執務官フェイトへの徹底羞恥身体検査Ⅰ
Added 2024-03-12 11:32:18 +0000 UTCいつもご支援ありがとうございます。サレンに続いて、趣味で続けられたらいいなーのシリーズ物です。上位プラン支援のちょっとしたメリットとも言う。そのうちオリジナル単発も入れていきたい。
そして本作はリリなののフェイトさんです。令和が五年をすぎても大変エッチだなと……ちなみにvivid時代が最近は好みです。まあリクエストが多かったり、アンケートで強かったりしたのでこういう場を設けてもバチは当たらんか、的な感じです。ただ初回は大変ニッチもニッチなやつになっちゃった。1回くらい派手にイカせるべきだったか……。
ちなみに今後の展開のアンケートもあります。閲覧人数的にも割と差が明確になりそうだなーと思いながら設置してみるの巻き。
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時空管理局の執務官として、凶悪な犯罪者の行方を追って捕縛する任務はフェイトにとって逃れられない危険な責務であると同時に、己の為すべき絶対的な使命とするものである。かのJS事件を越え、ヴィヴィオを引き取り一児の母となった今でもそれは変わらない。
幼き頃から魔導師として生き、今や過去の罪を気にするものなどいないほど立派な執務官となったフェイト。だが20を越え、より美しく気品のある大人の美女へと育って彼女に〝女〟という存在を試される試練が訪れようとしていた。
「……どうしても、通していただけませんか?」
時に、場所はとある国の検問場へと移る。時空管理局の管轄外、つまりは独自の文化と規律を重んじる国家に管理局側は強行捜査権を持ち得ない。管理局とは言うものの、実態としては放置すれば厄介なロストロギアや時空犯罪者を取り締まる大型の組織が彼女たちしかいない、というだけのこと。
仮に管理局がなければより大量で厄介なロストロギアと時空犯罪者を生む。しかし管理局があろうと、できないことは多い。たとえばこうした管理外の国家であれば、執務官の強行捜査権はほぼ無力に落ちる。強いて言えば、その国が管理局に友好的であれば話も違ってくるのだが、フェイトを取り調べ室めいた無骨な個室に連れ込み、座った彼女を取り囲む男たちから友好的な態度は見て取れない。
「ああ。あんたの身分は確かなもんさ……けれどな、この国の規則に例外はない。あんたに出来るのは、ウチの〝身体検査〟を素直に受けるか、それとも受けずに帰るか、だ」
「…………」
どれだけ渋面を作り、男たちを厳しく睨みつけたところで意味はない。彼らは慣れているだろうし、今不条理なことを言っているのはフェイトの方だ。
国を守るための徹底的な防御機構。その理念を体現する〝身体検査〟は正しいものだ。無論、フェイトが女で彼らが男であるという配慮の無さと、内容が彼女の予測を超えていた場合のことを考慮しなければ、だが。
総じて論理的な問題がなかれど、フェイトの心境、個人の感情的な面で大きく不利を強いられているのは間違いなかった。本来なら付き合う必要のないことなのだが、フェイトはどうしてもこの国に入国したい理由がある。
「お願いします。先ほどもお伝えした凶悪犯罪者が、この国に滞在しているのは確かな情報なんです。彼を捕らえたら、私はこの国から立ち去ります」
フェイトは、ある凶悪犯を追ってこの検問場を通り抜けようとした。その男は、管理局の管轄にない国々を点々と飛び回る厄介極まりない時空犯罪者だ。
これまでは友好的な国に迎えられていたフェイトだが、ようやく追いついた事ここに至って国自体が厄介な場所へと潜り込まれてしまった。
「おいおい、そりゃ虫が良すぎるってもんだろ。俺たちだって、この国を守るためにやってるんだ。身体検査を受けて、通行証を発行する。このプロセスさえ守れないような人間、しかもオーバーS級の恐ろしい魔導師様を、どうして国に通せるってんだ。道理に反してるとは思わねぇか?」
「それはっ」
自分たちに正義があるからと詭弁を振り回し、どうあってもフェイトに身体検査を受けさせようとしている。彼女の目からは、そうとしか感じれなかった。
立ち上がって机を叩いてみたところで、落ち着いてくださいよ、とあくまでも上の立場で諭されるだけだった。
(この国の身体検査、噂には聞いていたけど……予想していたより態度が強固だ)
