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ジュン
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敗球!!13

敗球!!の続きです。 ジュンを打ち負かして満足げな様子の沙江はまだまだ彼を追い詰めるつもりだ。 初心者ながらここまで急成長した彼女だ、これだけで許してくれるほどの甘さは持ち合わせてはいないだろう。案の定、その後もジュンは沙江に何度もブロックされた。戦意喪失したひ弱な男子エースのスパイクなど、粘り強くゼロから這い上がってきた沙江にとっては障害ですらなくなっていた。初めは経験者相手にがむしゃらに向かっていった沙江だが、一度ジュンを止めれば心に余裕が生まれ、彼の動きや癖などを観察しながら対応することができた。だからジュンが戦意喪失した時も、彼の怯えをプレーから感じ取ることができたのだ。 沙江(ジュン君・・・、私から逃げてるな・・・。ちょっと体勢崩れたらフェイント多めに使ってくるかも。正面から撃ち抜く勇気ももうないだろうし・・・。) 沙江はジュンのプレーに予測を立てながら追い込んでいく。もちろん美唯や翠たちと緊密な連携を駆使して。だから面白いようにジュンを止められるのだ。 沙江は翠から教えられた「ブロックはシステム」という言葉を思い出した。そしてあえてジュンにストレートに打たせるようにしむけ、後衛のレシーブ陣に拾わせるという守りも試してみた。そして狙い通り後衛に回っていた立石亜紀がジュンのスパイクを難なく拾った。 沙江(やった、狙い通り!さすが亜紀ちゃん!)沙江は男子を直接力でねじ伏せるブロックも好きだったが、こういったシステマチックな守りで押さえ込むのもバレーボールの魅力だと思った。チーム全員でエースを犯し潰すことで、男子チームの息の根を止めるのだ。 沙江(ジュン君、私にも跪いちゃうのかな?)沙江は以前、美唯たちの前でジュンが跪く光景を思い出した。その時は彼女自身まだ未熟だったこともあり、美唯たちと同じようにジュンを見下すという余裕はなかった。どちらかというと弱い者はこうなってしまうんだと、むしろジュンに対して同情する気持ちもあったくらいだ。 (でも今は違う・・・。)と彼女は思った。自分の前に跪くジュンに対し両手を腰に当てながら仁王立ちする自分をありありとイメージできた。そしてジュンの涙や震えを丁寧に観察してから彼が一番傷つくような台詞を言ってやりたいと思った。しかも冷酷ではなく限りなく優しい声のトーンで。歳の離れたお姉ちゃんが、未熟な弟をあやすように。(『ふふ・・・私に追い抜かれちゃったねw』こんな感じで行こうかな・・・。)彼女は屈辱からコート上で立ち上がれないジュンを見下ろしながらそう思った。(初心者の島田にまで負けるなんて・・・、そんな馬鹿な!)沙江はジュンの心の声が聞こえた気がした。 沙江(きっとジュン君の心は今、私のことでいっぱいなんだろうな・・・。経験者なのに初心者の女の子に負けて悔しいよね?)沙江は心の中でそう呟き、女の子に勝てないという劣等感でがんじがらめになっているジュンを哀れに思った。そして同時にそれこそがジュンの弱さだと思った。女子に負ければ負けるほど、彼は周りが見えなくなってしまう。だから女子のようなチームの連携を駆使してくる相手に簡単にやられてしまうのだ。でも負ければ負けるほど負の連鎖は断ち切れない。 沙江(だから私に負けたのだ・・・。そしてこれからさらに差を広げられるんだろうな・・・。もちろん私だけじゃなく、他の初心者の女子たちにも・・・。)沙江はジュンの3年間の惨めなバレー部生活を想像した。そして同時に自分達女子バレー部の輝かしい未来もありありと想像できた。ゆかり、祥子、美唯、翠ら強力メンバーとなら、きっと全国大会だって夢じゃない。(自分も努力すれば彼女たちと同じコートに立てるかもしれない・・・。そのためにもっと頑張って練習しなきゃ!) 1年男子チームのエースであるジュンを潰した初心者の島田沙江はこれ以降飛躍的な成長を見せ始めることになる。 試合が終わると、久しぶりにジュンに対して罰ゲームを行うことになった。ジュンを跪かせブルマを穿かせた一件で、上下関係をはっきりと意識させることに成功したため、それ以来、公開処刑は行われていなかった。しかし今日の勝利は、1年女子たちにとって特別な意味を持っていた。それは男子に勝ったという事実以上に、初心者である島田沙江の活躍があったからだ。実力差からこれまで何かと経験者組と初心者組という2つのグループに別れがちだった1年女子チームにとって、沙江の活躍は彼女達の間に横たわっていた厚い壁を壊してくれた。つまり1年女子チームが1つにまとまるきっかけとなったのだ。美唯たちも自分達の指導が実を結んだ気がして嬉しかったし、他の初心者部員たちも(美唯たちの指導について行けば経験者の男子に勝つことができるんだ!)と大いに勇気づけられた。 そしてジュンを辱めることで、この成功体験を皆でしっかりと共有しておこうと思ったのだ。 罰ゲームはジュンに腕立て伏せを課すという至ってシンプルなものに留めることになった。しかし美唯たちは殊勲者である沙江と負け犬であるジュンとの対比を忘れなかった。 美唯「そういえば沙江は何回ジュン君をブロックしたっけ?」 沙江「う〜ん。正確な数字は忘れたけど7、8回は止めたと思うよ。」 美唯「じゃあ・・・腕立て80回ってのはどう?」 ジュン「80回って・・・そんなに出来るわけ・・・」 翠「出来ないの?そっか・・・ジュン君、体力ないもんね〜。」 美唯「そうだよね。途中でダウンしちゃうよね・・・。それじゃあ半分の40回にまけてあげようか♪それでも多分無理だと思うんだけど。」 ジュン「・・・わかったよ。やるよ!それくらいなら出来るし・・・。」 ジュンは美唯の言葉に反発するように言った。 翠「あっ!?︎今"出来る"とか言っちゃった。じゃあ約束通りやってもらおっか。」 そしてジュンは素直に腕立てを始めた。女子たちに挑発され馬鹿にされたくないという気持ちもあったが、むしろ初心者の沙江に負けた自分に対する怒りがそうさせた。 しかし、5、6回こなしたころで、美唯がストップをかけた。 美唯「ダメだよ!そんなんじゃ。もっと1回1回胸を地面につけなきゃ。それにペースも早すぎだし・・・。沙江!数えてあげなよ。」 沙江「OK!」 そして沙江はゆっくりと彼の腕立ての回数を数えた。 沙江「1・・・・2・・・・3・・・・」 ジュン「くっ・・・!?」 正確なフォームでゆっくりとカウントされる腕立ては、何倍もの負荷がかかる。しかも女子との試合直後で疲労も蓄積していたジュンにとって、腕立て40回は不可能に近いものだった。それに自分をボロボロに負かした沙江にカウントされる屈辱に身体が震え、上手く腕立てが出来ない。 12回目までいったところで早くもジュンの動きが悪くなった。息が上がり動きが鈍っている。 それでも懸命に頑張っているものの、いつ力尽きてもおかしくはない様子だった。 沙江「ジュンくん、腕がちゃんと曲がってないわよ!そうやって普段のトレーニングで楽してるから、私に負けるんじゃない?」 必死の表情を浮かべる彼に冷ややかな言葉を浴びせたあと、今度は優しく微笑みかける沙江。そして再びカウントを続ける。 (もうだめだ!!) すでに限界を迎えていたジュンの腕はプルプルと小刻みに震え身体を支える力がなくなっていた。17回目のところで彼の動きが止まった。そして崩れ落ちるようにその場に倒れ込んだ。

