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ティックリー・アドベンチャー 1-6

アカネ「………迷宮洞窟ってホントに迷宮なの…?」  3人は枝分かれし入り組んだ道を全く迷わずに、ものの数分で出口に辿り着いていた。 ミツキ「ライカのエアサーチが“風による索敵”というのが効果的だったようだな。」  ライカの索敵魔法エアサーチはどこまでも流れていく風を送り、その風が捉えた魔力の力の大きさや居場所を感知する事が出来るもの。いくら魔力を感知出来なくとも、ライカはその風の流れを全て知ることが出来る。つまり、枝分かれした道の全てに風が送り込まれれば、そこで行き止まった道、出口まで吹き抜ける風の道を全て把握出来るのだ。つまり、風が外へ吹き抜けた道を辿れば、入って来た入口か目的の出口に辿り着け、中の道を少しでも覚えていれば、それと違う道を通れば入口と出口の違いも分かる。それ故に3人はたった数分で迷宮を脱出する事が出来たのだ。 ライカ「正直こういう使い道があるとは自分でも思っていませんでしたけどね。」 ミツキ「道理で連中も驚く程早く最深部に辿り着けた訳だ。」 ライカ「いえ、それはエアサーチというよりミツキの笑い声が洞窟中に響き渡ったからですよ。」 アカネ「あれだけ響いてたらすぐに道は分かるよ。」 ミツキ「うっ…!私の笑い声もやはり聞かれてしまっていたか…。恥ずかしいな…。」 エリカ「恥ずかしがる事ではありませんよ。」 アカネ「そうそう!…あっミツキ、もう身体は大丈夫?」 ミツキ「あぁ、ありがとうアカネ。ライカも私の武器を持たせてしまって悪かったな。」 ライカ「いいえ、大丈夫ですよ。それより、どこかゆっくり出来る所があると助かります。長話になりそうですし…。」 ミツキ「そうだな。目的の道とは外れてしまうが、このすぐ近くにコチ村という小さな村がある。その村の宿屋に寄るとしよう。」  3人は疲れた身体を休ませる為、そしてお互いに得た情報を確認し合う為の場所として、宿屋のあるコチ村へ寄り道をする事にした。 アカネ「ここがコチ村?」 ライカ「本当に小さな村ですね。」  コチ村に着き、ライカとアカネはその村の規模に驚きを隠せずにいた。殺風景なその村には数軒の民家や宿屋、小さな雑貨屋ぐらいしかなく、とても賑わっているという感じは見受けられなかった。 ミツキ「大昔にロックワームが岩山に住みつきここを荒らして以来、旅人の休息だけを目的とした村となってしまったのだ。」 アカネ「そうだったんですね…。では、宿屋に向かいましょうか。」  3人は宿屋に到着し、そこで一泊分の料金を払い一部屋を借りた。そして、そこでようやく落ち着いて今日起きた事の話し合いを始めた。 ミツキ「まさかお前達もくすぐられていたとは…。」 ライカ「だからこそミツキもくすぐられていると思っていた訳です。」 アカネ「正直、ミツキの笑ってる所を最初楽しみにしてたんだけど、あまりに苦しそうだったから慌てちゃったよ。」 ミツキ「楽しみって…、性格悪いな…。」 ライカ「私は不謹慎ですって言ったんですけどね…。」 アカネ「でもライカも楽しみだって言ってたじゃん!!」 ライカ「そ、それは……。」 ミツキ「図星か…。はぁ、全くお前らは…。」 ライカ「ごめんなさい…。あっでも、最初の方のミツキの笑い声すごく可愛らしかったですよ?」 ミツキ「やめてくれ…。それより、連中の事で分かった事を整理しておこう。まずは魔女とその目的やエネルギーについてだ。」 ●古城の魔女ティックラーはくすぐりを糧として生きていて、それが魔女の欲望だという事 ●ティックラーの魔力(に絡んでいる魔力全て)によるくすぐり攻撃によって生み出される笑い声だけがエネルギー源となる ●大きな魔力を持つ者程、笑い声を上げた時大きなエネルギーとなる ●世界征服をするその時までティックラーは動けないらしい (エネルギーを吸収する代償?単純に動けない理由があるのか?自らの正体を晒せないから?) ライカ「次は実際に襲ってきた彼女達について、ですね。」 ●使い魔であるジエルとキュバスはティックラーの命令で自分達を狙っている ●くすぐりに関する能力を多数持っている (笑わせる能力に長けた細い指、「こちょこちょ」と囁くティックリーボイス) ●キュバスは「チャーム」という操る能力でくすぐり攻撃を仕掛けてくる ●ジエルはリングによる拘束や転移魔法、ティックリーフェザーという無生物系統の能力? ●おそらく、自らエネルギーを吸収し、それを持ち返ってティックラーが吸収する アカネ「あと必要な情報は…。」 ミツキ「くすぐり攻撃に対する私達の情報も共有しておこう。」 アカネ「私達の情報?」 ライカ「つまり、それぞれの弱点やくすぐりが効かない場所とかですね?」 ミツキ「あぁ。知っておいた方がいざという時に庇い合えるからな。」 アカネ「なるほど…!私は基本全身くすぐったがりかな…。特に足の裏、もっと言うとその中でも土踏まずが1番苦手かな。」 ライカ「土踏まずは確かにくすぐったいですよね…。」 ミツキ「ライカも土踏まずが弱点なのか?」 ライカ「いえ、私の弱点はお腹周りです。特に弱いのはへそですね…。アカネよりくすぐりそのものは耐えられる方ですか…。笑い声を上げるかどうかで言うならば、弱点以外はギリギリ耐えられるレベルです。」 アカネ「ミツキの弱点は?」 ミツキ「腋だ。特に腋の窪みが1番弱いらしく、そこを奴らのティックリーフェザーにでより敏感にさせられてしまった…。」 アカネ「見事に皆弱点がバラバラなんだね。」 ライカ「ですが、逆に言えば庇い合いもしやすくなりますね。」 アカネ「ごめん…、私じゃ2人の代わりにくすぐられるっていうのは難しそう…。」 ミツキ「誰かがくすぐられる運命になってしまった場合は、極力私がくすぐりを受けよう。連中の話しじゃ私はかなり我慢強いようだしな。」 ライカ「しかし、ミツキは私達の中でも飛び抜けた高魔力の持ち主です。……辛いですが、私が基本的にくすぐられ役を受けた方が…。」 ミツキ「いや、今のライカが弱点以外笑わずに耐えられるとしても、ティックリーフェザーを使われたら全身耐えられなくなってしまう。そういう意味では、腋でしか笑い声を引き出せない私がくすぐられるべきだ。」 ライカ「分かりました…。もしもの時は、お願いします…。」 アカネ「ごめん…。役に立たなくて…。」 ミツキ「そんな悲しい事を言うな。誰にでも得手不得手はある。それがくすぐりとなれば尚更努力でどうにかできる物では無い。」 アカネ「ありがとうミツキ…!その分、私は戦闘で頑張るよ!」 ミツキ「あぁ、頼むぞ…!よし、では私達の弱点とくすぐりによる効力も整理しておくとしよう。」 ●ミツキ:腋の窪み > 脇の下 > 二の腕 ≫ 腹部 ≫ その他全身 ●ライカ:へそ > 脇腹・お腹 ≫ その他全身 ●アカネ:土踏まず > 足の指 > かかと >その他全身 ●くすぐられている間は魔力の集中が困難 ●拘束状態では脱出不可能? ミツキ「とりあえず、連中はまた私達の所へやってくるだろう。これからの立ち回りがかなり重要になるな。」 ライカ「ジエルのバインドリングは厄介ですね…。ミツキですら脱出出来なくなってしまいますからね。」 アカネ「でも、くすぐられてなければ何とか解けそうなんでしょ?」 ミツキ「そうだな。だが、拘束している以上くすぐられるのは必然だ。となれば、脱出は現状不可能と考えておいた方が良いな。」 アカネ「全員がもし捕まったら…、終わりだね…。」 ミツキ「そうとも限らないぞ?奴ら使い魔が突然消えた謎。あれはおそらくティックラーによる魔法だ。」 アカネ「ティックラーが使い魔を逃がしたって事でしょ?」 ミツキ「あぁ。それは使い魔がやられるのはティックラーにとって都合が悪いからだ。」 アカネ「うん…。だから…?」 ライカ「成る程。使い魔は魔力で生み出された精霊。つまり、魔力を消費し続ければ消滅します。」 アカネ「そうか!ダメージを受けるのはもちろんだけど、攻撃に使ったって魔力は減る!」 ミツキ「そういう事だ。つまり、奴らもくすぐり攻撃を行う為に魔力を消費する。