身内から噂程度には聞いていた。この国はどんな人間であれ、例外なく身体検査を受けることになる。それも簡単なものではなく、身体の隅々まで事細かに記録されるまで決して解放されないという噂だけでも辟易してしまうものだった。
その噂は、実際に受ける立場になると本物だと理解させられた。フェイトを取り囲む彼らは、是が非でも彼女にこの国の身体検査を味わわせたいという態度を頑なに崩さない。どれだけフェイトが平和の倫理と説いたとて、彼らは自分たちの利権を絶対平和だと断固主張する。
それが管理局、引いては他国から見れば異常であろうと、国の理念であれば検問場ないにおいて正当なものとなる。ギリッと唇を噛んだフェイトに、対面に座る男はニヤリと笑って言葉を重ねた。
「ただ俺たちも、余所者の犯罪者を庇い立てする理由はねぇんだ……あんたが探してるのは、こいつだろ?」
「な……!?」
男は顔写真を差し出してくる。そこには、フェイトが探している時空犯罪者の顔が鮮明に映り込んでいた。やはりこの国にという情報の結合と、彼らが急に協力的になったことへの驚愕で目を見開くフェイトに男はさらに言葉を続ける。
「当たりのようだな。当たり前だが、こいつもウチの身体検査を受けたクチだ。あんたなら垂涎ものの情報をこっちは握ってる……もし大人しく身体検査を受けて、発行した通行証を受け取る時には、こいつの情報を一緒に渡してやろう。時空管理局の執務官様への、ささやかな捜査協力だ」
やられた、とフェイトは歯噛みをする。それは捜査協力という名の譲歩だ。それも歩み寄りとはいうが、一方的に有利な条件の隠れ蓑にしたに過ぎない。
そして、フェイトはそれが隠れ蓑だと分かっていながら拒否できない。国にいると分かり、表向きには捜査協力であると明言された以上、強権を振るおうものならフェイトが国の犯罪者へと仕立て上げられ、管理局側に不利益が生じるのは目に見えたシナリオだからだ。
フェイトは身体検査を受けるしかない。彼女一人が耐えれば、全てが丸く収まるという選択肢を取らざるを得なくなる。
「……わかりました」
「有難い。なら、こいつにサインしてもらおうか」
僅かな逡巡を挟んで頷いたフェイトに対し、男は待っていたとばかりに検査用の契約書を差し出してきた。
内容に軽く目を通したフェイトだが、早速目眩を感じてしまう。次に来るのは羞恥だった。誰もが嫌がり、管理局にまで噂が来るのも納得な内容だ。口にするのも憚られる検査内容に加えて。
「こいつにサインした時点で、全ての検査に事前同意したと見なされる。有り体に言えば、あんたの人権をこっちで預かることになるんだ。あんたがどんなに屈辱だと思おうが、指示に従わなければ違反行為で処罰の対象。あっという間に自分が犯罪者の仲間入り……ってことをしっかり呑み込んでからサインするのをオススメするぜ」
長年此処に務める人間からの助言だ、と恩着せがましく言う男をフェイトは睨みつけながらペンを手に取った。
理不尽だろうが不条理だろうが、これにサインしなければ犯罪者はまたどこかへ逃げるか、延々とこの国で悪事に手を染め続ける。やがてそれは、平和に生きる者たちへ害を与えるだろう。たとえば彼女の娘、そしてフェイトと同じことをするであろう無二の親友。
「フェイト・テスタロッサ・ハラオウン。身体検査への了承を確認した。ようこそ、と最後には快く俺たちに言わせてもらえるだけの態度を期待しているぜ」
これでいい。自分が身体検査から逃れられないだけで、犯罪者を捕まえることができるのなら。
フェイトの高尚で気高い覚悟は――――――しかしそれは、彼らの行う身体検査において何の意味もないゴミであることをすぐに思い知らされることになるのであった。
絶美の執務官と獣の性欲に身体検査という合理と正当性を張り付けた男たちとの、長い一夜が幕を開けた。
◆
契約書にサイン後、フェイトは検査室へと案内された。それなりの広さに、あからさまに過剰な男手。顔を顰めるフェイトだが、彼女に不満を持つ権利はもうない。
まずは魔導師に必須のデバイス、及び所持品が回収された。中には現地で調達しきれないことを考えて持ち込んでいた替えの下着も入っており、それらはこれみよがしに組み合わせて地面に並べられた。自分の下着を上下を揃え、展示されるように置かれて意図を理解しろというのが難しい。頬に赤みを浮かべたフェイトが口を開いた。
「あの」
「静かに。検査中は、こちらの指示以外で声を上げないように」
フェイトの言葉が形になる前にそう一蹴した男の表情は、厳格な言葉遣いに反してニヤニヤとして下卑た感情を隠せてなどいなかった。
(最低……!!)
