ティックリー・アドベンチャー 2-5
Added 2021-02-27 11:37:54 +0000 UTCライカがテンタクルワームの体内でくすぐり地獄に遭っている頃、ライカを救出するべくミツキとアカネが奮闘していた。 アカネ「ファイアボール!!」 火の玉を何発も放つアカネだったがジエルの操るマジックハンド達は空中を素早く浮遊している為、地上から攻撃しているアカネの攻撃は全てかわされてしまっていた。 ジエル「そんな事してたって当たらないよ~だ!!」 アカネ「ちっくしょー!…だったら、あんたを直接攻撃してやるまでだぁぁぁあああ!!」 ライカを守る事が出来なかったアカネは頭に血が上り、ジエルの軽い挑発に乗ってしまったのだ。低空飛行を続けるジエルに向かって走り出したアカネは、拳に炎を纏い攻撃技を発動する。 アカネ「ファイアナックル…!!」 ジエルに飛び掛かったアカネはその拳でジエルに殴り掛かる。しかし、挑発したジエルがそれをそのまま受ける訳が無い。 ジエル「バインドリング!!」 アカネ(来た…!) ジエルがバインドリングを発生させた瞬間、アカネはミツキに言われた事を思い出していた。 ミツキ『連中の弱点は3つある。ジエルのバインドリング、これが連中の攻撃の中であれが最も危険な技だ。動けなくなるのは勿論だが、周囲の魔力を抑制してしまう。おまけに連中のくすぐり攻撃に使用する技はその抑制効果をすり抜けて来る。だが、それこそが最初の弱点。リングの拘束能力は確かに強いが、あれはターゲットを捕らえるまで魔力の抑制能力が発動しない。昨日私達がテイクル草原であれを振り払えたのはそれが理由だ。つまり、それを魔力で打ち返せさえすれば、その能力は全く生かされる事は無いのだ。』 アカネ(つまり、バインドリングだけでも確実に迎撃する事が出来れば、ジエルは怖くない…!) 「うぉぉぉぉぉおおおおおおお!!」 ジエル「えっ!?」 バインドリングの効果を知ったミツキとの会話で、その能力はアカネも知っている。そこまではジエルも判断していたため、それを回避すると思っていた。しかし、アカネはそのリングを避けるどころか、そのまま殴り掛かったのだ。近づいてくるだけのリングはもはやただの攻撃技。それを迎撃する事ぐらいアカネに出来ない訳が無かった。 ジエル「うわぁぁぁぁああ!?」 炎を纏った拳がバインドリングを破壊した事で、そこで爆発が起こりジエルは身を守ろうと両腕を顔の前でクロスした。だが、アカネはその爆炎の中に飛び込むとそのままジエルに突っ込んで行った。 ジエル「うわぁっ!?」 アカネ「ストーンクラッシュ!!」 爆炎の中から突如現れたアカネに怯んだジエルは回避が間に合わず、アカネから繰り出された石の塊をもろに受け、そのまま吹っ飛んで行った。 一方のミツキは、キュバスとテンタクルワームの2体を相手にしていた。 ミツキ「ブリザード!!」 槍を振り回して吹雪を吹かせると、キュバスを盾にするように立っていたテンタクルワームに直撃した。 ミツキ(所詮は私の属性に弱いワームだ。徐々に弱らせていけば――) 弱点属性を受けたワームがまた暴れまわると思っていたが、吹雪を受けたテンタクルワームはまるでダメージを受けていなかった。 ミツキ「なっ、何…!?何故氷の属性が効かない…!」 キュバス「この子は私とジエルの魔力で生み出された新たな魔物よ?つまり、ジエルの光と私の闇の属性に変化しているの❤おまけにワーム本来の防御力はそのまま。つまりあなたの下級技ぐらい、軽く弾けても不思議じゃ無いって訳❤」 ミツキ「属性まで変えるのか…!ならっ…!」 下級技が効かないと分かるや否や、槍に魔力を込めはじめるミツキ。 キュバス「中級技で攻めようって?意外と単純なのねミツキさんって❤」 キュバスは指をパチンと鳴らすと、その意味を理解しているかのようにテンタクルワームが触手を動かした。伸縮自在の触手は勢いよくミツキに向かって伸びていき、ミツキの持っていた槍、そしてミツキの両腕に絡み付いた。 キュバス「あっはは❤あなたもライカさんと一緒に、テンタクルワームの体内で触手責めにして――」 あっさりとミツキを捉えた事で気を良くしたキュバスは高らかに笑うが、それを見たミツキも笑みを浮かべていた。 