天使様のスケベな借金返済記その一
Added 2025-06-20 09:16:50 +0000 UTCいつもご支援ありがとうございます。度々やってる上位シリーズの新しい顔ぶれになります。お馴染み天使様の真昼ちゃんです。タイトル通り借金エロ返済記録!なを借金展開は余すことなく捏造です。
今回は導入ってことでエロ配信ですが、これ以外にも色々やっていくつもりです。たまに借金関係なしのエロも入れたりなども考え中なので、是非感想やいいねなどよろしくお願いします。
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「……………………はぁ」
一つの言葉もない長い沈黙を超えて吐き出されたのは、深い失意と落単の溜息だった。
枝毛とは無縁の美しい亜麻色の髪に、憂いを帯びた絶世の容貌。学園では『天使様』と呼ばれるほど完璧で非の打ち所がない少女、椎名真昼はテーブルに置かれた一枚の紙を前にして途方に暮れていた。
紙の前で座り続けて何時間経過しただろうか。彼女の前にある紙は、学園一の才女である真昼でさえ解けない難問であった。もっとも、学力が関係している難問ではないのだが。
だからこそ真昼にはどうしようもないものだった。自暴自棄、下手をすればそれ以上のことも考えた。彼女にとって、目の前の紙にはそれだけの重みがあった。薄っぺらくありながら、信じられないほど重いものなのだ。
事の始まりは数時間前、いつも通り学園で天使様の仮面を被り続けた真昼が自宅のマンションへ帰宅した時まで遡る。
エントランスを抜けて扉の鍵を開けようとした時、思わぬ感触に真昼は目を丸くした。
(鍵が、空いてる……?)
合鍵を誰かに渡した記憶はもちろんない。だが、真昼の脳裏にはある人物の顔が浮かび上がっていた――――――両親が来ているのかもしれない。
また心が傷つく言葉を投げかけられるかもしれない。いいや、それ以外の可能性を考える方が難しい。けれど真昼は、僅かな期待を捨てることができなかった。
両親が待っているかもしれない。そう思うといても立ってもいられずに家の中へ入った。
「え……?」
だが、玄関から続くリビングに足を踏み入れた真昼を出迎えたのは、父と母ではなかった。まともに顔を合わせることが稀とはいえ、黒服の集団と両親を見間違えるはずもなかった。
「あなたが椎名真昼さんですね?」
家の中を物色する男たちの一人が、真昼に気がついて声をかけてきた。まさか声をかけられるとは思ってもいなかった真昼が、驚愕のあまり停止していた思考を取り戻し、スマホを取り出しながら後退る。
「あ、あなた方は、誰ですか!? どうやってここへ……」
「おっと、警察を呼ぶ前にこれをご覧ください」
頭に浮かんでいたことを先回りで抑えられた真昼の前に、男は一枚の紙を手渡してきた。思わず中身を読んだ真昼は、学生には無縁であるはずの書類に面食らう。
「これって……借用書ですよね? そ、それにこの名前……」
「ええ。あなた方のご両親の名前です」
金銭や物品を借りた際、返済を義務付けるための書類には、信じられないことに真昼の両親の名が書き記されていた。
真昼と関わり合いになりたくない両親は、彼女の署名が必要な書類を郵送で渡すことがある。借用書に記された筆跡は、その時に見る文字とそっくりだった。
「う、嘘です! 両親が、そんな、借金なんてするはずがありません!」
「嘘だと仰るのは結構ですが、現実的な問題として真昼さんのご両親の直筆が借用書には記されています。そして、彼らは雲隠れしました……娘であるあなたを置いて、ね」
「…………………………ぁ」
捨てられた。その事実が頭に浮かぶのは当たり前といえば当たり前のことだ。
どれだけ酷い言葉を投げかけられても、振り向いてもらうことを諦められなかった真昼に突きつけられたのは、借金を残して両親が蒸発するという残酷すぎる現実だった。
頭の中が真っ白になった真昼に対して、黒服の男は同情を匂わせる言葉を発した。
「私どもしても、あなたのように罪のないお嬢さんにこのようなことを言うのは心苦しい。ですが、債務者が失踪した場合の保証人として、あなたには借金返済の義務がある」
「そ、そんな、無理です! 私はまだ学生なんです……!」
借用書には、見るだけで恐ろしくなる数字の桁が明記されている。仮に真昼が学生ではなく社会人だったとしても、とてもではないが払いきれる金額ではなかった。
