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ジュン
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敗球!!17

敗球!!の続きです。 保健室で惨めに射精したジュン。そして夏の大会前に2年の男女バレー部が試合をすることに・・・。 ジュン(今は勝てなくても、少しずつでも成長していけば。)そんな淡い期待を抱き始めた頃、さらにジュンを絶望させる出来事が起こってしまった。 それは夏の大会の少し前のことだった。男子バレー部の2年生セッター・二宮慎太郎が親の仕事の都合で転校することになった。二宮は技術的には平凡な選手だったが、チームのムードメーカー的存在で、次期キャプテンと目されていた。この世代の男子も初心者が中心で、やはり入学時には外コートで経験者中心の女子にこっぴどく痛めつけられていたらしい。しかし2年男子には1人だけ長身で、ずば抜けた存在がいた。男子バレー部の現エースの石川啓太だ。彼は入学後、即、男子のレギュラーチームに入って練習していたため、同級生の女子たちと試合をしたことがなかった。そのため二宮たち他の男子は、同級生の女子に負けても「石川がいれば俺たちの方が強いよ」と言い訳が出来た。しかし女子たちも負けず嫌いだったから、「じゃあいつか石川君を含めて勝負しようよ」とベストメンバーでの対決を約束していたようだ。3年生の引退後、新チームになったら早速その約束を果たすべく試合をする予定だったが、二宮の転校がきっかけで、このタイミングで勝負することになった。 男子エースの石川は、細身ではあるが180cmの長身で、顔立ちも綺麗だったので女子の間で人気のある男子だった。一方の2年女子チームは次期キャプテンで164cmの白木蘭を中心としたミスの少ない拾って繋ぐバレーを展開していた。1年の新鍋ゆかりのようなずば抜けたエースがいるわけではないが、やはり小学校から強豪チームで鍛えられたメンバーが中心だったので、女子バレー部としては十分に強いチームと言える。 この試合は転校する二宮のお別れのための試合という側面もあったが、それ以上に新チームになった時、男女のどちらが部の主導権を握るかという重要な意味を持っていた。 そのため、ジュンたち1年生も体育館に呼ばれ試合を観戦することになった。 そして男子バレー部2年対女子バレー部2年の試合が始まった。 序盤は男子エース・石川の打点の高いスパイクが次々と決まり、ジュンたち1年生男子も歓声を上げ盛り上がった。普段、同級生の女子たちに負けて惨めな思いをしている彼らにとっては、石川は憎っくき女どもを成敗する英雄に感じられた。ジュン自身も中学入学後、最初に石川のプレーを見て以来すっかりファンになってしまい、彼のようなエースになりたいと願っていたため、応援にも熱が入った。普段、男子を見下し支配している美唯や翠たちもさすがに「石川先輩、すごいね」と感嘆の声を上げた。それを見てジュンは鼻が高かった。 しかし得点を見ると思ったよりも点差が開いていないことにジュンは気づいた。石川の豪快なプレーだけを見ていると、男子が女子を力で圧倒している印象を受けるが、2年女子チームも派手さはないが着実に点を積み重ねている。白木蘭を中心にどこからでも点が取れるし、石川が高さを活かしたブロックを試みても上手くワンタッチを取られたりフェイントを使われてしまう。ジュンは嫌な予感がした。 「あれ? なんか男子の方が押されてない?」 気がついたことを口に出したのは新鍋ゆかりだった。その言葉を聞いてジュンも改めてスコアボードを見て、ゆかりに反論した。 ジュン「男子がリードしてるのに何言ってんだよ・・。」 すると隣にいた楠本祥子が不敵な笑みを浮かべた。 「たぶん白木先輩たち、そのうち逆転するよ。見ててごらん。ゆかりが言ってるのは内容的なことだよ。」 すると白木たち2年女子は石川に狙いを定めサーブを打ち込む戦略に出た。 ジュン(エース狙いか・・・。でもそんなことで崩れる石川先輩じゃ・・・。) 確かにジュンの思った通り石川のレシーブは下手ではないし、実際、他の男子メンバーよりも優れていた。しかしエースの石川にレシーブさせることで白木たちは多少なりとも彼の体勢を崩すことに成功した。そして彼の十分な助走を奪いスパイクの威力を半減させた。もちろんそれでも石川の力ならある程度は決められる力はある。しかし相手はレシーブ力に優れた強豪女子チームだ。拾われたりアウトしたりと石川の決定率は目に見えて落ちていった。 結局、第1セット中盤で12-13と女子バレー部が逆転してしまった。(くそっ・・・逆転された。)ジュンは自分のことのように悔しかった。こうなると美唯や翠たちにもいつもの男子を見下す表情が戻ってくる。 美唯「 やっぱり2年生も女子の方が強いんだ!」 翠「そうよね。まあ、男子の実力なんてこんなもんでしょうね。」 中盤は、石川の個人技もあり一進一退の攻防になった。しかしこのような試合展開はむしろミスの少ない女子バレー部の得意とするところだ。 (くそっ・・・こっちは石川が入ってるんだ。女子なんかに負けるか!) レシーブ力で劣る男子が粘りを見せ、ラリーが続いた。 (男子の先輩たちだって負けてない・・・!)ジュンは祈るような気持ちで男子チームを応援した。 そして石川は無理な体勢にも関わらずスパイクを打った。 ジュン「いけ! 石川先輩!!」 しかしその声もむなしく、白木たち2年女子は3枚のブロックを完成させると石川のスパイクは見事に叩き落とされた。 美唯「 すごーい!! 女子バレー部強すぎ~!」 ギャラリーからも歓声が上がる。コート内の2年女子チームも大盛り上がりで、輪になって喜びを表現した。 男子バレー部は女子バレー部の前に完全に沈黙していた。 ジュン(そんな・・・。打点の高い石川先輩のスパイクが・・・。) 祥子「ほら、言ったでしょ?逆転するって。」祥子はまるで自分のことのように打ちのめされた表情のジュンを見て可愛いと思っていた。そしてそのような表情を見るとどうしても意地悪したくなってしまう。 祥子「これから点差が開いていくと思うよ。」 ゆかり「そうだね。今のプレーは大きいかなぁ~。」 その後試合は祥子とゆかりの言ったとおりの展開となった。エースの石川がブロックされたことで歯車が微妙に狂い出した男子チームは白木の2連続サービスエースを許したり、スパイクをネットにかけてしまったりと試合の流れを完全に持っていかれてしまう。一方の女子は攻守において終始安定し全く隙がなかった。 結局第1セットは25-21というスコアで幕を閉じた。 男子バレー部のメンバーはコートの中央に集まったまま呆然と立ち尽くしている。彼らはどうして自分たちが負けたのか理解できていない様子だった。