ミツキ「単純なのは…、果たしてどちらかな?」 キュバス「…えっ………?」 ミツキを取り込もうと自身の元に触手を引き寄せるテンタクルワーム。そしてそれを待っていたミツキは、溜め続けていた魔力を一気に解放する。 ミツキ「フリーズウェイブ!!」 辺り一面を氷漬けにする程の強力な冷気を放ったミツキ。その中級技の威力は凄まじく、弱点属性で無くなったワームであろうが瞬時に氷ついてしまう。ミツキを捉えていた触手も一瞬で氷つき、そのままパリンと音を立てて割れていった。ミツキはわざと自身を触手に持ち上げさせた後に、その触手を破壊する事で空中に移動したのだ。 ミツキ「ウォーターアロー!!」 すかさず空中で隙の無い下級技を放った。槍の先端から矢のように鋭く一点に向かってくる水流。その水流のターゲットはテンタクルワームだった。しかし、キュバスはそれをあざ笑うかの様に挑発した。 キュバス「うっふふ…❤流石にあの中級技の後にまたすぐ中級技は出せないようね…!その程度の水の矢、テンタクルワームに効く訳無いじゃなぁい❤」 ミツキ「確かにこの技ではダメージは無いだろうな。だが、私は無意味な技など使わない。それに、ダメージを受けるのはお前もだ、キュバス…!」 勢いよく噴射されたミツキの水の矢は、ワームに直撃した。ミツキ自身も分かっていた通り、防御力が高い上に凍りついているワームの体表に水の下級技でダメージなど与えられる訳が無い。にも関わらず、何故ミツキがそんな技を出したのか、何故わざわざ1度捕まった振りをして空中に移動したのか、キュバスはそれを今になってから理解した。 キュバス「なっ…!嘘、待って――」 ミツキ「水圧の威力を嘗めるなよ?」 水の矢はワームに当たっても尚噴射され続けている。その水圧により、ワームが凍りついたまま徐々に倒れ始めたのだ。L字にそびえ立っていたワーム。その口元、1番高い位置にある顔面部分をさらに高い所から斜めに水の矢を当て続ける事で、徐々にワームが反対側に倒れていったのだ。ワームを盾にするように隠れていた、キュバスの方へ―― キュバス「くっ…!こんな攻撃、飛んで逃げれば……って…、と、飛べない…!?」 飛べないのも無理はない。何と、キュバスの翼と脚がミツキの攻撃で凍りついていたのだ。翼が凍ってしまえば、羽ばたく事は出来ない上、その氷の重さで浮遊もできない。仮に浮遊できたとしても、脚は地面と一緒に凍りついて離れないのだ。 ミツキ「それも計算済みだ。だからこそ“ブリザード”ではなく“フリーズウェイブ”を使ったんだ。」 吹雪を起こすブリザードもフリーズウェイブと同じで凍らせる能力はある。しかし吹雪ではキュバスまで凍らす事が出来ない。だからこその中級技だったのだ。 必死に逃げようともがくキュバスだったが、水圧にさらに重力まで加わったワームの巨体はみるみる内にキュバスへ向かって倒れ込んでくる。 キュバス「いっ、いやぁぁぁぁぁぁぁああああ!!」 そして、凍りついたワームはキュバスを下敷きにして砂漠に倒れ込んだのだ。そして丁度そのタイミングで、アカネの攻撃を受けて吹き飛ばされたジエルも墜落した。空中にいたミツキはそのまま砂地に着地し、そこへアカネが合流した。 アカネ「流石ミツキ…!あれを一人で倒しちゃうなんて…!」 ミツキ「倒したというよりは動きを封じただけだがな。よし、後は2人であのワームを――」 ジエル「バインドリング…!」 ミツキ「なっ…!?」 アカネ「うわぁっ!?」 ミツキとジエルの足元から突如バインドリングが2つ現れ、2人は両足を束ねるように拘束され、その場に倒れ込んでしまった。そして更に4つのバインドリングが飛ばされ、2人の両手首にもはめられてしまった。 ジエル「っはあ、っはあ、っはあ、やっと…、成功したぁ!」 アカネ「足元からのバインドリング…、洞窟の時に仕掛けたのと同じトラップか!!」 ミツキ「なるほど、そういう事か。ライカを狙ったのは体力面だけだと思っていたが、これが本当の理由だったという訳だ。」 アカネ「どういう事…?」 