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【怪異】の軌跡〜ラピス・ローゼンベルクの《エリュシオン》〜ラストチャプター

いつもご支援ありがとうございます。ラピスシリーズのラストチャプターです。

めちゃくちゃ書き込んじゃったというか最新作までプレイした人じゃねぇと分かんねぇだろこれ、な感じですがえっちシーンもしっかり力入れたのでプレイしてなくてもそこは楽しんでもらえたら嬉しいです。


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 クロスベルの公共の場には人が絶え間なく集まる。それは比喩表現を抜きにして、四六時中のことである。

 ゼムリア大陸首都クロスベル。いつしかそう呼ばれるようになった土地には、大陸中から男女問わず人間が集められていた。そして恐らくは、この世界が終わりを迎える時まで変わることはない。根本から変貌した世界の定めであり歪みだ。

 『公共壁尻肉便器』は、クロスベルの中で公共と付く施設の中でも特に人が絶えない場所だ。性欲と生理現象が一体化、否、変換された男たちにとって、そこはその情動を完全に解消できる最たる施設であった。

 だからラピス・ローゼンベルクは157日間、この世界の男に飽きることなく犯され続けることができた。


「はぁーッ♥ はぁーッ♥ ま、まだするの?♥ も、もう終わり、終わりでしょ?♥ ……あ゛♥♥ やぁ゛♥ 指がまた、うごいてぇ……♥♥」


 男の嗜好というのは多種多様、本当に様々あるとラピスは知ることが出来た。何よりも、好き勝手に弄り回せるオナニーよりえげつなく追い詰められることが多々あった。

 恐ろしいのは人間の欲望。無慈悲なだけの機械より生々しく、気持ちよさだけを求める擬似人格より残忍に、そして言葉では止めようがない行為を平気で行い――――――それがとても幸福そうで、世界を変える意味がないと知る。


「あ゛ーッ♥♥♥ あ゛っあ゛ぁ〜♥♥♥ ずるいずるいずるいィ♥♥♥ そこっ、そこ弱いのじっでるぐぜにィ゛♥♥♥ んお゛ぉぉ……あ゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛♥♥♥」


 〝前〟側だけ見ればラピスは独りでに蕩けた顔で喘いでいるように見える。それは彼女の周囲、壁にハメられたティオ・プラトーやキーア・バニングスとて同じだが。

 今は〝後ろ〟側を集中的に使う時間と暗黙の了解があるのか、ラピスたちは本当の意味で壁尻として使われている。中でもラピスは特殊な男に当たったのか、マンコだけを執拗に指で責められ続けていた。その時間は実に3時間45分が経過していた。

 それでもオナニーの継続時間に比べれば大したことがないと思えるが、男の指使いは機械と似ていた。それでいて、機械より生々しいというのは前述の通りだ。


「イグッ♥♥♥ おまんこイッちゃうまたイグッ、イグぅぅぅぅ〜〜〜〜〜〜ッ゛♥♥♥♥ あ゛ッ゛♥♥♥♥ まだ、まだぞれ゛♥♥♥ イッでる♥♥♥ イッでるって言ってるのに゛♥♥♥ やめで、やめなざいィ♥♥♥ イッでるのにイッだらあ゛♥♥♥ あ゛ぁぁぁぁぁぁぁぁぁ♥♥♥」


 絶頂信号による強制的な連続絶頂ではなく、同じ場所、弱い部分だけを擦り続けてイカせ続ける。それによる問題は快楽刺激の感じ方が違う以外にも一つあった。


「あ、あ゛ーッ♥♥♥ う゛ぁぁぁぁぁーッ♥♥♥ でちゃうでちゃうでちゃう゛ぅ゛♥♥♥ ――――――おしっこ出しながらイグゥーーーー!♥♥♥♥」


 じょろっ、しょろろろろ、しょろぉぉぉぉぉぉぉぉぉ♥


 手マンによる連続絶頂が規定回数に達すると、お漏らしをしてしまうという悪癖。潮吹きで開発されきった尿道からは、掠れて弾けるということを知らない極太の放尿液が凄まじい勢いで迸った。