「関係ありません。債務者の行方をあなたが知っていれば話は別ですが、望み薄なことはこちらも承知しています。こちらにも痕跡を残してはいないようですから」
「…………」
「とにかく、真昼さんにはこちらの借金を返済していただきます。まあ、学生のあなたに今すぐにとは無理強いしません。期間は十二分に再設定してあります……もっとも、あなたが余計な場所に駆け込むなり、逃げるなりしなければの話ですが」
しっかりと釘を刺した黒服は、借用書を残して今日のところは去って行った。そう、借金返済の目処が立たなければ再び真昼の元へとやってくると暗に示しながら――――――それが数時間前の出来事だった。
(あの人たちが借金を……そのことが本当なのか嘘なのかは、私にはわからない)
しかし、両親に連絡はつかず、借用書にも彼らの直筆で記された名前がある。真昼の名前は、保証人として理不尽にもしたためられていた。
何があったのかを推し量ることは難しいが、何にせよ真昼の両親が何かしらの事情で莫大な借金を背負ってしまったこと。そして、良い機会だとばかりに目障りな真昼に借金を押し付けて蒸発したことだけは確かだ。
母親は、社会的立場から真昼を最低限援助していた。逆に、その戒めがなければ真昼など顔も見たくないと面と向かって宣言するほどだ。それでも、両親に振り向いてもらいたくて『天使様』を演じていた真昼は、ショックで失意のどん底に落ちる。借金を背負わせて消えるほど、薄弱な関係だったのかと。
いっそのこと、二人のように消えてしまいたい。けれど、まだ子供の真昼にそんなことは不可能だ。
(借金を返して、あの人たちともう一度会う…………こんなことのために、私を産んだの……?)
困るくらいなら、産まなければ良かったのに。そう思ったのは一度や二度ではないが、まさかそれ以上の仕打ちを受けるとは考えてもみなかった。
両親に会って何を言うのかは彼女にもわかっていない。けれど、このまま不当に両親の借金を背負ったままでいるのは、絶対に嫌だ。
「でも、どうしたらいいの……」
決意をしても呆然と口を開くことは止められない。アルバイトの経験はないし、あったとしても借金額を見れば役に立たないことは一目瞭然だった。
このままでは返済どころか、マンションからも追い出されて進退窮まるだろう。そうなったら真昼は、あの借金取りたちに何をされてしまうのか想像もつかなかった。
考え続けても答えが出ずに数時間。学園では広い交友関係ながら、浅い付き合いしかない真昼に頼れる人間などいるはずもなく、無情な時間が過ぎていった。
「ッ!?」
途方に暮れていた真昼の意識を引き戻すスマホの振動。今し方、交友関係が浅く広いと言った彼女からすれば寝耳に水の通知だった。
画面には見覚えのない名前からメッセージが届いていた。けれど相手は容易に想像できた。内容は借用書に関わるもの。つまり逃げ出した両親と、借金を取り立てる相手しか知らない要件で連絡してきたのだ。
『保証人であることに変わりはありませんが、何の落ち度もない子供から無慈悲に取り立てるだけでは目覚めが悪い。そこで、あなたが望むのならこちらからある仕事を斡旋しても良い。あなたにピッタリなものをご用意しておきました。後は、真昼さんの覚悟次第です』
「……私の、覚悟」
こんなことをした両親に事情を聞きたい。もしも彼らをハメた人間がいるのなら、それを暴かなければ死んでも死にきれない。
真昼は意を決して返信した。どの道、自分一人の力では何も出来ない。虎穴に入らずんば虎子を得ず。或いは背水の陣とも言える彼女に選択肢などなかった。
しかし、天使は知る由もなかった。この選択が、彼女の長い羞恥と屈辱と、そして快楽をもたらす一つの始まりだということを――――――――
◆
黒服が斡旋した仕事は、真昼にとって馴染みのないものだった。
この仕事には相手がいる。その相手とはメッセージでのやり取りのみで、顔を合わせることはない。必要な指示と必要な機材は、全てその顔も知らない相手が用意した。代わりに真昼は、メッセージの指示通り送られてきた機材を使ってあることを行う。
顔にマスクを付けているのは風邪のためではなく、行う事への事前対策。簡単に言えば〝身バレ防止〟の一種だ。寝巻きも万が一のことを考え、私服を避けた結果だ。
設置したモニタを眺めるだけで緊張がピークに達しそうだ。すると、時間を告げるメッセージが画面上に表示された。
