六月号(「機械仕掛けのファム・ファタール」について/ロボ娘が登場するアダルトPCゲームについて)
Added 2021-06-01 09:00:00 +0000 UTC<この記事には、既刊「機械仕掛けのファム・ファタール」に関するネタバレが含まれます。ご注意ください。>
ごあいさつ
今月もご支援くださりありがとうございます。今回は「機械仕掛けのファム・ファタール」の設定集を掲載させていただきます。
販売開始したのはなんと一年半も前の話で、販売作品で言えば四作目(表紙イラスト付きだと二作目)です。「アンドロイドがいるホテル」に続いて八万字越えというボリューム感でしたが、そちらがオムニバス形式だったのに対してこれは一続きのお話になっています。
嫁が欲しくてアンドロイドで練習しようとしたらアンドロイドが嫁になっちゃったみたいな設定はすぐに思いつきそうな感じですが、個人的にはそういった作品はあまり(というか全く?)読んだ経験がなかったので自分で書いてみようというモチベーションが当時はあったと思います。
設定集
アンドロイドの各モデルは春霞重工カタログ(抜粋)という体です。
高級モデル(三種)
容姿は自由に変更可能。業務用では秘書が最も多いが、かなり高い割合で個人用。
・ホルダード(女性型、4000万円~)
「妊娠」以外の人間女性の機能を全て備えた、あらゆる面において人間に勝る「最上のパートナー」をコンセプトに開発された。年間に販売される台数は10台に満たない。
・アムルダード(女性型、1300万円~)
(※アヤノはこれに相当。)ワフマン同様、廉価版の上位モデルとして開発された。より人間に近い外見や挙動で、これにカスタマイズを施すことが富裕層の一つの趣味となっていた。年間販売台数は1000台程度。
・ワフマン(男性型、1100万円~)
廉価モデル(四種)
基本的にモデルごとに容姿のバリエーションが限定されている(20種程度)
・アナーヒト(女性型)、アーダル(男性型)(医療、治安維持、教育等。200~400万)
多くの公共機関で目にするのはだいたいこれで、現在最も一般的に広まっている。個人で購入することはできない。
・ワルフラーン(男性、女性型。家庭用。80~600万)
主な用途は家事手伝いや、店のスタッフなど。
・ミフル(中性型。300~900万)
上の三種ではカバーしきれない特殊な業務を担当。
プロット
1、アンドロイドを購入、対人恐怖症で勃たない、童貞卒業(未遂)
2、幸せな生活を送る、買い物に一緒に出かけたり。何度かの訓練を経て、やっと童貞卒業。
3、街を出歩く 女の子を待たせている間、ナンパ男に絡まれる 路地に誘導し撃退
4、撃退した女の子の「力強さ」に興奮、レイプモードを起動、犯されプレイをする。以後、それを学習したアンドロイドは、セックスの時だけ自ら性格を豹変させ、「愛のある」逆レイプを施すように。
主人公
180cm/76kg/32歳 一人称:僕、二人称:アヤノ
会社員、彼女できない、合コンに行けない(対人関係があまり得意じゃない)、アンドロイドを買う、戦闘モードに移行して自分の身を守ってくれたアンドロイドに興奮
アヤノ(女性)一人称:私、二人称:君
シリアルナンバー:SZ711004002AMUP(工場/年度/週/曜日/通し番号/種別/その他オプション:pheromone)
価格:14,758,000円
