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騎空士ジータ最後の記録


 ジータはとある島の建物を訪れて――――否、潜入していた。

 彼女が秩序の騎空団に目をつけられてもおかしくない行動を取った裏には、多くの事情があった。

 一つは金策のためこの島にしばらく滞在していたこと。つまり行動の根幹ではあるが、根本的な理由ではない。

 肝心なことは次の出来事にあった。彼女が団長を務める騎空団の団員たちが、何人も行方不明になっていることだ。当然こちらが本命の理由である。

 行方が知れなくなった団員たちの共通点は、全員が女性であり並外れた実力を持っていること。逆にそれ以外は全く共通点が見当たらず、ましてや島のならず者や犯罪者に後れを取るとは思えず、事態の糾明は難航した。

 そんな中で発見されたのが、島の住民たちが知らないという謎の施設だった。島内の治安維持を行う者たちすら記憶にないという謎の建造物は、真相のヒントがあるはずと確信を持つに至る存在だった。

 初めは仲間たちと建造物内に侵入したジータだったが、中には空の世界ではあまり見られない機械的な装置が積み込まれており、彼女は内部の複雑な構造に巻き込まれる形で孤立してしまった。


「ルリアとビィにはカタリナさんたちがついてくれてる……待ってて、皆。絶対に助けてみせるから!」


 ジータは同行した仲間とは合流せずに、囚われの身になっているはずの団員たちの救出を優先し奥へと潜入していく。

 それは団長としての責任と、自身を顧みない生来の性格が起因となる行動だった。


【――――侵入者確認】


 時に勇敢であるとされるジータの行動は、時に無謀であるとも言える。


【データ照合。登録リスト内に該当あり――――〝ジータ〟。該当者による内部侵入時における緊急対応を行います。捕獲シークエンス起動。捕獲シークエンス起動。捕獲シークエンス起動】


 果たしてジータの潜入は前者であるか、後者であるか――――――残された遺産がもたらす無様な結末と共に、その答えは暴かれることになるだろう。





「全部機械なのかな。なんだか、別の世界に迷い込んじゃったみたい……」


 周囲を警戒し隠れながら進むジータだったが、一向に敵や魔物が現れないことを不自然に感じ、次第に建物自体を注視し始める。

 鉄の機械が全面に張り巡らされた世界、とでも言えば良いか。空の世界ではほとんど普及していないエレベーターなども常設されている。しかも全て稼働状態が維持されていた。おかげで複雑な構造でも移動には困らないが、これだけの建造物を維持するための電力はどこから賄われているのかと、ジータは素人なりに疑問を感じていた。

 要塞を見紛う広大な土地と突出した技術力。それでありながら人の子人の子一人、潜入時にルリアから聞いた言葉が真実ならば星晶獣の気配すらない。ジータは様々なイメージとまるで合致しない光景を不気味に思いながらさらに奥へ進んで行った。


 そこでジータは新しい部屋を見つけ、警戒しながら中へ侵入する。


(暗い……他の場所と明らかに違う。何か見つかるかもしれない!)


 部屋の中は明かりが極端に薄く、電力を惜しむ素振りを見せずに稼働する建造物内で明確な違いを見つけたジータは部屋の中を慎重に歩く。

 そして、部屋の中心に程近い場所で人の気配を感じたジータは、即座に抜刀し声を荒らげた。


「誰ッ! ……………………え?」


 だが、凛々しい呼び掛けに応える者はそこにはいなかった。ジータは毒気を抜かれたように間の抜けた声を零す。あるいは茫然と考えがまとまらず、呆気に取られてしまったと言うべきか。

 彼女が剣を向けた先にあったのは、人の持つ肌色とは程遠い色を帯びていた。空の世界に住む多くの者たち、果ては天司の色さえ知っているジータでも、その色で人の形をしているのは初めて見た。

 灰色。さらに分かりやすく言うのなら石の色。そこにあったのは人の形をした〝石像〟であった。しかし何よりジータの目を引いたのは、石像の顔だ。


「カリオストロと、エウロペ……!?」


 そう。石像はジータの仲間である者たちとそっくりな顔をしていたのだ。

 そのことに驚いたジータ。もしや彼女たちが石にされてしまったのではないかと慌てたが、改めて石像の全体図を目にして、取り戻した落ち着きの元で自身の考えを否定した。


「ううん、違う……二人はこんなおかしい身体じゃなかった」


 二人の顔とそっくりの石像だが、裸婦像であるその身体は二人と似ても似つかないものだ。

 カリオストロは錬金術師の開祖であり、魂を精巧な人工の肉体に移し替えることができる特別な力を持っている。常に〝カワイイ〟を追求し続けていたカリオストロの身体は、断じて下品なまでに大きな乳房はついていなかったし、腋の下と腹の下に不潔な剛毛を生やす下劣な趣味は持っていなかった。

