※3/23追記分アリ
前回のストーリーと合わせてお楽しみください^^

【Bye-Bye】 真白陽介には夢があった。 「上条アベルさん…かあ…」 TVに映るのはプロボクシング、フェザー級の世界王者戦。王者である上条アベルは、今日もそのリングで拳を振るっていた。…鮮やかな銀髪に青い目。すらっとしながらも鍛え上げられた体に映えるような黒いグローブ。アベルはその見た目もさることながら、爽...
【アフターストーリー・トレーナー真白陽介の日々】
上条アベルとの一戦を終え、色々と心に傷を負った陽介。「Bye-Bye」———そう言ったあの時の言葉、想い。そして、無冠の王者、アベルを倒した男という栄光と実績———全て捨てた彼は、あれ以来。
「1,2,1,2…そうそう!今の感じ、肩の動き、良く出来てたよ!じゃ、後2セット行ってみようかー!」
トレーナーとして実家のジムで日々を過ごす日々だった。———もう心に傷を負うこともない、穏やかな毎日を過ごす日々…の、はずだったのだが…
「わあ!陽介さーん!陽介さーん!」
「トレーナー!助けて下さいー!」
…今日もジムでは陽介を呼ぶ声が木霊する。
「んー?どしたのー?」
「新人が暴れててー!」
「リング占拠してますー!」
「えー?」
またか。
陽介はそう思うと、顔には出さず———
「オッケー、すぐ行くよー。皆には挑発に乗らないように伝えてねー」
陽介はグローブを取り出し、メガネを外す。そして、リングに向かうと———
「おいおい!ここで一番つえーヤツ出せよ!つえーヤツ!オレが最強ってわからせてやっからよ!それとも、リングに上がってくる勇気もねえ腰抜けばっかなのかあ!?あぁ!?」
いかにも不良上がり、といった青年が一人、イキっていた。
(あー…典型的だなー…)
陽介はそう思いながらも、不良をじっと見つめる。―――確か、今日はいってきたやつだっけ。にしても…
(あーあー、許可無くリングでのスパーリングは禁止ってちゃんと言ったのになあ…ヘッドギアも無しだし…人の話、聞いてないなあ…)
陽介ははあ、とため息をつくと。…自ら赤いボクシンググローブをつけ、リングへと上がった。
「あ?んだよてめー」
「こーら。ダメだっていったでしょ?リングは皆で使うもんだし、スパーリングはちゃんと許可とってからって言ったよね?」
「っせーな!てめーみてーなゆるっゆるなやつが偉そうに言ってんじゃねーんだよ、ダボが!…それともあれかぁ?俺のサンドバッグ志望かあ?もっとキリッと整形してやろーかふははははwww」
不良は下品な笑みを浮かべながら笑ってみせ―――
「…はあ。ホント、やんなっちゃうなあ…」
陽介は面倒くさい、という感じで再度ため息を吐いた。…ボクシング、と言う殴り合いのスポーツ。殴り合い、と言う部分から不良が集まりやすいのは事実ではあるが―――
「相手の力量もわからずに最強、ねえ…」
「あぁ!?」
「ほら、オラオラしないの。怖がってる子もいるでしょ?今なら目をつむってあげるから。さ、降りよ?練習するよ?」
陽介は極めて穏やかにそういうも———
「はっ!トレーナーだか何だか知らねーけどよ!ボクサーなら殴り合ってなんぼだろーよ!オラ、文句あるなら力でねじ伏せに来いよ、オラオラ!へへへへ、どうせ怖くてこれねーんだろwww!」
不良は陽介の言葉に聞く耳持たず。陽介は改めてうーん、と唸ると。
「…本当にやるの?ま、いいけど…」
そう言いながら、グローブを構えた。
「ちょっ、本当にやんのww俺、泣かせちゃうけど大丈夫?ww」
「うーん、そうだねー。確かに君に負けたら泣いちゃうかも」
「だったら、サンドバッグでもいいぜ?wwwオラ、腹出せよ」
「いやー、それは嫌だからなー。―――仕方ないし、相手ならしてあげるからさ。かかってきなよ」
陽介はそう言うと、ぐっとグローブを構え。…ちょっとだけキリッとした表情を見せ———
「へっwww!いいぜwwwテメエボコって二度と逆らえなくしてやるよwwwぶはははは!」
不良はさらに調子づき、ファイティングポーズをとるも。
「あー…うん。…そう…だね」
「あ?」
「1分。ハンデ上げる」
「…あ!?」
「1分、こっちは何もしないであげるからさ、好きに打ち込んでおいでよ。その代わり、1分過ぎたら容赦なく行くから―――それでいいよね?」
「いいよね…だあ…!?舐めてんじゃねえぞ、この…ダボがッ!」
ブウンッ!