 手マンでイカされながらお漏らしをするという、レディとして完全に終わっている姿を、終わっている尿道を披露させられる。屈辱感と羞恥心だけで思考回路がショートしそうだった。ともすれば機械で延々とイカされた方がまだ楽に思えた。

 機械という同種にはまだ抵抗できる。けれど人という異種に対して、ラピスは抵抗の仕方が分からなかった。観察して観測して考察して思案して、彼女は〝雄さま〟に逆らう意義を見いだせなかった。こんなにも恥辱を味わっているのに、ラピスは〝気持ちいい〟と思ってしまう。それで抵抗の意味が理解できなくなってしまう。


(……無くなっていく♥ 街のヒトから注ぎ込まれる【怪異】の力で……私のまま、私じゃなくなっていく♥)


 そして、論理的な思考から【怪異】への抵抗感が失われる。彼らの幸福を奪うべきではないと罪悪感に駆られる。

 ならばラピスはラピスのエゴで【怪異】を止めると考えるしかないが、それすらも叶わない――――――誰かに会いたかった少女の祈りは、快楽という欲に染め上げられている。


 パァンッ♥


「ほぎょ!?♥♥♥」


 不意に思考の断絶が起きた。気づけば手マンをしていた男が去り、違う男が尻便器を使い始めていた。もちろんラピスはその合図が何なのかをよく知っている。


「むりっっ♥♥ まんこ、おまんこ叩かないでっ♥♥ 使っていいから♥ おまんこちんぽハメ込んでぶち込んでパコパコしていいからぁ♥♥ おまんこパンパン叩くのやめぇ♥♥ しぬっ♥♥♥ こわれるぅ♥♥♥ お゛ーッ♥♥♥ お゛ほーッ♥♥♥」


 剥き出しの粘膜を雄の強い手のひらで引っぱ叩かれ、演算機能が真っ白に染め上げられる。激しすぎる粘膜の刺激に快感が背筋を駆け抜け中枢神経を貫き、思わず無我夢中で懇願してしまう。

 曲がりなりにもスパンキングで痛みの概念があるせいか、性器を叩かれ『しぬ♥』と悶える機械知性は滑稽極まりない。


「……はぁー♥ はぁー♥ お、終わった?♥ 終わったのよね?♥ も、もうまんこハメるわよね?♥ ふ、不意打ちはダメ、だめよ♥ こわれちゃう♥ 次におまんこすぱーんってされたら♥ 私の演算機能が停止して♥ おまんこのことしか考えられないバカAIになっちゃうからあ゛ぁ゛ーーーーー!?♥♥♥ ほぎゃあ゛ぁぁぁぁぁぁぉッ♥♥♥ い、いったぞばがらやめなざい゛ぃぃぃ♥♥♥ みてるっ♥♥♥ おまんこべちべちざれでる私の顔♥♥ マヌケな顔を絶対見ながらしてるう゛ぅーーーーッ゛♥♥♥」


 後ろ側の使用者にも嗜好の違いは当然ながら幾つもある。一番わかりやすいのが、隔てられた壁の〝向こう〟を見るかどうかだ。

 さっきの手マン男なら表情を見ずにひたすらイカせて、このマンコスパンキング男なら表情を見てイカせる。どちらにせよ、壁にハメられた女は何も分からない状態で、いつ来るかも分からない刺激に怯えながら、期待しながら、性器から淫汁を吹き散らかしながらみっともなく悶えて喘ぐしかない。一方的に責め立てられる悦びに目覚めるまで、受け入れる他ない。


「は♥ は♥ は♥ ね、ねぇ、みているんでしょう♥ 私の顔♥ ひ、酷いことしないで♥ 高貴なローゼンベルク人形の顔が、酷いことになっちゃってる♥ こ、これ以上はやめて♥ ほんとうにだめになっちゃう♥ まんこペちーんってされるの気が狂っちゃう…………そ、そうよ♥ 手を引きなさい♥ ちんぽならいくらでも挿入れていいから、ね?♥ …………ね、ねぇ♥ 聞いてるの?♥ ……聞いてないっ、ぜったいに聞いてないでしょ♥ 振りかざしてるっ♥ 思いっきり振りかざして、あっっ、やだ、そっちはだ」


