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妹が炊飯器になれば、おいしいご飯が炊けるかもしれない 後編

「さて……どうしようか」 英輔の視線の先では、 (あはああんっ、あっ、ああんっ、あたしの中、あついのっ、もっとっ、きもちいいのっ、ああんっ、ああっ……) 快楽を求めるかのように、その熱に当てられた炊飯器が、ぶるぶると震えている。きっと元の良子の姿なら、その顔を快楽にとろけさせて、身をよじらせて喘いでいることだろう。 「……見ない方が、いいよなあ」 英輔と良子は、兄妹である。しかし、義理の兄妹だ。 案外仲がいいので、多少のエッチなスキンシップはあるけれど、これはちょっと一線的に微妙なのでは? と、割と冷静に考えた。 そして考えた結果。大人しく奥で待機しておこうと、そのまま部屋の向こうへ体を向けて— (ああんっ……い、行かないでぇっ……兄さん、ここにいて、くださいっ、んああっ……) 「や、でも……」 (ひとりにしないでっ、寂しいのっ、せつないのぉっ……体中熱くて、ビクンビクンして気持ちよくて、でも、やああっ、一人はやああっ! ああんっ、お、おねがいですっ、そ、側にいてよぅっ……) 「……でもなあ」 義妹のエッチな声が聞こえる、そして、ここに居ろと言われる。理性が持つかはギリギリ怪しいラインだ。 だから、 「……理性が持たないかもしれないし、ちょっとイタズラするかも……」 (いいですからっ、ああっ、エッチに触ってくれたら、いいからっ、ああんっ! お願いしますっ、兄さんっ……!) 「……分かったよ。そこまでいうなら。でも、遠慮しないからな」 (来てっ、来てええっ……) 熱に、炊飯器としての本能に当てられているのだろう。どう見てもいまの良子は、普段の真っ当さを失ってしまっている。 しかし、確かにその声は色っぽい。 「ボタンを押したら、ああ、炊飯が止まっちゃうのかな……まあ、軽くなら大丈夫か」 (あんっ、兄さんっ、だめっ、それだめえっ、止まっちゃうっ、ごはんできなくなっちゃうから、ああっ、やめっ、んにゃあああっ!) 「……わかってるよ。ほら、だからボタンの先っぽをコリコリするだけ」 (らめれすっ、それ、おかしくなるっ、兄さんっ、だめえ……!) 「ダメじゃないさ。せっかく炊飯器になってるんだから、炊飯器のいいところ、完璧に教えてやるよ……まあ、俺も知らないけど」 (ひゃああああんっ、あっ、やあっ……) 「……まあ、泣いてもわめいても絶頂はさせるから、そのつもりでな」 (やああああっ……) 喘いでいるような、しかし、若干期待しているような声に、英輔も少し興奮した様子で、 「……たとえばさ、この白いボディも、結局腹回りってことだよな」 (やっ、やああっ、さわっちゃやだっ、兄さん、あんっ) 「……びんかんなぶぶん見せびらかして、おなかも隠さずに、体中俺に見られて……エッチな声上げて……」 (い、言わないでっ、あんっ、んっ、ふぁあっ……んひゃああああっ⁉) そうして快楽の中に羞恥心が戻ったところで、再び優しく全身を撫でまわすのだ。 「……大丈夫、俺しか見てないからな。俺にだけ、気持ちよくてエッチなとこ、全身、良子の全部、俺に見せてくれ、ふふっ」 (あ、ああああっ……) 言葉攻めとも打って変わって、今度は優しい言葉で安心させる。すると、さっきまでの全身に対する愛撫が、遅れたように効果を発揮するのだ。パンパンと軽くたたかれて、こわばっていたはずの全身が、打って変わってとろけたように、英輔の手のひらに吸い付いてくる。 もっとも、今の良子は炊飯器なので、材質的には変わらないはずだが…… それでも、炊き上がり直前の良子は、もう体中のあちらこちらがとろけそうなものになっていて、 (あああんっ、だめっ、兄さんっ、それ以上はダメっ、こんなに触られたら、蕩けちゃうっ!ご飯がお粥になっちゃうっ、だめっ、んああああっ!) 「おかゆでもいいさ。良子が作ったお粥なら、大丈夫。それっ! これはどうだ?」 (やああんっ、あっ、やああっ、あっ、おなかにキスしちゃやあっ……恥ずかしいようっ……) 実際恥ずかしいようで、炊飯器の後ろの方からは湯気が立ち上ってきていて。 「おお、そろそろ出来上がるみたいだな。気分はどうだ?」 (兄さん、にいさんっ、だめっ、わたしっ、わたしもう、もうっ!) 「イキそうか?」 (うんっ、ああんっ、わたしっ、イク、行きますっ、兄さんっ、ああっ、やああっ!) すでに炊飯器はカウントダウンを始めていて、残り数秒で完成を示していて。 偶然かねらい通りか、出来上がりの音楽とともに、 (んやあああああああっ、イクっ、イッチャうぅぅっ! 兄さんっ! ああっ、ふぁああああっ!) ……新品の炊飯器は、ちょっとだけ汚されたかもしれない。 「……だから言ったじゃないですか。兄さん。お粥になっちゃうって」 「ああ、まあ……」 三十分後。食卓にて。元に戻った良子がジト目で告げた。 総菜の唐揚げをつまむ二人は、白米にしてはちょっぴりぐちゃっとした、お粥じみた食事をしていた。水を入る線を間違えた英輔のミスである。初めての自炊は、失敗も多い。 ……まあ、それでも。 「わ、私の中でできたお粥ですから、美味しく食べてくださいね?」 「……おう」 夕食としては、そう捨てたもんでもあるまい。


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