 エウロペも同じだ。彼女は一国の姫君を彷彿とさせる端正な顔立ちもさることながら、均整の取れた極上の肢体が目を引く美女だった。それがカリオストロの石像と同じく、下品なだけのデカチチと見るに堪えないムダ毛が腋と股間に生い茂った裸体などであるはずがない。

 何より石像のポーズが、あの二人なら絶対にしないものであるということが分かる。爪先立ちのガニ股で、両手を寄り目で鼻の下を伸ばした変顔にピースサインで添えた格好など、本物のカリオストロとエウロペなら何が起きてもしないはずだ。


(どうしてこんな像を二人と間違えちゃったんだろ。裸で変なポーズして……変態、みたいな)


 顔立ち自体はそっくりだからだろうか。しかし、全裸ガニ股変顔ダブルピースを見せつけた変態的な石像を大切な仲間と見間違えるなど、あってはならないことだ。いくら繊毛の一本ですら手を抜かず再現した見事なクオリティであるとはいえ、それが変態的なスタイルや剛毛に使用されているなど、考えるだけで下品であろう。

 明らかに仲間ではないのに、どうしても仲間だと認識してしまいそうになるあまりに下品な裸婦像にジータは赤面を隠しきれない。


 一体どちらの感覚が正しいのか――――――どちらも正しかったということをジータはもうすぐ知ることになる。


 プシュウゥゥゥゥゥゥゥッ♥


「なッ!?」


 変態裸婦像に気を取られていたジータは、いつの間にか部屋の扉が閉じられていることに気づかなかった。

 扉がロックされた部屋に充満するガスに咄嗟に息を止めたジータだったが、それは対抗策であっても打開策にはならない。


(扉を開けなきゃ! っ、閉じられてる、なら剣で斬って無理やり!)


 何とか脱出しよう足掻く。が、咄嗟に息を止めたまま剣を全力で振るうなど類まれな実力者でも難しい。ジータが振った剣は鉄の扉に傷一つ付けることができなかった。

 やがて目の前が見えなくなるほど充満したガスが全身の肌じわりじわりと染み込んでしまい、息を止める意味さえなくなる。


(だ、め……意識が、たもてな)


 ジータの思考はそこで断絶した。剣を手放して倒れた少女を裸婦像だけが見守っている。そう、彼女は思ったことだろう。


【対象が睡眠状態へ移行。捕獲シークエンス終了。詳細データ登録後、指定された改造無力化プロトコルを実行します】


 ――――最後までジータが知る由もなかった存在が、絶望のカウントダウンを始めた。




「う、うぅ……」


 強制された睡魔の不快感と、鼓膜を震わすゴウンゴウンという大きな駆動音でジータは意識を取り戻した。


(? 身体が、動かせない……)


 まずは意識をハッキリとさせようと頭を振ろうとした彼女は、自身の首が左右に動いてくれないことに気がついて眉を顰めた。

 その違和感が上下に及び、さらには手首や足首、太ももなどといった場所にまで至っていることを察したジータはハッと瞼を開けた。


「何がどうなって……っ!?」


 目を見開いたジータは、自身がどんな状況であるかを知る。

 首や手足の関節、胴体や太ももを挟み込む銀色のフレームでガニ股開脚姿勢を強制された恥ずかしい格好だ。両手が顔の傍で固定されており、傍から見た時にあの裸婦像そっくりだ、と思うことだろう。

 だが混乱するジータは自身のポージングを客観的に見ることができず、拘束具を取り付けられた危機的な状況ということだけを把握した。


「くっ、誰がこんなこと……」


 意識を失った自分に何者かがこの開脚フレームバインダーを取り付け、宙吊りにしたことまでは分かる。

 ジータの身体はこれから加工される玩具のように空中で揺れている。フレームバインダーの上部が伸びてベルトコンベアと繋げられている。ジータが目を覚ました時に聞いた駆動音は、彼女を輸送するベルトコンベアの音だったのだ。