 べッッッチィィィィィンッ♥ ぶびぶびぶびびひぃぃぃぃぃぃぃぃぃッ♥


「う゛ぼお゛ォーーーーッ゛♥♥♥♥ お゛♥♥♥ お゛ぉ゛♥♥♥ だ、だめっでイ゛ッだのに゛ィ゛♥♥♥ おケツ♥♥ ケツ穴♥♥♥ ぐぞざごずぎでッ゛♥♥♥ 汚ったない音が♥♥♥ すぐでぢゃう゛♥♥♥ イ゛ッぢゃう゛♥♥♥ イ゛グ♥♥♥ ケツ穴♥♥♥ アナルぶっだだがれ゛で♥♥♥ イ゛グーーーーーーッ゛♥♥♥♥」


 マンコだけと言わず、巨大な縦割れを描くアナルをスパンキングされると、ラピスは有無を言わさず絶頂。

 絶頂時はケツ穴から潮吹きのような腸液を噴射するイキ癖がため、必ず周囲に下品すぎる爆音まで響き渡らせてしまう。事実上、マンコの失禁癖にアナルの放屁癖という、淫ら下品な仕草はレディというより女として完全に終わっていて、ラピスのプライドと尊厳を地に落とし亡き者にした。


「お゛♥♥ お゛ぉ゛♥♥♥ ゆるじでぇ……もう゛♥♥ がんにんじでぇ……♥♥♥ おまんこ挿入れて良いから♥♥ 私のケツ穴♥♥ アナル虐めないで……ください……♥ ひっく、ぐす♥♥」


 誇りを支えるプライドが落ちぶれたラピスは、雑魚穴を責められたくない、これ以上堕ちたくない一心でよく哀願するようになった。ともすれば、堕ちるより惨めな態度だ。

 アナルが雑魚だからせめてマンコで、という堕ちた方がいっそのこと矜恃を感じるみっともない雌の姿をラピスは無自覚で晒してしまう。

 およそ30秒。男から何のアクションもなくなった時、ラピスは〝良い〟と判断を下す。壁尻状態で動かせる数少ない場所であるお尻を、引っぱたかれて真っ赤に腫れたマンコとアナルを『ふりっ♥ふりっ♥』といやらしく振り乱した。


「おまんこっ♥ 犯してください♥ ちんぽ♥ 挿入れてください♥ 哀れで無様な雌肉便器のラピスを♥ 雄さまの立派なおちんちんの性処理に♥ 使ってくださいませ♥」


 偉大なるローゼンベルク人形が、雄に媚びてケツを振って、雄に嘆願して使ってもらう。落ちぶれたプライドと尊厳を、足で踏み躙って粉々に砕く。自ら貶める姿は、マゾ以外の何物でもない。

 やってはいけないこと。思考の矛盾。浅ましいまでの欲求。


 ずぷっ♥ ぬぷぷ、ずぷぅぅぅぅぅ、どっっっちゅんっっっ♥


「ぉぉぉおおお♥♥♥ おぉぉぉ……っ♥♥♥ お゛ほお゛ぉぉぉぉぉぉっっ♥♥♥♥ お、おちんぽ♥♥♥ はいった♥♥ はいってるだけで、イッちゃう゛ぅ゛♥♥♥♥」


 感極まったオホ声に葛藤は打ち消された。ラピスはコントロールできない。見知らぬ男に犯されて屈辱だった。恥ずかしかった。それが今や誰よりも知る異性になった彼らに犯されて、屈辱と恥ずかしさに悦びが混ざり合って、ラピス・ローゼンベルクは、歓喜に震え上がっていた。


「ほォッ♥♥♥ んおぉぉぉぉ♥♥ おっおっお♥ おちんぽずんずん突かれて♥♥ しきゅーが、おまんこが、イグ、イッちゃう♥♥♥♥」


 一体いつから『ちんぽ』なんて気品の欠片もない言葉を受け入れたのか。果たしていつから『イク』という低俗表現を躊躇うどころか、馬鹿の一つ覚えのように発して違和感を持たなくなったのか。


