※本記事は、1週間だけ全体公開の記事として公開します※
この記事が皆様の目に触れる頃には私は東京に旅立っていることでしょう(※旅行兼ご挨拶回りです 東京進出ではありません)、蓮鍵です。
色々な準備が一通り落ち着きましたので、ちょっとコラムのような形で、ふわふわっと旅立つ前に記事を書いておこうかなと思います。
■退職しました
この2年ほど自分の人生を考える機会がめちゃくちゃ増えました。 恐らく多くの人がそうだったのではないかな?と思うんですが、私も例にもれずです。
私の場合、それが相手にとっていいか悪いかはさておき「いや、なんか所詮1回きりの人生で、大した経験もないくせに人のことばっか気にして生き過ぎじゃない? 最後まで面倒見きれる訳でも求められている訳でもないくせに」という部分に本当に頭を悩ませることが多くなり、いや、ここはもう巣立つべきだなと思い、1年間の紆余曲折と、言うのも恥ずかしい迷走時期を経て、飛び立ってみることにしました。
無事に7月頭に最終出社を迎えまして、8月末までは有休消化期間(なんとMAXの40日の有休があります)となります。 なので厳密にはまだ社員です。 タイトルに偽りしかないですね。
以後はとりあえず1年、まずはフリーランスとして活動する予定です。
これもただ、「作家としての自分をもっと出したいし、1年なら何とか耐えられそうだから活動してみるか……」みたいな重ための決意の末なので突然就職するかもしれません。 決意は重たいのに考えは浅い。
ただ、その決断の中に(私をよく知る知人が大きく頷く姿が見えるんですが)自己評価が地獄の底よりも低い私と、私の生み出す作品を、ここまで支援までして見て下さる人がいるんだ…!と気づかせてくれた「FANBOX(支援系サイト)」の存在はめちゃくちゃ大きかったなと思います。
本当に、更新も遅いし何してんだコイツ……とやきもきさせてばかりだと思うんですが、支えて下さってありがとうございました。 今後も気に入ったものがありましたらどうぞよろしくお願いいたします。
▲名刺も作りました。 J庭あたりに持って行ってると思うので、
もし欲しい方いらっしゃいましたらお声掛けください。
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■社会で働いて良かったことは?
私が退職を決意したのと同時期に、twitterやDiscordで大学生の子たちが、進路に悩む姿をよく見かけるようになりました。 せっかくですし、私の記憶がまだ鮮明に残っているうちに、ちょっとだけ私のことでも書いておこうかなぁと思います。
あくまで生き方の1つとして参考にしてもらえれば幸いです。
・入社までの経緯
私の場合は、大学も美大ではなく普通の教養系学部の4大卒なので、全く美術系で就職できるとは思っておらず、学生時代の進路希望は家電量販店の販売員か公務員でした。(もちろん絵で食いたいなとは当時から思ってましたが、作家以外に絵で正社員で雇ってもらえるところがあるなんて全然知らなかった) まぁそこで就職失敗して、学部卒もめちゃくちゃギリギリだったのでとにかく卒業だけを目標にしてギリギリ卒業。そして実家に戻り立派なニートに……という。 ただニートになりたいんじゃなくめちゃくちゃ私は働きたかったので、実家に戻って速攻ハロワに駆け込みました。
学生時代にモバイルの乙女ゲームの着彩などをバイトで行っていたこともあって、「もう仕事無いしニートしてるわけにもいかんし、バイトで絵描いてたし勝てると思わんけどゲーム業界なら絵で正社員で働ける仕事があるのでは……」と改めて探し始めて、まさかの1社目で今の会社に受かりました。 そして、そのまましがみついた感じです。
前述のとおり絵で食ってはいけない、という意識がずっと根付いており、それを払拭できたのはここ最近です。時代はめちゃくちゃ変わりましたね。。
・ゲーム会社の基礎知識
ゲーム業界には大きく分けて、大体この3つに分かれます。
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- プラットフォーマー(nintendo、Sony、Steam、Google(Android)、Apple(iOS)など):
多くの人が遊べるゲームの販売所や仕組みを作って提供するところ
- パブリッシャー(Square Enix、SEGAなど):
プラットフォームに出すゲームのお金を出すところ
- デベロッパー(HAL研究所、インテリジェントシステムズ、プラチナゲームズなど):
出されたお金でゲームを作るところ
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私が10年間務めた会社は、主にゲームの制作を行う会社でした。業界的には「デベロッパー」というやつです。ただし、有名どころではなく、有名どころから仕事を貰って作る、所謂子請け、孫請け会社というやつです。
働いていた内容としては、ディレクター・アートディレクターがメインでした。 作るゲームの仕様やビジュアルの方針を決めたり、予算の調整したり足りないところの手助けをしたりスケジュール組んだりする人です。
ただ小さい会社だったので、同時に営業、スクリプター、ライター、UIデザイナー、プランナー、レベルデザイナー、グラフィックエンジニア……など、グラフィックと顧客窓口を中心にとりあえず渡された仕事や取れた仕事は大体やってました。 やってないのは3Dとプログラムくらいだと思います。
(ちなみに上みたいな何しているか分からない人だったので、会社の名刺には、私だけ業種の記載がありません。 これは社員の名刺も担当していたので、お客様に変な印象を与えないよう自分の裁量で調整させて貰っていた)
■働いて良かったこと