 迂闊な行動で捕まったジータは歯噛みをしながら脱出の手段を探っていくが、フレームバインダーは手や足の指を動かす程度のことしか許さない。ジータの身体を挟み込むバインダーの繋ぎ目は、とても少女の膂力で外せる強度ではなかった。

 このまま吊られ続け助けを求めるしかないのか、と不安が頭を過ぎる。


【対象者が所定位置へ輸送されました。これより改造無力化プロトコルを開始します】

「え、だ、誰!?」


 不意に鼓膜を震わせた声にジータは言葉を返した。肉声ではなく、通信機を通したような声だった。


「誰なの、返事をして!」

【対象者名・ジータ】

「私の名前を知ってる……やっぱりあなたが皆を攫った犯人! 答えて、なんでこんなことを」


 だからなのか、ジータは相手が〝いる〟という前提で言葉を発する。非常に勇猛果敢な態度だと言える。人が相手なら少しは効果があったかもしれない。しかし、そこに〝ない〟者たちを想定した言葉はどこにも届かない。


【プログラムインストール完了。設計データを参照とし、対象に無力化改造を施します。異なる処理、または停止が必要な場合は上級権限による接続の元、再設定を完了してください。カウントダウンを開始します】

「な、なに? 何なの!?」


 ジータの眼前に小さなモニタが吊り下げられ、そこに映る自分の顔や名前に困惑を隠しきれない。彼女は未だそれが機械の定められたシークエンスであると――――――ここには人の子一人おらず、開発された悪辣な機械だけが稼働し続けていると気づいていない。

 当惑の感情が隠しきれない中、画面内のカウントダウンがゼロになる。


【シークエンスロック。これ以降は、如何なる権限であろうと機能を停止することはできません。改造処理前の記録データを保存します】


 ジータの怯えと困惑を孕んだ顔が画像として切り取られる。モニタは一度回収されて、ベルトコンベアがゴウンゴウンと音を立て本格的な進行を始める。


「なんだか分からないけど、このままじゃ危ないかも……早く、抜け出さないと!」


 外部から機能の停止が叶わないと公言された以上、ジータは力づくで拘束を解いて地上に降りるしかない。もっとも、この装置の知識がないジータは元からその選択肢しかないのだが。


「ふんぐぅぅぅぅぅ! うっ、うぅぅぅぅぅぅ! び、ビクともしない……」


 全力を込めてもピクリとさえしない鋼鉄のフレームバインダーに、ジータは悪戦苦闘し身動ぎもできないままどこかへ運ばれていく。

 少女は先に何があるのかを確かめることを止めていた。何故なら前方には何も見えなかったからだ。ジータが理解できない機械があるわけでもない。まして、意味の分からない機械の中に輸送されることもない。

 だからジータは拘束具を全力で取り外すことに注力した。目の前のことに集中した彼女は、眼前の光景に集中できない。


 まさか目の前に半透明の〝膜〟が迫り、今まさに張り付く瀬戸際であるなどとは夢にも思わなかった。


「ふんっぐぐぐ……ブッッッ!!?♥♥」


 フレームバインダーの進行方向に張られた膜に着の身着のまま突っ込んだジータは、全力でいきんだ状態で意識外から予想だにしない衝撃を受け、素っ頓狂な悲鳴を上げた。

 その薄膜、ラバーと呼ばれる極薄ながら伸縮性に長けた生地はジータの全身を包むように張り詰めていく。


 ギチギチギチギチギチッ、ミチミチミチチィィ♥


「あぶっ、んぎゅ、うぎゅうぅぅぅぅぅぅぅぅ♥♥」

(な、なに、なにこれっ。くっついて、息が、上手く、っっ〜〜〜〜〜〜〜〜〜♥)


 ちょうど力を込めていたのも災いしたのだろう。薄膜ラバーでラッピングされたようになったジータの顔面は、美少女にあるまじきものへ容赦なく変えられてしまう。

 スッキリとした細い鼻梁が押し潰されて豚のように大きく広がり、瑞々しい唇は捲れて分厚い鱈子のように醜く、圧迫された頬が目元まで迫り、目を開くのがやっとな見窄らしい細目になった。

 あの裸婦像を笑えない豚鼻細目の鱈子唇というブサイク顔を晒したジータだが、その屈辱を覚える暇もありはしない。


(ふ、服が、溶けてる!?♥ いやぁぁぁぁぁぁ!♥)


 透明な薄膜ラバーと接触した服が溶け出していた。薄膜ラバーは手甲や剣の鞘など頑丈な材質をものともせず塵も残さず溶かし尽くし、ジータを一糸まとわぬ裸体へと変えていった。