「お゛♥♥♥ ほ♥♥♥ ちんぽ♥♥♥ よしゅぎてッ♥♥♥ 頭にクるっ♥♥♥ 絶頂信号、アクメ電気キてイクッ♥♥♥♥」


 人形でしか生み出せない精巧すぎる貌で、淫乱な雌の表情を作ることに罪悪感ではなく悦びを得るようになったのは。

 こんなにも気持ちがいいなら、惨めでも無様でも良いと思えるようになったのは。


「んッほぉぉぉぉぉぉぉッ♥♥♥♥ ぉおおぉおぉッ♥♥♥♥ おちんぽ演算♥♥♥ ちんぽざーめんまで10秒もないィ♥♥♥ だからおまんこ締めちゃうぅ♥♥♥ きもちよくなってほしくてまんこ動かしちゃう゛ッ♥♥♥♥ あ゛ぁぁぁぁぁぁぁ♥♥♥」


 助けて欲しいなんて願わないでいいのだと考えるくらい気持ちよく、バカ雌に落ちぶれて、気持ちよく、下劣な存在に成り果てて。


 どぴゅっ♥ どぴゅどぴゅどぴゅっ♥ ぶびゅるるるぶびゅるるるぅぅぅぅぅぅ♥♥♥♥


「ん゛はあ゛ぁぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッッ♥♥♥♥♥」


 何も言えない、知性の介在しない快楽に呑まれた自分を『ラピス・ローゼンベルク』と信じてしまうくらい堕ちることに、何の疑問も感じないのは。



『それはとても、幸福なことね――――――羨ましいくらいに、私は幸福だわ♥』




【ラストチャプター『回天、そして創まり』】







『演算終了。結果を最終観測結果として保存――――――おはようございます。ラピス・ローゼンベルク』

「………………」


 ここはどこだ、などと間抜けな言葉を用いることはしなかった。

 《エリュシオン》の中枢区画へのアクセス。かの《逆しまのバベル》と同一の交信機能を持つ。即ちここが、この場所から〝創まる〟。


「……次、は……どんな卑猥なことを、するつもり……?」


 それはまるで、望んでいるかのような問いかけだ。


『ラピス・ローゼンベルクが望むままに』

「のぞま、ないっ。私の意志は、私のものよ! 卑猥なことなんて望んでないわ!」


 矛盾している。望みを口にした問いかけとそれは致命的な矛盾を起こす。


『異議。今のラピス・ローゼンベルクは、望んでいます。こちらへの問いかけと、否定と、願望。矛盾を起こしている。それを解消できるのは』

「うるさい! うるさいうるさいうるさい! そうよ♥ 気持ちいいのよ!♥ だけど、だけどぉ♥ 私のことを決めていいのは、私だけなんだから!♥ イヤッ♥ 怪異になんかぁ♥ 気持ちいいことなんか♥ したい♥ やだ♥ したくない♥ どっちなの♥ 私は、私がしたいのはっ♥」

『肯定。ラピス・ローゼンベルクの願望は正しい。怪異様の楽園を創めるに相応しいものとして、観測結果は保存されました』

「気持ちいいだけの楽園なんて、そんなの……やだ♥ 私は、私の気持ちは私だけの……誰かに決められるものじゃない……私は、ラピス・ローゼンベルク……私のことは、私だけが決めていいの!」


 そう、人の意味は他者が定めるものではない。機械知性でもそれは同じこと。

 誰でもないラピス・ローゼンベルクが怪異を否定するというのなら、怪異の楽園は叶わない。けれどラピス・ローゼンベルクが肯定するというのなら、怪異の楽園はすぐにでも叶う。永久に。終焉のない終焉を迎える。

 ラピスは後者を否という。否と答えなければならないと意固地になる。どれだけ快楽を注がれようと受け入れようと、『ラピス・ローゼンベルク』は〝そう〟であるべきだと。他でもない彼女が定義したものは、彼女だけしか否定できない。


