笑い声をエネルギーへと変換し力に変えるティックラーが関わっているとしか考えられない。しかし、その魔力を一切感じないという事実が、その確信を矛盾させてしまう。その事実が、ミツキ達を戸惑わせているのだ。原因も分からず、対処法も分からず、ミツキは笑い声を上げるライカを見ている事しか出来なかった。 ライカ「きゃはははははははははははははもうやめっ…、っはははははははははははははははは!!くすぐったいっははははははははははくすぐったいですぅぅぅうう!!」 ミツキ「…………。」 (そういえば、ライカのくすぐられている所を見るのは初めてだったな…。お淑やかな性格のライカがあんなに乱れて…。……私も、あんな哀れな姿で笑わされていたのだろうか…?)  ライカの取り乱している姿を見て不思議な感覚になりながら、その姿を自分に重ねて客観的に見つめるミツキ。そんな中で、ミツキはある事に気付かされたのだった。 ミツキ「異変が起きてくすぐりを行うようになったケルベロス。そしてそれを召喚したのは同じく異変の起きたハーピー、つまり私を拘束しているこいつだ。ケルベロスがくすぐりの能力を持っているという事は、アカネと共に崖に転落した機械魔物はもちろん、このハーピーもその能力を持っている筈だ…。何より私のこの拘束のされ方がその証拠だ。」  1つだけ確かな事。それは、自分もこれからハーピーによってくすぐられるという事だった。両手首をハーピーの脚に掴まれバンザイの状態で宙吊りにされれば、ノースリーブの戦闘服を着ているミツキは弱点である腋を晒す格好となる。それを自覚しているミツキが、この自分の運命を悟る事は容易であった。 ミツキ「……こうやって腋を晒して無防備な体勢でいると、まるで私が自ら腋をくすぐってくれと誘っている様だな…。今更ながらノースリーブの戦闘服を着ていた事を後悔する…。……それにしても、このハーピーは全くくすぐってくる気配が無いな。」  自分をくすぐってくる事は予想出来ていた。そして、それを受ける覚悟も出来ていた。しかし、ミツキを捕らえていたハーピーは一向にその責めを行っては来なかった。ミツキはいつくすぐられるのかも分からないという不安と戦いながら、下でケルベロスにくすぐられ続けるライカを眺めていた。 ミツキ「くそっ…、じれったい…!こいつは一体いつになったら私をくすぐってくるんだ…!?……いや、くすぐられないのならそれに越した事は無いが…。こんな焦らすような事をせず、さっさとくすぐれ……ひぁああ…!?い、いきなりくすぐるな…!!」  ハーピーはミツキの催促に答えるかの様に、自らの羽の先端でミツキの両腋を一瞬だけ軽く撫でたのだ。自らくすぐりを催促したものの、不意を突く突然のくすぐりに反応し声を荒げてしまったミツキ。実際、いくらくすぐられる覚悟をしていたとしても、その素振りすら見せず焦らされ続けてしまった事で一度固めた決心も揺らいでしまう。その上、無防備に晒された腋もくすぐりを意識する事でより敏感になってしまっていた為、一瞬のくすぐりに反応してしまうのも無理は無い。 ミツキ「くぅっ…!油断した所で一瞬だけくすぐってまた焦らすのか…!卑怯な手を…んひぃいっ!?っくくくく…!ようやく、んっふふ…その気になったか…!」  最初に一瞬腋を撫であげた直後、また焦らす様に待機していたハーピーだったが、ようやくミツキの両腋を“くすぐる”攻撃を開始した。その行動に、ようやくいつくすぐられるかも分からないもどかしさから解放されたミツキだったが、逆に言えばこれからこの羽による優しくじれったい様なくすぐったさと戦わなければならなくなったのだ。当然刺激は優しいお陰で笑わずにはいられたが、ケルベロス同様くすぐりに特化され進化したハーピーの羽の先端は非常に柔らかくむず痒い刺激を与え、ミツキから我慢する体力をどんどん奪っていく。 ミツキ「相変わらず…っきひひひ、羽根のくすぐりはぁっはは、んぐぅっふふ…!じれったいぃっひひひ…!!」  ティックリーフェザーによって強引に敏感にさせられてしまったミツキの腋。そこに再び羽根でのくすぐりを受け、ミツキは初めて使い魔達にくすぐられた時の事を思い出していた。そのじれったさが、ティックリーフェザーによる“敏感にしていく能力”を鮮明に思い出させ、またしても腋が敏感にさせられていく様な感覚に陥っていた。  そのもどかしい不快感と戦っていると、いつの間にかハーピーの翼が更に2枚増えているのがミツキの目に入った。 ミツキ「んっくく…!?い、いつの間に…ぃっひひ…!」  ミツキの前でその羽を見せつけるように羽ばたかせると、その羽をゆっくりと移動させミツキの服の裾から潜り込ませ、ミツキのその引き締まった腹部を腋と同じように優しくくすぐり始めたのだ。 