【配信開始】
「ッ……」
生唾を飲んだ真昼は、しかしメッセージに逆らうことなくマウスで開始のボタンをクリックした――――――何が始まるかなど言うまでもない。
クリックから数秒後、画面上に大量のコメントが流れ出す。初配信にも関わらず驚くべき数の視聴数に目を見開き固まった真昼へ、メッセージが指示を出す。
【挨拶】
「……こ、こんにちは。初めまして、し……んっ、ん!」
思わず礼儀正しく名乗りそうになった本名を無理やり呑み込んだ真昼は、画面上に映し出された自身の配信者名を見て、顔を赤く染めながら訂正の言葉を続ける。
「失礼しました……私は、い……淫乱天使♥ です♥ き、
今日は私の……お、おな、おなにー……配信に、お越しくださって、ありがとう……ございます♥」
恥ずかしさのあまりたどたどしいものになったが、真昼はハッキリと目的を口にした。オナニー配信。身体を見せて売ることを生業とするエロ配信者として、淫乱天使は名乗りを上げた。
斡旋された仕事の内容は、自慰行為を主としたエロ配信で視聴者と投げ銭を稼ぐことだった。もちろん、そんなことできるわけがないと拒否しようとした真昼だったが、いつの間にか部屋に設置されていたパソコンやカメラといった配信機材と的確なメッセージによって、あっという間に逃げ道を塞がれてしまった。
元より金を稼ぐ手段に拘ってはいられない。犯罪行為を肯定できない真昼にできることは、ギリギリ違法ではないとされるエロ配信で稼ぐこと。
当然ながら真昼だけではできなかった。仮に一人で似たような配信をしたとしても、いきなり視聴者を稼ぐことはできないし、身バレの危険性が高すぎる。その点、今回の仕事相手は対策と指示が的確だった。
(唯一してはいけないことは……配信中、指示に従わないこと)
何十万という配信機材とツテで用意された配信場所。これによって、素人の真昼だけでは到底なし得ない収入を得ることができる。
懸念は真昼が考える通りだ。配信中は、メッセージを拒絶してはいけない。それ以外のことは許すが、それだけは今後の仕事を打ち切るという。だが、これだけの機材を少女に渡したことを鑑みれば極めて緩い条件と言うべきだ。
メッセージ主は金ではなく、少女にエロ配信をさせることを目的としている。そう捉える方が自然に思えてならず、理解できない思考に真昼は困惑を隠せない。
『めっちゃ緊張してて草。まだ学生じゃね?』
『声かわいい』
『マスク越しでもわかる絶対美少女』
『はやくイクところ見せて』
『淫乱天使のオナニー期待』
挨拶を終えても尚続く緊張と羞恥で無言になった真昼の目に、配信画面内で流れる視聴のコメントが映る。視聴数は画面下で配信者にも見えるよう表示されていた。開始から数分経たずに数千人を超える数がカウントされる光景に、真昼は声が出そうになるくらい動揺した。
これだけの人数が、画面越しに自分を見ている。天使様と呼ばれ、男からそういった目を向けられることが少なくない真昼でも、この圧倒的な人数には目眩がした。これからすることを考えれば、失神しても何らおかしくはない。
【コメントに返信】
「……え、ぁ……み、みなさん、コメントありがとうございます……?」
メッセージに従って辛うじて、といった様子で真昼は配信を進めていった。一体コメントの何に感謝しているのだろうと疑問符が浮かぶ返信から始まり、指示された通り無難な進行を続ける。
そうして視聴者の期待感ともどかしさが高まったところで、メッセージは本命の指示を真昼に突きつけた。
【オナニーして、絶頂】
「え……ッ!?♥」
いきなり具体的な指示を出された真昼は動揺の声を上げる。いや、ある意味では抽象的だ。どうオナニーして絶頂しろ、とまでは書かれておらず、真昼の自由意志に任せた行為を指示するメッセージは、具体的とはいえないからだ。
けれど、今の真昼からすれば充分に具体的だ。清楚で穢れのない彼女は、オナニーというものをほとんど知らない。少女の知識にある自慰行為の方法はたった一つだ。
「あ……な、なんでも、ありません♥ そ、それじゃあ……オナニー、始めます、ね♥」
なかなかオナニーを始めない真昼が上げた動揺の声にザワつくコメントを見て、彼女は意を決した。ここで指示を無視したら、彼女は借金どころかこのマンションに住むことさえできなくなる。そうなったら打つ手が無くなり、こんな形ではなく本当の意味で〝身体を売る〟ことになるかもしれない。
