日永です。
さて、とうとう始まりましたシェアハウスコメンタリー。
記念すべき初回はもちろん『あいつとシェアハウス プロローグ』でございます。
掲載日はなんと2016年の5月15日、つまり約3年前。時の流れとは恐ろしいものですね。作者も年を取るはずです。
掲載当初はそれこそブクマも両手で数えるほどで、数多ある創作群のうちの一介でしかなかったのですが。
今や界隈の内外からも評価をいただけるほどになり、来たる2018年の12月にはついに400ブクマを達成いたしました。
私自身、さすがにここまで人気が出るとは思っておりませんでしたので、改めて思い返すと感慨深いものがあります。
これも応援して下さる皆様のおかげと存じてます。本当にありがとうございます。
前置きはこのぐらいにしまして。粛々とコメンタリーのほうに移りたいと思いますので、どうぞごゆるりと。
とはいえ、何も身構える必要はありません。作者が自分の作品を読みながら当時を振り返り発狂するだけです。
なお、作品話数とコメンタリーの回数を揃えるため、便宜上今回を第零回とさせていただきます。
更にこちらについてですが、初回ということで無料公開にしてあります。次回以降は1000円以上の支援者の方が見られる仕様にいたしますので、あらかじめご了承ください。
より低価格で優れたコンテンツを提供してくれるクリエイターの方々はたくさんいます。支援くださる際には、ご一考のほどをよろしくお願いします。
それでは、始めていきましょう。
コメンタリーなので実際に作品を読みながらお楽しみくだされば幸いです。
■シェアハウスコメンタリー 第零回
開幕から善ちゃんが可愛い。
とか言いつつこの頃はまだビジュアルもろくに決まってなかったんですけどね。
書いてるときはただ漠然と『名探偵コ〇ン』の黒タイツ犯人みたいな猫と犬の影が二匹動き回ってるイメージでしたし。
そう考えると実質『かまいたち〇夜』っぽさもありますねこれ、ウケる。
大智の甘いもの好き設定は完全に気分でつけました。
ゴツイパフェを食べさせたのも正直性癖です。
デカいキャラがゴツイパフェを食べるのが性癖。業が深いんだか欲が浅いんだかよくわからないですね。
プロローグは完全に深夜のノリとテンションで書いていたのですが、それにしてはそこそこ整ってますね。
ちゃんとワクワクするような出だしが書けたなぁと思います。
「シェアハウスしようって言ってんの」は幼馴染の片思い相手に言われたらそりゃドキドキする台詞。
パフェを食べ終わったことで大智の顔が満足げなんだろうなと窺えるのもポイント。
◆
場面は変わって母親たちの登場。ここのやり取りは個人的に楽しくできたかなと思います。
そして大智の紹介。罪多きノンケ犬。このときはまだ黒犬設定もなかったので外見描写は善ちゃんともども徹底して曖昧です。
その後善ちゃんと母親の距離感の話が入りますが、ここで軽い裏設定をば。もし知ってるならあなたは通ですね、素晴らしい。
善ちゃんは母親を「淡白」と評してますが、実際はそんなことはありません。
本当に淡白だったらわざわざ封筒にお金なんか用意してないでしょう。つまりはそういうことです。
シェアハウスは全体的にこういう些細な裏設定が細々ちりばめられているので、そこを考察してみるのも楽しいかと思います。
◆
いざ物件探し。来たるは都会、大学近辺。
作品中で特に言及はしてませんが、善人と大智が暮らす街は都会と言うほど都会でもありません。
人が多い区画から数駅離れた住宅地……と言えば伝わるでしょうか。比率で言えば田舎4:都会6みたいなところです。
なおモデルとなった街は作者の脳内にしか存在しませんので、あしからず。
一生懸命賃貸を漁る二人ですが、手頃な物件はなかなか見つかりません。
それもそのはず、このとき劇中は3月頭ぐらいです。どう考えても大半の物件が埋まってる時期。
まぁ、それもこれも冒頭の展開のためなんですけども。
この作品名にしちゃった以上、是が非でも二人をひとつ屋根の下にぶち込まないと話にならないんで。
……実を言うとこの辺割と何も考えずに書いてた節あるんですが、今見直してみると意外と辻褄合ってたりして逆に面白いですね。
ここで豆知識タイム。作品中でも善ちゃんが訂正してますが「シェアハウス」と「ルームシェア」の違い。
【シェアハウス:見ず知らずの人々が部屋を分け合って共同家屋に住む居住形態】