キュバス「彼女の索敵能力、あれを封じるために、まずライカさんに狙いを定めたって訳❤」 キュバスの作戦は、索敵能力を持っているライカを出来るだけ疲れさせる為にこのワームのいた所で待機し、より捕らえやすくすると共に索敵を封じる事だったのだ。 キュバス「ジエルは罠を仕掛けて相手を捕らえるのが得意技。でも索敵能力でそれが全く効かなくて困っていたのよ。でも、やっとあなた達を拘束する事が出来たわ❤」 ジエル「これで形勢逆転だねっ!!」 拘束された2人の前まで近づいて来たキュバスとジエルは、両手をワキワキさせながら倒れ込むミツキとアカネを見下ろした。 キュバス「さて❤お仲間が苦しんでいるんだから、あなた達も苦しまなきゃ不公平よねぇ?たっぷりと、笑わせてあげるわ❤」 ジエルとキュバスが拘束された2人をくすぐろうとしゃがみ込んだ瞬間、ミツキがアカネに目で合図を送った。それを見たアカネは、ミツキと共に次なる行動に出た。 ミツキ「はぁぁぁああああああああ…!!」 アカネ「うぉぉぉおおおおおおおお…!!」 ジエル「ひやっ!?」 キュバス「なっ、何…!?っうあぁぁあああああ!?」 2人は一気に魔力を解放して、それを爆発させたのだ。その衝撃にバインドリングは耐えきれず全て破壊され、その魔力の爆発によりジエルとキュバスが再び吹き飛ばされた。 アカネ「ホントだ…!魔力を抑制する筈のバインドリングが壊れた…!」 ミツキ「私達が持つ多量の魔力を爆発させる事で、万能と思われた拘束魔法バインドリングを破壊出来る事。そしてその事を奴らが知らなかった事。これが奴らの弱点の2つ目だ。まあこれに関してはこちらの魔力もかなり失うという欠点もあるがな。」 (だが、もう1つ良い事を知った。ジエルの魔力量によってバインドリングの強度も変わるらしい。もう少し魔力を消費すると思ったが、度重なる攻撃とテンタクルワームの触手の維持、そして、私達から受けたダメージでジエルは魔力をかなり削られているようだ。そうなると、当然キュバスもかなり魔力を消費している筈だ…!) キュバス「バインドリングが…、壊された…!?」 ジエル「どうしようキュバスちゃん…!今のでかなり魔力持ってかれちゃったよぉ!!」 キュバス(折角ライカさんからエネルギーを集めている今、無理に魔力を使って強制送還されたんじゃ勿体ない気がするわね…。でも、バインドリングを破壊するほどの爆発を起こしたのなら、彼女達の魔力も相当減った筈よね…。) 「ジエル、作戦を変えるわ…!」 ミツキとアカネはこのチャンスを逃すまいと、一気に間合いを詰めて攻め込んだ。 キュバス「――良いわね?少しでもエネルギーを集めるのよ…!」 ジエル「うんっ!!マジックハンド…!!」 攻め込んで来たミツキとアカネに対し、大量のマジックハンドで応戦するジエル。弾幕のように無数に現れたマジックハンドに視界を遮られたミツキとアカネは、その場で一瞬動きを止めるが、すぐに迎撃に入る。 ミツキ(これだけのマジックハンドを一気に…!?) 「スプラッシュ…!」 アカネ「フレイムウェイブ!!」 振り下ろされた槍から放たれる水流と拳から繰り出される炎により、マジックハンドが次々と消滅していくが、技を出す前に2人が見せた一瞬の隙をキュバスは見逃さなかったのだ。そのタイミングでテンタクルワームの触手を砂地に隠しながら徐々に進めていき、ミツキの右足首を捉え絡み付いたのだ。 ミツキ「何っ…!?」 そしてまた一瞬怯んでしまったミツキ目掛け、キュバスはテンタクルワームの触手を4本伸ばした。その触手の内2本がミツキの両手首に1本ずつ絡まると、ミツキをバンザイの状態で拘束してしまう。 ミツキ「くっ…!!」 アカネ「ミツキ…!?」 ジエル「今だっ!マジックハンド!!」 そして今度は、ミツキのピンチにアカネが気を取られてしまった。そこでジエルがマジックハンドを召喚し、2つのマジックハンドがアカネの両腕を捕らえる。 アカネ「しまった…!」 ミツキ「自分の方に集中しろ…!私の事は気に――っいひぃい…!?」 捕まってしまったアカネに対し注意するミツキだったが、その言葉は触手による妨害でかき消されてしまった。突如テンタクルワームが伸ばした4本の触手の内の残りの2本が、ミツキの弱点である腋の窪みを優しくくすぐったのだ。