フリーにいきなりなるか、就職するか…… で今の時代めちゃくちゃ悩むこと多いと思うんですが、私は会社に所属して良かったなぁと思うことがいくつかあったのでそちらの例を挙げておこうかなと思います。 ちなみにアートディレクターとしての視点が多めです。
・依頼の仕組みや契約が実務で知れる
実際に会社に入ってアートディレクターの役割を担うと、自分が実際に絵を描く仕事より、絵をご依頼するための契約を結んだり、チェックをしたりする機会の方が多くなります。
そうすると、請負契約(簡単に言うと成果物の納品に報酬を支払う契約)/準委任契約(特定の期間に報酬を与える契約 成果の成否は問わない)や、NDA(秘密保持契約)、請負には約款という誓約書のようなものが付く……などの契約面の知識が物凄く増えます。 これは正直個人で勉強するの凄い大変だろうな……と思いました。
・人月単価を知れる
自分の働きの価値がどのくらいになるのか、という予算決めができるポジションだったお陰で、ものすごく業界の金銭感覚に詳しくなれます。 ただ、アニメ業界/ゲーム業界/出版業界でそれぞれ人月の価値が違うことに今物凄く戸惑っていて、自分も井の中の蛙だったんだなぁ……と最近めちゃくちゃ感じています。
ただ、一月でいくら稼がないと自分が生活を維持できなくなるのかの指針が作れるので、そういう意味では就職オススメです。
・クオリティを調整することで自分の絵の技術がなぜか上がる
ゲームでは、1つの作品にグラフィッカーが凄い人数参加するので、「複数の人間が描いた絵を、同じクオリティに揃えるために調整する」のも仕事の1つです。これ凄いいまだに不思議なんですが、作業をしてリテイクされるポジションよりも、リテイクを出している方が(絵自体は描いていないのに)自分の絵の品質が上がるんですよ。
恐らく何がダメでどう修正しなければならないのかを見る目と、それを説明する言語化力がやっているうちについていくからだと思っています。このポジションはフリーではよほどコネが無いとなれないので、ちょっと試しにやってみるくらいでも良い気がします。
・ソフトの使い方が爆速で上手くなる
時間に追われるから良し悪しなんですが、各ソフトのショートカットとかアクションとかプラグインスクリプトとか、めっちゃ詳しくなります。(いかに楽してクオリティを上げるかを最も重要視するようになるので……)
・人間関係の勉強になる
他業種と比べると、そこまで厳しくない業界だと思うんですが、それでも多くの人たちがかかわってモノづくりを行う業界なので、人間関係に類する問題が本当に山のように発生します。(会社にもちろんよります。よくtwitterで見るいじめとか上司がクソとかそういうんじゃなく、もっとしょうもない、仕事をするうえで人と人が円滑にコミュニケーションを取るということがこんなに難しいのか!っていう勉強になる)結果、相手に信頼してもらったり、一目置いてもらうためには、「難しい言葉でしゃべるのではなく、なるべく簡単な言葉で、わかりやすく、端的に話す」みたいな練習はできると思います。
・将来像が描きやすくなる
これは私がそうだからかもしれないのですが、自分ができることと、自分の絵でどういうお役に立てるのかを凄く考えられるようになります。 世の中にはいろんな絵に関する職業があるんだなぁ!と知れる意味ではとても有意義だったと思います。
■働いたデメリット
・時間がない
これに尽きます。 とにかく時間が無かったです。
学生時代の「時間がない」なんて比じゃないくらい時間が無いです。
通勤時間、就業中、帰宅時間、自分の生活の維持、残業……諸々含めたり、自分の仕事で描いている絵以外に絵を描くことが億劫になる人もめちゃくちゃ見ました。
幸い趣味が趣味なため、仕事絵でなかなかあんな絵を描く機会はないので、「ジャンル棲み分け」という形で私は絵を描き続けられたなと思うんですが(仕事では女の子やミニキャラばかりディレクションしてました)、趣味と仕事の絵が被るとしんどいだろうなぁ……と思いました。
ただ、今まさに私が直面している問題なんですが、業務経歴だけはめちゃくちゃ輝かしいんですが、秘密保持契約上「何を作ったか」を明かすことはできないので、自分の実績が……趣味絵だけだと……その……。
みたいなことになるので、幅広い年齢層や世界観の絵を描くような時間は確保し続けた方が良いんじゃないかなぁ……と思います。
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ということで、迷える就活生向きに「就職した方がいいの?フリーの方がいいの?」みたいな子に対して「就職ってイイゾ」って話をするだけの記事でした。
「こういうポートフォリオあると受かりやすいよ!」「こういう業務ができるとめっちゃウケがいいよ!」「こういうこと学生時代にやっておいた方がいいよ!」みたいな本来聞きたいであろう話でもない、ただの感情論みたいな話なので……まぁ、これから就職を考える大学3年生とか、短大1年生あたりの子向きかな……?という、気がします……。
そして前提を覆しますが、就職のメリットの部分は、正直フリーランスをやっている信頼できる先輩が1人いれば解消されることばかりなので、圧倒的時間のなさとどちらを取るかで選ぶのがいいんじゃないかなぁ、なんて思います。
どうか自分の息のしやすい、活躍できるフィールドを見つけられるよう、
お互い頑張っていきましょう!(私も頑張ります)
流龍(NAGARU)
2022-07-17 03:06:33 +0000 UTCカヤック
2022-07-16 16:05:04 +0000 UTCヨータ
2022-07-16 04:04:54 +0000 UTCTight-Web
2022-07-16 02:16:20 +0000 UTC