そうなるより、メッセージ主を信頼しなければならないリスク以外が免除されたエロ配信の方が幾らかはマシだ。
覚悟を決めた真昼は寝巻きを捲り、配信用に買ってきた地味目な色のショーツを見せる。それでも恥ずかしいことに変わりないが、直後に見せる以上に恥ずかしいことをしなければならないのだから、気にかけるよりも先へ進んだ。
「ん……っ♥」
左手で寝巻きを捲って、右手の指をショーツに押し込んで上から擦る。オーソドックスであり、真昼が唯一知っているオナニーのやり方だ。
余計なことを考えると余計に恥ずかしくなるとわかっている真昼は、思考を止めるように右手の指で股を擦った。
(んん……い、いつもみたいに、気持ちよくなってくれない……♥)
しかし、カメラ越しとはいえ人に見られながらするオナニーが、普段の粛々と行うものと同様の効果を得られるとは限らない。
いくら擦っても薄い刺激しか得られないため、指示通りの絶頂には程遠い。真昼は仕方なく、ショーツの内側に手を入れて直接擦っていった。
「は♥ あ♥ んんっ♥ あ……あぁ♥ んふぅ……ッ♥」
直接触れることで、やっと普段に近い感覚を得ることができた。股を閉じて指を突っ込んでいるため、カメラには真昼が股間を弄る仕草くらいしか映っていないかもしれない。
反応を見るのが嫌でコメントは見流し、追加のメッセージを確認することに集中した。幸か不幸か、本当に【オナニーして絶頂】以外の指示はなく、真昼は一刻も早くこのまま終わらせるため一心不乱に指を上下に動かす。
その甲斐もあって、股から僅かながら水音が聞こえ始めた。普段より遅いペースで、オナニーをシているのにもどかしくなってきた真昼はギュッと目を瞑った。
(はやく、はやく終わって……っ♥)
それは完全に義務感に囚われたオナニーで、股を閉じて身体を硬直させた真昼は緊張と羞恥が一切消えないまま強い刺激を味わった。
「っ〜〜〜〜〜〜♥♥」
軽い痙攣と共に『ぴゅっ♥』と小さな水飛沫の音をマイクが拾い上げた。指示通り、真昼はオナニーで絶頂したのだ。
「はぁ……はぁ……はぁ……♥」
本当に、大勢の目に見つめられながらイッてしまった。羞恥心がぶわりと吹き出しそうになりながら、真昼は次の指示を待った。
だが、今日の配信ではそれ以上の指示はなく、初回の『淫乱天使』はその名に相応しいとはいえない一度の絶頂だけで配信を終えたのだった。
(……人の自慰行為を見ることが、そんなに楽しいことなのでしょうか?)
真昼には到底理解できない概念だった。人の自慰行為を見る悦び、或いは人が持つ最低限の権利を差し出させる嗜好。理解など及ぶものではないと、真昼は深い溜息を吐いた。
初配信の翌日、真昼は普段通り学校に登校した。昨日の配信が噂になっているかもしれないという不安を他所に、平穏そのものの時間が過ぎた。両親が作った借金を真昼が背負っているという話も、特に流れてはいないようだった。
とりあえずは安堵できたが、一度の短い配信で借金返済の桁に届くわけもない。今後も仕事で自慰行為をさせられるのかと思うと、真昼は気が滅入りながら帰路についた。すると、ポストの中に自分宛の荷物が届いていることに気がついた。
持ち帰って部屋で中身を確かめて、真昼はブルリと震え上がる。
(メッセージの方から、ですね……)
とはいえ、平然と部屋に侵入していた黒服や、いつの間にか設置されていた機材の不気味さよりは荷物で届く方が気持ち的には幾分かマシだ。
内容は、昨日の配信についての意見だ。容姿や声で掴みは悪くなかったが、配信内容に関しては苦言も多く見られたことが書き記されている。それを見た真昼は色んな意味で顔と頭が熱くなった。
(評価が良くても悪くても、私にとっては同じことでしょう)
どちらにせよ真昼からすれば恥ずべきものだとすれば、余計なお世話としか言えないし、そう思うのならもっと指示を言語化するべきだろうと真昼は憤慨したくなる。もっとも、そのような指示が下された時に恥ずかしいのは真昼自身であるため、憤りはグッと堪えた。
堪えた理由は他にもある。配信への意見は荷物に同梱されていたものであり、本当に伝えたいのは入っていた道具と密接に関わるものだった。本命の意見と内容を確認した真昼は見るからに動揺した。
(……こ、こんなものを使って、配信をしろって言うんですか……?)
