「今からお前のこと、犯すから」
「は……?」
「……なーんつって」
飄々とお道化る狼が、夕焼けには不釣り合いなほどだった。意味分からん、という顔でそいつを見れば、傍らから俺がここに来たときに着ていた服を取り出し、持ち前のニヤケ面を返してくる。
「とりあえず着替えとけ。汗だくじゃ嫌だろ」
「ああ……って、はぐらかすなよ。なんだ、さっきの」
「別に。ただそういう設定にしようかなってだけ」
「設定……」
訝る俺の目の前に、梓馬はすっと端末を差し出してきた。送信済みのメッセージ欄には、『やっちまってもいいよな?』の文言。宛て先はどうやら、悟と泰利のようで。
「……んだよこれ」
「まあまあ、後のお楽しみっつーアレ」
楽しげに語る梓馬は、端末をひらひらとさせながら笑う。
「こんだけ煽りゃ、流石のアホ面も慌てんだろ」
「ホントに上手くいくのか、それ」
「おいおい、まさか忘れてんじゃねーよな」
あくまで疑念を抱く俺に、狼は自信たっぷりな面相で放った。
「梓馬くん、エスパーなんで」
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先行公開はここまでとなります。
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