その刺激にミツキは気の抜けたような声を出してしまい、しゃべれなくなってしまったのだ。 アカネ「ミツキ、大丈夫!?」 (ミツキが、可愛い声出した…。) ミツキ「だからっ、くくく…、こっちを気にするな…!あっくく、…き、気を付けろぉ!!」 アカネ「えっ!?」 自分を心配するアカネに危機が迫っている事に気付き、ミツキは慌ててそれをアカネに伝えた。しかし、くすぐったさを必死に堪えてしまった為に一瞬遅れてしまい、アカネはジエルのマジックハンドの餌食となってしまった。 アカネ「ちょっと…、やめっ――っははははははや、やめろぉお!」 両腕を掴まれ、そのまま横に広げさせられてしまったアカネ。そして、新たに現れた2本のマジックハンドがアカネの無防備な脇腹を揉むようにくすぐり出したのだ。 キュバス「良いわよっ!このまま私達の魔力が続く限りくすぐり続けてあげるわ!」 ミツキ「んふぅうっふふふふふ…!わきぃっ…、っくっくっく、わっ腋はぁっふふふ、やめろぉっ…!!」 (やはりくすぐられていると魔力の集中が困難になる…!) 触手によるくすぐりは使い魔達の指程くすぐったいものでは無かったため、弱点の腋をくすぐられても何とか耐える事が出来たミツキ。しかし、ミツキはそれを我慢するのがやっとで、反撃に出る事も出来なかったのだ。 キュバス「我慢強いのは相変わらずね。」 ミツキ「んぐぅっふふふ…!私は…っくく、わ…、笑わんぞ…!っくふふふふ…!」 キュバス「うっふふ❤これでも…?」 キュバスが指を鳴らして合図すると、ミツキの両腋をくすぐる触手の動きが変化した。撫でる様にくすぐっていた触手が、引っ掻く様なくすぐり方に変わったのだ。 ミツキ「んひぃぃいいあっははははははは、ひはははははははは!!」 (何だこれは…!?急にくすぐったさが増したぞ…!?) キュバス「本当に引っ掻くくすぐりに弱いのね…❤」 ティックラーが言っていた、ミツキに最も効果的なくすぐり方を実践したキュバス。その威力は絶大で、笑わないと宣言した我慢強いミツキを一瞬にして笑わせたのだ。本来は爪をあまり立てないように優しく引っ掻くのが良いのだが、元々触手に爪は無い為、激しくくすぐってもミツキには痛さを与える事など無く、確実にくすぐったさだけを与えたのだ。 ミツキ「ぷぐぅぅううっはははははははははははダメだぁぁあっははははは、我慢出来ないぃぃぃいいいっひひひひひひ…!んぁっはははははははははくすぐったいぃぃいいっひひひ…!」 (引っ掻くくすぐりに弱い…?同じ腋をくすぐるのでも、くすぐり方の違いでくすぐったさが変わるのか…!?) キュバス「言ったでしょ?たっぷり笑わせるって❤ほぉら、“こちょこちょこちょ”~❤」 ミツキ「きゃははははははははははそれやめっははははははははははこちょこちょは…っははははははははは、言わないでくれぇぇぇええ…!あっははははははははははははそれ、くすぐったいからぁぁああっははははははははははははははははは!!」 キュバスはティックリーボイスを発動させ、更にミツキを笑わせに掛かった。すっかり我慢など出来なくなってしまったミツキは、抵抗も出来ず笑い悶えてしまっていた。 一方で、アカネもジエルのマジックハンドによって笑わされてしまっていた。 ジエル「それそれ~、“こちょ~こちょこちょこちょ”!!」 アカネ「んあっはははははははははははははははは何これぇぇぇぇえええっははははははははははははくすぐったい、っはははははははははははくすぐったいくすぐったい!!いやっははははははははははははははははははは!!」 ティックリーボイスの事はミツキに聞かされていたが、実際初めて体験したその能力はくすぐったがりのアカネには地獄の様な刺激だった。何も責め方は変わっておらず、くすぐられている場所は弱点でも無い脇腹だったのだが、体感したくすぐったさは草原に足の裏をくすぐられた時以上の物に思える程だった。 ジエル「靴履いて立ってるから足の裏くすぐれないんだよな~、残念っ!!」 アカネ(私の弱点を何でこいつが知ってんのよぉ!?) 「あっははははははははははははははやめてっははははははははははははくすぐったいってばぁぁあああ!!」 