葛藤はある。が、メッセージの指示だけは絶対だ。次の配信は真昼が手にした〝ソレ〟をある場所に塗ってから始めろと告げている。ならば、逆らえるものではなかった。
真昼にとってはモノそのものだけでなく、指定された場所もできうる限り触れたくはない。指定だけで恥ずかしさが頂点に達していそうだが、直前に考えた通りだ。真昼は、メッセージでの指示だけは拒絶できないのだから――――――
【配信開始】
「こ、こんにちは♥ 淫乱天使のお、オナニー配信、始めます♥」
真昼は昨日と同じように椅子に座ってカメラの前で挨拶をする。彼女の配信が始まったと見るや、再び数千人規模の視聴者が集まる。その殆どは、昨日の配信で彼女の声やマスク越しの容姿に惹かれた者たちだった。
天使様の実力で勝ち取ったといえば聞こえはいいかもしれないが、肝心の淫乱部分は形だけであるため、このままでは長続きしないことも目に見えている結果だ。初回は仕方なしで片付けられても、二回、三回と続けば確実にボロが出る。
「き、昨日の配信は拙いオナニーで終わらせてしまって、すみませんでした……♥ 今日はい、淫乱天使らしく♥ みなさんが満足するまで、オナニー頑張ります♥」
それを誰よりわかっているだろう真昼は、昨日とは明らかに異なる様子をカメラに見せていた。座りながらぎこちない笑みを浮かべて、腰を小刻みに忙しなく揺らしていく。
腰から太もも辺りを火照らせる異様な熱が、耐え難いもどかしさを真昼へもたらす。昨日ともう一つ異なる点は、焦らされているのが視聴者ではなく真昼だということだ。
【オナニー】
「……じゃ、じゃあさっそく、オナニーします……♥」
今日も指示に従うだけ。そう言い聞かせながら寝巻きをたくし上げ、昨日と同じく右手をショーツの下に潜り込ませた。
ぬちゅ……♥
「ぁはんっ♥」
昨日よりずっと強い粘り気を持つ水音と、それを掻き消す真昼の大きな声が響く。絶頂より激しく震えた真昼は、数秒間はその感覚で動くことができなくなる。
「……ぇ、あ♥ あは、あはは……お、オナニー、つ、続けますね……?♥」
戸惑いながらも、誤魔化すように笑った真昼は指を上下にスライドさせる。昨日より鈍く、ゆっくりとした指使いだが粘液の音は雲泥の差があった。
ぐちゅ、ぬちゅ……ぐちゅ……ぬちゅ……くちゅ……♥♥
「んんッ♥ は、あぁ……♥♥ き、昨日より、気持ちいい……あ、あぁぁ♥♥ ふぁっ♥♥ あっあっあ♥♥」
膣の液が見るからに滲んで、震えも声も昨日とは比べるまでもなかった。無意識のうちに快感を認める仕草は、淫乱の片鱗を視聴者に感じさせたはずだ。
送られてきたあるモノを、ある場所に塗ったことで真昼の身体は感度が加速度的に引き上げられていた。そのあるモノが媚薬だというのは容易に想像できるだろうが、塗った場所に関してはなかなか想像はできない。真っ先に秘部、次いで豊満な胸と大半の人間が想像するはずなのだ。
真昼の初回配信を敢えて捨てたメッセージ主だけは違った。彼女の秘められた癖を見抜いたが故に、媚薬を秘部でも胸でもない場所に塗らせたのだ。
「はぁ、はぁ、はひぃ♥ す、すご……いっ♥ こ、こんなに♥ ……んっ、はぁぁ♥♥ す、すぐ♥ キちゃいそうに……ッ♥」
既にマスク越しでも唾液が滲んでいるのがわかるくらい、真昼は感じていた。幼気な少女をこれほどの淫乱に変えてしまう媚薬が、果たして何処に塗られたのか。
オナニーに集中し始めた真昼は、すっかりそのことを忘れていた。ともすれば、快感を求めて考える前に指を伸ばしたとさえ思えた動きを見せる。上下のスライドが行き過ぎて、秘部からズレた場所に――――――媚薬を塗りつけた尻穴に触れた。
