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新築祝い ②

正確にいえば、備え付けのスピーカーから声が聞こえてきたので、どうやら物品化した後の意思疎通を、最近は頑張っているようだ。そのくらいの装置、詩音ならできても普通だろう。 ただ、今回聞こえてくるのは喘ぎ声のみ。 「やっぱり……机に化けてごまかそうとしたのね。私が言ったのはインテリアのテーブルよっ、誰が勉強机に化けろって言ったの!」 「はあんっ、やめてえっ……美織ちゃんのッ、中でかき回さないでぇっ……」 「いかがわしい言い方をするな! ……え? 感じてるの? まあ、元は人間だから、そこが女性器だったりするのかしら?」 誤解を招く言い方に、カチンときた美織は、鍵の開け閉めを早めてみた。本来鍵穴は壊れやすい。雑に扱うのは褒められたことではない。 しかし、友人が変身しているとなれば、美織に一切の躊躇はない。 事実、本気で快楽から逃げようとするように、無機質な机が、ほんのわずかに揺れる。 「んやああっ! あっ、らめっ! 美織ちゃんっ、らめっ、それほんとっ、あんっ、アアンッ!」 どこからどう見ても一般的な木製の勉強机。しかし、喘ぎ声だけがどんどん大きくなっていく。 「ひぎいっ⁉鍵穴の部分っ、私のおマンコになってるからあっ……うひゃああっ⁉   机のライト触っちゃらめええっ!」 「ねえ、ライトの部分は人間でいうどこなの?」 「く、クリトリスと乳首……んにゃああああ⁉ 美織ちゃんっせめちゃいやっ、やだあああっ♡♡♡」 「ふふん、敏感な部分が集まってるのか。ここがダメなのね……それえっ!」 「はあああんっ、おかしくなるぅっ♡♡♡」 声とともに、ガタガタと震える勉強机。 そして、それに呼応するように、机に対応している椅子にまで変化が生じてきた。 「あれ……椅子におマンコが生えてる。どしたのこれ」 「はあっ……はあっ……急いで変身したから……っ、まだ不完全で……んはあああっ⁉美織ちゃんっ!」  「なるほどねー。でもよかったわ。せっかくだし、きちんとイカせてあげたかったし」 イタズラっぽく笑う美織に、椅子に空いている穴がひくひくと応じる。 穴からはうっすらとみつが垂れていて、早く早くとせがんでいるようにも見えた。 これが学者たちの前ではクールな博士を気取っているのだから、驚きである。 「らめっ、いれないでっ、かきまわさないでっ! へんになっちゃうからああっ!」 「もともと変でしょ。いまにいたっては人間ですらないわ」 そういう美織は、しかし嬉しそうに、楽しそうに、机に対して頬ずりをする。全身が性感帯になっているのか、それだけで机は軽くはねた。 「いじわる、言わないでぇっ……わたしっ、アアンッ、もうっ……ダメェっ……イクっ、イッちゃううっ……んっ、ふぁああああっ……んあああああ⁉」 そしてこの日、美織は人類で初めて、机を絶頂させるという偉業を成し遂げた。 「んあっ、美織ちゃんっ、好きぃっ……」 「こらっ、抱き着くなっ。まったく」 机から人間の姿に戻った詩音は、久しぶりに感じた人はだがよっぽどうれしかったのか、美織の体に抱き着いて、猫のごとく匂いを擦り付けている。 このところ彼氏もいなかったそうなので、物寂しかったのだろう。美織としても、そこは理解できなくもない。モテ期というのはいつ現れるか分からないので、そこに関しては突っ込まない。 しかし、 「美織ちゃんっ、美織ちゃんにも気持ちよくなってほしいようっ……」 「あ、あんた何取り出してんの、いまから家具買いに行くんでしょ!」 「やだもんっ、美織ちゃんだけすっきりしないのだめっ」 詩音はどこからか取り出した小瓶の薬剤を、何の躊躇もなく飲み干し、 「んっ、ふぁああっ、ううっ……」 ビクンビクンと体を揺らしながら、またしても詩音の姿が変わり始める。 そして、 「バイプって……あんたねえ……」 これでも詩音は天才科学者なのである。世界が注目する世界最先端を行く天才なのである。 美織としては、彼女の背を追いかける科学者たちに憐みしか抱けない。 バイプというか、ディルドに近い。男性器を模したアダルドグッズだ。電動式のためにウインウインいうらしい。 「い、いれてよぅっ……いれて、一緒に気持ちよくなろうよぅっ……」 「……しゃあないわね」 さて、新築に響く声は、一人暮らしとは思えぬ優れた家により、防音としても最適である。 「んッ……ああっ……もうつ、どうして引っ越し祝いでオナニーしなくちゃいけないのよっ、アンッ……」 「ふぁあっ、美織ちゃんのなか、すごいのっ、いれてよっ、早く中につっこんでほしいようっ……」 「ほら、中に入りたいんでしょう?」 「うんっ、うんっ、はいりたいっ、入ってとろとろになりたいのっ、お願いっ……美織ちゃんの中にあたしを突っ込んで、無茶苦茶にしてえっ……!」 「はいはい……んっ」 美織が自分の秘所にディルドを突っ込むと、 「んあああっ、はいったっ、みおりちゃんのなかっ、あったかいようっ、ふぁああっ⁉」 「はああっ、あんっ、電源、入れるわよ……っ」 「らめえっ、それおしちゃらめえっ」 「ふうん。ダメなの。じゃあ、押すわね」 「ふぁあああっ! やめてっ、けいれん、とまらないのっ、だめっ、体中震えてだめっ、はあああっ、ふぁああああっ!」 「んっ、んああっ、んっ、ああ、ダメ、これダメっ、ほんとあんた、感度だけは優秀なアダルトグッズなのね……っ、そろそろイクから、ほんと、あんたもぐちょぐちょになりなさいっ」 「ふぁあああっ!だめ、あたしっ、んっ、んんんんんんっ⁉」 愛液をまき散らしつつ絶頂をむかえる美織、しかし、アダルドグッズは電動。 絶頂したから止まるとか、そういう仕様では断じてない。 「んっ、だめっ、美織ちゃんっ、スイッチ、切ってええっ……」 「んっ、だめっ、まだ、まだまだたのしませてもらうわよっ、んんっ……」 結局、新築の家が最初に汚れたのは、友人の愛液という少々ずれたものになったという。


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