 若々しさの証を立てるように白く、鍛えられた肌。育ち盛りで急速に成長を遂げる巨乳。薄らと陰毛が生えた陰裂。少女が秘めたるモノが露になる。


(やめてぇぇぇぇ♥ だ、だれかっ、だれかたすけて……だめ……意識が、また……♥)


 強烈な張り付きはバキュームとなり空気を吸引し排除し、真空を作る。無論、空気のない中で何の準備もなく人間が活動することは不可能だ。

 酸欠になりかけたジータはブサイク顔を晒しながら意識を朦朧とさせる。だが不思議とガスの意識喪失より不快感がない。得も言えぬ圧迫感に心地良さすら覚えるのは、命の危機に瀕した防衛本能からか。


 幸いにも、ジータが意識を喪失する直前に衣服が跡形もなく溶かされたことで、薄膜ラバーは解除された。


「ぶはぁぁぁぁぁぁっ♥ ふぅ、はぁ、はぁー……っ♥」


 解放感で少々品性に欠けた呼吸を行ったジータ。何とか意識を保つことができたが、衣服や武器を全て喪失してしまい渋面を浮かべる。

 

(ふ、服と武器だけ溶かすなんて、どんな力を使ってるの? これじゃあ、本当にどうすることもできない……!)


 最悪な状況がさらに最悪でしかも恥ずかしいことになり、ジータは焦るが、ベルトコンベアはラバーの張り付きで髪が乱れて鼻水が垂れたみっともない顔面を整えることなどしてくれず、彼女を奥へと進ませた。


 程なくして全面がピンク色のラバー膜がジータの眼前に迫ってきた。


「ひぃ!? や、やだっ、やめて! それ、息できな」


 ギチギチギチギチギチッ♥


「む゛ぎゅぅう゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛っ゛♥♥♥♥」


 宙に浮いた身でジータにできることなどないと言わんばかりにピンクラバーは先と同じように彼女を包み込んだ。

 そのままピッチリと張り付いたラバーは少女のシルエットのみを鮮明に映し出す。矛盾した表現だが、のっぺらぼうのようになったジータの身体のラインがくっきりと浮かび、全裸よりそのスタイルが露になっていると言えば、鮮明なシルエットの意味が伝わるだろう。

 透明なラバーと違いブサイク顔を晒すことはない。が、人の目がない以上、ジータの苦痛は変わらない。むしろ悪化してさえいた。


(ん゛おおぉぉぉぉぉぉぉっ!?♥ あついっ、からだっ、あちゅいぃいいぃいぃいいいぃいぃいぃいぃぃ〜〜〜〜〜〜〜♥♥♥♥)


 ピンクラバーが触れた裸体が燃えるように熱い。とどのつまりほぼ全身が、正気を保つことのできない熱に苛まれていた。

 単に熱いだけではない――――――少女の身に余る途方のない快楽の奔流が熱となり、ジータの脳髄を焼いた。


(ん゛い゛ぐう゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜♥♥♥♥♥)


 絶頂してもビクビクと痙攣することすらままならない。身を焼くような快楽アクメにジータは言葉にならない雄叫びを上げた。



 数十分後、最初の薄膜ラバーと同じようにジータは圧迫感から解放された。


「あ゛へぇ……♥♥♥」


 だが違いは一目瞭然だった。鼻の下を伸ばして寄り目になり、汗と涙と鼻水と涎でぐちゃぐちゃになったみっともない顔面。

 さらに減り張りのあった裸体は〝張り〟の一点張りに変貌していた。というのも乳房が片方だけでも頭部より大きくなり、乳輪は手のひらを広げても測りきれず、乳首は親指より太いという下品の権化。腋の下と腹の下にはもっさりと汚らしいムダ毛に覆われて、美少女にあるまじき卑猥すぎるムチムチ剛毛の裸体へとなっていたのだ。

 たかが数十分でジータは鍛えた女体を失い、どこか見覚えのある淫猥な身体を手に入れた。人生初の巨大なアクメに放心した少女が、その事実を直視するのは少し先のこと。

 そう、ほんの少し先延ばしにしただけだった。


「…………はえ?♥」


 フレームバインダーでの輸送が継続されていることに気づいたジータは不意に目の焦点を合わせた。


 そこには灰色の液体が滝の如く流れていた。このまま進めば、ジータはそれを頭から被るということが確たる未来であると理解できる光景だった。


「………………………………………………………………………………あ」


 〝石〟の色と同じ液体と、淫らで下品になった身体。一見して何の関係も見出すことのできない二つが、ジータの中で一つになった。

 機械は無慈悲に進み続ける。ゴウンゴウンと音を立て――――――ジータを物言わぬ下品な変態像に変えるために。


「……ひっ、ひぃ♥ や、やだやだ!♥ やだッ、やめてやめてやめてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!♥」


