こんにちは、nekomo🐾です🌄
ぼかえり2024夏参加作品、海茶さん作曲の『巨人の肩から見下ろして』でMVのイラストやキャラクターのドット絵を制作させていただきました!
N: https://www.nicovideo.jp/watch/sm44030058
海茶さんの新作としては実に丸1年を空けての公開となりましたが、多くの方々にお楽しみいただきほっとする思いでございます。
私以外にも様々なイラストレーターをお呼びさせていただいた本作について制作話をしようかなと思います。
たぶん楽曲のストーリーの核心や時系列が推察・確定できる内容は含みませんのであしからず~!
ネット上の情報や、サブスク配信中のアルバム等からご推察の通り、本作『巨人の肩から見下ろして』は海茶さんの現在公開中の作品の中では最古の『クモヒトデのうまる砂の上で』より前に作曲されたものです。
朝 がキーワードの一つである本作はいずれにせよどこかで、琴葉姉妹ちゃんが歌うリメイク版の公開が予定されており、今回そのMV制作にあたってお手伝いさせていただきました。
時代の流れが進んでいる印象を感じられる本作品のMVを通して、姉妹ちゃんの衣装はざっくり2度変わっています。
これは歴史(文明)の変遷を想わせるものであると共に、実は琴葉姉妹ちゃんというコンテンツ・存在そのものの歴史も感じられるように仕込んでおり、
姉妹ちゃん好きの方であればあるほどニヤリとしてしまう内容を狙っています。
MV序盤に登場するこの衣装を『巨人の肩から見下ろして』を代表する衣装と位置付けるつもりで設定しておりますが、実はこれ完全オリジナルの衣装ではありません。
ネット上では以下のライブ配信のアーカイブから確認できるのですが、琴葉姉妹公式の没デザインを基にしております。
今風のクールなかんじちゃんです。
『巨人の肩』固有の衣装を考えるときに意識したかった点は
フラットなものであること (『時間の流れが壊された~』という歌詞とともに文明を遡ったような情景が広がるが、2人の衣装は景色の時代に合わせた感じでもなさそうな、過去とも未来とも捉え得ぬような何でもない感じ。) でした。
個人的に本楽曲のコードネームが『0作目』 であったことからも、ゼロ をキーワードにしたいという気持ちもぼんやりあってのことだったと思います。
それで言うとまず『宝石の国』(人類の文明が滅んだ後の遠い未来の話で、アポカリプス的世界観。キャラクターの性別も存在せず、彼らの衣装は拠り所とする文化のないような印象を与えていると私は感じています ) を意識した黒い衣装を思い浮かべました。まず黒で行こう、が出発点です。
その上で、「ここぞという時点から琴葉姉妹ちゃんの最もオーソドックスな公式衣装を出したい」と思っていたため、その文脈を更に活かす事もできる、
公式衣装に辿り着く前の衣装として、またゼロの立ち位置として相応しい 琴葉姉妹の誕生する前 の衣装から選抜することにしました。
黒いコートを着ており、髪型は印象を変えすぎないロングヘア。
そして髪のグラデーションや、ヘアアクセ・胸元に散りばめられた図形などが与える古風でない(寧ろ近未来的な)印象が良い感じに目指したいところにマッチしていたため今風のクールなかんじちゃんを採用しました。
せっかく姉妹ちゃんに没衣装があるので、この楽曲の衣装として、をとっかかりに日の目を浴びさせたいと思ってのことでもあります。ぜひにかわいがってあげてくださいね。
おなじみの公式衣装です!
サビに入るまでの和歌・俳句パートについてほぼ初期段階から、色々な時代の衣装を着た姉妹を現代に近づいていく形で出していくことを考えておりました。
『この味が』の部分で現代(近代)の衣装として着せるのは何かと考えたときに、そもそも和風イメージでもある公式衣装が出るとグッとくるものがあると思いましてそのように。そのまま以降のパートはしばらくこの衣装を登場させることにしています。
これまで海茶さんの琴葉姉妹は海茶さんの琴葉姉妹としてオリジナルの衣装のみを着ていましたが、ここで敢えて公式衣装を着てもらって、この2人は楽曲群の登場人物であると共に確かに「琴葉姉妹」なんだっていうのが再確認出来てこれもまた良いですよね。
ここに至るまでの和歌パートイラストについては後述します(というか、ここが一番イラスト枚数すごいことになってるしね。)
コトモニ(琴葉姉妹10th記念ライブ)の衣装です!!
製作期間中ライブのアーカイブをひたすら見返していていて、
『この衣装かわいいから機会があれば出したいな』『ラスサビは近未来の情景に合う衣装にしたいな』『ここまでの衣装変遷の流れを汲んで表現できるエモい姉妹ちゃんの衣装って...』のすべてを実現するのはこれしかない!!と思い即決!
コトモニ、本当に良いんですよ……良かったですよね……
『巨人の肩』を聴いてくださる人の中でコトモニを観た人にその熱を想起させるような登場のタイミングを目指してみました。ラスサビで湧き上がった方がいてくれたら幸いです。
この通り、文明の歴史と一緒に琴葉姉妹そのものの歴史の歩みも感じることができる絵作りを目指しているわけです!
