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「陸に打ち上げられて その2」

先日、にこい様が上げてらした【要介護鎮守府】(https://www.fanbox.cc/@nikoi58/posts/5600776)というネタが素晴らしく、勝手にSSを書かせて頂いた結果、こちらでも掲載して良いとのご許可を頂いたので公開させていただきます。こちらは一つ前の投稿(https://stickhuman.fanbox.cc/posts/5620209)の続きです。

にこい様、本当にありがとうございます。

ここでよくわからんSS読んでないで早く向こうのページで素晴らしい絵を堪能してきてください。



── ── ── ──




「はぁ・・・気が重い」


深海棲艦との戦いが終わり、退役となった艦娘達。

そんな艦娘の肥満化が深刻な問題となっている昨今、同じ艦娘ながら今も現役である明石は上からの依頼で艦娘達の体力測定をして回っていた。

先日は大淀を見たわけだが、あの彼女ですら──むしろ彼女だからだろうか?──物凄く太っており、要介護艦娘と認定せざるを得なかった。

そして今日向かう先は・・・


「赤城さんと加賀さんの住まい・・・かぁ」


正規空母たる赤城と、その姉妹艦たる加賀。

二人の燃費・・・特に赤城は大食らいと有名であり、ほぼ確実に要介護艦娘として認定する事となるだろう。


「また大淀の時みたいに二回行く羽目になるんだろうなぁ」


徐々に離れていく街並みを横目に、明石は車を運転しながらそうぼやく。

先日の大淀もそうであったが、退役した艦娘達は大体やや大きめの一軒家を建てて住んでいることが多い。

姉妹艦で同じ家に住むことも多く、赤城と加賀もそのケースだ。

場所は大体郊外であり、人知れず静かに暮らすことが多いのはやはり戦場を忘れてたいのか・・・

そんな事を考え、ふと明石は考えを口にする。


「にしても・・・赤城さんはともかく加賀さんも退役するなんて思ってなかったなぁ」


あの凛とした・・・日本刀の様に鋭く切れる雰囲気を持つ加賀は自身のあり方を誇りに思っていたはずだ。

それこそ『一航戦の誇り』と良く口にしていたのを明石も覚えている。


「・・・はぁ。赤城さんの暴飲暴食を加賀さんが止めててくれるとか無いかなぁ」


そうすれば楽に体力測定も終わるのに。

大淀の時は酷すぎて一度尋ねたが大淀の体格と比べて設備的にまともに体力測定出来る状態ではなく、柵やらマットやらを日を改めて色々用意したのだ。

当然それだけ面倒がかかるので、明石としてもできれば何もせずに体力測定程度は出来る体型で居て欲しい。

そんな事を考えつつ二人の住む住宅へと着いた明石は車を停め、備え付けられたインターホンを鳴らす。


『はーい』


インターホンから聞こえる久々に聞いた赤城の声に明石も返事を返す。


「お久しぶりです、明石です」

『ああ!今開けますね』


そして中から聞こえるバタバタ・・・あるいはドスドスという音を聞きながら明石は少し違和感を覚えていた。


「どうも、お久しぶりです」


だが、その違和感は現れた赤城を見て吹っ飛んでしまった。


(参・・・いや肆!?)