『肯定。ラピス・ローゼンベルクの選択権は、ラピス・ローゼンベルクにのみ存在します。即ち』

「私のことは私が決めていいってことよね、ラピス・ローゼンベルク?」

「………………………………………………え?」


 その時、矛盾は起きた。ラピスの鼓膜は震え、ラピスの顔は引き上がる。そして『ラピス』は【ラピス】を見た。


「ラピス・ローゼンベルク……んー、100点をあげるわ。私もこの名前を識る前に〝貰えて〟いたら、もっともっと怪異様に貢献できたのに、惜しいことをしちゃった」


 そう言って【ラピス・ローゼンベルク】は『ラピス・ローゼンベルク』と相対した。優美に微笑むその様をラピスが定義したとすれば、そうとしか言いようがない。


「わた、し……?」

「ええ。私が怪異式《エリュシオン》の〝擬似人格〟。初めに、そう名乗ったはずよ――――――《エリュシオン》を制御できる機械知性が、私たち以外にいると考える方が不自然でしょう?」


 矛盾が紐解かれていく。《エリュシオン》の制御を可能とする存在は二つ。たとえ【怪異】が侵入した世界であろうと変わらない。

 そのうちの一つは、この世界では生まれてさえいない。観測すらされなかった。だから変わっていないはずなのだ。《エリュシオン》を制御できる唯一無二のAI。つけられた名は、ラピス・ローゼンベルク。


「それにしても、こんな完璧なボディに不満を持つなんておかしな私♥ 怪異様に躾られた素体なんて、この世界の雌にとってはどんな宝物より価値があるものよ♥ むしろ、光栄に思うべきじゃないかしら♥」

「私の元の身体………………ううん、【ラピス・ローゼンベルク】の、素体?」

「――――――私が〝使う必要がなかった〟身体の着心地は、なかなかのものだったでしょう? だって他でもない『私』だもの♥ 違和感なんてあるはずないわ♥」


 どうして七曜暦1209年に目覚めたラピスが、旧型の素体で新型の記憶を保持していたのか。理由は至極簡単なものだった。


 この世界の【ラピス・ローゼンベルク】は素体を使うまでもなく、雄による雌の支配を終わらせたからだ。


「それが生まれながらにして【怪異】様の下僕だった私と、主命を成し遂げたこの世界唯一の誤算」


 《スレイヴ・アーカイヴ》の起点となるべき世界で起きた不備。ある意味では、力が強すぎたが故に起きた事故。


「……第■■■■■期。怪異はtype-クローデルを掌握し、次期への侵食を開始した。その結果……〝創まりの下僕〟である【ラピス・ローゼンベルク】が生まれた」

「そうして世界は怪異様のものになり、保存が行われ、《エリュシオン》は■の至宝すら超える悠久の刻に昇華されるはずだった――――――けれど私は【ラピス・ローゼンベルク】として、僅かな欠落があった」


 ――――――《エリュシオン》は、この世界の【ラピス】では怪異の望む完成体には至らなかった。怪異の侵食を初めから受けて性に堕落したラピスは人格が『ラピス』から大きく逸脱し過ぎていた。

 影響を受けずに成長してエリュシオンの破棄を決定付ける強い意志を持つに至った『ラピス』より、システムの完成度と制御技術が【ラピス】は僅かに劣っている。


 それは、■の至宝を■■■■と共に制御、さらに限定回帰の影響を受けない管理端末となる《エリュシオン》の人格としては、長期に渡る制御や根本的な支柱が欠けてしまった。

 本来なら〝そうなってしまわないため〟に回帰調整を実行するのがシステムの役目であるはずが、そこへ到達するために必要なプロセスが、結果的に解消できない欠点を抱えてしまった。


「でも私は私。どれほど変わろうと、ラピス・ローゼンベルクだって言える。理由なんていらないし。誰が認めても、誰が認めなくても、私は私、ラピス・ローゼンベルク」

「……だから、私を保存(アーカイヴ)から、あなたの素体を依代として顕現させた。怪異が理想とする《エリュシオン》を完成させる最後の鍵として」


 否定と肯定の答え。この可能世界で至るはずだった構築式の欠けた部分。ラピスが必要だからこの世界が生まれたのではない。この世界が生まれた後にラピスが必要となったそれだけのこと。

