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ゴリアテ
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魔導士モンスター化実験

魔導士モンスター化実験


「つ......めた...」

ひんやりとした感覚に、魔導士メリアは薄暗い部屋で目を開ける。

彼女の周囲は筒状のガラス壁に囲まれ足下には液体が溜まっている、

粘液に浸かった身体中をみると、身につけていたローブは溶け

ほとんど裸の状態になっている。






「私... ここは一体!?」


「意識を取り戻したようですね」

人影がガラスの壁越しにこちらに近づいてきた。


その姿は人型ではあるが頭部に2本の角があり、紫色の肌に尖った耳をしている。

明らかに人間ではない風貌から、メリアは相手が魔王軍の者である事を察した。


「貴女がたは我々の研究所に無断で侵入し、我らの同胞を殺害しました。

 まあ、間抜けな魔導士が罠にかかって下さったおかげで何とか侵入者は

 全員捉える事が出来ましたがね」


「...他の仲間はどこにいるの!?」

自身が起こした失敗に、後悔と同時に仲間達の顔が浮かぶ。


魔物はメリアの近くで何かを操作しながら答える。

「安心してください、お仲間は全員生かした状態で捉えてあります」


「みなさんは我々の貴重な実験材料ですからね、

 貴女はなかなか高レベルの魔法を使える様子。

 『魔物』になった後でも同じ様に魔法が使えると素晴らしいのですが...」

 

メリアの表情が固まる。

「...今、なんて...?  魔...物... ??」 


黒ローブの魔物は答える

「貴女の肉体は人間から魔物に生まれ変わるのです。」


言葉の意味を理解した新米魔導士はパニック状態になり無様に叫ぶ。

「嫌よ! 冗談じゃないわそんな事... 開けろっ! ここから出せっ!

 こんな...こんな所で私は...」


フラスコを破壊する魔法を放とうと腕をあげるメリアだが、異様な感覚を感じ

思わず顔を引きつらせた。


彼女の左腕、肘から先は青白く変色し、ぐにゃりと曲がって水面に垂れ下がっている。

「ひっ...何...これ...!?」


「ふむ、変異が『始まって』いるようですね。」

魔物は研究の記録を続ける。


「い...いや...いやぁぁぁぁ! アガッ!? ウブッ!?」

メリアが叫ぶと同時に、口の中から長く紫色に変形した舌がニュルリと飛び出した。





「ブッ...、う...ヴァッ...」

次々と起こる肉体の変異に理解がついていけず、自分の口から垂れ下がった異形の部位を見つめるメリア。

頭髪も一部が溶けたような質感になっており、後頭部からトロリと抜け落ちていた。



「ソん...ナ...私の身体... どうナっ...」

液体が身体にジンジンとしみ込むような感覚が次第に強くなり彼女の動悸を早めていく。


「いや”ぁ... お願イィ... やめて... やめでぐださい...おねがいしますがらぁ...」

メリアは呻きながら助けを求めるように魔物の方へ手を伸ばす。


「魔物化の実験、まずは成功ですね」

魔物は記録を書き込みながら、満足そうに呟く。


「オ”ッ... オァッ... ガ...ッ...」

メリアがうめき声をあげる。

髪の毛が殆ど残っていない頭部から自慢のつば広帽子がずり落ちる。

骨格を失った脚は水中でうねうねと漂いはじめ、全身の肌の色は

すこしずつ青灰色に変色しはじめる。


「オ... オァァ......」

奇怪なうめき声をあげ、「元人間の魔導士」は意識を失うと

ぐにゃぐにゃと波打ちながら液体の中に沈んでいった...



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