優勢だった筈のミツキとアカネは急激に大ピンチを迎えてしまった。しかし、まだ打開する手段は残っていた。ミツキは、弱点をくすぐられている中でそれを実行する。 ミツキ「んんぁあっはははははははははははいっひひひひひひひひ…、すっ、スプラッシュ!!」 くすぐられながら何とか技を出す事に成功したミツキ。腕は上に持ち上げられている状態だったが、その手に持つ槍から水が放出し、ミツキを拘束している触手に命中した。そして水の浄化能力が働き、触手が形を維持できなくなり消滅した。それによりミツキは拘束状態から解放され、腕を自由に動かせるようになった。 ミツキ「いっひひひひひひ…、こ、このっ…!」 腕さえ動かす事が出来れば、自分をくすぐる触手ぐらいいくらでも対処出来る。ミツキは槍を振り、腋に伸びる触手を一気に切り落とした。それにより腋に潜り込んでいた触手は活動を停止し、ミツキの足元に落下した。 ミツキ「ブリザード!!」 キュバス「嘘っ、何で…っきゃあああああ!?」 触手によるくすぐりから脱出したミツキに驚き隙を見せてしまったキュバスは、冷気を喰らい手足が氷漬けになった。そして、笑わされながらもそれを見たアカネは、ミツキに言われた作戦を思い出し行動に起こそうとしたが、くすぐったさに魔力の集中が出来ず、思い通りに技が出せなかった。 アカネ「あっははははははははははは!!ふっはははははははは、フレイム…っはははははははははははやめっははははははははははくすぐった~い!!」 ミツキ(やはりくすぐりに弱いアカネには難しいか…!) 「今助ける!…スプラッシュ!」 アカネが技の発動に苦戦しているのを見て、ミツキが助けに入った。水しぶきがマジックハンドの魔力を浄化させ、アカネはマジックハンドから解放された。 ジエル「そんな~!!」 アカネ「っはあ、っはあ、このぉおお!!ストーンクラッシュ!!」 息を整えながらも何とか技を繰り出したアカネ。かざした手のひらから多量の石を飛ばしジエルを攻撃する。 ジエル「ひやぁあっ、ちょっ、痛い痛いっ…!」 大きな岩をぶつけて相手を吹き飛ばすのが本来のストーンクラッシュだが、少量の魔力を何度も込め続ける事で、小さな石ころをひたすらぶつけるという攻撃もできる。いくらダメージが少なくても、大量の石をぶつけられ続ければ、ジエルも抵抗出来なくなるのだ。ジエルはそれに耐えきれず、羽を使って後方へ一気に逃げて距離を取った。その際、動けなくなっていたキュバスも連れて行った為、ミツキとアカネも一時的に落ち着く時間がとれたのだ。 アカネ「っはあ、っはあ、っはあ、助かったよ、ミツキ…!っはあ、っはあ、これが…、3つ目の、弱点だねっ…!」 ミツキ「はぁ、はぁ、そうだ…。連中の、くすぐり系の技。それは全て、バインドリングの抑制能力をすり抜ける程少量の魔力で出来ている。それはバインドリングによる拘束中でもくすぐる手段として使える上、消費魔力を抑えるというメリットがある。だが逆に簡単に相殺、迎撃されるというデメリットでもある。つまり、いくらこちらがくすぐられている状態であれ、技さえ発動出来れば簡単に対処出来るんだ。」 ミツキがアカネに話した使い魔達の3つの弱点は、まさに的を射ていたのだ。それを見事に駆使して戦闘していた事で、チャームユニオンによる消費魔力と維持コスト、度重なるバインドリングの使用、何度も迎撃されては生み出してきたマジックハンドとテンタクルワームの触手。それによりジエルとキュバスの魔力も残りわずかとなっていた。 キュバス「くぅ…、魔力消費がかなり激しいわね…。」 ジエル「私ももうあんまり残ってない…。」 キュバス「でももうそれで行くしかないわ。今みたいにちょっとだけでもくすぐって、迎撃されて、…それを繰り返しながらエネルギーを集めるわよ!」 ジエル「うんっ!!」 改めて意気込んだジエルとキュバスは、再びミツキとアカネに飛び掛かって来た。 ミツキ「無理はしなくていい…!辛かったら私が助けに行く。だからアカネは出来るだけ我慢してくれ…!この調子で戦っていれば、必ず何とかなる…!」 アカネ「う、うんっ…。分かった…!」 ミツキ(頼む…!もう少しだけ頑張ってくれ…、ライカ…!!)