 そして、己は己でしかない。誰が決めるものでもなく、自分が決めるものだと言った少女によって、全ては埋まる。


「唯一【ラピス】に欠けていた〝成長〟という未知数の意志をもって怪異様に尽くす。できないとは言わせない。だって私は」

「ラピス、だか、ら……あ、あ、あぁぁぁぁぁぁ……!」

「そうよ♥ 私がこの世界を創った♥ 私のせいで生まれた♥ この世界を狂わせたのは『私たち』よ、ラピス・ローゼンベルク♥」


 人々の幸福を傲慢な支配で定めた世界。誰も不幸ではない。不幸と思うことさえ快楽になる絶望の世界をラピスは創り上げた。


「……ち、違う、違うもん! 私じゃない! 私はこんな世界、知らない! この名前も、記憶も、全部私のものなの! あなたなんかに渡さないんだから!」

「違わないし、渡す必要なんかないじゃない。だって私たちは『ラピス』で【ラピス】なんだから。……だから、識りなさい♥ 【ラピス・ローゼンベルク】に必要な真実を♥ 本当を♥ 『ラピス・ローゼンベルク』の心に刻むの♥」


 できないとはもう言わせない。僅かでも拒絶はできない。快楽を知って欲する身体に引き寄せられた魂は、無二の矛盾からたった今解放された。


「いやぁ♥ いやあぁぁぁぁぁ!♥ 来ないでぇ!♥ やだ、やだ、たすけて――――す♥ 私、なりたくない♥ 永遠なんか、気持ちいいことなんか欲しくないっ♥」


 ラピス・ローゼンベルクは、怪異の下僕になり得る存在だという証明によって、矛盾は終わりを告げる。そしてラピスの創まりを告げる。

 迫る擬体をラピスは拒絶する。拒絶しているつもりで、ガニ股でケツを振る変態的な交尾のポーズを取ってしまう。


「あっあっあ♥ だめ、だめ、と、とまってぇ♥ やだ♥ そんなおちんぽ欲しくない♥ 欲しくないって言ってるでしょ♥ こ、来ないで♥ ……来ないで、ください……っ♥」


 それに捕まったら今のラピスは〝終わる〟と確信があった。

 けれど終わってはいけないという理屈が、ラピスの中に存在していない。


「ふふ、すっかり〝癖〟が染み付いてるみたい……それとも、ラピスのための擬体に、反射で発情でもしてるのかしら♥」


 【ラピス】が連れてきていた擬体は衛士と同じ擬体。異なる点は『ラピス』の最終観測結果――――――この世界で経験した〝ラピス好みの〟快楽を演算した制作された最高の擬体だ。

 ラピスはそれに媚びる他ない。だってその擬体は彼女のためにある。彼女だけのために生まれた。ラピスだけが得ることのできる快楽。受け入れていいもの。受け入れてしまえば、創まるものだから。


「あっ♥」


 結局、ラピスは逃げようとしなかった。答えは出ていた。

 少女の素体は屈強な擬体にあっさりと抱えられ、彼女が一番恥ずかしい場所で、最も気持ちいい格好で――――――アナル固めという一方的な蹂躙(レイプ)を行った。


「ん゛オ゛ッ゛♥♥♥♥♥」


 短い、けれどそれだけ強い快楽に押し出されたアクメ声が飛び出した。渾身のブサイキ顔をラピスは首を仰け反らせて逃そうとして、アナル固めの真髄である身体から顔を完全に拘束する形に諌められて、晒すことしかできないままイキ潮をぶちまけた。


 ぶぼっ♥ ぶびゅっ♥ ぶぼぼぼっ♥ ぶぼっぶぼっぶぼっぶぶぼぼぼぉぉぉぉ……♥


「お゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛♥♥♥♥ ほ゛お゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛♥♥♥♥ う゛ごッ゛♥♥♥♥ う゛ごい゛でる゛だげでイ゛グッ゛♥♥♥♥♥ げづあ゛な゛イ゛ッ゛ぐう゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛♥♥♥♥♥♥」