ということで本作は公式サイドの衣装でそろえることが意識されていたのでした。
いいよね、いい
和歌・俳句のフレーズを詠むパートのイラストについて。ここはイラストをたくさん描かせていただきました!!見ごたえのある場面にできたかなと思います。
(コトフェスに参加する機会があればグッズ化とかしてみたいですね)
この部分の歌詞は引用元の和歌・俳句が飛鳥時代から現代まで下っていくものです。
できるだけ和歌等の詠まれた時代に合わせつつも、(和歌の時代配分が均等ではないので)均等に様々な服装を見せることを意識。
私「このパートって2小節ごとに手前、奥の二人が衣装を変えつつグルグル回るように入れ替わっていくイメージなんだけどどうですか?」
↑この時点で、何パターンの衣装が何枚必要になりそうか数えずに言っている(バカ)
●飛鳥時代
茜: 天智天皇(百人一首の絵柄より)
葵: 天武・持統朝女官朝服
詠み手から明確に衣装を借用しているのはここの天智天皇くらいですかね~。
●奈良時代
茜: 僧
葵: 養女の衣服令による命婦礼服
ここで描いた僧の衣装のビジュアルは厳密には平安以降に定着したものかもしれないのですが、僧の服自体は奈良時代に既に存在しているようです。
●平安時代
茜: 巫女服
葵: 水干
水干とは元々は男子の装束だそうですが、神職や巫女の装束として着られることもあるそうです。逃げ上手の若君に出てくる衣装はこの類だと思います。
●平安時代2
茜、葵: 十二単
言わずと知れた清少納言の時代の衣装です。
服の模様は"亀甲地紋向蝶丸"、髪留めの名前は"絵元結"... 時代考証はできるだけ通しで意識しているのですが、十二単は複雑な衣装ゆえ特に頑張りました。
●鎌倉時代~江戸時代
茜: 忍者
葵: 侍
この部分、時代が一気に飛びます。間に戦国時代があり、戦乱の時代ゆえ歌を詠んでいる暇などあまりなかったのかもしれませんね。
戦を想起させる衣装を選ぶことで大雑把にこの辺りの時代を表現しました。
忍者衣装は某忍漫画や某シノビアニメイシヨンを意識しています。
海外のリスナーさんがいることもあり、ああ、日本のニンジャ・サムライね!とここで気が付いてもらえるかなと...
●江戸時代~明治時代
茜: 紳士服
葵: 鹿鳴館ドレス
明治維新・文明開化の時代です。西洋かぶれのハイカラな衣装でまとめました。
ドレスを単に着せると現代のドレスのようにも思えてしまうので、明治~昭和あたりに流行ったヘアアレンジを葵ちゃんにしてもらいました。
紳士服は岩倉使節団などを参考に。
●明治時代~昭和時代
茜: 学ラン
葵: 洋服 昭和レトロ
茜ちゃんの衣装と表情に性癖をつめました。衣装参考は『千本桜 feat.初音ミク』『大逆転裁判』など。
この類の衣装を着せると帽子の鍔から影を落として、下瞼ありのジト目を描きたくなってしまうので素直にそうさせていただきました。
葵ちゃんの参考元は『窓ぎわのトットちゃん』など。
●現代
茜、葵: 公式衣装
15 弥勒は出でず 斎藤茂吉 1882-1953
16 この味が 俵万智 1962-現在
ここまで来ていよいよ公式衣装が描けるのが気持ちよかったです。
NEUTRINOではない姉妹ちゃんの調声の雰囲気にあわせて、おどロボとは雰囲気を少し変えて表情は控えめに。あ.さんの姉妹ちゃんの雰囲気をどことなく出すようにしました。
今回は、2小節に1振付程度 の割り振りだった過去作とは見せ方を変えて、1拍ごとにポーズを切り替えています。
現行のMVに縛られない色々なドットアニメの魅せ方も可能にするべきだと思い(おどロボでハードルを上げ過ぎた...)、見せ方を変えてみようという意図があったのですが、
結果としてアップテンポな楽曲を気持ちよく魅せられるかたちになったかと思います。
また、ベタ貼りでポーズが変わるのではなく、緩急のある伸縮をつけるためのアニメーションをしています。
今回意識したポイントは『最初の動きは速く、最後の動きは遅く』見せる事です。
最初に2ピクセル背伸びして、最後に1ピクセルだけ落ちます。これで疑似的に&有機的にイージングを再現し、見てて気持ちの良いモーションになりました。
最初はアニメーションを描くのではなく動画側の制御などで表現できないか模索したのですが、それだと今一つ理想に届かないかな...となり、結局のところ手描きが一番いい感じでした。
今回は乗り物や背景の殆どをるねつき大先生が、
間奏に登場する雰囲気派の姉妹ちゃんイラストをそにもちさんが、
最後に登場するイラストを1,2作目MVのあ.さんが描いてくださいました。
全員が持ち味を活かせる部分で尽力いただきありがたいですね……!!
そして私自身も最初はここまで力を入れることは想定していなかったのですが(このMVを観た方によく「頑張りすぎ」と言われます)、おかげさまで見応えのあるMVになったかと思います。
海茶さんの久々の新作として期待を裏切らないものにできていれば幸いです。
ここまでお付き合いいただきありがとうございました。またお会いしましょう🌟
nekomo🐾