【ルームシェア:友人等知り合いとスペースを分け合って住む居住形態】
※作者調べ
つまり本来ならこの作品は『あいつとルームシェア』なんですね。いかがでしたか。
結局のところ『あいつとシェアハウス』の語感には劣るので、修正もせず行くことにしたのですけども。英断でした、今思えば。
大智の言い間違いに託けたのでそこまで違和感もないはずですし。
“俺は――自分でも驚くことに――こいつに恋心を抱いている。”
さあ、この話の根幹を決定づける善ちゃんの独白。
植わってしまったあってはならない感情といかにして向き合っていくのか。
性的少数者が陥りやすい葛藤を赤裸々と描くことで、作者自身も苦い経験とケリをつけようとしていました。
そのぐらい意気込んでいた作品がこうして多くの共感を得られているのは、当時思い悩んでいた自分が報われたようで嬉しいですね。
いやまぁ、立派なこと語ってますけど書いてた当時は「こいつらの可愛さを知らしめてくれようぞ」みたいな悪い顔しかしてませんでした。
要は上記の理由は若干後付けです。長い間作品の方針も迷ってましたしね。
このままいちゃらぶ路線で続ける案もあったのですが、覚悟が出来たのは9話、某クソ狼が初登場したあの回です。
あのめんどくさいキャラを取り扱うことが、作者なりの覚悟だったわけです。
話が逸れましたね。とはいえ、善ちゃんの恋心についてはプロローグの通りです。
最初はフランクに軽めの情報だけ。ここで洗いざらい語ってしまうのはもったいないですし。
ちゃんと思わせぶりに、しかし確実に伝えたい内容を上手く書けたなぁと、自画自賛ながら思います。
春だねタイム。3期のほうでもこのシーンのオマージュを取り入れたぐらい個人的にも印象深い場面です。
というかここ、リーマンとJKはともかく「新品のランドセルを背負った小学生」は妙なんですよね。
前述した通り時節は3月頭頃ですから、「新品のランドセル背負った小学生」なんてまだいるはずないっていう。
一応「新品のランドセルを買ってもらい浮かれて背負ってる今年小学校入学予定の子供」ってことなら有り得るんですけど。
まあ、言い訳にしては長いので各々脳内で誤魔化していただければ……。
嫉妬。
ここは文庫版ではより分かりやすい表現に変えてあります。
恋の自覚ってどんなもんでしょうね。気付いたらあった、みたいな人が大半だとは思いますが。
そういうぼやっとしたものを読者にしっかり伝えなきゃないというのが創作する際の大変なところですね。
このときの善ちゃんの反応、ちょっとばかし自身の体験も入ってるのは内緒です。
なんだかんだでシェアハウスすることを決めた二人ですが、はてさてどうなることやら。
書いてたときはよもやこんなこと(1期終盤、3期序盤参照)になるとは思わなかったんですけどねえ。どうしてこうなったんでしょうねえ。
作者の創作ポリシーが「先にある希望のために一旦崖から突き落とす」なので仕方ないところはありますけど。
登場人物だけじゃなく読者の方々も振り回せてるのは、如何せん愉悦の極みですけども。
いやホント、ついてきてくれて感謝しかないですね……。
というわけで、善ちゃんが鼻血を出したところでプロローグは終了です。
流れに任せ片想い相手と同棲する羽目になってしまったクソホモの運命や如何に……?
だとか、どこかコミカルな感じで引いておいて、「ラブコメかな」なんて思わせておいて、蓋を開けたらアレですからね。
ぶっちゃけ詐欺に等しいですよねこれ。魔が差したってレベルじゃないですよねこれ。
とはいえ「事故」だとか「病気」だとか恋愛モノにありがちな要素を踏襲せず頑張ったので赦していただければ幸いです。
□終わりに
突発的企画『シェアハウスコメンタリー』でしたが、お楽しみいただけたでしょうか。
ホントに読み返しながら作者がつらつら戯言述べるだけなのでしょうもないっちゃしょうもないんですが、執筆中の出来事なんかを思い出して綴っていくので「こんなこと考えながら書いてんだな~~」ぐらいの気分で読んでくださるのが良いかと思います。
次回以降も今回のようなノリで書き連ねていく所存ですので、物好きな方は是非お楽しみください。
再三になりますが、トラブルの発生を避けるため、ご支援は納得された上でよろしくお願いします。
それでは、次は『シェアハウスコメンタリー 第一回』でお会いしましょう。