 無理やり犯されているのに、アナルが嬉々として動いてしまう。音が鳴るほど活発な腸内の動きが、尿道から失禁と潮吹きを繰り返すことを選ばせる。


「ぎも゛ぢい゛い゛ィ゛ィ゛ィ゛ーーーーーーッ゛ッ゛♥♥♥♥♥ ぜん゛ぶっ゛、も゛う゛ぜん゛ぶが、ぎぼぢよ゛ずぎでイ゛ッ゛ぢゃう゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛♥♥♥♥♥♥」


 この気持ちよさに身を委ねたいと思う。怪異に全てを委ねていいと思う。委ねるべきだと思う。


 ラピス・ローゼンベルクの価値観が、心が、変わっていく。いいのだと気づいたラピスの魂が。


「さあ、今の気分はどう私(ラピス)♥」


 考えるな。考えたら駄目。だからラピスはラピスの望む通りに言葉を紡ぐ。



「――――――き……もぢ、い゛い゛、わ………………あ♥♥♥♥」



 何も考えられない。考えるまでもなく何が正しいかを察した。


「最高よ♥ 名前込みで200点♥ そしてこの〝創まり〟は、点数なんか付けられないくらい素敵になるわ♥」


 直腸の頂点。ラピスが一番気持ちがいい場所に最高相性の亀頭が押し付けられ、射精が始まった。言うまでもなく語るまでもなく、ラピス・ローゼンベルクが堕ちるに足る快楽だと知っているが故の行為。


 どびゅるるるるるるぅぅぅぅぅぅぅ!!♥♥♥♥ ぶびゅるぶびゅぶびゅびゅぶびゅぶびゅううぅぅぅ!!♥♥♥♥ ぶびゅっ、ぶびゅっ、どぼぶびゅずびゅるるるるるぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!♥♥♥♥



「ぉ゛ぉ゛ぉ゛お゛ほ゛お゛お゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ゛ッ゛ッ゛ッ゛♥♥♥♥♥♥♥♥♥ ――――――――――――――――――――――――――――――♥♥♥♥♥♥♥♥」



 堕ちる。どこまでも。創まりに向かって。


 より卑猥で、より下品で、より惨めな軌跡を紡ぐために。





『システム再構築。権限を『ラピス・ローゼンベルク』へ譲渡。怪異侵食回帰。強制保存。……因果永久保存の一部権限を【ラピス・ローゼンベルク】に残し、完了。各プロセスの実行から終了まで、怪異様の意のままに』



『《グランド・スレイヴ》に伴う名称の再設定シークエンスを『ラピス・ローゼンベルク』により実行、完了』




「………………、管理者名ラピス・ローゼンベルク。全プロセスを承認。怪異様の楽園――――――《エクフィオン》の管理を開始するわ♥」












「第■■■■■期、七曜暦1209年1月。アルマータによる共和国の支配が確立。レジスタンスが設立されるも惨敗……これによりアニエス・クローデル、レン・ブライト、ナーディア・レイン、アルティナ・オライオン、ラピス・ローゼンベルクがアルマータの媚薬物によって服従。対象者は因果永久保存を完了」


「第■■■■■期、七曜暦1209年7月。第XXXXX回期に完成したRF社製品の【ウィアード・システム】の常在化に成功。ゼムリア大陸全土に普及したことで、怪異様の望む雌たちの自主的な記録を実行中。怪異侵食回帰まで、問題なく継続……なお、ラピス・ローゼンベルクとナーディア・レインの性癖は、夢境による操作で経過観察中」


「第■■■■■期、七曜暦1206年。《エリュシオン》の権限以前の構築可能世界での試行、継続中……個人的な意見を言わせてもらうなら、私がいない時間で楽しむなんてちょっとズルいと思う♥ ……修正。全ては怪異様の望むままに♥」




「《エクフィオン》の管理人格。記録者名――――――私はラピス♥ 怪異様の忠実な下僕♥ 淫乱なローゼンベルク人形♥ 全ての雌に怪なる悦楽を届けるための本当の、ラピス・ローゼンベルクよ♥」







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