主人公が購入した春霞重工製アムルダード型アンドロイド。身長162cm、外見年齢は22歳を想定されている。主人公の好みになるように調整されたフェミニンな容姿をしており、華奢な見た目に反して胸はやや大きめで、太ももや臀部にも柔らかな特殊シリコンが用いられており、女性らしさを強調した機体。骨格はチタン合金で形成され非常に頑丈、人工筋肉も、その出力は最大で成人男性の3倍近くにのぼる。外部クラウドと連携したデータ通信と、高度に演算が可能な頭部のコンピュータにより、普段は温厚な女性らしく振舞ったり、他の人間と対話を行うことが可能。ただし、災害などの緊急時や、オーナーの身に危険が迫った時などは人間らしく振る舞うことよりも状況を改善することにリソースが割かれ、突然非人間的(機械的)になる。3月11日生まれ。
舞台設定・あらすじ
近未来、人型ロボット(アンドロイド)が実用化され、人間と見分けのつかないアンドロイドが珍しくなくなった時代。
会社員の主人公は、年齢=彼女いない歴の童貞。生真面目で仕事熱心、顔も悪くなく、上司からの評判はよいのだが、女性と話すことが大の苦手で、これまで女性とは無縁の生活を送ってきた。
そんな自分を変えようと、彼は個人用アンドロイド販売店に行き、性格分析などから得られたデータをもとに、彼好みのオーダーメイドのアンドロイドを購入し、アヤノと名付ける。温厚な性格で、いつも彼のことを献身的に支える彼女と共に暮らすことで、男は少しずつ女性に対する恐怖心をなくしていき、肉体的なふれあいを通じて彼女との絆を深めていった。
ある日、主人公とアヤノが街に出かけたところ、男が席を外している隙にアヤノは三人の男に囲まれてナンパをされてしまう。地味な女性で、かつ男性の目を引く体つきをしているということで狙われてしまったアヤノ。主人公はアヤノを助けようとするも、彼自身の臆病がたたり、その態度を男たちに舐められて相手にされない。
路地裏に連れ込まれ、主人公の目の前でいよいよアヤノが乱暴されそうになった時、彼女は自己防衛プロトコルに従い、いつもの穏やかな彼女から一変、戦闘機能をフルに使い、男たちを撃退し主人公を守る。それを目の当たりにした主人公は、アヤノが人の形をした機械であることを再認識すると共に、彼女の人間離れした力強さにひどく興奮を覚える。
その夜、彼はアヤノに「レイプしてくれ」と懇願する。彼女は昼間のように豹変し、男を犯す。男は、自分の意のままに動く、か弱い女性のようなアンドロイドに犯されている事実に劣情を催す。アヤノもまた、そのようなコミュニケーションの形態を男が求めていると学習し、そのように振る舞うことで、男はますます彼女に溺れていくことになる。
その他
・なんで「インセパラブル」なの
"Insepa-Lov-able"の根っこには"inseparable"(離れられない)の意味を込めました。アヤノから離れられなくなるというストーリーの道筋は立っていたので、この段階で大体決まっていました。あとは"love"や"loveable"(愛すべき)といった意味合いも込めてスペルを変えています。
・アンドロイドの型名が変なんだけど
ゾロアスター教の神の名前が由来です。
・性癖が漏れちゃった箇所
いろいろあるんですけど、その中でも特にこだわったポイントを…
(0)女体に慣れるためにまずは素股
個人的な性癖です。
(1)スーパーの店員型アンドロイド
閉店後に店長に陵辱されているという設定なんですが、この後日談を書こうとして全く筆が進まなかったです。
(2)アヤノがサッカーボールを蹴るシーン
「男の子ってこういうのが好きなんでしょ?」と言いながらなんでもできる嫁。僕は好きです。
(3)途中に挟まったアニメ
メカバレ系は普段あまり書かないのですが、書いた当時は興が乗ったんだと思います。
人工知能が声を当てているという描写がありましたが、あと30年くらいしたら本当にそんな世界が来ているんじゃないでしょうか。もっと早いかもしれませんが。
(4)お風呂場での素股(また?)