不良はゴングも合図もないままに大振りにパンチを放つも―――
「わっ…と。こらこら、ちゃんとゴングくらい―――」
「っせえ!そのツラ、整形にしてやらぁっ!」
陽介の声に聞く耳も持たず、殴りかかっていく。…が。
「うーん、ほら、手打ちになってるよー?もっと腰入れないと—」
「…うるせっ!このっ!てめっ!」
当然と言えば当然。陽介にそんな一不良ごときのパンチがあたるはずもなく。
「ほらほら、よく見てー?早くしないと1分経っちゃうよー?」
「うおおおっ!ざけんなっ…!あた…れっつの!」
―――30秒も過ぎると。陽介は、ファイティングポーズすら取らず腕をブラブラとさせ、流れるように不良のパンチを避けていく。―――そして。
カチッ
時計の長針が1分を告げる音を刻んだその瞬間。
「じゃ、1分過ぎたし―――もう、いいよね?」
陽介はぐっと拳を上げ、ファイティングポーズを取ると―――
ギンッ!
「っうお…っ!?」
その目が少しだけ、大きく見開き———その迫力に不良が押されたその瞬間!
「シィッ!」
バッシイィィィィィィィィィッ!
「ふぶあっ!?」
不良の顔面に鋭い左ジャブを一発、その鼻っ柱にムチのように叩きつけ―――
「ふっ!はっ!シッ!」
バスゥゥゥッ!バスゥゥゥッ!バッスゥゥゥゥゥゥゥッ!
「うごああああああああっ!?」
その後も、3発。左ジャブの連打で不良を一方的に打ち付けたその時!
ダンッ!
陽介は一歩、前に踏み出すと―――その右拳を握り固めた!そして!
「―――Bye-bye♪」
バッキィィィィィィィィィィィィィィィッ!
陽介は右ストレートを不良の顔面に思いっきり打ち付けると―――
「うべああああああああああああああああっ!」
ドンッ!ガンッ!ドタァァァァァンッ!
…不良はまるで、漫画のようにリングマットへ転がるようにダウンすると。…そのまま、リング下まで落ちていった。場外KOである。…陽介ロープにもたれ掛かり、無様に転げ落ちた不良にニコッと笑みを向けると―――
「で、どうする、君?…もう少し、スパーリング、しよっか♪」
「ひ、ひいいいいいいいいいいいいいっ!」
…不良は這いずり回るように駆けていき―――やがて、ジムから逃げていった。
「あーあ…ちょっとやりすぎちゃったかなあ…でも、迷惑かけるようなヤツだし、ま、いっか♪ちゃんと入会金はもらったしねー」
その様子をニコニコしながら、リングの上で見つめる陽介。―――それを見たジム員達は、その強さに改めて、陽介のすごさを思い知るのだった…。
「なあ、やっぱ陽介さん、プロに戻ったほうがいいんじゃね?」
「うーん、でも本人望んでないしなあ…」
「…ぶっちゃけさ、さっきの試合見て思ったんだけどさ」
「ん?」
「…アベルとしたときよりも強くなってる…そんな気、しない?」
「まさか…あ…いや、でもあのジャブとか…ステップとか…」
「………」
「………」
「本当にうちのジムで一番強いの、マジで陽介さんなのかもな…」
「怒らせるの、やめとこ…」
【完】
シナリオライター: ミケ空さん
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ご覧いただきましてありがとうございます😊
私の誕生日にミケ空さんからいただいたものです^^
前回のストーリーと合わせてお楽しみください(*´∇`*)
陽ちゃん、まさか攻撃力が上がっているのか?
陽ちゃんにパワーがついたら、大変な事になりそう(゚∀゚;)
ふだんはふわゆるな陽ちゃんですが、リングに上がると昔のスイッチが
入るので、練習生たちもビビるみたいですw
ギャップ萌えの典型的なキャラですが、よかったら陽ちゃんを
推していやだけると嬉しいです^^
<おまけ>…2023/03/23追記
この後、昔のランキング表に載ってた陽ちゃんを偶然発見した暴れん坊君。泣かすどころかヌッコロされて当然の実力差がある事に今更気づく(ノ∀`)ww
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Thalys