SS 俺ガイル 雪ノ下雪乃 ゲリラ豪雨
令和の夏のゲリラ豪雨ってヤツはあまりにも突然で、そして強烈だ。
「遠くの雲が黒くて怪しいぞ。雷も鳴り始めた。そろそろ撤収しようぜ」
「ええ、もう終わるから5分後には撤収しましょう」
夏休み中の夕方、恋人の雪乃とネギ畑の世話をしていた時のこと。
色素が薄くなった青空の果てに暗雲が見えた。その暗雲はどんどん空に占める割合を増しながら近付いてきた。雷の音まで聞こえ始めた。
この場所も近い内に雨が降るかもしれない。予感はしていたが、対応はのんびりしたものだった。雨が降り出すのは撤収が完全に済んだ後。勝手にそう考えていた。
だが、天気は人間の都合なんて聞いちゃくれない。5分後なんて区切りは雷雲さんには意味のないことだった。
道具を片付けてさあ帰ろうとしたところでゴロゴロゴロ~っとひと際大きな雷の音が鳴った。その雷鳴を皮切りに……大粒の雨が激しく振り出したのだった。
「傘っ!」
「この激しい雨に加えて風も吹いている。折り畳み傘なんてひっくり返るだけよ」
「なら、とりあえず雨宿りだっ!」
「一面が畑のどこで雨宿りできるというの?」
「なら、雨宿りできる場所まで……走るぞっ!」
5分出発を遅らせたばかりに俺たちは雷雨の中を遮蔽物のない畑を駆け抜けていくことになった。
「……もう傘は必要ないわね」
「濡れきってしまったからな」
風まで吹いているおまけ付きで僅かな時間で全身ずぶ濡れになってしまった。
俺たちが管理している畑は駅からは少し離れたところにある。駅まで走り切る体力は雪乃にはない。それに駅まで辿り着けたところで全身濡れ鼠の状態はどうにもならない。
だから俺たちは駅に向かうのではなく、その途中にある身体を乾かせる施設へと向かうことにしたのだった。
***
「撤収間際にゲリラ豪雨だなんて……まったく、困ったものだわね」
俺たちが入ったのはラブホテルだった。風呂にも入れて濡れた洋服を乾かせて2人きりで体を休めることができる施設かつリーズナブル。そういう条件に合うのはラブホしかなかった。
そして、経過はともあれラブホに来た以上、やることは一つだった。
「……八幡くん、目がいやらしいわよ」
「雪乃ってノーブラだったんだな」
「えっ?」
雪乃は慌てて目線を下げて自分の胸元を見た。
雨でシャツが透けて桜色の乳首が見えてしまっていた。
「あっ」
「…………私の裸は夏休みに入ってから毎日の様に見ているじゃない」
「男にとってラッキースケベってのはそれだけで格別な意味を持つんだよ♪」
ニヤッと笑いながらわざとらしく雪乃の濡れ透け乳首をガン見する。
この世界一綺麗な乳首を他の野郎に見られる事態にならなくて本当に良かった。駅に向かわなくて良かったとしみじみホッとする。
「私にとっては恥ずかしいだけよ」
雪乃はちょっと怒った声を出すと着ている物を全て乱暴に脱ぎ捨ててしまった。
「おっ、お風呂に行くわよっ!」
怒っているのか恥ずかしがっているのか。その両方なのだろう。
全裸になった雪乃は大きな声を上げると俺の手を掴んでバスルームへと移動していった。
「雨で濡れてしまった身体で浸かる大きなお風呂はやっぱり格別ね♡」
雪乃はラブホの一般家庭よりも大きな浴槽に浸かったことでようやく機嫌が直ってくれた。
「八幡くんとこうして一緒に広いお風呂に入れるのなら……ゲリラ豪雨も悪くないわね」
「高校生カップルのセリフじゃないぞ……」
高校生なのに黒い色のクレジットカードを持つお嬢さまにとっては金銭の掛かる“休憩”というのは何ら問題にならない。ラブホで入浴して、身体と服を乾かして、そして──
「服が乾くまではまだ当分時間が掛かるわ……それまでは、恋人同士の時間を楽しみましょう♡」
高校生の恋人は年齢以上に大人びた表情で妖艶に微笑んでみせた。
「ああっ♡ あああっ♡ 八幡くん、いつもより気持ち良い♡♡ 雷雨に当てられてあなたにえっちな目を向けられて……興奮しちゃっているのが分かるわぁっ♡♡」
この日のセックスは普段以上に盛り上がった。
台風が来るとなんか知らないけれど元気が漲ってくるのと同様に、ゲリラ雷雨は俺たちの興奮を高めてくれた。
「八幡くん♡ 好きっ♡ 好きっ♡ 愛してるのぉおおおおおぉっ♡」
「俺もだぁああああああああああああああぁっ♡」
雪乃の子宮目掛けて精液を解き放って最高の快楽を得る。俺たちは時間を忘れて盛りまくったのだった。
その結果、雨が降り止まなかったこともあって、その日はそのままホテルにお泊り。外の雨よりも激しい一夜を過ごしたのだった。