SS かぐや様 伊井野ミコ
8月2日はパンツの日。パンツの日と言えば、思い出すことがある。
『優はどんなパンツが好みなの?』
ミコに尋ねられたことがあった。
『どんなパンツって言われてもなあ……』
目の前の全裸の恋人を見ながら返答に困る。
夏休み中ということもあって、僕らは朝っぱらからセックスしたばかりだった。
裸のミコの柔肉を毎日堪能していたリア充を極めた僕にとって、パンツがどうとか言われてもピンとこなかったのだ。
『純白とか黒いのが好きとか色々あるでしょ?』
『ちょっとエッチなラブコメ的にはパンツの柄や色は任期を得る意味で重要な要素……いや、これも過去形か?』
自分で喋りながら唸ってしまう。
ネットが発達し過ぎて、誰でも簡単にエロ画像に接近できるようになった。
例えばpixivでは、全年齢絵と称して扇情的な美少女の下着AI絵が誰でも簡単に拝見できる。乳首と性器さえ見えていなければ全年齢判定されるから。他のサイトも境界線は緩い。つまり、フィルタリングに引っ掛からないエロ画像は子どもでも幾らでも見放題な世の中なのだ。
果たしてそんな世の中で、パンツ1枚で人気が盛り上がるのかは疑問。稀少性がないからだ。キャラやストーリーあってのパンツ、パンツ漫画という呼び方はもう過去のものになっているのではないだろうか?
『何をブツブツ言っているの?』
『いや、二次元におけるパンツ価値の値下がり、値崩れについて考えていた』
『二次元じゃなくて、三次元。リアルの話をしているの。優は私がどんなパンツを穿いていたら嬉しいの?』
直球の質問というか要望が飛んできた。
『ミコに似合うパンツ、ねえ……』
改めてミコの身体を見つめる。
彼女は今何も身に纏っていない。
僕の趣味に合わせたというつるつるなアソコが丸見えになっている。
僕にとっては、ミコの全てが見えているがデフォルト。下着姿をじっくり堪能という覚えがあまりない。10代の若い性欲はパンツとブラを1秒でも早く剥ぎ取りたくて仕方ないのだ。
『どうしよう? 改めて問われると希望のパンツってのが思い付かない……』
童貞だった頃の僕なら理想のパンツについて幾らでも考えを張り巡らせることができただろう。それが理想を追い求めるということだから。
でも、パンツよりも凄いものを毎日見放題になってしまったら。パンツを追求する純情ムッツリ男子の魂を失ってしまっていた。
『何かないの? 例えば大事なところに穴が空いているパンツが好きとか?』
『鬼の風紀委員と呼ばれた女子高生が口に出す単語じゃないよね……』
『じゃあ、何か優が好きなパンツを言ってよ』
ミコは唇を尖らせた。
だけど、彼女の不満はもっともなことだった。
もう一度考え直してみる。
『ミコに穿いて欲しいパンツ……こういう時は原点を思い出すべきだ。僕にとって、美少女パンツの出発点。それは……』
僕の脳裏に思い浮かんだのは国民的アニメのヒロインのパンチラシーンだった。
『しずかちゃんの白パンツ……』
『えっ?』
『……僕の根源は、純白パンツだったんだ。飾りは赤いリボンのみ……』
この国の子どもなら誰もが一度は見たことがある超長寿アニメのヒロインが時折みせる白パンツ。F御大のヒロインの必須装備とも言える飾り気のない白パンツこそが僕の原点だった。
パンツに興味を失い掛けている今の僕にとっては、出発点しか深く思いを巡らせることができるものがなかった。
『白い飾り気のないパンツ? 今、そんなの持っていたかなあ?』
ミコはタンスの中を漁ってみせた。元僕専用の洋服タンスはミコの衣服が3分の2を占める様になっていた。
『あっ♪ 中学生の時のパンツを発見♪』
ミコは嬉しそうに1枚の小さな布地を取り出してみせた。そして──
『優が望んだ白パンツだよ♡』
純白のパンツを穿いてみせたミコがベッドの脇に立っていた。
ミコが吐いているのは本当に飾り気のないパンツだった。男女交際絶対反対の鬼の風紀委員だった時の彼女らしい清楚で純白のパンツ。この1年で肉体的にエロく成長したのか
パンツは少し小さめだった。
鬼の風紀委員+現在のエロ彼女。2つのハイブリッドを見せ付けられた僕は──
「ミコぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおぉっ!!」
彼女に飛び掛かってベッドに押し倒していた。
僕のパンツに対する情熱は決して失われていなかった。
「優の……ケダモノぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおぉっ♡♡」
ミコは嬉しそうな声を上げた。そして僕たちのセックス第二ラウンドが始まりを告げた。
挿入するのに邪魔になったのでキツめの純白パンツはすぐに脱がしてしまった。ミコはいつも通りの全裸になった。でも、僕はパンツへの熱い想いを激しく胸の内で萌え滾らせながら彼女の肉壺をいつも以上に興奮しながら堪能させてもらったのだった。
了