彼らに少しでも正当性があり、仕事だからやっているのだと態度を示されれば救われただろうに。だが状況と環境は、フェイトを極限の羞恥へと追いやっていく。
羞恥を紛らわすように視線を彷徨わせると、検査用の器具を置いたテーブルや、マグショットと呼ばれる犯罪者の証明写真用の背景が飛び込んできて、余計に感情を掻き回される。
さらにはカゴが足元にスっと差し出されてくれば、衣服以外を引き剥がされたフェイトの択は一つしかない。
「脱げ」
簡潔な、けれどフェイトのような女では決して逃れられない圧倒的な羞恥の責め苦が始まった。
ここで躊躇っていても仕方がない。相手の思う壷でしかないと考えたフェイトは靴と上着を脱いで、さらにシャツを取り払ってそれをカゴに入れた。
「黒」
またも簡潔で、けれど目を瞑っても襲ってくる羞恥がフェイトを苛む。自分の下着の色が何なのかは自分だけが知っていることなのに、今は公然の秘密となり彼女の心を責め立てた。
一気に脱いで誤魔化してしまおう、なんて意気込みは削ぎ落とされ、フェイトは逃げるようにスカートとタイツをゆっくりと脱いだ。その分だけ男たちの視線を浴び続けるとわかっていても、恥部を完全に晒してしまうよりはマシだと考えてしまう。
遂に下着だけになったフェイトは、視線がより鋭く品のないものに変化しつつあることに気づき、らしくもなく背を曲げて手で身体を隠そうとした。
「隠すなよ。やましいことがあると思われるぞ」
「う……」
釘を刺されて羞恥は加速した。もう何をしようと、何を言われようとフェイトの羞恥心が和らぐことはない。
改めて背筋を真っ直ぐに伸ばしたフェイトのスタイルは、万人が認めるほど整ったものだった。精巧な人形の如きスタイルの良さは男であれば放ってはおけない。曲線美と呼べる体つき、豊満な乳房、砂時計のようなくびれ、たわわだが引き締まったヒップライン、スラリとした両脚。
とてつもない美女の下着姿に検査室の誰もが熱の篭った視線を向ける。それはやがて期待へと化けた。
フェイトは震える手を背中に回し、プツッと小さな音を立ててそれを外した。乳房が縛めを解かれたように一段と大きくなった印象が飛び込む。そして肩紐が腕を通り抜ければ、待望のモノが解き放たれた。
(見ら、れて、るっ!)