アンドロイドなら自分で膣口の開閉を制御できてほしい。
(5)突然人格がオフになるシーン
「ヒト」と「ヒトの形をしたモノ」の境界が見えると興奮します。
(6)入院中にアヤノが自らの思考を開陳するシーン
アヤノは病室の外で二人の会話を立ち聞きしていたという設定があります。残り香の描写はそれを示唆したつもりです。
むふふ
アンドロイドが登場するアダルトPCゲーム(エロゲ)をいくつかご紹介させていただければと思います。18~20歳くらいの時にエロゲにのめり込んだのですが、どれも私に大きな影響を与えました。全て自信を持っておすすめできるので、もしお時間と懐に余裕がある方は是非ともやってみてください。
1. 美少女万華鏡 -神が造りたもうた少女たち-
https://www.dlsite.com/pro/work/=/product_id/VJ009474.html
初めてプレイしたエロゲ自体がこれだったと思います。ロープライス(3000円弱)でボリュームもイラストもフルプライス並みです。二体のアンドロイドがメインヒロインですが、トランジスタグラマーのアリスと線の細い大和撫子のドロシーの対比がいいです。
奔放な性格ながらもテンプレートのツンデレっぷりで甘えてくるアリス、やや控えめな性格ながらも独占欲の強いドロシーにひたすらに甘えるだけのエロゲですが、スチームパンク的な背景や退廃的な雰囲気漂う独特の世界観が非常に魅力的だと感じます。
2. 淫靡蕩少女 -抗いし純真なる少女-
https://www.dlsite.com/pro/work/=/product_id/VJ010016.html
4作品あるシリーズ物の最終話という位置づけですが、前3作をプレイしていなくても全く問題なくプレイできます。何者かによって意識だけをロボット(アンドロイド)の体に転送させられたリリィという名の女性、そして主人公を献身的に支えるアンドロイドのアザレアがメインヒロインになります。
ストーリーが非常に面白いと思います。深くは掘り下げませんが、軸となる「データ化した人間の意識は人間と言えるのか」の話題は当時18歳だった私の心に深く刺さりました。いわゆる叙述トリックものだと思うのですが、その点もかなり巧みに構成されていておすすめできる一作です。全く関係ないですが、in vitro(試験管内の)というイディオムはこの作品で知りました。
3. 淫靡蕩少女 -羽ばたきし鳥籠の天使-
https://www.dlsite.com/pro/work/=/product_id/VJ009442.html
2で紹介した作品の一つ前(つまり三作目)の作品になります。セクサロイドのローゼルと、声の出ない施設管理用アンドロイドのディアがメインヒロインです。こちらも「抗いし純真なる少女」と同様のテーマで進んで行きますが、より閉鎖的な環境で話が展開します。
「抗いし純真なる少女」の後にプレイするとやや物足りなさを感じるかもしれませんが、世界観を十分に補完する内容になっております。「抗いし純真なる少女」も「羽ばたきし鳥籠の天使」も、イラストは申し分なくエロいです。
2,3のいずれも、ヒロインとのエロシーンに力点を置いたアペンドディスクが出ているのでそちらは実用向きだと思います。
(※ついでに言うと、割と軽めのゲームのようで性能が心もとないノートパソコンでもサクサク動きます。)
4. トリノライン
https://dlsoft.dmm.co.jp/detail/minori_0005/
エロゲ界隈では有名なminoriの作品です。メインヒロインの「七波シロネ」がアンドロイドです。主人公の亡くなった妹とそっくりな容姿を持つも、彼女は兄を愛し、自分とそのモデルになった人間の妹との間にある隔たりを意識しながら成長していきます。
正直な感想としてはわりと救いのないバッドエンド寄りなので(そして展開が急なので)、そういうのはちょっと……という方にはあまりお勧めできないのですが、イラストがとにかく肉感的でこれぞザ・エロゲという感じなのでやってみる価値は十分にあると思います。
もう一人のヒロインである宮風夕梨は不治の病に冒されており、こちらのルートでは治療のために全身を義肢にする話があります。彼女が手術をするために住んでいる島を離れている間に、主人公は彼女をトレースした人工知能の「ユーリ」とイチャイチャして一悶着あり……という話なのですが、身代わりAIに彼氏を寝取られる系の話はあまり見たことないので新鮮でした。