ツンッ♥♥♥
「お゛……ぅお゛ぉッ♥♥♥」
脳天が電流に打たれたような途方もない痺れの正体は、鮮烈なる快感だった。気持ちいいと零した秘部の刺激より、何倍も巨大な官能が真昼を襲ったことで、彼女の声は独りでに太く低く下品さを奏でた。
鋭すぎる快感で酩酊し、ほとんど意識がない空白の瞬間に声を上げた真昼自身は気づいていないが、視聴者は聞き逃すはずもない。
『声えっぐ』
『淫乱天使らしくなってきたじゃん』
『いいぞもっとやれ』
『てか今のケツ穴で感じてなかった?』
『弄ってるところちゃんともっと見せて』
好き勝手にコメントを流していき真昼の配信を盛り上げる。視聴者からすれば、真昼が望んでこのようなことをしていると本気で考えているのだから、煽るのは当然のことだった。
「は、はぁ♥ ち、違いますっ♥ お尻の穴で、感じたりなんかしてませんッ♥」
『じゃあ証拠みせてよ』
「しょっ、証拠……!?♥ お、お尻の穴を触れってことですか……?♥」
それは魔女裁判に等しい。証明をしてもしなくても、真昼には理がない。だが、何度も言うようにこれは真昼が望んだとされているオナニーの場だ。コメントの指示には、一定の強制力がある。
【コメントの指示に従え。尻穴の名称は、ケツ穴】
「ッ……わ、わかりました♥ おし……け、け……け、ケツ穴に、触って、証明します……♥」
さらに上位の強制指示を受けた真昼は、致し方なく従った。一度触った場所がジワジワと強い熱を帯びて、もどかしい気持ちにさせていることも無関係ではないが、あくまで命令に従ったという体を彼女は貫きたかった。
わかりにくいと言われたことで、仕方がなく椅子に座りながら股を開く。こんなはしたないことは生まれてこの方したことがないため、強い羞恥を掻き立てられた。
(お、お尻の穴でなんて、感じるわけない♥)
しかし、今は尻穴で感じていないことを証明するのに必死だった。オナニーの経験が薄い真昼は、そこが排泄器官だと強く認識している。だから媚薬を塗る時に嫌悪感を抱いたし、感じるはずがないとその後は触れることもしなかった。
自身の〝癖〟が見抜かれているとも知らず、真昼は指の先で恐る恐る尻穴を突いた。引っ掻くと言った方が正確な弱い刺激だ。
カリ……ッ♥♥♥
「ふ……ッ!?♥♥ ほおぉぉぉぉ……っっ♥♥」
腰辺りの熱が背筋を駆け抜けて、中枢神経をビリビリと刺激した。感じたことのない刺激に、真昼は目を細めて痙攣を繰り返した。
秘部より遥かに弱くした刺激なのに、秘部より遥かに強い感覚が迸った。それでいて微かに触れるに留めたせいか、段々と切ない感覚が脳髄の刺激に割って入ってくる。
(だめ……が、がまん、出来ない……っ♥)
引っ掻いたばかりの指を傍に残したままなのも、その切なさに拍車をかけた。引くのではなく、真昼は指を押し込んだ。尻穴のもどかしい痺れに逆らえず、その先にある快感を仄かに期待して。
ぬっ……ぷぅぅぅぅ♥♥♥
「んほぉぉぉぉぉっっ♥♥♥」
刺激は想像以上。そして、媚薬の効果は常軌を逸していた。表面に塗っただけなのに十全に解れていた肛門は真昼の指を受け入れ、入口を後から閉じることで歓迎さえしていた。
「ん゛ッぎ、お゛♥♥ お゛ぉ、お゛っ♥♥ これすごっ……ぬ、ぬかな、ぬかなきゃ……っ♥♥ ほっ♥ ぬ、ぬけ、ぬけるときも、すご……おぉぉぉぉんッ♥♥♥」
椅子を蹴り飛ばす勢いで仰け反って指を引きずり出す。だが、衝動的にもう一度差し込んでしまう。敏感なアナルへ、指を出し入れするその行為はオナニーの中でも変態度が極めて高いアナニーの概念。
「お゛っ、お゛ぉお゛♥♥♥ ほっ♥♥ ぬ、ぬくのといれる、のっ♥ ゾクゾク、する……ッ♥♥ 頭がチカチカして、何も考えられな……ッ♥♥♥」