視線の変化があまりに露骨だった。フェイトの全身を嬲るように移動していた無数の視線が、その瞬間から一点、いや二点に集束した。感じ取れるだけの視線量が注がれれば、自身が視姦されているという性的な自覚となる。
恥じらって身動ぎをしようものなら、彼女の双丘は蒟蒻のようにプルルンっと揺れる。もちろんフェイトほどの美女が揺らすそれは、どんな極上の美食にも勝る甘美な光景であろうが。
文句のつけどころが見当たらない美しく大きすぎる半球体。その乳房に男が邪な目を向けないことなどありえない。視線が魔力光よりも眩しく感じるほど突き刺さる。
皮膚が視線であぶられている。どれだけ脂肪の塊だと思い込もうと、彼らにとっては女の性が形となったその象徴なのだと無理やりでも感じさせられた。
乳房を晒して、残るはショーツしかない。もはや頼りなく、されどあるとないとでは雲泥の差がある一枚の布に全てがかかっている。何とか手をかけ、下ろそうとしたフェイトだったが。
「あっ」
あることを思い出し、脱ぐ前から肌の赤みが急速に膨れ上がった。頬など腫れ上がったかのように朱色がこんがりと浮かんでおり、それを男たちが見逃すはずもなかった。
「どうした? 何か隠していたのを思い出したか?」
「いっ、いいえ。そんなこと、は……」
この際、脱ぐことはのっぴきならない事情から受け入れるにしろ、フェイトはなぜ今思い出してしまったのかと後悔していた。
これなら一度拒否すべきだった。だが、準備の時間を彼らが与えてくれたとは思えない。一度拒否すれば二度目はないと言いかねない横暴な態度だったことを思い出せば、無意味なIFは彼女の頭から消える。
拒否すれば全てが水泡に帰すか、無理やり脱がされるか、最悪の場合は違反と見なされるか。どれをとってもフェイトにとっては分が悪く、ここで脱ぐ以外は最良の結果にはなり得ない。
フェイトは美脚にショーツの穴を下ろしていく。脱ぐという理由がある時だけは、前屈の姿勢で胸によるガードが許される。後ろから突き刺さる視線は、もう考えないことにした。だが結局、ショーツが床に落ちて足から完全に脱いでしまえば、視線は絶対に誤魔化せなくなる。
両手で隠すことも、内股で視線を防ぐことも叶わない。フェイト・テスタロッサ・ハラオウンという美女の最も保たれるべき尊厳の一つが、白日の元に晒される。
「ぷっ」
僅かに漏れ出たのは失笑だった。あれだけフェイトの美に熱を帯びていた男たちが、嘲笑めいた吐息を零した理由は、秘所を晒したフェイトが一番よくわかっていた。
「おやおや……執務官様は、マン毛も剃れないほど忙しくしていらっしゃるようですねぇ」
「っ〜〜〜〜!」
時空犯罪者を追う上で、相手がフェイトを待ってくれる時間は少ない。向こうが死ぬ気で逃げるのなら、彼女は焦らず確実に歩みを進める。しかしその中で相対するために削らなければならない時間は必ずある。
フェイトの場合は、よりにもよって陰毛にそれが現れていた。ショーツに守られていた下は、その代替とばかりにもっさりとした毛が生い茂っていた。繊毛が集まり鮮やかな金色を咲かせるそれは、余人が整えたものより多いのは反応を見れば明らかだった。
美しいデルタゾーンにジャングルの如き毛が生い茂れば、少なからず不摂生な印象を抱かせる。男を知らないフェイトは、誰に見せるわけでもないのならとしばらく時間を取らずにいた。そのツケが、努力が実る直前でこのような形で現れるなど誰が予測できるというのだろうか。
「では、そんなお忙しい執務官様のためにも、こちらも仕事は早く取り掛かりましょう」
そうは言うが、フェイトとは違って彼らが早めに取り掛かる仕事にはデメリットなどない。いや、国の基準だからと嬉々として女にとっての難題を押し付ける彼らからすれば、メリットしかないようなものだ。
器具を手に取った男の一人がフェイトへと近づいてくる。視界の端に映る、彼女が脱いだ下着を手にしてジロジロと間近で眺める男たちのことは、気にするだけ神経をすり減らす思い、視界から必死に追い出した。
「両手を頭の後ろへ。脚を開け」
高圧的な命令に反発したくなる気持ちを抑え、両手を頭の裏で組んで脚を少し開く。
「もっと膝を曲げろ」
「くっ……わかりました」
そんなことをしたら、と反発する方が恥ずかしさも、彼らの横暴な態度にも拍車がかかる。フェイトは不自然にならないくらい膝を曲げる。
如何に彼女のスタイルが優れていようが、ガニ股で腋を見せつける姿は滑稽さが付き纏う。羞恥に呻きかける喉を押さえつけるフェイトに、男は検査の手を伸ばした。
彼の手はまず腋の下に触れると、上下に手をスライドさせてボディチェックを行う。裸体を晒した以上、無意味としか思えないが、反論したところで魔導師の術があるかもしれないなど屁理屈を返されるのが関の山だ。
「……んっ、ふ……ん……」
くすぐったさに身を捩り、吐息を零すことは避けようがない。口を閉ざしても鼻息が零れ、腰が艶やかに踊る。
男の手はさらに、腋のより下部に差し掛かると執拗なくらい上下のスライド移動を敢行した。そこにあるのは言うまでもなく、彼女の豊満な乳房である。
(こいつ……!!)