 自分が〝アレ〟と同じになる。あの石像を仲間と認識した感覚が間違っていなかったことを最悪のタイミングで理解したジータは、血の気が引いて震え上がり、ガチガチとみっともなく歯を鳴らして悲鳴を上げた。

 機械は、尚も無慈悲にジータを石化の滝へと押し進める。


「たすけっ、たすけてぇ!♥ だれか!♥ ビィ、ルリア!♥ やだっ、石になんてなりたくないっ!!♥ だずげでえ゛え゛え゛え゛え゛!!♥」


 涙と鼻水と涎をみっともなく噴き出し、情けなく命乞いを行う。

 けれど機械は無慈悲である。いたいけな少女の絶望的な終わりに結果だけを示す。絶望を前後させることもなければ、絶望を上下させることもまたありえない。

 ある意味では誠実と言っていいほど機械は絶望をただ示した。


 滝が目の前に迫っても止まることはない。ジータは生まれたままの姿で石色の中へ身を踊らせた。


「も゛ごお゛お゛お゛ぉ゛お゛ぉ゛ぉ゛お゛お゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛っ゛ッ゛!?!?♥♥♥♥」


 とてつもない勢いで流れる液体の中へ放り込まれ、奇っ怪な悲鳴を響かせながらジータの姿は消えていく。


「も゛がっ、ぶべべっ♥♥ お゛ぶお゛ぉ゛お゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛――――――――――」


 その獣の雄叫びにも勝るだろう言葉にならない声は、滝の奥に進む度に薄れ、いつからか液体が流れる音に紛れて聞こえなくなった。


 ジータが再び姿を見せたのは液体の切れ目、無事に滝をくぐり抜けた矢先のことだった。


「――――――――…………♥♥♥♥」


 寄り目で舌を出した無様なアヘ顔でピースサインをキメたその姿を、足の裏から髪の先まで石の色に染まったその変化を、雄をこれ以上なく品性下劣に誘う剛毛マンコとデカチチを晒したガニ股ポージングを――――――言葉を発することもできない無機物となった少女を指して無事に、と言えるのならば、だが。


【無力化改造が完了しました。指定位置へ輸送します】


 物言わぬアヘ顔の石像となったジータに言葉がかけられる。

 少女は意識がないわけではない。だが出力することも叶わない。骨の髄まで固められた少女は開けた大口を動かすことができないからだ。


「……………………♥♥♥♥」


 石像は喋らない。そんな当たり前のことを実感させられながら、ジータはどこかへ運ばれて行くのだった。




「「「――――――――…………♥♥♥♥♥」」」


 物言わぬ、けれどイキ続ける下品な変態裸婦像が並ぶ。それが一体分増えた。ガニ股デカチチムダ毛女の像を次に見つけ出す者は誰であろうか。


(たす……け……やだ……イキっぱなしで、しんじゃう……ころして……しにたく、な……い……だれでも、いいから……たす、け……♥♥♥♥♥)


 その誰かは少女たちの絶望を知ることができるのだろうか――――――――







【記録データを更新します。不備を発見した場合は、上級権限による修正を推奨します】


【カリオストロ。処置:ガニ股アヘ顔固め】

【エウロペ。処置:ガニ股アヘ顔固め】





【ジータ。処置:アヘ顔ガニ股固め】





【現段階の記録データ、更新完了しました。証明写真、保存。続けて登録者の検索を開始します――――――該当。ルリア。処置候補はバキュームベッド無力化拘束】



【――――――処理を開始します】





Comments

こちらこそリクエストありがとうございました!無事に届けられて私としてもホッとしています。 ベルトコンベアは吊り上げも良し、下からも良しと加工感が大変楽しい。みんな揃ってガニ股アヘ顔石像をお気に召していただけて何よりです!

いかじゅん

リクエスト書いていただきありがとうございました! ベルトコンベアで運ばれながら処置を受けていくの良いですよねぇ、身体を全員同じ様に処置して無個性化してるのに顔は見える状態にする事で最後の記録、結末はとても無様だったと強調されててよかったです。

miya


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