ティックリー・アドベンチャー 3-1
Added 2021-04-08 12:11:15 +0000 UTC気を失ったライカを抱えたまま砂漠を歩いたミツキとアカネは、ようやく砂漠を抜けグリ山に辿り着いた。 ミツキ「ここで少し休憩しよう。山の入り口には魔物もあまり出ないからな。」 アカネ「回復薬は…?」 ミツキ「丁度3つだ。これを飲んでグリ山を越えよう。」 アカネ「ここで使い切っちゃうのか…。」 ミツキ「大丈夫だ。この山を抜ければ港町クッスに辿り着く。そうすれば回復薬もまた調達できる。」 アカネ「回復薬の心配は無くなったけど…。」 ミツキ「どうした?他の心配があるのか…?」 アカネ「そりゃあるよ!……くすぐり、とか…。」 ミツキ「それなら今日は安心して良いだろう。奴らは魔力の限界を迎えて転移した。少なくとも夜が明けるまでは魔力も回復しないだろう。つまり、今日中に山を抜ける事が出来れば、この山でくすぐられる事は無いだろう。」 アカネ「そこも心配なんだよ…!こんな大きい山、たった数時間で抜けられるの!?ただでさえ砂漠で時間掛かってるのに…。」 朝早くコチ村を出発し、クリ―砂漠を抜けた今の時間は午後1時を過ぎていた。日が沈む前に山を抜けるには4、5時間程しか猶予が無い事になるのだ。 ミツキ「珍しく随分弱気じゃないか。」 アカネは、この旅で足を引っ張ってばかりで役に立てていないと自分を責めていたのだ。それが原因で自信を無くしてしまい、普段の性格からは考えられない程弱気になってしまっていたのだ。 アカネ「だって……。ここには強力な魔物だっているし…。」 ミツキ「心配するな。この山を抜ければ良いんだ。何も頂上を目指した上でそこから下りる必要など無いんだぞ?」 この山にはクリ―砂漠からの入り口を含め、3つの入り口がある。それは丁度正三角形になるような位置関係にある。つまり、今いる入り口から少し登りながら山に沿うように少し歩けば目的の港町クッスと繋がる道に出るのだ。山そのものは大きく標高もあるが、その山の周りの3分の1を歩くだけで目的地に辿り着けるとなれば、その所要時間も大分減るのである。 ミツキ「それに強い魔物が出るのなら、それこそお前の出番ではないか。魔力は私達チームで1番少ないが、私達の中で最も高く強力な技とパワーがある。それに、お前の魔力を超えているのはこの世界でも私やライカ、テイクル王国の先鋭部隊の一部くらいだ。今更お前が魔物相手に恐れる事など無いと思うぞ?」 アカネ「さりげなく私がちょっと気にしてる事をズバッと言うな!」 アカネはチームの中で1番魔力が少ない事を気にしていたのだ。 ミツキ「うっ…!気にしていたのか…、すまん…。だが能力者の性質上、魔術師のライカや一部魔法も使える私と比べると、格闘家のアカネは技の消費魔力が少なくて済むが故に、どうしても元々持つ魔力量に差は出る。それでもここまで魔力が多い格闘家はお前以外にいないと私は思っている。何よりその力は私達には無いお前の取り柄だ。」 ライカ「その通りですよアカネ。」 ミツキ「起きていたのか、ライカ。」 アカネ「ライカ…、大丈夫?」 ライカ「はい…。ご心配おかけしました。……アカネ、あなたなくしてレディナイツはありません。今までも、お互いに助け合いながらここまで来たじゃないですか。」 ミツキ「そうだ。特に今回は想像もしなかった“くすぐり”という攻撃に苦戦を強いられている。だからこそ、互いに足りない力を補い合う。そして必ずティックラーと呼ばれる魔女を討つ。その為には、お前のどんな敵をも粉砕する力が必要なんだ。」 アカネ「……もぉ、そんなに褒めたって何も出ないよ?」 ライカ「力は出して貰わないと困りますよ?」 ミツキ「全くだ。」 アカネ「もー!!またそうやって茶化すー!!…でも、ありがと。ちょっと元気出た!こんな山の魔物ぐらい、私がボッコボコにしてやるんだからー!!」 ミツキ「よし、回復薬を飲んだら少しだけ身体を休めて、グリ山を越えよう。」 ライカ「はい!」 アカネ「こんな山!一瞬で抜けてやるんだから!!」 仲間に励まされ自信を取り戻したアカネ。3人は身体を休め、グリ山を進み始めたのだった。