女騎士は薄暗い遺跡の中で目を覚ました。
周囲にはなにかの儀式が行われていた様子がうかがえる…
(私は… 一体…?)
女騎士は歩き出そうとしたが、よろめいてそのまま尻もちをついてしまう。
起き上がろうと膝を立てると、そこには獣の脚があった。
彼女が恐怖に身を震わせ、声を上げる。
「アガッ…!? ヴァッ?」
しかし、その口から発せられたのは動物の鳴き声だけだった。
(な、何が起きているんだ……?)
女騎士は自分自身の状態を確認する。
身体はひとまわり程縮み、全身が体毛に覆われている。
細かく刻む拍動と呼吸…むせかえるような獣臭が嗅覚を刺激する。
彼女は愕然として再び声をあげる。
「オッ… オゥッ! アウッ!」
(どうしてこんな……声が出ない!?)
女騎士は犬のような獣人の姿に変貌していた。
「ア…、アアアァァ!!!」
女騎士は悲鳴のような鳴き声ををあげ、怯えた目で周囲を見渡した。
彼女は自分が何者かによって犬のような獣の姿に変えられてしまったことを悟った。
そして、元の人間の姿には戻れないことを悟り、絶望に打ちひしがれた。
「アオッ… オォッ…! オオォッ!!」
薄暗い遺跡の祭壇に、孤独な獣の声が響きつづけた。
ぐだぐださん
2023-06-14 11:11:04 +0000 UTC