三人目のヒロインである紬木沙羅はシロネを開発した張本人なのですが、彼女も自分を二人にするために自分の分身である人工知能を開発し、それが後々思わぬ方向へ……という話になるのですが、こちらは人工知能の人ならざる思考がより見えるストーリーになっており、割と面白いのではないかと思います。
登場するアンドロイドはシロネのみで、そのルートも万人ウケするタイプではないと思うのですが、アンドロイド(もしくは人工知能)とかなり近い距離で交流する様子が描かれているという意味ではトップクラスだと思います。
5. R.U.R.U.R 〜ル・ル・ル・ル〜 このこのために、せめてきれいな星空を
https://dlsoft.dmm.co.jp/detail/views_0357/
巨大な宇宙船にたった一人取り残された少年イチヒコと、彼を取り巻く「チャペック」と呼ばれる人型ロボットたちとの話です。
長らく休眠状態に置かれていたイチヒコを見つけた女性型アンドロイドたちが、彼を育てるためだけに、自らに与えられた固有の役目と並行して家族のフリをして過ごします。幼なじみ、姉、母親、学校の先生など、彼は多くのアンドロイドに囲まれて過ごしますが、そのうちふと自分の置かれた状況に違和感を感じ始めます。
彼に本当のことを伝えたくないと考えるアンドロイドと、本当のことを伝えるべき(そして自分に課せられた役目を思い出させるべき)と考えるアンドロイドたちとの抗争に、イチヒコは巻き込まれていくことになります。
全体を通して「星の王子さま」などの異国文学のフレーズが散りばめられた、幻想的な雰囲気が特徴のゲームです。セリフ、モノローグ、幕間、タイトル、音楽、ゲームの世界を構成する要素ひとつひとつにこだわりが感じられます。
キャラクター固有のストーリーにも一本のブレないテーマが据えられており、「物語」として楽しむ上で非常に重要な要素だと思います。性行為をただのコンテンツとして消費するのではなく、一人と一体がお互いに親しくなるために必要なものとしてストーリーに据え置いている点で白眉だと思います。(個人的にはイチヒコが通う学校の先生役である「R-コバトムギ」のルートが一番良かったです)
それぞれのチャペックたちに際立ったヒロイン属性があり、どのキャラクターも非常に魅力的です。イラストに関してもそそるものがありますので、是非一度お手にとってみてはいかがでしょうか。
6. Missing -X- Link
https://dlsoft.dmm.co.jp/detail/dmmgames_0090/
これまで紹介した中では最も新しい作品になります。アンドロイドの登場キャラクターは主人公を献身的に世話するアンドロイドの姫風露と、その先行機という立ち位置の散桜花になります。姫風露ルートは最後に救いがあり、散桜花ルートは救いがありません。(散桜花さん、キャラが立っていてもっと話に食い込んで欲しいのに登場シーンが少ないのが残念……)
主人公の姉である優灯ルートがあるのですが、そちらのラストが一番ディストピア感があって良いと思います(?)
アンドロイドものということで紹介させていただきましたが、個人的に一番好きなのは主人公の友人である水城遊離のルートです。チェスがこの物語のキーになる要素なのですが、ストーリーテリングが非常に巧みだと感じました。
遺伝子操作を施されて誕生した主人公の姉・優灯、そしてそれとそっくりの容姿を持つエディテッドの遊離、人工知能の開発に優灯が関わったというアンドロイドの姫風露、そして主人公を取り巻く個性的な顔ぶれは、どれをとっても物語を動かすのに欠かせない要素であると感じます。
メインのアンドロイドの他にも、病院で稼働するアンドロイドなどが登場したり(端役ではなく1エピソード単位でガッツリ関わってくる)と近未来の世界観になっています。 攻略するヒロインが多いので大変ボリュームがある一作です。
最後までお読みくださりありがとうございました。来月号の内容はは未定ですが、何か読んだ本の感想でも書こうかと思います。あとは以前500円プランの方に掲載させていただいた、おばさんアンドロイドに悪戯する少年の話を載せます。男の娘アンドロイド×高校生の男の子の話も書いてはいますが、なかなか長くなりそうでもう少し時間がかかるかもしれません……😢