Comments

ありがとうございます、ぜひお願いします!楽しみにしております。

battum

もともと女子の方が小学生までで積み重ねて来た体力、技術があるのに、中学入学後も女子の練習の方がきつかったら、差は縮まるどころかどんどん開いてしまいますよね・・ 勝てるわけないですよね。

タカシ

コメントいただきましてありがとうございます。 連載しているAI小説は中学生の設定なので、あまり大きな女子は登場しないと思います。ご期待に添えなくて申し訳ありません。 最近のイラスト系の作品は180cm以上の女の子を増やしていますのでご期待ください。 また今後の作品についても体格差のある作品を検討したいと思います。

ジュン

大きな女の子の体格差に圧倒される男子を期待していたので… 少し残念です。

battum

県選抜の子にはいつも女子の練習の方がハードだよみたいなことは言われてました。

ジュン

男子バレー部唯一の経験者であるジュンくんを負かして行くことで、女子バレー部に生まれて来る一体感、高揚感、素晴らしいですね。 ジュンくんは個人としても初心者の沙江さんに圧倒されてしまう・・ 最後の腕立てのシーンは圧巻ですね。 普段そんなぬるい筋トレしてるから私に勝てないと言われてしまうとか、最高に屈辱ですね。 実際に言われたことありますか?

タカシ


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