SAOを攻略して6千人の命を救った英雄キリト。4千人の死者を出したSAO内で起きたことに対しては基本的に他言無用である為に彼の名は報道されず、世間で名前が広がっているわけではない。けれど、ネットゲームを愛好する者の間ではやはり英雄だった。
だが、その英雄の現在の姿を知る者は少ない。何故なら彼は、ネットゲーム上に姿を現すことがほとんどなくなっていたからだった。
「お兄ちゃんのおちんちん、気持ち良いよぉおおおおおおおおぉっ♡ いっぱい、感じちゃうよぉおおおおおおぉっ♡」
桐ヶ谷和人は妹妻の肉壺を激しく、けれど、無表情に突いていた。
和人が正常位で直葉を抱くのは珍しいことだった。何故なら、妹妻は性欲が旺盛過ぎて騎乗位で自ら腰を振ってセックスの主導権を握るのがデフォルトだからだった。
けれど、今日に限っては和人が主導権を握ってセックスに勤しんでいた。それは何故なら、今日が和人の誕生日だからだった。
「お兄ちゃんが、自分の誕生日……あぁああああああぁっ♡♡ あたしのこと、積極的に抱いてくれるなんて♡♡ とっても嬉しいよぉおおおおおおおおおぉっ♡♡」
直葉は和人に膣をピストンされて愛液を撒き散らしながら激しくよがっていた。
誕生日だから和人が積極的に直葉を抱いている。それは間違いなかった。ただし、その理由は妹妻の考えとは少し違っていた。
「今日は俺の誕生日。受け身のままでいたら、直葉は『あたしがプレゼント』だと称して、俺が死ぬまで絞り尽くすに違いない。それを阻止する為には……俺が主導権を握って、残りのライフポイントを管理するしかない」
和人は激しく柔肉を刺激しながらも限界を超えたリズムにならない様に、射精してしまわない様にペニスに受ける刺激をコントロールしていた。和人がセックスに積極的な理由。それは生き延びるためだった。
直葉は精液を膣から吸収して自分のエネルギーに換えることができる特殊体質だった。すなわち、セックスを続けていると無限にエネルギーが回復していく。全国大会レベルの腕前を持つ剣道で鍛えているので一日セックスを続けても足腰は平気なまま。
和人との誕生日ともなれば、お祝いに1日で100回戦以上しかねない勢いだった。貧弱な坊やである和人は絞り尽くされて死んでしまう可能性が高い。だからこそ、夫は常をリードし続ける必要があった。
「腰はガクガクになったとしても射精の回数をコントロールし続けることができれば……俺は死なずに済む」
英雄キリトは絶望的な状況でも希望を失っていなかった。だが、彼にとっての現実世界はSAOよりも遥かに過酷な世界だった。
「お兄ちゃんっ♡ あぁああああぁっ♡ そろそろ、子宮に赤ちゃんの素、いっぱい注ぎ込んでくれて良いんだよ♡」
射精をねだるJC妹妻。だが、和人はそれに応えるつもりはない。応えてしまったら主導権を握っている意味がなくなってしまう。まだまだ射精するつもりはなかった。だが──
「……出しちゃえっ♡♡」
直葉は膣をキュッと締めてみせた。
その刺激は和人にとって予想外の物だった。
「えぇええええぇっ!? うぉっ!?!?」
和人は刺激に耐えることができず、反射的に射精してしまった。
夫の意思に反して妻の子宮内へと一斉に注ぎ込まれていく精液。
あまりの気持ち良さに和人の全身が激しく震えた。だが、心は愛妻への膣内射精に反して曇っていた。
「お兄ちゃんの赤ちゃんの素……気持ち良いよぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおぉっ♡♡」
妹妻は全身を震わせて腰を反らせ手足を伸ばしながら激しく中イキしていた。その表情は幸せそうだった。
そして、和人はあまりにも残酷な現実を忘れていたことを思い出したのだった。
「…………そうだった。直葉は俺をいつでも射精、勃起させられるんだった」
頭がクラクラした。
直葉は、膣の締め付け具合をコントロールすることで和人をいつでも射精へと導くことができる。尻や腿を弄ることで、いつでも勃起状態へと復活させることができる。
2つのコントロールを合わせれば、和人が主導権を握って正常位でセックスしたところで射精回数をコントロールするなんてできない話だった。
「お兄ちゃんの熱を子宮の中で感じて気分がとっても良いの♡ 早速、2回目始めようよ♡」
直葉は腕を伸ばして和人の尻を軽くつねってみせた。
性器を弄った訳でもないのに和人のペニスはフル勃起状態になってしまった。ペニスは直葉の膣内に収まったまま。彼女の言う通り、2回戦は今すぐにでも始まろうとしていた。
「このまま今日一日、搾り取られて干からび死するのか……」
和人が死を覚悟したその瞬間だった。
「はっ! 黒アスナさんが殺気を撒き散らしながらこっちに近付いてきているっ!」
直葉が大きく目を見開きながら黒アスナさまの接近を感知した。
「リアルワールドは……ドラゴンボールの世界なんだよなあ……」
SAOの英雄は気を感じ取ることができない。リアルはゲームを遥かに超越した別次元に突入していた。
「黒アスナさんは間違いなくお兄ちゃんとあたしを殺しに来ているよっ!」
直葉は自ら膣内に収まっているペニスを引き抜いてベッドを降りて立ち上がってみせた。
先ほど射精された精液が膣から零れ出てきたが、妹妻は一切気にしていなかった。
「ちょっと迎撃して来るから。お兄ちゃんはそこで待っていてね」
直葉は一瞬にして道着に着替えると竹刀を握って夫婦の寝室から出て行った。
部屋に残されたのは和人1人。彼にとっては貴重な休息時間であることは説明の必要もなかった。
「殺しの神に命を狙われることで生き永らえる。本当に、リアルワールドはヴァーチャルワールドよりも恐ろしい世界だぜ……」
和人は命の洗濯をしながらSAOよりも過酷なリアルワールドの壮絶さを改めて噛み締めていたのだった。