敗球!!⑨
Added 2021-12-04 14:51:17 +0000 UTC敗球!!の続きです。 1年女子バレー部最強の新鍋ゆかりとの直接対決第1ラウンドです。 翌日、いつものように登校してきたジュンに待ち受けているのはまたも屈辱的な出来事であった。 ゆかり「おはよう、ジュン君。」 ジュン「新鍋・・・!」 昨日のショックから立ち直れていないジュンにとって、同じバレー部の新鍋ゆかりに話しかけられるのはなんとなく気が重たかった。それでも挨拶を無視するわけにはいかないため軽く返事をする程度に留めておいたがゆかりはジュンの顔を覗き込むように言った。 ゆかり「ねえジュン君、美唯のブルマ穿かされたんだって?」 ジュン「なっ・・・なんでその事知ってるんだよ?」 ゆかり「実は私、あの後美唯たちと一緒に帰ったからね」 ジュン「え?お前、小西と仲良かったのかよ!?︎」 ゆかり「まあね♪チームメイトだから当然でしょ。その時ついでジュン君のことも聞いたの。女子のブルマ、とっても似合ってたって。」 ジュン「うぅ……。もういいだろ……、このことは忘れてくれ……」 ゆかりに言われても全く嬉しくないどころか恥ずかしくて死にたいくらいの気分だったが、同時に何故か胸の奥に妙に熱いものが込み上げてきた。 ゆかり「でも意外。ジュン君は女に負けたくないんでしょう。でも素直にブルマ穿いちゃった・・・。それって完全に女の子に降参しちゃったってことなのかな?」 ニヤつきながらゆかりが言う。 ジュン「別に・・・完全に負けを認めた訳じゃないから・・・。これから強くなって見返すから・・・。」 ゆかりに対して言い返す声が弱くなってしまうことにジュンは気づいた。 ゆかりはそれを聞くとさらに愉快そうに笑った。ジュンにとって新鍋ゆかりの存在は、中学入学後に最初に受けた衝撃だった。女子の県選抜で168cmの長身アタッカーが女子バレー部に入部する。しかも自分と同じ1年5組だ。小学校の時からすでに彼女の名声はジュンにも届いていたが、あらためて間近でみると 圧倒される迫力があった。身長だけでなく顔立ちやスタイルの良さなど全てが完璧で、女子からもよくモテた。 「このクラスで一番強くてかっこいいのはゆかりだよ!」クラスの女子たちも男子を差し置いてそうもてはやした。そして何かと同じバレー部のジュンは彼女とよく比較された。 (この女にだけは絶対負けられない!) ジュンはゆかりを過剰なまでにライバル視していた。 しかし、これまでにゆかりとの直接対決は実現していない。ジュンは1年女子の中でいち早くレギュラー入りした彼女と同じ土俵にすら立てないでいたからだ。最近レギュラー組へ移籍した祥子はともかく、美唯や翠、亜紀たち1年女子の有望株ですらゆかりには遠く及ばないと言われている。そしてその美唯たちに完敗しブルマを穿かされたジュンにとってゆかりは雲の上の存在なのだ。 そのゆかりが今日は向こうからジュンに絡んできた。 ゆかり「ところでジュン君、私と勝負しない?」 ジュン「え?」 突然の提案に驚く。 ゆかり「安心して。バレーじゃないから・・・。今日の体育の100m走・・・勝負しようよ。足速いって聞いたよ。」 それはゆかりからの挑戦の言葉であった。 ジュンはその言葉に内心少し喜んだ。足の速さでは自信があったからだ。それに今の自分のバレーの実力では勝ち目がないことは明らかだ。ゆかりとの勝負はもう少し身長が伸びてからの方がいいと思った。 ジュン「うん良いけど?俺が勝ったらどうするんだ?」 ゆかり(ふっ♪) 挑発的な態度をとるジュンに対し、ゆかりは不敵な笑顔を浮かべた。 ゆかり「じゃあジュン君が勝ったら、私のこと『ゆかり』って呼びすてにしていいよ。でも私が勝った場合はジュンの君ことを『ジュン』って呼ぶね。」 予想外の提案に一瞬戸惑うが、ジュンはすぐに了承すると答えた。 ゆかり「平和的な提案でしょう?ブルマ穿かせたりしないから安心してw」 ジュンは顔を赤らめつつ頷いた。 そしていよいよ合同体育の時間になった。2人はお互い準備運動を済ませるとその距離をあけ向かい合う。 身長順で走るため、本来ならゆかりとジュンは同じ組で走ることはないのだが、体育教師が女子バレー部顧問の菅原祐美ということもあり、男女のバレー部員同士の対決はすんなりと認められた。祐美は男女のバレー部の力関係を知っていたし、ジュンの置かれている状況もなんとなく把握していたから彼に名誉挽回のチャンスを与えてあげるのも悪くないと思っていた。たとえゆかりに負けるにしてもジュンが納得して勝負を受けたのなら仕方がないことだと思った。 そして2人は勢いよくスタートした。 ジュンはその身軽さを活かしスタートダッシュに成功。 ジュン(よし!いけそうだぞ!!このまま引き離せば・・・。) そう思った次の瞬間。 ザッ!!! ジュンはすぐ背後に近づいてくるゆかりの気配を感じた。 大柄なゆかりはジュンよりも遥かに大きな一歩を踏み出し猛烈な勢いで加速してきたのだ。 そして30m付近でジュンと横並びになるとさらに加速。あっという間に差が広がっていく。 ゆかりの筋肉質な太ももとブルマに包まれたお尻がジュンの視界に入った。ジュンの貧弱な下半身と比べるとゆかりのそれはまるで大人の女子アスリートのような迫力を感じさせた。足の回転がまるで違う。そしてみるみるうちにゆかりのブルマは遠ざかっていった。 特に後半の伸びは凄まじく、気づけば数メートル引き離されていた。 しかもそのフォームには無駄がなく美しい。基礎体力だけでなく、運動センスでもジュンはゆかりに負けたのだ。 ゴールラインを通過し腰に手を当てて立ち止まるゆかり。息切れすらしていないようだった。 ジュンがゴールしたのを確認するとゆかりは不敵な笑みを浮かべながらゆっくりと歩き近づきてきた。 ゆかり「どう、ジュン?これが私との差だよ」 ゆかりに呼び捨てにされ、悔しさに震えながらもジュンは自分の敗北を認めた。 ゆかり「男子の方が強いなんて思ってたら痛い目見るわよ。わかった?ジュン!」 ジュンは何も言い返せなかった。
Comments
学年最速は男子でした。
ジュン
2021-12-22 10:06:16 +0000 UTCクラス最速が女子! 素晴らしいですね! 学年最速も女子でしたか?
タカシ
2021-12-21 15:06:23 +0000 UTC実際に合同体育で対決したのは50m走でしたが、正確なタイムは覚えていません。ただクラスでは県選抜の子が一番速かったです。
ジュン
2021-12-20 13:55:28 +0000 UTC県選抜の子との100m対決、めちゃくちゃ興奮しますね。 個人として女子も負けるのは、バレーのようにチームとして女子に負けるのとまた違う興奮がありますよね。 後、クラスメイトの前で負けるたいうのも屈辱ポイントが高いですね。 県選抜の子とジュンさんは、実際にクラスメイトの前で競走して負けてしまったのでしょうか? タイムはそれぞれどれくらいでしたか? 男子代表のジュンさんか、女子代表の県選抜の子に負けてしまい、クラス最速、学年最速は女子!という感じになったのでしょうか?
タカシ
2021-12-19 03:23:10 +0000 UTC