わざと直接は触れず、横乳の近辺に手を何度も往復させる。フェイトの乳房は大きく、揺らすだけならその動きで充分すぎるほどだ。
理由がわかってもフェイトは怒りの感情を振るうわけにもいかず、どうしようもない憤りにマヌケな格好で苛まれることしかできなかった。
爆乳をブルンブルンと楽しげに揺らした手は、やがてくびれを越えて尻肉を弄び、太ももをムニムニと揉みしだき、足の裏さえ撫で回した。そのやり口は精神的な拷問のようだった。
「問題なし。次は身体の綿密なデータ記録を開始する。なお、抵抗した場合は拘束も止むなしと判断するため、注意せよ」
「はい」
抵抗はしない方がいいとこうと釘を刺されると〝してくれた方が楽しめる〟という下賎な嗜好が否が応でも透けてくる。辟易しながら応えたフェイトに、男はポケットからしまっていた器具を取り出した。
魔導師を含め、あらゆる時空には優れた技術が流通しているが、男が取り出したのはメジャーと呼ばれる旧式の測定器だ。今や直接触れずとも数値を計測できるこの時代に、地球の古い機材を目にすることになるとは思わなかった。
(触るために、わざと劣った道具を使っているのか)
彼らのやり口を学んだフェイトはすぐさま意図を察した。やはり察したからと言って何かできるわけではないし――――――何より甘くみすぎている。
「測定部位の名前を言え」
「え?」
「聞こえなかったか? この場所の名前を言えと言ったんだ」
一瞬、何を言っているのか理解しかねた。わからないはずがないからだ。男がメジャーをかけようとしているのは、彼らがギラついた視線を最も向けてきた場所なのだ。
「なぜそんなことを」
「質問は受け付けない。こちらの指示に速やかに従え」
わからないわけがないのに問いかける理由は、想像するまでもなかった。しかし透けて見える意味を引き出そうにも、フェイトには発言権がない、人権がない、尊厳もありはしなかった。
ギロリと真紅の瞳で睨み返そうが、男はニヤニヤと気色の悪い笑みを悠々と返す。
「…………乳房です」
「もっと具体的に言え」
絞り出した言葉は彼らのお眼鏡に叶うものではなかったらしい。
何度か言葉を変えてみたものの、フェイトが譲歩できる範囲内に了承を得られるものはなく、具体的にという定期文が帰ってくるのみだ。
言わせたいのだ。フェイトの凛々しい声音で、はしたない名前を。
「……………………………………おっぱい、です」
長い沈黙の果て、静寂にフェイトの『おっぱい』は嫌に大きく響いた。耳で反響するような言葉は、本来ならなんてことのないもののはずなのに、大勢の男の前でフェイトが口にすると、どうしようもなく卑猥な意味に感じられてしまう。あるいは、この状況下でそういったバイアスがかかってしまっているのか。
「相違ない。ではこれからバストサイズを測定する」
その上、恥を忍んで吐き出させた言葉を向こうは使わないのだから、間違いなく羞恥を煽るだけのものである。
羞恥と怒りに悶えるフェイトの爆乳に、男がメジャーを当てた。まずはトップバストを正確に測るためメジャーは背中までしっかりと回されなければならない。
ピンッ♥
「んっ」
だとすると必然的に、胸の先端に備わる小さな蕾を擦ってしまうこともある。必然と偶然。その二つの意味はフェイトに反論の隙など与えるはずもない。
ピンッ♥ ピンッ♥ ピンッ♥
「ん、んんっ……んぅっ♥ あ、いや……っ♥ や、やめて……っ♥」
「おっと、失礼した。やたら大きくて、メジャーがズレて仕方がないんだ。許せよ」
白々しい言い訳にも程があるだろう。そう声高に叫ぶことができたのなら、と思わざるを得なかった。
しかし現実には、メジャーが乳首を弾く性的な違和感に歯を食いしばり堪えることしかできなかった。
やがてトップバストの数値が記録され、汗ばんだ下乳からアンダーバストの数値も計測された。
「Iカップだ」