いけないことだと戒める理性がバチバチと掻き鳴らされるアナルの快感で弾け飛び、真昼は配信していることも忘れて指を出し入れし続ける。
「おっおっお♥♥ きもちいッ、い゛ィッ♥♥♥ ぅまく、しゃべれな……おぉぉぉぉっ♥♥♥ お゛っ、お゛ほ♥♥♥ ふゥ、う゛ゥっ♥♥♥ ふぐう゛ぅぅぅぅ♥♥♥」
媚薬の効果か生来から明かされるはずもなかった癖のせいか、真昼は昨日までの拙く気恥ずかしげなオナニーが嘘のように股を開き、尻穴を貪る淫蕩に耽る。
「はっ、はっ♥♥ おっ♥♥ ふく、じゃま……ッ♥♥」
やがて左手でたくし上げているのが面倒とさえ感じたのか、寝巻きを脱いで放り投げてしまう。下着姿で股を開いた大胆なアナニーに、コメント欄は過剰な盛り上がりを見せる。
『おっぱいでっっっっっっ!!』
『マジでアナルで感じてんじゃん』
『淫乱天使ちゃんすっげ。美人で胸デカくてケツ穴性感帯とか無敵のエロ配信者じゃん』
『美少女がケツ穴とか言うのエロいからもっと言って!』
『そのままケツ穴でイけ!』
そのコメントを読んでいるのかいないのか、真昼は下着のままアナルを指で穿り回す。天使様の仮面を着け続けた理性の塊である少女でさえ、己の性と媚薬の前では本性を剥き出しにしてオナニーを行った。
激しく水飛沫が飛び散り、ショーツがぐっしょりと濡れぼそった。腰と太ももが痙攣し、下品に開いた足の先が強く張り詰める。
「ッ〜〜〜〜〜〜〜〜、お゛っ♥♥♥♥」
それは、跳ね上がるように一斉に反応を示す。寄り目になった真昼は、その時次のメッセージを受け取っていた。
【絶頂、宣言】
(せ、宣言っ♥♥ このまま……宣言ッ♥♥♥)
両足がみっともなく張りつめてその感覚が間近に迫る中、もはや一刻の猶予もない真昼は考えるより先に声を発していた。
「お゛っほ♥♥♥♥ ケツ穴、ぜ、絶頂、しますッ♥♥♥♥ ん゛お゛ぉぉぉぉ、ケツ穴でイきますぅぅぅぅぅぅぅぅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!♥♥♥♥♥」
ぶしゅぶしゅぶしゅうぅぅぅぅぅぅっ!!♥♥♥
喘ぎ声混じりの絶頂宣言とケツイキ潮吹きを吹き上げた真昼は、椅子の上でまた仰け反る。そのせいで開いていた足がピタリと閉じて、そのまま『しゅぴーん♥』と一直線に伸びるマヌケなイキ様を晒した。
「っっっ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ぉ゛♥♥♥♥♥♥」
頭の中が本当に真っ白になり、絶頂の信号がひたすら全身を駆け巡る。極彩色の光に包まれた真昼は、意識を保っていられず失神してしまった――――――――
(大事にならなくて良かった……)
真昼は深々と息を吐く。思い出されるのは、昨夜の配信のこと。失神から目覚めた頃には朝日が昇り始めており、真昼は顔面蒼白で画面を確認した。ところが、懸念していた配信は停止しており、さらに確かめてみると彼女が失神した直後から切られていた。
恐らく、メッセージ主が遠隔で配信を切れるような設定を組み込んでいたのだろう。下手をすれば身バレの危機ですらあったのだから、少なくとも真昼の破滅は望んでいないということがわかった。
近いうちに三度目の配信指示がある。その時にまた同じようなことをするのか――――――そう、お尻の穴であんなにもよがり狂うことになるのかもしれない。
(ケツ穴であんなに感じてしまうなんて……でも、意外と、良かったかも♥)
天使は新しい一歩を踏み出した。その一歩は、長い道の中でも濃厚で淫乱で、大きな大きな前進であった。