Comments

女子は県大会上位くらいを予定しています。大会での成績はおいおい書いていく予定です。

ジュン

お返事ありがとうございます。 競り合いになると負け。 一度崩れると連続失点。 男子バレーらしいエピソードですね。 結局卒業まで女子には勝てず仕舞いでしたっけ? ジュンさん実体験が、どんな風に小説に反映されるのか、とても楽しみです! ちなみに、この小説では、上級生の男子バレー部、女子バレー部はそれぞれ県大会などでどれくらいの成績を残している設定ですか? ジュンさんの実体験も出来れば教えてください。

タカシ

3年生の頃は男子の実力もアップし、女子との試合では競り合いになる場面もありましたが、我慢比べのような展開になると、先にミスして崩れるのは男子でした。 あと一度崩れると男子は連続失点してしまうのがいつもの負けパターンでした。

ジュン

やはりジュンさんのバレー作品は秀逸ですね! めちゃくちゃ興奮しました! 男子は高さとパワーに頼った単調な攻撃で、最初はリードするものの、だんだんと女子に弱点を把握され、徐々に追いつかれ、逆転されてしまう・・ 何人か経験者に聞いたのですが、同じ男女対戦でよくある流れだと言われてました。 ジュンくんの憧れであり、最後の拠り所である先輩男子エースが、女子の先輩たちに負けてしまう・・ ジュンくんの絶望がよく表現されていて興奮しました。 試合中の、女子同級生の会話も素晴らしいですね。 単純に憧れの男子の先輩を信じて応援するジュンくんと、きちんと試合の流れを把握、分析して、試合の結果を予測してしまう女子同級生。 高さやパワー、テクニックだけでなく、バレー脳も同級生女子に劣ることを自然なかたちで表現しているのがさすがだと思いました。 男子の先輩たちが、負けた事実を受け入れられず、コートで立ち尽くしている描写もいいですね。 これも経験者の方の話ですが、男子は女子に負けた後、女子の戦略にはまったり、自分たちの技術が女子に及ばなかったという事実を受け入れられず、たまたま調子が悪かったくらいに受け止め、もっと高く、もっと強く打てば勝てる!と簡単に考えて、戦略変更せず女子と試合し、負け続けることが多いそうですね。 ジュンさん自身の経験が活かさせれた作品、もっとみたいです!

タカシ


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