仮に全員が捕まってしまったとしても、奴らの魔力が底を尽けば私達は解放されるだろう。」 アカネ「どっちにしろ私には厳しそうだなぁ…。」 ミツキ「だからこそ立ち回りが大事になってくるんだ。」 ライカ「敵は2人。なら、敵が一緒に行動している場合はそれをこちらも2人で応戦した方が良いですね。」 ミツキ「そうだな…。出来るだけこちらも相手と人数を合わせた方が良い。今回の私の作戦は完全に失敗だった…。」 アカネ「キュバスに操られた物が今回みたいに1人でも厳しかったら?」 ミツキ「それでもそちらに1人の方が良い。1人がそれに捕まっても、2人で使い魔を追い払う事が出来れば助かる。今回は、私が洞窟の最深部に連れて行かれたお陰でお前達が助かったと言っても良い。」 アカネ「そうだね。もし転移しなかったらそこで使い魔の魔力が尽きるまでくすぐられてた訳だしね。…でも、何で転移したのかな?しない方が向こうもじっくりくすぐりに専念できたんじゃないの?」 ライカ「キュバスの魔力消費を抑えたんでしょう。草原の草を操りながらでは、魔力の消費が多くてすぐに尽きてしまうからだと思います。」 ミツキ「だろうな。だが、今回私が笑わされてしまった事で、ティックラーもエネルギー、つまり魔力を蓄えてしまった。そうなると、使い魔も同時に魔力量が上がるはずだ。」 ライカ「それが使い魔とそれを生み出す能力者との関係性ですからね。」 アカネ「そっか!そうなったら今後は今日みたいに解放される可能性が低い…。だから今後は出来るだけ使い魔の撃退を優先するんだね?」 ミツキ「そういう事だ。それから、もし人質としてチームメイトが囚われたら、その場合は敵の要求は吞まないようにしよう。」 ライカ「それは…、人質であるチームメイトを見捨てる…という事ですか?」 ミツキ「言っただろう?私はお前達に苦しい思いをさせたくない。奴らにとっても1番くすぐりたい相手は私の筈だ。人質を取られた場合は私が代わりになるという事だ。」 アカネ「そんな…!」 ライカ「いえ、3人が捕まってしまうよりマシです。それに、魔力抑制のリングで人質を取られていた場合なら、最悪上級魔法でチームメイトごと攻撃するという手段もあります。今更、私達がチームメイトの攻撃でやられる様な事はありませんし。リングが魔力を抑制してくれればダメージはかなり軽減される筈ですからね。」 ミツキ「そうだな。…だが、村人が人質にとられた場合は…、最悪3人全員が捕まる事も覚悟しておくんだ。」 ライカ「流石に村人は攻撃出来ませんしね…。」 アカネ「そうなった場合は仕方ないよ!」 ミツキ「そのままティックラーの場所で拘束されなければ良いんだがな…。」 ライカ「そういえば、どうしてミツキをティックラーのいる所まで転移しなかったんでしょう?」 ミツキ「それもティックラーが動けない理由と関係あるのかも知れないな。」 ライカ「ですね。では最後に、まだ分かっていない事、これから知っておかなくてはならない事を整理しましょう。」 ●ティックラーの正体 ●何故くすぐりが生きる糧となっているのか ●世界征服の目的 ●キュバスとジエルの能力(特にジエル) ●突然使い魔達が転移魔法で消えた謎(外部からの遠隔魔法) ●ミツキをティックラーのいる古城まで転移しなかった理由 ミツキ「もうこんな時間か。明日からは今まで以上に心して挑もう。」 ライカ「相手の能力はまだまだ未知数ですからね。」 アカネ「了解!」  3人はこれから待ち受ける“くすぐり”と戦う決意を固め、慣れない攻撃に疲れ切った身体を休める為眠りに就いた。  ミツキ達のくすぐったい試練の冒険、ティックリーアドベンチャーは、まだ始まったばかりなのだ。

Comments

ありがとうございますm(_ _)m

こーじ

ティックリー・アドベンチャーの再投稿ありがとうございます!!! やっぱりミツキの拘束腋くすぐりはいつ見てもいいですね…✨

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