毎年のように成長し続け、近年爆乳に仲間入りを果たしたおっぱいの明確なサイズ感が露になり、男たちは沸き立った。ハッキリと言葉にしたわけではないが、視線の熱が飛躍的に跳ね上がったことを誰よりフェイトは感じていた。
彼らはどこまで最低なのかと、その下卑た趣味を今すぐにでも告発したい。
「ここの名称は?」
「乳輪、です」
「ではこれは?」
「…………ち、乳首です」
だができない。自らの声色が情けなく震えていることを自覚していても、フェイトは一刻も早くこの羞恥検査が終わることを祈る以外、できることなどないのだから。
どんな葛藤も意味を成さない。ウェストの測定であると鼻の先につくほど剛毛を観察されようが、ヒップを測るために尻穴を視姦されようが、フェイトは顔を真っ赤にしてマヌケな姿勢で耐え抜くしかない――――――――
「記録終了だ」
「…………はぁっ」
それを聞いたフェイトは、己の抵抗意識を押さえ込んでいた緊張が解け、吐息と共に汗がドッと噴き出す感覚を覚えた。
羞恥の検査が、やっと終わった。乳房を測られ火を噴くような羞恥と僅かな官能を味わい、ウェストを測るという名目で秘部を、ヒップを測るという名目で尻穴を視姦される屈辱を乗り越えたのだ。
これで通行証が発行されれば、二度とこの屈辱を味わうことはない。彼らの記憶に残ってしまうのは途方のない憤りを覚えるものだが、それでも一人の時空犯罪者を逮捕するためならば。
「……っ!?」
そう安堵していたフェイトを男の一人が見た。彼の唇がニィと弧を描くと、フェイトは己の全身が総毛立つのを感じ取った。裸体を晒して殊更そう感じられたのかもしれない。
「辛抱強く、よく耐えたな。身体検査の〝第一〟でほとんど声を上げない人間は稀だ。さすがは時空管理局の優秀な執務官様だ」
「…………第、一?」
フェイトの耳は都合の悪い部分だけを聞き取り、それを口から吐き出させた。
聞き間違いであるはずのない〝第一〟という言葉。それはどれだけ受け入れ難くとも、光が差し込んだ心を再びドス黒い暗雲で染め上げるに足る言葉であると、聡明な頭脳に訴えかけさせるものだった。
「そうだ。これから第二、第三と検査していく。ここの設備じゃできないことを、他の場所でするんだ。時には俺らほど優しくも親切でもない奴らが担当してるから、せいぜい気を張って、媚びへつらってご機嫌を取るこったな」
最後だからとフェイトの問いにも懇切丁寧に応え、絶望を与える。
ただの身体検査だと考えていたフェイトはあまりに無垢であったことを告げる。これ以上の〝徹底的〟など想像もできない。契約書を読んでいたところで、それしか読み取れないのなら何の意味もない。彼女の決意は高潔で、されど下劣に耐え得るものなのだろうか。
「さあ、これを持ってそこに立ちな。安心しろ。こっから先、あんたの正当性を証明する写真をバッチリ撮ってやるからよ――――――――」
あまりの衝撃に、どこから受け入れれば良いのかも忘れて呆然と立つことしかできない。怒りすら発露させられぬ真実を前に立ち竦むフェイトは、白い背景の前で写真を撮られる。まるで彼女が犯罪者となりマグショットを撮られるように、たった今刻まれた自身の〝証明〟を爆乳の真下に掲げて裸体を撮影されてしまう。
【No.001876/フェイト・テスタロッサ・ハラオウン。
身長:165cm
スリーサイズ:105、59、94
乳首:高さ0.3、幅0.7
乳輪:直径8cm
膣:要計測
陰毛:濃厚・要計測
肛門:要計測】
それにどれだけのものを付け加えられようと耐えられるか。否、耐えるしかない。恥を受け入れてしまったフェイトは、そうすることでしか悪意がないことを証明できない。
悪意に晒されながら、人を想い犯罪者を捕まえるという善意を貫き通すことができるのか――――――この先、フェイトが女としての尊厳を打ち捨てることができるかにかかっている。
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