そこには明石の願いも虚しく、立派すぎるぐらいでっぷりと太った赤城が立っていたからだ。

元々大きめだった胸は胸当ても無いからかどーんと前に飛び出し、ゆさゆさと大きく揺れている。

そんな胸を支える腹は大淀よりは小さい物の、それでも太ももを覆い隠す程には前に垂れ下がっており、横幅も扉をギリギリ通れるかどうかという所。

当然尻もデカく、安産体型と言うにはあまりにも横幅がありすぎる。

腕も最早弓を引くどころか曲げることすら厳しいだろう太さで、丸太を思わせる太さだが丸太と違って柔らかそうに潰れている。

首は大淀同様に既になくなり、喋る度にタプタプと頬の肉が揺れているのがよく分かる。

そんな身体を支える両足も勿論太く、大淀にも負けない太さだが大淀と違いしっかり歩いており、おそらく大淀よりも馬力があるお陰で動ける様だ。


「お、お久しぶりです・・・先日伝えた測定に来ました」

「ええ。とりあえず上がってください」


そう言って家の中に案内してくれる赤城。

一歩歩くごとに目の前でど派手に揺れる赤城の肉を見ながら、やっぱりこうなったかとやや諦めた顔をする明石。

やっぱり加賀さんでも止められなかったかと、そこまで考えた明石はふと疑問を口にする。


「そういえば加賀さんは?」


そう、先程明石が感じた違和感・・・それは加賀が出迎えなかった事だったのだ。

鎮守府で加賀と赤城の部屋を尋ねた時は、不在の時以外必ず加賀が扉を開けていた。

それなのに今日は赤城が出迎えたということは、もしや不在なのかもしれない。

事前に何日に測定に向かうと伝えてはいるが、それでも急な用事等もあるだろう。

この時点で2回目が確定かと思う明石だったが・・・


「加賀さんなら奥に居ますよ」


そんな赤城の台詞に思わずえっ?っと反応してしまう。

奥にいる?なら何か作業をしてる?でも加賀さんはこういう時一度作業を止めてでも出迎えに来るはずなのに?

疑問が頭を巡る中、奥へと連れられた明石の前に大きな扉が現れる。

『加賀』掲げられたプレートを見るにおそらく加賀の私室であろう部屋の前で赤城が止まり、コンコンとノックをする。


「加賀さん、明石さんが来ましたよ」


そう言って扉を開ける赤城。

それに続いて部屋に入ろうとした明石は、その場で思わず立ち止まってしまった。


「げぷっ・・・いらっしゃい。ひさしぶりね・・・」


そう返す加賀だが、その体は赤城以上にでっぷりと・・・そして身動きが全く取れないほどたっぷりと太っていた。

足はその全てが贅肉に埋もれて足の裏しか見えない状態で、歩く必要が無いと言わんばかり。

当然立っていられるわけもないため前に放り出しているのだが、肉が干渉してまっすぐ伸ばせないのかやや前斜めに出ている。

そんな足を包み込むように乗っかり、贅肉で押しつぶしている腹はあの大淀ですら痩せて見えるほどの圧倒的質量。

子供程度だったら乗ってベッド代わりに使えるだろうと思える程のサイズで、丸見えのへそが深い洞窟にも思えるほど。

その腹に乗る胸も当然大きく、赤ん坊が二人くっついているかのようなサイズで呼吸の度に大きく沈み込んでいる。

腕は『太い』というより『幅広い』と言いたげな程で、だらんとだらしなく垂れた二の腕が横に広がり大きくせり出した脇腹に乗っかっている。

首は肉に埋まるどころかマフラーの様に段を作って広がり、顎の骨格が辛うじて見える程度。

頬の肉は丸顔どころか横に飛び出し、耳のあたりまで肉で埋まって首の肉とつながっている程。

ここまで太っていてなおその手には食べ物がしっかりと握られっており、甘そうなチョコバーをムシャムシャと食べ続けているため加賀の周りに次々と空袋が増えていく。


「か、加賀さん・・・ですか・・・?」

「ええ・・・ここまで太ったらわからないかしら?」


信じられないと言いたげな明石の言葉にどこか自虐的に返す加賀。

それでもなお食べ物を食べる手を止めない加賀に、明石が昔とのギャップで困惑する。

そんな明石に赤城がこっそりと耳打ちをする。


「実は・・・私より加賀さんの方がよく食べるんです。

 戦時中は色々我慢してたんですけど、平和になった途端その辺抑えなくなって・・・」

「それで・・・」

「ええ、なので今は私が加賀さんの面倒を見てるんですよ」


そう言われて明石も納得をする。

この状態の加賀では動くどころの話ではない為、赤城がどうにかしないといけないのだろう。


【ぐぅぅぅぅうううう・・・】


「・・・駄目ね。おやつ程度では全然満腹にならないわ」


山ほどチョコバーを平らげた加賀だが、それでもなお腹の虫が鳴っているらしく食事をしたいと言いたげに腹をなでている。


「まぁ加賀さんったら・・・後でピザでも取りましょうか?」

「良いわね・・・明石も食べる?」

「・・・いえ、結構です」


呑気にそんな事を話す二人を前に頭が痛くなった明石は、二人の誘いをそっと断る。

結局体力測定も一応やったが、赤城は『要介護艦娘の肆』・・・加賀は測定不能のため便宜上最上位の『伍』の扱いとなった。


「・・・これは、『要介護艦娘の陸』を設定しないと駄目かもしれないわね」


赤城と加賀の家からの帰り道。

車を運転しながら今日の衝撃的な加賀の様子を思い出しつつ、明石ははぁ・・・と行きとは別の意味でため息を付きながら頭を悩ませるのだった。


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