ミツキ「む、無駄だぞ…っくくく、腹は…、くすぐったく…ない、からな…!っきひひ、いひひひひ…!!」  ミツキは初めてティックリーフェザーでお腹をくすぐられた時にごく僅かだが敏感にさせられている。しかし、それはすぐに刺激に慣れる事でくすぐったく感じなくなるレベルで、当然ハーピーの羽によるくすぐりもくすぐったいとは感じなかった…、筈だった。 ミツキ「いっひっひっひっひっひ…、んぐぅうっくっくっくっくっくっくっく…!!ひぎぃぃいいっひっひっひっひっひっひっひっひっひ、んんふふふふふふふふ…!!」 (くすぐられ方は変わっていない筈。その筈だが、最初よりくすぐったさが増している様な気が…。)  お腹をくすぐられ始めてから、ミツキはしゃべる事すら困難に成る程のくすぐったさを味わっていた。お腹はくすぐったくないと思っていたが、腋と同時にくすぐられている事でお腹にもくすぐったさを感じてしまっているのだろうか、とミツキは感じていたのだ。実際、今のミツキは僅かながらお腹にもくすぐったさを感じていたのである。その2つの刺激を耐える為に、必死に歯を食いしばり何とか笑い声を抑えようとするが、羽が肌を優しく撫でるだけで口元が緩んでしまい、強引に笑い声を引き出させようとする。 ミツキ「んふふふふふふふふふふ…、わっわきぃぃいっひっひっひっひっひっひっひ…!?」 (いやっ、違う…!最初より腋がくすぐったく感じている…!!)  急にミツキの我慢を困難にさせた刺激は、お腹をくすぐられたからでは無く、丁度そのタイミングから腋へのくすぐったさが増し始めていたからだったのだ。もちろんお腹にもくすぐったい感覚を受けているのも事実で、腋のくすぐったさが増したことに加えお腹までくすぐったいとなれば、ミツキがしゃべるのも困難になる程歯を食いしばらなければ笑い出してしまいそうになるのも無理はない。 ミツキ「はぎぃぃいいいっひひ…!?んぐぅぅうっふっふっふっふっふっふっふ…、うぐっくくくくくくくくく…!」 (この感じ…、まさか!?)  ミツキは必死にくすぐったさに耐えながら、くすぐったさが増す“あの感覚”を思い出し、このハーピーによるくすぐりの正体に気付かされた。 ミツキ「むふぅぅうっふっふっふっふっふっふ…いやっはは…!はぐぅっくくくくくく、や、やめろっ!っひひひひひひひひ、ひぎぃっひっひっひっひっひ…!」 (このハーピーの羽…、ジエルのティックリーフェザーと同じ能力なのか…!)  くすぐられる度に肌が敏感になるジエルの魔法、ティックリーフェザーでのくすぐりだった。始めにくすぐられていた腋はもちろん、後からくすぐられたお腹もくすぐったさが増し始めている事に気が付いたのである。くすぐったさを感じる事の無かったお腹まではっきりとくすぐったいと感じてしまい、ミツキは今まで以上に大きな焦りを見せていた。 ミツキ「きひひっ、んぶぅっふっふっふっふっふっふっふ…!あっははは、ひんぃぃいいいいっひっひっひっひっひっひっひっひっひもうっやめ…!ひはっはっはっはっはっはっはっ、やめっ…、やめろぉぉおっほっほっほっほっほ、んぎっひっひっひっひっひっひっひっひっひくすぐったいぃいい、くすぐったいぃぃいいっひひひひひひひひひひ…!!」  ついに羽によるくすぐりだけで笑い声を上げてしまったミツキ。その度に一層歯を食いしばり笑い声を抑えようとするが、それも時間の問題という程に悶え苦しんでいた。 ライカ「きゃぁぁぁあああっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはもう舐めないでぇぇええ!!っえへへへへへへへへへ、おへそダメっはははははははははははは脇腹も嫌ぁぁぁああっはっはっはっはっはっはっはっはっは!!お腹くすぐったぁぁあああいっひひひひひひひひひひ…!!」 ミツキ「ふぎぃぃぃいいっひっひっひっひっひっひっひ、やめろっははははははははは、っひひひひひひひひひひ、わきぃっはっはっはっはっはっは、腋だけでもっはっはっはっはっはっはやめてくれぇぇええっへっへっへっへっへっへっへ!!これ以上っふっふっふっふっふ、敏感になったらっはっはっはっはっはっはっはっは!!」  抵抗する術も無く責められ笑い狂わされる2人。当然抵抗する術が無いという事は、このくすぐりから解放されないという事を意味していた。  異変の起きた魔物の正体は何なのか。何故こんな異変が起きたのか。何故くすぐってくるのか。分からない事だらけでは、この地獄から解放される手段など到底思いつくはずも無いのだ。


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